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消えたスパイクタイヤ!|スパイクタイヤとスタッドレスタイヤの違い

更新日:2024年01月02日

冬になるとドライバーの人は雪や凍結でスリップの危険性が高まります。スパイクタイヤならある程度は安心して運転できますが、現在はほとんど見かけることがありません。便利でドライバーからも使用を求める声が多いのに、どうして禁止されているのか理由を紹介しましょう。

消えたスパイクタイヤ!|スパイクタイヤとスタッドレスタイヤの違い

消えたスパイクタイヤ!

自動車を運転していて特に注意が必要だったのは、雪道での運転でしょう。雪道ではタイヤがスリップしてハンドルやブレーキが効かなくなり、事故を起こしやすくなります。

最初の頃はタイヤに鉄製のチェーンを使用していましたが、タイヤに巻くのも時間と手間がかかり、チェーンを装着してもスリップを起こす雪道に対処するため、考案されたのがスパイクタイヤです。

スパイクタイヤはチェーンのデメリットを改善した画期的な商品でしたが、どうして現在は使用されなくなったのでしょうか。

運転中にスリップした場合の状況は

冬場に車を運転している時にスリップすると、最初にブレーキを踏んでも全く効果がなく、ブレーキを踏むと余計に激しくスピンしてしまい逆効果になってしまいます。

またハンドル操作も通常の動きでは滑っていくだけなので、通常とは反対方向にハンドル操作をすればいいのですが、スリップしている時にハンドルを逆方向にするのはとても勇気が必要になるでしょう。

普段は雪が降らない場所で降雪が起きると追突事故が頻発するのは、スリップをした時に急ブレーキを行って余計に滑ってしまい、ハンドルもいつもと同じ方向に動かしてしまうために車が停止してくれないからです。

スパイクタイヤとは

スパイクタイヤとはタイヤそのものから金属製の尖った鋲が出ていて、その鋲が道路の路面を完全に引っ掻いてくれるため、スリップが起きにくくなる冬用タイヤです。

チェーンと違ってタイヤに巻くのではなく、内部から出ているために切れるといった心配がなく、ある程度の速度で走行することも可能でした。このスパイクタイヤは雪道ではない道路でも走行できるため、春になっても装着したままのドライバーがいました。

スパイクタイヤがなくなった理由

スパイクタイヤは道路に鋲が食らいついて走行することになるため、路面が削られて雪や氷がなくなると削れた路面が粉塵になります。この粉塵が大量に発生するために鼻炎や喘息といった健康被害を訴える人が続出したり、道路が削られるため走行が著しく悪くなりました。

道路を管理する自治体などから維持管理費用が莫大になるといった問題が噴出し、法律によってスパイクタイヤは一部地域を除いて使用は禁止されたため、現在はほとんど見ることがありません。

スパイクタイヤとスタッドレスタイヤの違い

スパイクタイヤが使用禁止になって登場したのはスタッドレスタイヤであり、今では冬用タイヤと言えば誰もがスタッドレスタイヤと認識しています。

雪道や凍結した道路で使用する点ではスパイクタイヤと同じですが、このスタッドレスタイヤでは道路を傷つけることがなく、粉塵が発生することもありません。

スタッドレスタイヤは普通のラジアルタイヤと同じように見えますが、冬で使うためにどのような違いがあるのでしょうか。

夏用タイヤが雪道などでスリップする理由とは

夏用のラジアルタイヤが雪道などで滑るのは、雪や氷で道路とタイヤとの摩擦係数がなくなってしまうからです。タイヤというのは路面に接触することで起きる摩擦があるから進めるのだあり、その摩擦が無ければ当然に進めなくなります。

ただ、この摩擦係数が無くなるのは雪や氷が直接的な理由というわけでもなく、この雪などが溶けて路面にできる水の膜でしょう。

そして寒さのためにタイヤが本来であれば持っている弾性が失われ、固くなってしまうために滑りやすくなる一因になっています。

スタッドレスタイヤが雪道などで滑らない理由

スタッドレスタイヤには深い溝が夏用タイヤよりも多くあり、この溝が雪道などで発生した水の膜を溝に取り入れ、タイヤの表面が路面に接地するようにしています。

また材質も夏用のラジアルタイヤに比べて低温に強くなっていて、気温が低くてもタイヤの弾性が失われなくなっているので、路面の接地面が大きくなって滑りにくくなります。

スタッドレスタイヤは冬以外でも使用できるのか

スタッドレスタイヤはスパイクタイヤのような鋲がなく、温かくなっても公道で使用することができます。ただしタイヤの弾性が弱いため、路面が普通の状態では接地面が大き過ぎて燃費が悪くなります。

また材質そのものが柔らかいので、冬でない時期に使用すると消耗度が激しくなり、直ぐにタイヤ交換が必要になるでしょう。そのため、冬を過ぎればラジアルタイヤに交換するこのが適切です。

スパイクタイヤは自作できるのか

スパイクタイヤとはタイヤにスパイク(鋲)があるという意味であり、技術があって工具が揃っていれば自作できると考える場合もあります。鋲に関してはホームセンターや工具の販売店で入手できますし、工具も専門的なものでなくても十分に可能でしょう。

公道をスパイクタイヤで走行することは禁止されていますが、広大な土地を所有しているような人が自分の私有地で使用するには問題がりません。このスパイクタイヤというのは、自作して使用することは可能なのでしょうか。

スパイクタイヤを自作

実際に製品化されたスパイクタイヤを自作で製作するのは困難ですが、既存のラジアルタイヤに鋲が付いたシートのようなものを巻き付けて、簡易的なスパイクタイヤを自作するのは可能です。

ラジアルタイヤは冬場に使えないことはないので、そのタイヤの表面に鋲を打ち付けたゴム製やラバー製の素材であれば、それをうまくタイヤに固定できればスパイクタイヤとして使用できます。

問題なのはどうやってタイヤに固定させて駆動したエネルギーをうまく伝えるかということであり、技術や知識の無い人が自作しても、走行途中で外れたりして使い物にならないでしょう。

タイヤに穴をあけなくてもいい商品

スパイクタイヤというとタイヤに穴をあけて、そこに金属製の鋲を入れて固定するという製品が多いのですが、穴をあけないスパイクタイヤもあります。

穴をあけないのはチェーンのようにタイヤに装着するものであり、その表面に金属製の鋲が付いていて、スパイクタイヤと同じ原理です。

この製品はタイヤに直接巻くために装着と脱着を繰り返す必要がありますが、チェーンよりも滑りにくく、丈夫で簡単には切断しないという利点があります。

スパイクタイヤは使用できる場所と条件に注意

スパイクタイヤは公道での使用が一部地域を除いて禁止されているため、現在では使用できる場所が制限されています。そのため使用したいのであれば場所を選ぶ必要があり、事前に使用していい場所かどうかの確認の必要があるでしょう。

また、スパイクタイヤは冬になればいつでも使えるというものではなく、冬場であっても使用に適した条件が存在しています。

現在はスタッドレスタイヤが主流になっていて、スパイクタイヤの使用場所や条件については認識不足の人もいるので、どうすればいいのか紹介しましょう。

スパイクタイヤが使用できる場所とは

スパイクタイヤは全面的に禁止されていると考えている人が多いのですが、実は日本国内で全面禁止になっているわけではありません。

スパイクタイヤは公道での走行が禁止されているので、舗装されていない私有地であれば使用できます。また、北海道の一部地域では条例で期間限定ですが、スパイクタイヤを公道で使用できます。

使用条件は豪雪地帯でスタッドレスタイヤやチェーンでは車の移動が困難な場所であり、スパイクタイヤ使用許可地域かどうかは、インターネットを使えば簡単に検索できます。

スパイクタイヤを使用できる条件とは

スパイクタイヤの欠点は鋲によって道路が削られ、それによって大量の粉塵が発生してしまうためです。つまり、使用しても粉塵が出なければいいという意味です。

スパイクタイヤの使用許可地域が豪雪地帯という理由は、雪や氷の厚みでスパイクタイヤの鋲が路面まで到達しないからです。スパイクタイヤは道路の路面に食いつかなくても、踏み固められた雪や厚みのある氷であれば十分に交換が得られます。

豪雪地帯ではスパイクタイヤの鋲が雪や氷の厚みで路面に当たらないと仮定しての使用許可なので、現在は除雪や融雪施設が完備されている道路が多く、雪や氷が少ししかなければスパイクタイヤは使用しない方がいいでしょう。

スパイクタイヤが禁止された理由を考えよう

運転は自分の世界を堪能できますが、常に道路の周囲には誰かがいることを頭に入れておかなければ活けません。スパイクタイヤが禁止されたのもドライバーの意思ではなく、周辺住民への配慮からです。

スパイクタイヤは冬場にはとても威力を発揮してくれる優れものですが、どうして禁止になってしまったのか熟慮することが大切になります。スパイクタイヤだけでなく、道路を利用する人は自分さえよければいいという考え方を捨てる努力が必要です。

初回公開日:2018年11月27日

記載されている内容は2018年11月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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