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エンジンブローの原因・修理の仕方・症状・車両保険は出るのか

更新日:2024年01月11日

エンジンブロー、聞き慣れない言葉でしょう。エンジンが、重大な故障を起こして壊れる事を言います。整備工場などに、知り合いがいないと普段に使う用語ではありません。この記事では、エンジンブローの意味や原因から修理方法まで詳しくご紹介しましょう。

エンジンブローの原因・修理の仕方・症状・車両保険は出るのか

エンジンブローの原因

エンジンブローは、エンジンが重大な故障を起こして壊れてしまう事を言います。この状態になると走行不能や、最悪の場合は再起不能状態に陥ってしまいます。このような重大な故障に陥ってしまう原因やそこに至る時の前兆などを詳しくご紹介しますので、知っておきましょう。

前兆

エンジンブローの前兆はさまざまな事象の発生がありますので一概には言えませんが、エンジン起動時や走行時に普段とは違う感覚があったならばエンジンブローを疑うべきです。

一番多い前兆としては「エンジンから異音がする」、「加速が急に遅くなる」、「エンジンアラームが付きっぱなし」などです。これらの事象がまったくなくブローする場合も多くはありませんが、発生する場合もあります。

症状

エンジンブローの前兆から次の段階のブローした時の症状は、「排気ガスが白い」「異臭がする」「エンジンから異音がする」「オイルはあるが圧が上がらない」などが発生します。このような症状がでた場合は迷わず修理に出しましょう。そのままにしておくと修理不能に陥ることが予測されます。

原因

エンジンブローの原因として一番多いのがエンジンオイルの不足です。エンジンオイルはエンジン内に循環されていて、各金属パーツの部分に潤滑して摩擦を少なくする役目があります。

このオイルが不足していると金属磨耗が激しくなり、やがて高温となり最後に金属同士が溶着してしまう事もあります。こうなると内部の研磨やエンジン交換などの大きなアクシデントとなります。

メタル

エンジンブロー時の症状を前項でご説明しましたが、最も重症なのが金属部分の破損が大きなアクシデントです。エンジンのシリンダー内にはクランクシャフトが数本あって、エンジン起動時には上下しています。このクランクシャフトを支えるベアリング部分を「メタル」といいます。

この部分はエンジンの中で最も重要な部分で、オイル不足などでメタル部分が破損するとクランクシャフトの上下が停止してエンジンが停止します。こうなると最重大な故障となり、エンジン交換となったりします。

エンジンブローの修理の仕方

ある日突然、エンジンが不調を起こして壊れてしまいました。おそらく慌ててディーラーや修理工場に駆け込んで相談をされるでしょう。その結果、エンジンブローと告げられて最悪の事態となってしまいました。

こんな状況で修理方法はあるのでしょうか。この場合は3つの方法が考えられます。まずは修理をあきらめて故障のまま売却する、別のエンジンを乗せ変える、オーバーホールして修理する、が上げられます。

この章ではそれぞれの方法を詳しくご紹介しましょう。

エンジン乗せ替え

エンジン乗せ替えは、簡単にはできません。高額な費用と修理期間が必要です。乗せ替えには、まず方法を選ばなければなりません。新品のエンジンや中古のエンジンまたは再生エンジンかのどれかを決めなければなりません。それぞれの方法毎の費用を下表にまとめましたので、ご参照下さい。

普通自動車軽自動車外国車(輸入車)
エンジン乗せ替え費用 (エンジン本体、工賃)10万から60万10万から50万20万から80万 以上の可能性あり

オーバーホール

オーバーホールの修理を選ぶ方もおられるでしょう。オーバーホールはエンジンを完全に分解し、それぞれのパーツを修理や交換、機能を回復させる修理方法です。そのため費用と期間は、エンジン乗せ替えよりも膨大になることもあり得ます。

特にオートマチック車の場合は、分解しての修理ができない場合が多いです。このオーバーホール修理については、修理工場と十分に打ち合わせを行って下さい。

壊れた車の買取り

エンジンブローした車については、エンジンのせかえやオーバーホールが考えられることです。しかし、載せ替えやオーバホールが高額過ぎてできない場合はにどうしたら良いのでしょうか。このような場合には、廃車をしなければならないと考える人も少なくはないでしょう。いざ、廃車するにしても数万円の費用が必要です。

このように困った時最近では、エンジンが壊れた車や大きな事故を起こした車を専門に買取をする業者があります。部品などに値段がつきますので、数万円で引き取ってもらえる場合もあります。あくまで、エンジンブローにより修理などが不可能な場合の最終的な方法である事を申し上げておきます。

エンジンブローのときに起こる症状

エンジンブローはほとんどの場合が壊れる前兆が現れます。この前兆を見過ごしてしまうと、エンジンブローに行き着く事となります。エンジンブローになるといろいろな症状が発生します。この症状についてご紹介しましょう。

白色の排気ガス

エンジンブロー時の排気ガスは、普段の透明の排気ガスより白色の排気ガスが出ます。白色の排気ガスが出る原因は、エンジンオイルがエンジンから漏れてガソリンと混じり燃えているからです。白色の排気ガスは、走行中やアイドリング時にもかかわらずエンジンブローを疑った方がよいでしょう。

悪臭がする

エンジン付近からゴムが焼け焦げたような悪臭がする場合は、エンジンブローをます疑って下さい。また、この悪臭が走行中に深刻な影響を及ぼしてしまう可能性が高いので安全な場所に停車してすぐに修理依頼をしなければなりません。

オイル圧が異常

オイルが不足していないのにオイル圧が上がらないような事象も、エンジンブローが原因であることが多いです。この場合も重大な故障と考えて、速やかに修理に出して下さい。

エンジンブローに車両保険は出るのか

ある日突然、エンジンが故障してとまってしまった。詳しく検査した結果、エンジンブローと診断されました。この場合、車両保険の適用についてはどうでしょうか。正直、よくわからないと答える人がほとんどでしょう。

基本的な事ですが自動車保険は事故による損害は保障されますが、エンジン故障などの場合は保証除外と決められています。ですから、エンジンの経年劣化によるエンジン故障は適用外なので保障はされないと言うことです。

ただ一つ救いの手があります。メーカーにはエンジン部分など基幹部分には保障が長期間定められている場合があります。メーカー保障を受けられる可能性がありますので、一度ディーラーに相談されて下さい。

定期点検が必要

車両保険の補償では、さすがに老朽化やメンテ不足によるエンジンブローは適用されません。日頃からのメンテナンスを注意して行っておく必要があります。特にオイル交換には気をつけなければなりません。また点火プラグやピストンの焼付けにも、関心を持たなければなりません。整備点検を普段行っていれば、通常エンジンブローにいたることはそんなにありません。

保険適用なしを自覚しよう

車両保険では、エンジンブローなどは補償されない事を今一度自覚して下さい。そうなりますと、ご自分の運転の仕方に気をつける事がまず必要ではないでしょうか。

車に優しい運転こそが、エンジンブローを防ぐ一つの手段でしょう。また日頃の点検や、メンテナンスを徹底する事も大切になります。保険適用をあてにしないでご自分でやれる事を行いましょう。

車種別エンジンブローを防ぐ対処法

エンジンブローを防ぐ方法は、定期点検を必ず行ってエンジン部分のメンテナンスを日常から行う事です。また、異常の発見が簡単にできる警告やメータを普段から注意して確認する事も大切になるでしょう。ご自分での確認事項と、車種別の予防法を詳しくご紹介しましょう。

水温メーター

水温メーターは、ラジエーターの温度を示すメーターです。適性な温度は、70から95度が目安です。100度を超えていると、オーバーヒート状態です。常にオーバーヒートに近い状態にあると、エンジンにかなりの負担がかかっていますので好ましくはありません。

油温メーター

油温メーターはエンジン内のエンジンオイルの温度を表示するメーターです。適性な油温は、水温よりプラス10度が目安とされています。油温が上昇するとオイルの粘度低下、酸化や劣化が急速に進行します。ちなみに常に油温が130度を超える場合はオイルクーラーが必要となります。

オイル量

エンジンオイルの量は、エンジンブローで一番多い原因となっています。普段の定期点検やご自分での確認が非常に重要な事になっています。おそらくオイル交換をディーラーなどで定期的に行われているでしょうが今後も続けてください。できれば、乗車前にオイル量の点検を日々行っていただく事をします。

ロータリーエンジンの耐久性

ロータリーエンジンが、レシプロエンジンよりも壊れやすいとされています。その大きな原因は、エンジンがかなり高温になるために壊れる一番の要因だとされています。

ロータリーエンジンは構造上ローターが回転しながら原動力を生み出します。直接回転運動を作れますので効率は非常に良いのですが、反面熱の発生が非常に大きくなります。

この発生熱がエンジンの各部分にダメージを与え続けてエンジンブローの繋がります。発生する熱のコントロール対策が、耐久性の向上に繋がります。

ロータリーエンジンは高温

ロータリーエンジンが、レシプロエンジンに比べて高温になる原因は3つ上げられます。これらの原因について、詳しく解説しましょう。

エンジン中心部

エンジン中心部はエンジンオイルだけでエンジンの熱を吸収します。エンジンの外周は、冷却水だけで熱を吸収する方式です。このように分離型の冷却方法です。

対してレシプロエンジンは、エンジンオイルだけで中心部と外周を同時に冷却する方法です。このように、同時冷却型よりロータリーエンジンは冷却効率が劣る要因となっています。

冷却効率が悪い

RX7とRX8は、エンジンとラジエターの位置が他の車種にはあり得ないほどの高低差があり抵抗力も大きく、冷却水の循環効率が悪すぎます。

また、エンジンの熱を吸収する冷却水が高温になる最大の原因は冷却水中に大量に気泡が発生してしまうことが原因です。気泡は密閉状態の部分では消えず、また気泡の動きが鈍いので膨張状態になってしまい循環が悪くなって水温が上昇してしまいます。

エンジンオイルに影響

エンジンの熱を吸収しているもう一つの油、エンジンオイルは現在おおまかに分けて化学合成油と好物油の2種類になります。化学合成油は分子が細かく、放熱性能が悪いです。鉱物油は分子が大きいので放熱性能が良いです。

ロータリーエンジンの場合、冷却方法が分離型なのでレシプロエンジン以上にオイルによる冷却作用の役割は大きく、また高温なので冷却できるエンジンオイルを使用することがベストです。

冷却水対策

冷却水の循環効率が良くなれば、水温も安定します。たとえば水温上昇がしたとしても短時間であれば、水温が下がり安定します。具体的な対策方法は、冷却水内の気泡を除去することです。この気泡を除去するために次の方法を行うと、効率的な対策となるでしょう。

1.閉状態解消のため空気を取り込めるリザーブタンクを設けて、気泡を動けるようにします。
2.主軸の水路からバイパスホースをつけて、リザーブタンクと繋いで気泡を動かします。
3.気泡を消すためリザーブタンクに圧力キャップをつけ、圧力により気泡を消します。
4.気泡を圧力で消す時は大きな力が発生するので、リザーブタンクは金属製が望ましいです。

エンジンオイル対策

エンジンオイルの対策は、かなり難しいです。実際のところエンジンオイルの製品に気をつけて選ぶことしか対策はありません。となりますと、エンジンオイルをどのように選ぶのでしょうか。特に重要なのが、使用する車のエンジン特徴を理解することです。

ロータリーエンジンの特徴は、エンジンの中心部はオイルだけで熱を吸収しています。他のエンジンより、高温となるなどの特徴があります。結論としまして、ロータリーエンジンオイルは高温に強い事が必須となります。

RX8

RX8のエンジンブローについてはいろいろ言われているが、実はその原因が解明されています。それは、排気メカニズムが難点とされています。排気ポートがローターのサイドに開けられていて、そこからならに曲がって排気されます。

この排気ポートの構造が原因で、カーボンが溜まりやがては排気ガスが滞って異常燃焼となりエンジンブローの道をたどります。このような、エンジンの構造的な原因の対策は現実は不可能です。

では、対処法はないのでしょうか。冷却水対策で、改造などの対処法は残されています。冷却水のリザーブタンクの改造や水路ホースのバイパスなどですが、費用面ではかなりの出費になるでしょう。

最後に残る対処法が、エンジンオイルをロータリーエンジンに対応しているものを選びエンジンの高温防止策とする事です。

レッドシード ロータリー専用オイル

レッドスピードエンジンオイルは高出力のロータリーエンジンに協力な油膜を形成しタービン、シール類を協力に保護します。ロータリーエンジンのポテンシャルを最高まで引き出し、エンジンブローを防ぐす極めつけの専用オイルです。

RX8用 オイルフィルター

RX8用に、製造されたオイルフィルターです。優れたろ過性能や長寿命とともに、フィルター内部の金属箇所を減らした熱対策と環境にもやさしいオイルフィルターです。エンジンブロー対策にはエンジンオイルと合わせてご使用下さい。

RX7

RX7のエンジンブローについては、同じロータリーエンジンであるRX8と同じ原因もあると言われています。エンジンの構造は、少し違っていますが冷却水のさまざまな症状は同じです。

そのため、冷却水のリザーブタンクの改造や水路ホースのバイパスなどは、同じ対処法です。また、エンジンオイルによる防止策についても同じく行いましょう。

RX7用 エンジンブロー対策オイル

RX7用エンジンオイルは、マツダスピードロータリーエンジンのために開発されたオイルです。スラッジの発生を抑えて油膜保持や高温耐久性に優れていますので、エンジンブロー防止策としては有効です。

RX7用 オイルフィルター

RX7用に、製造されたオイルフィルターです。優れたろ過性能や長寿命とともに、フィルター内部の金属箇所を減らした熱対策と環境にもやさしいオイルフィルターです。エンジンブロー対策には、エンジンオイルと合わせてご使用下さい。

CX5など

マツダのSUV車、CX5のエンジンブローの問題が心配されています。問題が発生しているのは、ディーゼルエンジンのシリーズです。エンジンの構造上の問題なのか、使用上の影響なのかはっきり解明されてはいません。

それでは、エンジンブローに結びつきやすいエンジンオイルについてはどうでしょうか。エンジンオイル自体は、どのメーカのものでも余程の粗悪品でもなければ影響を与えているとは考えにくいです。

また、オイル交換の費用はどうでしょうか。ディーラーでのオイル交換費用は、オイルとフィルター交換で工賃含めて約10,000円程度だそうです。ちょっと高いような気もしますが、とんでもない金額ではありません。

オイル交換がちょっと高めなので、できるだけ交換時期を延ばそうと言う節約心理が働いているのでしょうか。その点も含めて、現時点でははっきりしていません。

マツダ ディーゼルエクストラオイル

CX5専用に開発された、マツダオリジナルのエンジンオイルです。軽油の高温、高圧着火に耐えてオイルの清浄性を向上させます。また、摩擦特性を上げて燃費向上を助けます。

大変助かります。年間25000キロ走るので、交換コスト削減できます。

出典: https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80-%E3%... |

CX5用 オイルフィルター

CX5用に製造されたオイルフィルターです。優れたろ過性能や長寿命とともに、フィルター内部の金属箇所を減らした熱対策と環境にもやさしいオイルフィルダーです。エンジンブロー対策には、エンジンオイルと合わせてご使用下さい。

前兆見つけてエンジンブローを回避

エンジンブローの原因や前兆、症状また修理の仕方などをご紹介しましたが、いかがでしたか。エンジンブローは、愛車の存続に関わる重大な故障です。一番大事な事は、日頃からのメンテナンスと前兆が現れた時の素早い対応力でしょう。

万が一不幸にもエンジンブローが発生した時は、慌てずに落ちついた行動を取りましょう。走行中に起こった場合は、危険ですので特に注意しましょう。普段から故障のことを想定して、安全運転につとめましょう。

初回公開日:2018年04月11日

記載されている内容は2018年04月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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