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自転車のスポーク交換|方法・工具・交換費用・所要時間

更新日:2024年03月06日

スポークが知らない間に曲がっていた、いたずらで折られた。自転車の中でも比較的壊れにくいスポークですが、古くなってくるととてももろくなってしまいます。いつまでも乗り続けたい自転車のメンテナンスの一環としてスポーク交換に挑戦してみませんか。

自転車のスポーク交換|方法・工具・交換費用・所要時間

スポークとは?

自転車のホイールにはハブ(車軸)からリム(タイヤのあたりの金属製の輪っか)まで、太さ2㎜弱の棒が無数につけられています。これらは「スポーク」と呼ばれ、ハブとリムの位置関係を決めるために使われています。また、ママチャリなどではめったに行いませんが、ゆがみなどの修正が容易で、また耐久性にも優れているなどの利点があります。

しかし、実際一本一本の強度は微々たるもので特に曲げには弱いです。鍵がかかった自転車のペダルを思いっきり回すいたずらなんてものもあり、やられると最悪スポークが5本ほど折れてしまいます。そうなるとホイール自体にゆがみが生じ、乗っている時にかなり振動が発生します。

しかし、スポークの交換は技術的にかなりの費用を請求されることもあります。そこで、「自転車の見た目をぐっと良くしたい」「少しがたがたが気になるんだけど」というような場合「よし。自分で直してみよう」という方に向けて自転車のスポークを交換する方法を解説していきます。

自分で自転車のスポークを交換するポイント

費用

早速ですが、自分で自転車のスポークを交換する場合、どれくらいの費用が掛かるのかというところからです。

・タイヤ起こし
まずスポークの交換はタイヤ・チューブを外して行います。タイヤを外すのには一般にタイヤ起こしという工具を使うのですが、自転車であればわざわざバイクや自動車用の立派なものでなくても百均で売っています。

金属製のものとプラスチック製のものがあるのですが、金属製はチューブに傷をつけることが多いので、プラスチック製をお勧めします。いずれも2本セットで100円ほどで手に入ります。

・ニップル回し
次にスポークを外すための工具です。スポークを外すにはニップルという特殊な小さなナットを緩めなければいけないのですが、たいていの人は工具を買うのを渋ってモンキーレンチやマイナスドライバーで回してしまいます。

しかし、これをやってニップルを壊すと外れなくなってしまうので、取り外しにはニップル回しという工具を使うようにしましょう。1,000円近くする高いものもあるのですが、たいていは500円以内で買える金属製の輪っか状の形のもので十分です。

・スポーク
最後にスポークです。スポークは基本的にすべてセットで交換になるのでばら売りというのはありません。あってもとても高いです。スポークは大体36本セットのものと72本セットのものがあり、36本で1輪交換することができます。ネットでは一般的な長さで36本だと1500円ほど、72本だと2700円ほどです。

また、折り畳みなどの比較的小径のホイールの自転車はそれよりも少ない場合があります。念のため、数を数えておくようにしましょう。

ママチャリなどの一般的な自転車では、14番と言われる太さのものが使われています。一部の自転車では13などもあるのですがたいていは14です。ノギスを持っている場合は、もともとのスポークの太さから調べてください。

長さも重要です。実物を測ればいいのですが、長いこと乗ってきた自転車であれば計算しなおすことをお勧めします。いずれもネットで調べるといくつかサイトが出てきます。どうでしょうか。工具は意外と安く手に入りますが、スポークがそれなりにかかってしまいます。

ホーザン(HOZAN) ニップル回し ニップルレンチ ♯10/12/13/14/15 C-120

リムの組み立て、振れ取り時にニップルを回す工具です。※アルミニップルには使用しないでください。

DIYでのスポーク交換

自転車の修理では、スポークの交換は重要かつかなりめんどくさい作業です。ですが最近では、ロードバイクだけではなく、ママチャリやシティサイクルのスポーク交換を自分で行う人も結構いらっしゃいます。ママチャリでもスポーク交換は定番のネタとも言えます。

DIYとして挑戦するのであれば、とりあえずハブ交換やリム交換でのスポークいじりはしないようにしましょう。スポークの交換だけであれば、一本ずつ交換ということもできますが、ハブやリムは全てのスポークを外す必要があるため難易度が高いです。

自転車のスポーク交換のやり方

スポーク交換に必要な工具

費用のところでも紹介しましたが、スポーク交換にはタイヤ起こしとニップル回しがほぼ必須になります。高いものではないので揃えておいても損はないです。また、本来であれば調整のためのバランサーと呼ばれる台があるのですが、なかなか高いものですので無理に買う必要はありません。

ロードバイクなどであればかなりの精度で調整が必要なのですが、ママチャリ程度であれば目で見て少し振れてるかな程度でも全然問題ありません。

スポーク交換の手順

1.タイヤを外す
まずタイヤを外します。前輪であればホイールごと外してタイヤを外すのが楽です。後輪は、ホイールが簡単に外せる場合は取るべきですが、取りにくい場合はパンク修理の時みたいにずらしておくだけでもいいです。

外す前に自転車を逆さまにしてください。ちょうどハンドルとサドルでバランスが取れるはずですが、リヤタイヤの泥除けが地面についてしまう場合は、先にサドルを伸ばしてからにします。ホイールを外した場合はフレームのもとの場所に戻しておいてください。(振れ撮り台がない場合)ねじ止めはしなくてもいいです。

2.スポークを外す
スポークを交換します。ここではハブ・リムの交換は解説しないので1本づつ交換していきます。まずニップル回しでニップルを緩めてください。錆びていて回らないなどの場合は5-56などで外します。最悪スポークを切っても構いません。順番は指定しませんが、もともとの編み方を覚えながら抜いてください。

3.スポークを入れる
抜いた個所にもともとと同じ編み方でスポークを入れていきます。まずは、ハブに通してから入れていきます。多少曲げないと入りませんが、無理に曲げると戻らなくなるので、変形が残らない程度に曲げます。

4.振れ取り
後は2~3の繰り返しです。すべてのスポークを交換し終わったら、振れ取りをします。自転車のフレームの上で空転させるとたいてい左右に振れると思います。スポークを締めたり緩めたりして振れを取ります。ロードバイクなどの場合はフレームではなく、振れ取り台を使って正確に作業することをお勧めします。

左右にスポークがついていますので、リムを動かしたい方向のスポークについているニップルを締めるとリムが動きます。ただし、締めすぎると今度は外径が変わってしまいますので、ニップルの後ろから穴の中に「1mm」くらいのところにスポークの頭が見えるあたりにします。

左右の振れは「+-1mm」以内、外径は「2mm」程度にまでできれば、ママチャリでは困ることはありません。最後にタイヤをはめて自転車に組み付けておわりです。

ニップルは買わないとダメ?

スポークの端ッコについている部品、ニップルは通常再使用しない部品です。基本的には外したら新品と交換ということになるのですが、通常スポークを買うとニップルもついてくるので、わざわざそろえる必要性はありません。

後輪のスポークを換えたいんだけど、自転車から外さないとダメ?

スポークを交換するにはタイヤを外さなければいけません。前輪であればナットを緩めて空気を抜けばすぐにホイールが外れるのですが、後輪はチェーンがかかっていたり、ハブのブレーキがいたりと取り外しがかなり面倒です。

外してやるのが理想的ですが、自転車につけたままでもできないことはありません。その際にはタイヤとチューブをずらして行うので、巻き込んで切ったりしないようにしましょう。また、チェーンの油などは極力つけないようにしましょう。スポークを付け替えた後の振れ撮り作業は、タイヤとチューブを戻して行うことになります。

ママチャリのスポーク、交換するべき?

最近では1万円自転車といって、名前通り1万円前後のママチャリも売られています。そういう自転車を乗っていて、壊れたところを直していって結局もう一台買えるくらいの金がかかったということもざらです。

しかしママチャリをレストアしたり、全塗装したりと最近ではママチャリでもシティサイクルでもしっかり維持していこうという人は多いです。交換するのにお金をかけるくらいなら、もうちょっといい自転車を買うわという人は換えるのも手ですが、少し機械いじりに興味があるという人は、ママチャリでもいじってみると面白いでしょう。

ハブを交換してみたいんだけど

ママチャリでは普通はしませんが、ロードバイクやクロスバイクではより抵抗の少ない軽量なハブに交換することもあります。ママチャリで同じようなことをやっている人もいますし、変速機を後付けする人もいます。ただ、組み方がわからなくなったり、スポークの長さの計算が難しかったりと難易度は高いです。前調べをしっかりして慎重にやりましょう。

サイクルベースあさひでのスポーク交換費用は?

スポーク交換がめんどくさいという場合は、もちろん自転車屋に持っていくことも可能です。
一例として「サイクルベースあさひ」では「振れ取り/スポーク交換525円+部品代」となっています。スポークは1本50円~100円なので、手間を考えれば案外安くやってもらえます。ちなみに、全てのスポークを外してハブやリムを交換する組み換えは5,000円を超えます。

スポーク交換にかかる時間はどのくらい?

自転車のスポーク交換には結構手間がかかります。まず、タイヤを外さなければいけません。慣れていれば3分もかからないのですが、初めてだったりすると5分以上かかります。

そしてスポークの付け替えです。折れたスポークを交換するのであれば、まずもともとのスポークを取り除き、ほかのところのパターンに沿って組んで最後にニップルでしめるという作業で、慣れていればこれまた3分ほどでできます。初めてでも5分ほどでしょうか。


全て交換する場合は結構な手間がかかります。もともとのスポークを外すのに20分ほどです。位置決めして正しい組み方でスポークを組んでいくのに40~50分ほどかかります。初めてであればトータルで2~3時間はかかります。

最後に振れ取りです。一部を交換しただけであればあまり手間はかかりません。ママチャリであれば、走れる程度になるまでに数分で終わらせれます。ただ、全部交換したりロードやクロスバイクだったりすると、振れ取りにも結構な時間がかかります。初心者だと1時間くらいかかってもおかしくない作業です。

スポーク交換は自分でやるべきか

スポーク交換に不安を感じるのであれば、できる限り自転車屋に頼んだほうが安全で確実です。しかし、DIYの一環としてやってみたいと思うのであれば、まずは振れ取りだけやってみるのもいいでしょう。どんなことでも、整備していると自然と愛着がわくものです。ママチャリだから、安かったからではなく自転車を大事に乗ってあげてください。

初回公開日:2017年09月26日

記載されている内容は2017年09月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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