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ヒールアンドトゥの練習のコツ5つと注意すべき点3つ

更新日:2024年03月17日

最近のMT車はクルマ好きだけが好む、一部の存在になりつつあります。でもMT車を運転する技術として、誰でも身につけられるのに、実はかなり優れた技術のヒールアンドトゥがあります。MT車ならではの運転技術を知って欲しいという、切なる願いを込めたお話です。

ヒールアンドトゥの練習のコツ5つと注意すべき点3つ

ヒールアンドトゥとは

ヒールアンドトゥとはマニュアル車のドライビングテクニックの一つであり、シフトダウン時にエンジンの回転数をトランスミッションの回転数に合わせるこういです。

主にレースなどで用いられるテクニックですが、日常の運転に使用することで、シフトダウン時のショックを和らげることができます。

ヒールアンドトゥに適した車

ヒールアンドトゥに適した車には、主に2つの特徴があります。ブレーキペダルとアクセルペダルの間隔が狭いことと、ギア比が小さいことです。

前者に関しては両ペダルを同時に踏む必要があることから容易に想像できるでしょう。後者のギア比に関しては、ギア比が小さいと変速前後におけるエンジンの回転速度の変化が小さくなるため、シフトダウン時に少ないアクセルワークで回転数を合わせることができるからです。

ヒールアンドトゥのやり方

交差点でのヒールアンドトゥのやり方は、4速走行状態から右足爪先のブレーキングと、右足かかとのアクセルオンでエンジン回転数を合わせ、3速へとシフトダウンさせていきます。

交差点に差し掛かる手前で、さらにヒールアンドトゥで2速へとシフトダウンします。交差点侵入時は速度を落として、歩行者や自転車に細心の注意を払います。

交差点を抜けたら、2速からアクセルオンですぐに立ち上がり、3速へとシフトアップします。

練習するときのコツ5つ

ヒールアンドトゥの上達の早道は、アクセルペダルとブレーキペダルが近いクルマを探すことです。

ヒールアンドトゥは、一般車のMT車両よりも、ブレーキペダルとアクセルペダルが近いスポーツカーの方がやり易いでしょう。

どうしても右足のかかとがアクセルに届きズラい自動車は、左足でブレーキを踏むという方法もあります。ただし、左足はクラッチ操作を行うのに必要ですので、お勧めではありません。

その1:アクセル・ブレーキ・クラッチ全て使う

ヒールアンドトゥとは、アクセル・ブレーキ・クラッチ全て使う技術です。

右足のかかとはアクセルをあおる態勢になります。右足は左斜めか左を向いた横向きに近い形になり、左足でクラッチを切ったら、かかとでアクセルをあおってエンジン回転数を合わせて、ギヤをシフトダウンしてクラッチをつなぎます。

スムーズにクラッチがつながれば、ノッキングやショックが無いまま走行が続けられます。

その2:流れをイメージする

スムーズなシフトは、ヒールアンドトゥ習得の第一歩です。流れをイメージしながら練習すれば、ヒールアンドトゥの技術は必ず身につきます。

直進走行でもクラッチを切ってアクセルをあおれば、スムーズなシフトインの感覚を覚えることができます。無理なくシフトが入るエンジン回転数の習得を、繰り返し練習してみましょう。

その3:ギアと回転数を合わせる

エンジンの回転数がピタリと合っていれば、ニュートラル状態からクラッチを切らずとも、ギヤをつなぐことができます。

エンジンの回転数を合わせるとは、クラッチを切った状態で、ギヤの先にある駆動系の回転数とエンジンの回転数を合わせることです。

その感覚は頭の理解だけでは伝わりませんが、アクセルをあおることでMT車のギヤシフトがスムーズに入る感覚を覚えていけば、磨くことができます。

その4:上のギアから練習する

ヒールアンドトゥは、上のギアから練習することが基本です。

の4速から3速のサードギアに落とす練習から始めましょう。これは、急なエンジンブレーキを防ぎ、ギアチェンジ失敗の衝撃を柔らかくするための工夫です。

上のギアのヒールアンドトゥに慣れてきたら、1つずつギアを下げて練習していきます。ローギアへ、ギアをスムーズに落とすことができるようになるまで、練習を重ねましょう

その5:右足は柔軟に動かす

右足でアクセルオンしながら、安定した右足のブレーキングも確実にできるように、右足は柔軟に動かす必要があります。

右足を柔軟に動かすことができれば、普段の街乗りも運転技術を磨く場所へと変化します。何気ない交差点も、ヒールアンドトゥの運転技術で楽しくなっていくはずです。

練習に適した環境

ヒールアンドトゥの実践の習得には、ある程度の速度とブレーキング・エンジン回転数を合わせるクラッチミートが必要なことから、かなり広い場所が適しているでしょう。

運転が未熟な状態でいきなり公道での練習は、他の自動車との事故につながる可能性が高いのでやめましょう。

良い運転技術は、運転マナーを守った上で初めて役立つ技術です。周囲と事故を起こしてしまっては、元も子もありません。

信号待ちの時

ヒールアンドトゥは、信号待ちの時に止まっている自動車の中でも、運転席に座ってイメージトレーニングすることが可能です。

イメージとコツを身体で覚えるには、まずは止まった状態の運転席で、実際に右足・左足・左手のシフトを動かして感覚的に練習しましょう。

ヒールアンドトゥを身につければ、MT自動車自体に対する優しい運転技術が備わります。高速でも、スムーズにコーナーを駆け抜けることができるようになります。

ヒールアンドトゥの練習に本はこちら

「図解運転テクニック」は、ヒールアンドトゥなどの運転のちょっとしたコツを教えてくれる良書です。

運転上達のためのコツを教えてくれる本書は、基本的な運転技術まで載せられている本です。図解入りでわかりやすく、車庫入れや縦列駐車などの運転のコツが説明されています。

ヒールアンドトゥをやる時の注意点

ヒールアンドトゥにはさまざまな注意が必要です。

ヒールアンドトゥで注意する点は、ブレーキを踏む力を一定にする事と、アクセルを適度に踏むことです。特にブレーキを踏む足に均一に力を入れることで、車体をグラグラさせずに安定させることが可能になります。

その1:ブレーキを踏みすぎない

ヒールアンドトゥをスムーズに綺麗にキメるには、ブレーキングを踏み過ぎないことです。

「かかと」でアクセルをあおるのですから、右足全体であおってしまうと、同時に「つま先」でブレーキもあおってしまいます。こうなると、ドライバーの身体は前へつんのめってしまいます。

ヒールアンドトゥを上手くキメるには、右足のかかとでアクセルをあおる態勢で、右足のつま先で一定の踏力でブレーキングする技術の習得が必要です。

その2:適切な靴を選ぶ

ヒールアンドトゥを行う足を柔軟に動かすために、適切な靴を選ぶことが大切です。

ヒールアンドトゥを行う際の注意点としては、かかとが高い靴・ブーツ・革靴は、特に初心者には適していません。理想はドライビングシューズですが、スニーカーでも大丈夫です。

その3:アクセルは適度に踏む

ヒールアンドトゥはブレーキを使う技術なので、アクセルの踏み具合は適度にしましょう。

ヒールアンドトゥは、アクセルでエンジンの回転数を上げておきながら行う技術なので、アクセルは適度に踏んでおく必要があります。

ヒールアンドトゥのペダル操作に気を取られて、周囲を窺う配慮を疎かにしないように気をつけて運転してください。

タイムを縮めるのに最適な技術

モータースポーツの歴史が物語るように、クルマが速く走ることの追求は、軽くて速くてより少ない給油回数で走行できることから、結果的に燃費効率の高いクルマの走行につながっています。

運転技術の一つであるヒールアンドトゥの導入により、車の走行タイムを縮めることができれば、自動車の寿命を向上させることが可能です。

より車を楽しむために

AT車がクルマに運転させられているという感覚を覚えるのに対して、MT車は、自らシフトチェンジのタイミングを操作できて積極的に運転を行うことが可能です。MT車の走行特性や性能は、ドライバーの運転技術によって大きく変化します。ヒールアンドトゥもその技術の一つです。

より車を楽しむためには、ヒールアンドトゥのような運転技術を身に付けていくことが得策です。この機会にぜひ、運転技術を向上させてください。

初回公開日:2018年02月22日

記載されている内容は2018年02月22日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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