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マローダー車は日本で販売されているか・値段の目安・燃費

更新日:2024年03月25日

マローダー車について、その成り立ちや魅力、日本で買えるのかなどを解説していきます。略奪者、襲撃者という意味を持つ、かなり荒々しい名前を付けられた車には、日本製バイク、アメリカンマッスルカー、装甲車の三種があり、そのようなマローダー車の耳寄りな情報を紹介します。

マローダー車は日本で販売されているか・値段の目安・燃費

マローダー車は日本でも販売されているのか

最近ネットメディアなどを閲覧すると、マローダーという車両が話題になっています。マローダーとは英語の「Marauder」で、「略奪者(りゃくだつしゃ)」という意味の言葉です。

「略奪(りゃくだつ)」とは、誰かの所有物を力ずくで奪い取ること、暴力によって自分のものにすることを意味します。「マローダー(略奪者)」とは、そのような社会性に欠けた乱暴を行う人のことを言い、また他に「襲撃者(しゅうげきしゃ)」という意味もあり、「襲撃」とは予告なく突然に襲い掛かるという意味です。

マローダーと呼ぶにふさわしい車とは?

マローダーは一般の人にも購入できる車だといいます。車の名前にマローダーという、あまりにも粗暴な名前をつけるとは、余程バイオレンス・ソーシャル(Violence Social:暴力主義的)な演出が似合う車で、マローダーを名乗ることで商品としての価値が上がる車でしょう。

そのようなマローダー車について、その成り立ちや魅力、燃費などの性能、価格や日本で買うことができるのかなどを解説していきます。

マローダーと呼ばれている車について

現在、車名に「マローダー(Marauder)」と付けられ、一般向けの商品として販売している車は三種類あります。

一つは、過去にアメリカで製造販売されていた四輪車で、俗に「マッスルカー」と呼ばれる種類の車です。

マッスルカーとは市販されている、実用的なセダンまたはラグジュアリークーペの車体に、強力な大排気量V型8気筒エンジンを搭載した、タイヤを軋ませながら、街中を凄いスピードで走り抜けていく豪快な車です。名前を「マーキュリー・マローダー」といいます。

次にマローダーという名のオートバイがあります。こちらは日本製で、軽四輪車でも有名なスズキが販売していた車両です。GZシリーズというクルーザータイプ(通称アメリカン)のバイクです。

もう一つは、南アフリカ共和国で製造される軍用車で、恐ろしいまでに無限の走破性を誇り、これが一般向けにも販売可能だと、大変な話題となっています。

マーキュリー・マローダー

マーキュリー・マローダーは、アメリカの自動車会社ビッグ・スリー(Big3)の一つ、フォード社がかつてラインナップしていた、リンカーンに次ぐ高級乗用車ブランド、マーキュリーが1969年から70年に製造していた車です。

ファストバックスタイルのゴージャスな車

マーキュリー・マローダーは車体の全長が5.6m、幅2mという、いわゆるフルサイズのアメリカ車で、最上級車のリンカーンに似たコンシールド(格納式)・ヘッドライトを持つ、優美なフロントマスクに、ルーフからテールエンドまでなだらかなカーブを描く、美しいファストバックスタイルのゴージャスな2ドアハードトップです。

またリアフェンダーにはスポーティーなダミーインテークと、当時流行した、後輪が1/3隠れるフェンダースカートを装備し、ラグジュアリーな雰囲気にあふれた魅力的なパーソナル・カー(個人が楽しむ車)で、マローダーとはきっと「見る者の心を奪う車(略奪車)」という意味で付けられたでしょう。

わずか2年で生産中止となった希少な車

マーキュリー・マローダーのエンジンは、標準モデルが総排気量6,400cc、また高性能モデルの「マローダーX100」には7,000ccのV型8気筒、最高出力360馬力という強力なパワーユニットが搭載されています。

マーキュリー・マローダーはマーキュリーブランドの最高峰モデルとして販売されましたが、売れ行きが芳しくなく、さらにアメリカで成立したマスキー法(大気浄化法)の影響もあり、1969年から70年までの間しか生産されていないため、非常に数が少なく、希少な車となっています。

スズキ・マローダー

スズキ・マローダーは、日本の自動車メーカーとして二輪車、四輪車を製造し、海外でも幅広く事業を展開しているスズキが、過去にラインナップしていた、250ccクラスに属するクルーザー(アメリカン)タイプのオートバイで、正式名は「GZ250マローダー」といいます。

GZ250マローダーは、スズキの250ccクラスの車種、ボルティーをベースとした単気筒エンジンを搭載した軽快なアメリカンバイクで、その軽量な車体と扱いやすいエンジンによって、街乗りやツーリングなどを快適に楽しめるのが魅力のオートバイです。

車種ボルティーがベースのアメリカンバイク

ボルティーは1994年に登場した、クラシックテイストのオートバイで、ルックスのかわいさだけでなく二輪車としての基本性能に優れ、毎日の足として気持ちよく走れることで大となったモデルです。

GZ250マローダーは、ボルティーのエンジンやフレームを始め、ブレーキやマフラーといった多くの部品を流用しながら、全く異なる雰囲気のクルーザータイプへと仕立てたオートバイで、ボルティーの持つ軽快感はそのままに、ゆったりとした安楽なライディングポジションによって、ツーリングを快適に楽しめるバイクとなっています。

ユーザーのニーズにそぐわず早々と販売を中止

このように、通常のオンロードスポーツバイクをアメリカンに仕立て直すという手法は、1980年代に多く見られ、GZ250マローダーは、ライバルのホンダ・レブルやヤマハ・ビラーゴなど、クルーザータイプとして専用に開発されたバイクとは異なる、スポーツバイクの性能を持ったアメリカンとして注目を集めました。

またGZ250マローダーは、当時の250ccクラスとしてはかなり安い、38万9000円という価格でも話題となりました。とは言え、意欲的ながらやや時代遅れとも言える、このバイクのコンセプトはユーザーに受け入れられず、国内市場での販売は不振で、1998年の販売開始後、2000年代に入ると早々にラインナップから外されてしまいます。

海外でのマローダーがあらためて注目を集める

しかし海外では、GZ250マローダーはその価格の安さから販売が好調で、日本から主要部品を輸出し、スペイン工場で組み立てられた海外仕様は、欧州向けおよび北米への輸出用として、最終的に2012年まで販売されたロングセラーモデルとなります。

GZ250マローダーは、ボルティー譲りの軽快な走りに加え、燃費の良いエンジンによる経済性は抜群で、アメリカンバイクとしては大容量の14ℓ燃料タンクを搭載していることから、ツーリングなどでは1ℓあたり30~35㎞の低燃費によって、1回の満タンで490㎞もの走行が可能です。

スズキの250ccアメリカンの意欲作マローダーは、その開発テーマがユーザーの趣向と噛み合わず、日本では不でしたが、海外ではとても好評に受け止められ、生産中止後の現在、そのコンセプトが見直され、注目度が高まっています。

南アフリカ共和国の装甲車マローダー

南アメリカ共和国の民間軍事企業「パラマウント・グループ(Paramount Group)」では、「マローダー(Marauder)」という名の軍用車両が製造されています。

パラマウント・マローダーは2007年に、アラブ首長国連邦(U.A.E:United Arab Emirates)の首都アブダビで開催された、国際軍事見本市に出品し初公開された、対地雷防御能力を備えた装甲車です。

マローダーは四つのタイヤ付き車輪によって走行する「装輪装甲車(そうりんそうこうしゃ)」で、軍隊などが偵察および、平和維持活動に使用することを目的に開発された車両です。この装甲車は、操縦士を含めた要員二名によって運行し、さらに歩兵や警備隊員など8名が同乗可能となっています。

軽機関銃や対戦車地雷にも耐えられる頑丈な車

マローダーの車体は、全長6.44m、幅2.66m、高さ2.745mという大型トラック並のサイズで、車両重量は11000~13500㎏もあり、4000㎏の積載容量を誇ります。エンジンは6気筒のターボディーゼルで最高出力295馬力を発揮し、大柄な車体を最高時速100㎞/hで走らせることができます。

堅牢なモノコックの二重構造となっている、マローダーのボディは、STANAG4569(NATO加盟国にて定められた装備規格の一つ)でレベル3の防弾および防爆能力を持ち、軽機関銃や自動小銃などの攻撃や、対戦車地雷やTNT火薬の爆発にも耐えられるほど頑丈にできています。

恐るべき走破能力を持つ「世界で止められない車」

さらに世界最強と言われる驚異の走破能力を持ち、大径タイヤと四輪駆動によって、ひどいでこぼこ道や大きな水たまり、浸水した道路でも容易に走行可能で、また傾斜角60°という驚きの登坂能力で、急な坂道も簡単に上ることができるなどの性能を売りにして、「世界で止められない車」のキャッチフレーズでマーケティングを行っています。

この世界最強の車、パラマウント・マローダーは東欧のアゼルバイジャンに75両、アフリカのコンゴ共和国や中東のヨルダンに50両余りが調達され、またシンガポールやマラウイなどの国でも採用され、2018年の現在、250両が運用されています。また販売実績は不明ですが、一般向けにも購入が可能となっています。

マローダー車は日本で買えるの?

マローダーの日本での販売について説明します。

スズキのマローダーの場合

まず、スズキのクルーザータイプのオートバイ「GZ250マローダー」は、現在はすでに生産中止となっており、新車を購入することはできません。しかし中古オートバイ市場では今も流通しており、数は少ないですが、状態の良い物を選んで買うことができます。

マーキュリー・マローダーの場合

次にアメリカ車のマッスルカー「マーキュリー・マローダー」については、生産期間が非常に短いため、流通量はそれほど多くはありませんが、こちらも現地アメリカの中古車店で、店頭販売が行われています。

こういった海外の業者が、YouTubeなどで紹介している車両を日本で購入する場合は、個人輸入を代行してくれるマッスルカー専門の業者に依頼すれば、希望の車を購入することができるでしょう。

パラマウント・マローダーの場合

最後に装甲車のパラマウント・マローダーについては、一般向けにも販売を行っているとの事ですので購入は可能ですが、現在のところ、日本で輸入代理店などはありません。そのためハンビーなどの軍用車の輸入販売を行っている業者に、輸入代行を依頼することになりますが、まだ前例がないため詳細は不明です。

また実際に車両を見るにしても、南アフリカまで行くには、経由地や乗り継ぎ時間によって異なりますが、片道で約20時間かそれ以上かかりますので、非常にハードルが高いでしょう。

マローダーの値段の目安は

マローダー車の価格について説明します。

中古車相場

スズキのアメリカンバイク、GZ250マローダーの中古車相場についてですが、このオートバイは日本では不で早々と販売が中止されたため、流通量が非常に少なく、中古バイク販売サイトでは2018年現在、全国で5台が登録されています。中には日本で登録されていた車両以外に、中古車として輸入された海外仕様の車も存在します。

また価格については、希少車だけに相場の判断が難しく、安い物では車両価格7万円、状態が良く高い車は25万円ほどになっています。

マーキュリー・マローダーの中古車相場

アメリカンマッスルカーのマーキュリー・マローダーは、やはり希少車のため中古車の流通量は少ないです。マローダーに限らず、現在、マッスルカーの相場は上昇中ですので、日本に輸入した場合、安い車でも600万円前後、コンクールに出品されるみたいなミントコンディションの物になると、一千万円以上の価格となるでしょう。

マーキュリー・マローダーの高性能グレードX100(エックス・ワンハンドレッド)の中古車の一台が、店頭で販売している車としてYouTubeに紹介されており、価格は1万4990ドル、現在の為替レートで155万8960円となっています。

軍用装甲車のパラマウント・マローダーは?

南アフリカ製の装甲車、パラマウント・マローダーについては、現在のところ軍から払い下げられた車両などは確認されていないため、中古車価格は不明ですが、現地での新車販売価格は30万ポンド、日本円で4440万円となっています。

マローダーの燃費について

マローダー車の燃費について説明します。

スズキGZ250マローダーは、同社のスポーツバイク、ボルティーと同じ、総排気量249ccの空冷単気筒OHCエンジンを搭載し、燃費は市街地でも1ℓあたり30㎞とたいへん優秀です。

アメリカンマッスルのマーキュリー・マローダーX100の燃費は、フォードが誇る総排気量7000ccの427エンジンを搭載し、最高出力360馬力を発揮する高性能のため、燃費は1ℓ当たり6㎞程度と劣悪です。

軍用装甲車のパラマウント・マローダーについては、エンジンの総排気量や燃料タンクの容量は公表されておらず、燃費の数値も不明です。しかし、搭載されている6気筒ディーゼルターボエンジンは、車両重量11000~13000の巨体を最高時速100㎞/hまで到達し、航続距離は700㎞となっています。

マローダーの特徴は

マローダー車それぞれの特徴について説明します。

スズキのアメリカンバイクGZ250マローダー

スズキのGZ250マローダーは、同社のクラシカルなスポーツバイク、ボルティーをベースにクルーザースタイルへと仕立てあげた、軽快な走りと高い経済性が魅力のオートバイです。ゆったりとしたライディングポジションで、ツーリングなども快適にこなします。

日本でのはいまひとつでしたが、欧州や北米などでは価格の安さから好調な販売を記録し、2012年までラインナップされていたロングセラーモデルです。

アメリカンマッスルのマーキュリーマローダー

マーキュリー・マローダーは、米国フォード社がかつて展開していた高級車ブランド、マーキュリーが開発した、エレガントなスタイリングを持つ、2ドアハードトップの高級パーソナル・カーで、1969年から1970年という短期間だけ販売された希少な車です。

マーキュリー・マローダーの高性能グレード、X100(エックス・ワンハンドレッド)は、総排気量7,000ccのV型8気筒、最高出力360馬力のエンジンを搭載したハイパフォーマンスカーで、強力なパワーユニットを優雅でラグジュアリーなボディで包み込んだ、非常にエレガントな車です。

本国では内外を完全に修復した、見事なコンディションの車がコンクールに出品され、観衆に美しい姿をお披露目しています。

南アフリカの装甲車マローダー

世界最強と言われる、驚愕の走破性能を誇る装甲車マローダーは、南アフリカの民間軍事企業パラマウント・グループが生産している、ゴム製タイヤを装着した車輪で走行する装輪装甲車です。

特殊仕様の大径タイヤに強力な四輪駆動システム、最高出力295馬力のディーゼルターボエンジンによって、でこぼこ道や水没地帯などいかなる悪路でも容易に走破します。また傾斜角60°という驚異の登坂能力で、急な坂道でも簡単に駆け上がることができます。

さらに堅牢なモノコック二重構造の車体は、軽機関銃による攻撃や対戦車地雷の爆発にも耐えられる頑丈さを持っています。

パラマウント社が誇る装甲車マローダーは、一般販売も行っているとの事で、注目が集まっています。

マローダーバイクについて

スズキのGZ250マローダーは、オンロードのスポーツバイクをベースにした、軽量な車体と扱いやすいエンジンによる軽快な走行性能と、優秀な燃費性能による経済性の高さでバイクです。

GZ250マローダーは、特に日常の足として気持ちよく走りが楽しめるところが魅力で、しかも状態の良い物が安く購入でき、満足度の高いオートバイです。

現在販売されている中古車には、走行距離が何と2,809㎞という低走行で、車両価格が24万9000円という個体があります。こちらはスペインから輸入した海外仕様で、2011年モデルとなっています。

略奪者という名で魅力をアピールするマローダー車

マローダーと呼ばれる車について、その成り立ちや魅力、日本でも買うことができるのかなどを紹介しました。

マローダーには日本のスズキ製のオートバイ、マッスルカーの一台、南アフリカ製の装甲車の三種類があります。マローダーとは「略奪者」「襲撃者」という意味で、あえて粗暴な名前をつけることで製品をアピールしています。

スズキのマローダーは、アメリカンバイクに似合う強い男をイメージして、マッスルカーのマーキュリー・マローダーは、優雅で美しいその姿に、誰もが心を奪われるという意味で、装甲車のパラマウント・マローダーは、どんなにひどい悪路でも走行可能な世界最強の車をアピールして名付けられました。

しかし実際には、販売成績がその名にそぐわない不車でしたが、それでも開発者の想いが良く伝わってくる素敵な名前です。これからもマローダー車にぜひ注目していきましょう。

初回公開日:2018年04月02日

記載されている内容は2018年04月02日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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