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初心者でもわかるエンジンの仕組み・スペックを読み取ろう

更新日:2023年12月07日

自動車などに搭載されているエンジンとはどのようなものでしょうか。ここではエンジンの種類などから仕組みやスペックを読み取り、エンジンとはどのようなものか、またエンジンの性能とは何かを考えながら、エンジンとは何かを紹介します。

初心者でもわかるエンジンの仕組み・スペックを読み取ろう

エンジンの種類

エンジンにはどのような種類があるのでしょうか。ここではエンジンの種類について紹介します。

レシプロエンジン

エンジンとして一般的なのが、「レシプロエンジン」です。「レシプロエンジン」には、「ガソリンエンジン」と、「ディーゼルエンジン」があります。

ガソリンエンジン

ガソリンエンジンは、ガソリンを燃料として動き、自動車やオートバイなどに搭載されています。ガソリンエンジンはシリンダーの中へ気化した燃料と空気を混合して取り込んで燃焼させ、シリンダーの往復運動を回転運動に変えて動力を生み出す仕組みです。

ガソリンエンジンは、「吸気」「圧縮」「燃焼」「排気」の4つの行程で、1回爆発する、「4サイクルエンジン」と呼ばれるものと、「吸気」と「圧縮」を1工程、「燃焼」と「排気」を1工程、合わせて2工程で1回爆発する、「2サイクルエンジン」に分かれます。

4サイクルエンジンは主に自動車、2サイクルエンジンは主にオートバイなどに搭載されていますが、4サイクルエンジンよりも、弁機構がない2サイクルエンジンは小型になります。

ディーゼルエンジン

ディーゼルエンジンは軽油を燃料として動きます。エンジン構造はガソリンエンジンと似ていますが、ディーゼルエンジンには燃焼のためのプラグがなく、吸い込んだ空気をシリンダーで圧縮し高温になった時に、燃料の軽油をシリンダー内に噴射すると自然着火して、シリンダーを押し下げて動力を生み出す仕組みです。

ディーゼルエンジンは点火プラグがないので、高圧の電気発生をする必要がなく、電気装備が不要となります。ただ軽油はガソリンに比べ着火しにくいので、始動する場合には、グロープラグという装置で余熱をする必要があります。

ディーゼルエンジンは大きなトルクを出すことができるので、トラックなどに使われています。欠点としては排気ガスの煙が多くなることと、エンジン音が大きいことです。

ロータリーエンジン

マツダが開発したエンジンが「ロータリーエンジン」です。ガソリンを燃料とすることはガソリンエンジンと同じですが、ガソリンエンジンがシリンダーの往復運動を回転運動に変えて動力を発生しているのに比べ、ロータリーエンジンは回転のみで動力を発生する仕組みです。

ロータリーエンジンはシリンダー内が円形になっていて、その中でおむすび型のローターが回転する仕組みです。ローターは中心部分からずれて取り付けられ、ローターの先がシリンダーの内側を沿うように回転することで「吸気」「圧縮」「燃焼」「排気」を繰り返します。

ガソリンエンジンが往復運動を回転運動に変換して動力得る仕組みに対し、ロータリーエンジンは回転運動で動力を得る仕組みですので、ロスのない動力が得られます。

エンジンの仕組みとは?

エンジンの仕組みはどのようになっているのでしょうか。ここではエンジンの仕組みを紹介します。

4サイクルのレシプロエンジンの仕組み

レシプロエンジンのシリンダー上部には、「バルブ」と呼ばれる弁が2個ついています。2つのバルブは、吸気行程で開く「吸気バルブ」と排気行程で開く「排気バルブ」と呼ばれます。これらのバルブは、卵のような形をした「カム」という部品で「ロッカーアーム」と「バルブスプリング」という部品を挟んで、それぞれ間接的に押す仕組みになっています。

このカムが回転する事でロッカーアームを押し上げて、ロッカーアームがバルブスプリングを押し下げることでバルブが押され開閉する仕組みです。この「カム」がついているシャフト(棒)を「カムシャフト」と呼びます。

混合気を圧縮するものが、「ピストン」と呼ばれるもので、これに接続されている「クランクシャフト」と呼ばれるものが、回転する車軸に接続されています。

エンジンの仕組みスペックを読み取ろう

エンジンには色々な仕組みに対してスペックが表現されています。ここではエンジンの仕組みのスペックについて紹介します。

直列

自動車などのエンジンは1つのシリンダーでは出力が不足するため、いくつかのシリンダーを接続して高出力エンジンとして使用します。この接続方法の一つが「直列接続」と呼ばれるもので、自動車のエンジンはほとんどが直列接続されている仕組みです。

エンジンのシリンダーを直列にした場合には、「死点」と呼ばれるエンジンが停止する点があるため、これを回避するためにピストンの位置をずらしています。そのためエンジンの点火するタイミングもエンジンの回転に合わせてずらして、滑らかな回転になるようにセッティングされています。

直列接続の利点はシリンダーが縦に並んでいるため、エンジンの大きさがスリムになり、エンジンルーム内が広く使えることです。

4気筒

エンジンのシリンダーを表現する際に、「気筒」と呼ぶことがあります。自動車などのエンジンなどはいつくかのシリンダーを組み合わせているので、この組み合わせを数字で表します。一般的な組み合わせが「4気筒」と呼ばれます。

しかし4気筒エンジンは気筒同士のバランスをとることが難しい面もあり、エンジンの死点をつくらないように工夫されていますが、若干の振動が出てしまうのは仕方がないことです。これは4気筒エンジンの問題点であり、各自動車メーカーの今後の研究課題です。

現在走っている普通自動車のほとんどが4気筒のエンジンを搭載しているのは、4気筒だとボンネットにちょうど収まるサイズであることと、エンジン出力もある程度出るためです。

2.0リッター

エンジンの性能を表す言葉が「排気量」です。2.0リッターというと、ピストンが一番下に下がった状態の時のシリンダー内の容積を表します。2.0リッターというと、2000ccということです。

実際の排気量は表記されている数値より少なく設定されています。2000ccなら1997ccとなります。これは排気量で自動車税が決まるので、少なめに設定しておかないと、自動車税があやふやになる場合があるからです。

2000ccクラスの自動車はエンジンルームも大きくなります。そして排気ガスも多くなっています。排気量はただ大きいだけではなく、自分が使いやすく使いやすい自動車を選んでいくことで、自分に合った自動車を選ぶことができます。

水冷

エンジン内は混合気が燃焼すると高温になります。このままでは燃焼した熱でエンジン自体が膨張してしまい、破損してしまいます。これを防止するのがエンジンを冷却する仕組みです。冷却する仕組みには「水冷」と「空冷」があります。

自動車のエンジンは水を使って冷却する水冷と言われる仕組みが採用され、エンジンの前に「ラジエータ」と言われる冷却装置があります。この中には冷却水が通るようになっていて、エンジン内からの熱くなった水を冷やすようになっています。

冷えた水は循環してエンジン内に戻って、エンジンを冷やします。エンジンのスペックを見て、「水冷」と表記されている場合は、冷却水の循環によってエンジンを冷やす仕組みを表しています。

ターボってなに

「ターボ」という言葉を聞きますが、どのような仕組みででしょうか。ここではターボの仕組みを紹介します。

ターボの仕組み

「ターボ」は「ターボチャージャー」の略語で、日本語では「過給機」と表現され、エンジンのシリンダーに強制的に空気を送り込む仕組みのことで、エンジンの排気量以上のパワーを出すことができます。

ターボの仕組みはガソリンを燃焼させて出た排気ガスをマフラーから排出する前に「タービン(羽根)」に送り込み、この排気ガスを受けて同じ軸につながっている吸気側の「コンプレッサー(風車)」が回りだし、空気を圧縮してキャブレターへ送り込みます。

エンジンへ送り込む空気の量が増えるとより大きな爆発を行えるようになり、排気量以上のパワーを出せるようになります。しかし圧縮した空気は熱を熱を持ちますので、インタークーラーという冷却装置で冷やすことで効率の良い空気を送り込むことができます。

エンジンの仕組みをきちんと理解しよう

エンジンの仕組みは簡単ではありません。シリンダーとピストンも摩耗しないように、エンジンオイルで潤滑、冷却されています。吸気バルブや排気バルブもエンジンがスムーズに回るように細かい調整がされています。

それだけエンジンは高度な技術の上で研究されて自動車などに搭載されます。つまりエンジンは自動車メーカーの技術力の結晶といえます。10数年のエンジンと比べると、最新のエンジンは機能も増えて使いやすくなっています。

軽自動車からスポーツカーに搭載されているエンジンは、その車の性能を100%出せるように設定されていますので、車に何となく乗るのではなく、エンジンの仕組みをきちんと理解していると、運転する楽しみも増えてきます。

初回公開日:2018年12月20日

記載されている内容は2018年12月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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