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プロパイロットによる事故例・メーカー・車種・価格|使えない

更新日:2023年11月29日

現在自動車メーカーが力を入れて開発しているプロパイロット。そのプロパイロットの仕組みや各メーカー・車種ごとの違いと気になる購入時の価格帯、そしてプロパイロットを使ったことによる事故やそれに伴う今後の法律整備など問題を含めお話しています。

プロパイロットによる事故例・メーカー・車種・価格|使えない

プロパイロットとは?

プロパイロットとは最近話題の自動運転システムのことです。人間の運転操作によるミスを、車がカメラやセンサーなどによって認識し、運転手に対して警報をならし、それでも間に合わない場合にブレーキ操作をしてくれる運転支援システムをさらに進化させたシステムです。

その数々のセンサーからの情報をもとにして、ハンドル・アクセル・ブレーキ操作を車が自動で行い、車線中央を保ちながら、前を走行する車との車間距離を一定に保ちながら走行してくれるシステムです。

ちなみに現在日本で採用されているプロパイロットの多くは高速道路単一車線自動運転システムというもので、自動運転レベル2と言われています。試乗してみると非常に便利なシステムですが、コンピューターのシステムは人間の作ったものなのでどこかに穴があることもあります。どんな危険な部分があるのでしょうか。

プロパイロットによる事故例

プロパイロットは非常に便利なシステムですがときには重大な事故につながってしまうこともあります。自動運転に絡んだ事故といえば、最近ではテスラモーターズの車が死亡事故を起こしてしまったことが記憶に新しいです。

一般道での停車中の車両への衝突事故と、中央分離帯にそのまま突っ込んでしまい不運にも運転手が亡くなってしまった死亡事故です。両事故ともに自動運転を作動させた状態での事故が認められており、自動運転への危険性が物議をかもし、いまだにテスラモーターズは信頼回復ができていません。

その他にもマツダのCX-5が緊急ブレーキのデモ走行中、システムが作動せずにフェンスに突撃してしまう事故もありました。プロパイロットや緊急ブレーキは天候や環境によってその性能が大きく左右されます。現在のプロパイロットはまだ、運転支援システムでしかありません。

プロパイロットの事故の責任は誰?

プロパイロットは自動運転と言われているので、事故の際にはシステムを作ったメーカーに責任があるのではないかという考え方も出ています。しかし、前述のとおり、自動運転レベル2である高速道路単一車線自動運転支援システムは、車の加減速とハンドル操舵の両方をあくまでシステムが支援的に操作します。

そのため基本的に運転支援システムであり、運転手がハンドルから手を話してはいけません。さらに事故の際の責任は全て運転手であると定義されているため、何かあった時の全責任は運転手のものとなります。

プロパイロット搭載車の国産メーカーは?

プロパイロットは発展途上の技術であるため各メーカーが試行錯誤をしながら研究し、進化させている最新の分野です。そのため各メーカーごとに、より良い方法を模索しているため、カメラやセンサーの使い方や制御方法が違います。

では実際に、プロパイロットを搭載しているメーカーごとの仕組みと性能をご紹介していきます。

日産

やっちゃえ日産や自動運転は日産というキャッチコピーで最近名前を轟かせている日産です。電気自動車だけでなく自動運転にも力を入れており、プロパイロットというネーミングは日産の自動運転システムの通称名です。

自動運転システムというよりもネーミングがわかりやすいのでココではプロパイロットで統一させていただきます。日産のプロパイロットは単眼カメラと車体の四方についたカメラ、前後についた音波センサーで周囲を認識しています。

設定範囲は時速60km~100kmの間となっており、時速55km以下の速度でも、前を走る車に追従する形でハンドル・アクセル操作を行い最終的には停止まで行う渋滞時自動追尾システムが搭載されているため自動運転と言われております。

ちなみに、プロパイロット作動中にハンドルから手を離した場合5秒程で警報がなり、それでもハンドルを握らない場合はプロパイロットが解除される仕組みになっています。

ホンダ

最近はN-BOXやN-ONEといった軽自動車のイメージが強くなってきているホンダです。昔から良いエンジンを作りつつ、も内装などにもうひと頑張りのほしい質実剛健な日本人らしいクルマづくりをしてきているメーカーです。最近ではN-WGNで軽自動車初の予防安全性能でASV+を獲得するなど、自動運転というより安全性に力を入れていると言えます。

そんなホンダのプロパイロットはミリ波レーダーと単眼カメラで周囲を確認しています。ミリ波レーダーで車間距離を認識し、カメラで歩行者や車線を認識しています。プロパイロットの設定範囲は時速65km~100kmの範囲となっており、この範囲であればアクセル・ハンドル操作をして前の車に追従して走っていきます。

しかし、低速時のハンドル支援がないため渋滞時には追従とは行かず、厳密にはプロパイロットではありません。

トヨタ

日本を走っている車の半分以上はトヨタ車であり、間違いなく日本を代表する自動車メーカーのトヨタです。プリウスやアクアといった燃費の良いハイブリッド車を多く出しています。しかし、緊急ブレーキやプロパイロットは消極的なのかあまり参入しておらず、高級車のみに搭載するなど、他のメーカーに比べて多少見劣りしてしまうところがあります。

トヨタのプロパイロットはホンダと似ており、ミリ波レーダーと単眼カメラ、車体の四方についたカメラで周囲を確認しています。ミリ波レーダーで車間距離を認識し、カメラで歩行者や車線を認識しています。

プロパイロットのハンドル操舵範囲は時速50km~100kmの範囲となっております。この範囲であればアクセル・ハンドル操作をして前の車に追従して走っていきます。ただ、渋滞時の自動追尾はないのでプロパイロットとは言い難いです。

スバル

安全装備に定評のあるスバル。緊急ブレーキはアイサイトっていうと通じるくらいにまで緊急ブレーキを浸透させたメーカーです。スバルはステレオカメラ(双眼カメラ)によって前を走る車との車間距離を認識します。

他メーカーが単眼カメラと画像処理で距離を割り出している中、人間の目のように2つのカメラで作動しているため正確な動作をしてくれます。国産メーカーの中では一番最初にカメラを使った自動追尾を採用していました。

設定範囲は時速0km~120kmの間となっており、前を走る車に追従する形でハンドル・アクセル操作を行い最終的には停止まで行う渋滞時自動追尾システムが搭載されています。

ちなみに日産と同じでプロパイロット作動中にハンドルから手を離した場合5秒程で警報がなり、それでもハンドルを握らない場合はプロパイロットが解除される仕組みになっています。

プロパイロット搭載車種

では実際にプロパイロットが搭載されている車を上げて紹介していきます。今回は各メーカーの主力商品で市場が非常に熱いミニバンで比較していきます。

スバルにはミニバンのラインナップがないためワゴン車のレヴォーグでご紹介していきます。

日産 セレナ

日産セレナは8人乗りのミニバンで、日産の主力車種です。最近では日産ノートに採用されていたe-powerユニットが搭載されたことにより、さらに話題をよんでいます。

セレナに搭載されているプロパイロットは、フロントガラスに設置された単眼カメラと車体の四方についたカメラ、前後についた音波センサーで周りを認識し、自動運転を制御しています。

設定範囲は時速60km~100kmの間となっており、時速55km以下の速度でも、前を走る車に追従する形でハンドル・アクセル操作を行い最終的には停止まで行う渋滞時自動追尾システムが搭載されているため自動運転と言われております。

ちなみにプロパイロット作動中にハンドルから手を離すことは禁止されており、手を離してから5秒ほどで警報がなり、それでもハンドルを握らない場合はプロパイロットが解除される仕組みになっています。

日産 エクストレイル

エクストレイルはセレナと同じく、日産の国内販売を支えている主要車種です。そのエクストレイルに搭載されているプロパイロットですが、ほぼセレナと同じ作動をします。しかし後方から来る車を認識し、ドライバーに教えてくれるシステムが搭載されており、自動運転の次の段階への付箋を感じられます。

その他に自動運転として搭載されているパーキングアシストと言うショッピングモールでの駐車や縦列駐車などをサポートしてくれるシステムがあります。上から見下ろして見えるアラウンドビューモニターで駐車スペースの白線を認識し、そこに合わせてハンドル操作をします。

ブレーキ操作やギアチェンジなどは運転手が操作しなくてはなりませんが、障害物はソナーで確認し、危険があれば運転手に警報を鳴らすため安心して任せることができます。

トヨタ ヴォクシー

トヨタはヴォクシーで比較していきます。ヴォクシーといえばトヨタのミニバン、ノア・エスクワイア3兄弟の中で一番売れており、単体でもセレナの販売台数を超えてしまうほどの力の持ち主です。

そのヴォクシーですが、プロパイロットは残念ながら設定されていません。レーザーレーダーと単眼カメラによる緊急ブレーキシステムのみとなっております。レーダーとカメラの複合により前方の車体や人、車線を認識し、必要に応じて警報とブレーキを支援してくれるシステムとなっています。

残念ですがプロパイロットを期待して購入する場合は他メーカーを選ぶしかありません。

ホンダ ステップワゴン

ホンダステップワゴンはセレナと同じ8人乗りのホンダの主力ミニバンです。実は最近追加されたハイブリッドモデルは日産セレナのe-powerを同じようなものを搭載しています。あまり話題にならないのが残念です。

さて、ステップワゴンのプロパイロットはメーカーごとの違いで紹介したとおりで、ミリ波レーダーと単眼カメラ、車体の四方についたカメラで周囲を確認しています。ミリ波レーダーで車間距離を認識し、カメラで歩行者や車線を認識しています。

プロパイロットの設定範囲は時速65km~100kmの範囲となっており、この範囲であればアクセル・ハンドル操作をして前の車に追従して走っていきます。ただし、セレナのように低速時のハンドル支援がないため渋滞時には追従してくれません。

スバル レヴォーグ

スバルレヴォーグは数少ない国産メーカーの5人乗りのワゴン車です。1.6Lターボと2.0Lターボで実用車とスポーツグレードを使い分けています。

メーカー紹介で話したとおりで、ステレオカメラによって前を走る車との車間距離や車線などの情報を認識しています。設定範囲は時速0km~120kmの間となっており、前を走る車に追従する形でハンドル・アクセル操作を行い最終的には停止まで行う渋滞時自動追尾システムも搭載されています。

アイサイトのカメラは色も識別しており、信号の色や前方を走る車のブレーキランプなども認識しシステムに反映させており、他メーカーに比べ一歩進んだ技術を搭載しています。

(レベル3)アウディA8

ちなみに海外では既に自動運転レベル3(条件付き自動運転)が展開されている国もあります。そんな中ドイツの自動車メーカーアウディは同社のラグジュアリーセダンのA8で自動運転レベル3を搭載したことで話題を読んでいます。

もちろん条件付き自動運転ということなので緊急時や交通状況、天候によっては運転手が運転しなくてはなりませんが、ついに車が周囲を確認し自動で運転してくれるようになりました。

しかし、現在日本では法律の整備が追いついていないため自動運転レベル3は展開できません。そのため自動運転レベル2まで搭載されたA8が発売になります。

プロパイロットが使えない要因

いろいろなメーカーが力を入れて開発しているプロパイロット。ですが最初の方で話したとおりで事故を起こした事例もあるなど、まだ万全とは言えないシステムです。

そこでプロパイロットが使えない場面を3つの要因から見ていきます。

各センサー・カメラの限界

まずはセンサーやカメラの性能限界です。プロパイロットで前の車両を追従するときに使われているのが、ミリ波レーダーかカメラです。

ただこれらの弱点として、ミリ波レーダーはまっすぐしか飛ばない、カメラは天候に左右されてしまうといったことです。例えば高速の入り口などカーブが続いて、前方の車両が認識できなくなる事があると、車は前方の車両がいなくなったと判断し急に加速をはじめ、制御が追いつかなくなる危険があります。

次にカメラは雨や雪など天候、逆光などで周囲を確認できないことがあります。最初から作動してなければ問題ありませんが、走行中に突然逆光で前方が確認できない場合など、突然プロパイロットが解除されることがあるので、ハンドル操作が突然必要になったりと危険な目にあってしまうことがあります。

システム上の限界

現段階のプロパイロットを大まかに説明すると、カメラで白線を認識しセンサーで前方の車両についていくという仕組みのみなので、道路状況に合わせた運転をしてくれているわけではありません。

そのため追従車がいない場合、急な下り坂や急なカーブでも速度を落とさなかったり、白線が認識できなくなると急にハンドル操作をやめたりと、思いの外危ないこともあります。プロパイロットを使う場合はそういったシステム上の限界を考慮して、安全に使わないと危険です。

インフラの限界

現存しているすべての道路が例外なく、同じような規格で白線もきれいに整備されており、合流などもある一定のルールの元でできていれば問題ありませんがそうもいかないため、道路には必ずそれぞれ違いがあります。

白線がきれいに引かれていなかったり、カーブがその他の場所に比べて急であったり、高低差が激しかったりと想定外の場所は多々あります。先程のシステムの限界でも話したとおりで機械は人間のように柔軟に動いてはくれないので想定外のでき事は全て対応できません。最終的には我々の操作が必要です。

プロパイロットの搭載車種の価格の目安

では最新の運転システムであるプロパイロットを搭載した車種は、どのぐらいの価格で買えるのでしょうか。実際にプロパイロットが搭載された車の価格を簡単にご紹介します。ちなみにヴォクシーはプロパイロットは搭載されていないのでココでは省きます。

セレナ

プロパイロット搭載車として代表的なのが日産セレナです。セレナは標準状態にセーフティパックBというオプションを装着することでプロパイロット機能を搭載することができます。搭載した車両の価格帯としては290万円~390万円となっています。

ステップワゴン

他の2メーカーと比べると機能が若干劣りますがステップワゴンもプロパイロット搭載車です。ステップワゴンはホンダセンシング搭載グレードを選ぶことでプロパイロットが使えます。価格帯としては250万円~380万円となっています。

レヴォーグ

ほぼ同じ装備を搭載している車種としてスバルレヴォーグがあります。こちらの場合は全グレードに標準でツーリングアシストという名前でプロパイロットが標準装備されています。

価格帯としては290万円~400万円とほぼセレナと同じような価格となります。

プロパイロットは今後に期待!

現在のプロパイロットは高速道路単一車線自動運転の自動運転レベル2です。日本政府は2020年の東京オリンピックまでに条件付き自動運転のレベル3を達成という目標を掲げ、法律も含め日々改善されています。そんな中、国内メーカーもそれに合わせて車を進化させてきています。

事故のない安心した車社会を作り上げていく中でプロパイロットは非常に大きな役割を担っています。まだまだたくさんの課題がありますが、各メーカーの開発に期待が集まっています。

初回公開日:2018年05月14日

記載されている内容は2018年05月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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