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フォード日本撤退後アフターサービスはどうなるのか・いつなのか

更新日:2023年11月26日

日本から撤退したアメリカの自動車メーカーのフォード。日本の市場や消費者にどんな影響があったのでしょうか。ここではフォードの撤退理由やその影響、今フォードに乗りたい人はどうすればいいのかを紹介します。撤退したとはいえ、フォードは今もいい自動車メーカーです。

フォード日本撤退後アフターサービスはどうなるのか・いつなのか

フォードの撤退理由とは

アメリカのメジャー自動車メーカーであるフォードは、現在、日本国内に正規ディーラーが存在していないのはご存知でしょうか。日本市場に見切りをつけ、撤退しているからです。

撤退の報道は2016年1月26日に発表され、それは日本のグループ会社であるフォード・ジャパンにとっても衝撃の報道でした。

撤退の理由は、大きなところでは日本の自動車市場が閉鎖的で、収益を回復することは困難と判断し、日本市場へ投入する資源をほかの市場に回すためということです。ただ、日本市場は外国車に対して閉鎖的ではなく、BMWなどドイツ車勢はが高く、単にフォードの車に競争力が足りなかっただけです。

また、フォードは日本がTPPに合意することを反対していたのですが、そうはならなかったことで、日本市場では競争力がないと決定したのでしょう。

フォードはいつ撤退するのか

フォードはこの2016年1月の発表を持って、撤退を開始しています。2016年下半期に日本国内の事業のすべてから撤退し、日本全国にあるディーラーは契約解除となりました。

これにより、日本国内の正規ディーラーは完全に消滅しています。

そして、2016年9月30日にフォード・ジャパンのサイトにおいても「お知らせ」以外のコンテンツはすべて閉鎖しました。その後、2017年1月に正式サイトのページがアフターサービスの委託先である「ピーシーアイ」社のフォード事業部に替わり、これによってフォード・ジャパンのすべてが日本からなくなりました。

撤退した外国メーカーはフォードだけじゃない

フォードは日本市場が閉鎖的だとしていますが、近年はBMWやメルセデスベンツ、フォルクスワーゲンなどドイツ車の売れ行きは好調です。ですので、さまざまな憶測も囁かれましたが、実際にほかの外国自動車メーカーも日本市場から撤退したという事実があります。

例えば、オペルは2006年に撤退を発表しました。イタリアのランチアもラリーカーなどで日本ではがあったのですが、もう存在していません。それからミニクーパーで有名なローバーミニなどもフルモデルチェンジをした時期である2000年に、ランドローバー以外のローバー車の正規販売を取りやめています。

日本は日本の自動車メーカーが魅力ある車を作っていますので、確かに市場としては戦略の難しい場所ではあります。

フォード日本撤退後アフターサービスはどうなるのか

自動車は維持費がかかるなど、販売後のアフターケアなどが大切になります。ですので、撤退したからといって、消費者の権利は守るべきであり、フォードは撤退後もメンテナンスなどの対応は不可欠でした。

そんなフォードの撤退によってフォード社が対処したアフターケアはどのようなものだったのでしょうか。メンテナンスなどについてご紹介します。

メンテナンスや修理は?

フォードの日本市場からの撤退により、フォードの正規ディーラーは消滅しています。そして、すでに販売されたフォード車のメンテナンスなどについてはフォード・ジャパンにより日本撤退正式発表後に、部品供給や延長保証などはVTホールディングスグループの「ピーシーアイ」が2016年10月1日から行うことを決定しています。

このピーシーアイ社が日本全国でフォード・ジャパンに代わり部品供給やリコール対応、さらにアフターサービスや保証業務といったことを担当し、2016年9月末にフォードは完全撤退しています。

ピーシーアイはどんな企業?

ピーシーアイ社は「VTホールディングス株式会社」のグループ会社です。VTホールディングスは中古車の無店舗販売から始まった企業で、現在は東証一部上場企業でもあり、自動車関連の業務で幅広く展開しています。

1983年に設立され、本拠地は愛知県の名古屋にあります。フォードだけでなくさまざまな自動車メーカーとも業務を行っていて、非常に信頼性の高い企業です。

現在はこのグループ企業であるピーシーアイがフォード撤退後のメンテナンスや修理などを行っています。

フォード撤退による影響は?

ピーシーアイ社の関連会社の一部はフォードの看板を掲げている場合もあります。ですので、フォードが日本から撤退していることを知らない人も少なくありません。

また、ピーシーアイ社の認定による「フォード認定サービスディーラー」が日本全国に登場しており、完全撤退したといえどもフォード社のラインナップは日本国内でも入手できますので、日本市場においてはあまり大きなインパクトはありませんでした。

納車はいつまで?

このピーシーアイによるフォード認定サービスディーラーは、提携店などもあるのですが、その中にはフォード車両を並行輸入などの形で独自に販売しているところもあります。ですので、正規店が撤退したのちも、フォード車両のラインナップは今でも日本国内で散見されます。

正規輸入車両に関しては2016年の撤退発表時にはしばらく販売は続けることをいっていたフォードですが、結局認定中古車も含めて、6月末には販売を終了しています。

値引きはどうなる?

現在の並行輸入車などに関しては、各販売ディーラーの裁量に任されることですので一概にはいえません。また、低迷となっていた撤退時にはそもそも購入しようという人が少なかったからか、撤退直前の正規車両の値引きに関しては情報がほとんどありません。

いずれにせよフォードは1990年代に低価格路線で日本市場でを得たものの、廉価な車というイメージがついてしまいました。その後、路線転換に失敗した上、欧州向けの車両などを日本市場に導入しようとした際のユーロとの為替問題で車両価格が高騰しました。

これによって、フォード車両のラインナップが減った上に価格が上がり、が低迷しました。

したがって、価格競争でもフォードは苦戦を強いられ、撤退に追い込まれたということになります。

ちなみにフォード撤退で社員はどうなる?

フォード社の撤退によって、当時のフォード・ジャパンにいた社員160人は全員解雇になったとされます。ほかのメーカーに転職できた人がいればいいのですが、撤退の一番の被害者はフォードーユーザーであり、その次の被害者は社員だったともいえます。

フォードの撤退発表は2016年1月25日にメールで社員に通達されたといわれます。寝耳に水の状態で決定され、翌日、フォード・ジャパンから正式発表されたことになります。アメリカの企業らしいといえばそうなのですが、実際に解雇された側にはたまったものではありません。

フォード撤退で注目したい車種

フォード撤退後の日本市場では、少なからず今でもフォードファンは存在していますので、並行輸入車や個人輸入のフォードが走っているのも事実です。

また、新しい車両ではなく、昔のフォードも味のあるデザインが多く、マニアックなカスタムディーラーなどが昔のフォードを扱っています。

ですので、フォードは撤退したといえども、フォードのそのものが日本で終わったわけではありません。

フィエスタ

フォード・フィエスタはコンパクトなサイズの車で、正規販売があった当時はの高い車両でした。そのころは235万円程度から購入でき、今は中古車が多く出ていますから、まだまだ購入の選択肢になることでしょう。

中古車の相場は優良車でなんと365万円ほどになります。新車よりも高い場合もこのようにあります。また、程度がよくなければ20万円くらいの車両もありますので、値幅が大きいのがフィエスタの特徴です。

エクスプローラー

エクスプローラーはフォードを代表する、また今でものSUVになります。

この車種はアメリカでは警察や軍隊などの公用車としても採用され、頑丈で男らしい車としてアメリカでもになっています。

日本の道路ではややサイズが大きいので初心者ドライバーには向かないですが、それでもが高く、中古車相場では安い車でも150万円前後、高い価格がつけられている車両では500万円台もあります。それだけ需要があります。

マスタング

アメリカン・マッスルカーの代表であるマスタングはフォードの代表的なスーパーカーです。これは世界中にファンがいて、近年の新デザインもですし、昔の初期型から始まり、何十年も愛されている車です。

ですので、マスタングは今でも並行輸入業者などが多数、日本全国で扱っていますので、新車でも購入できる、数少ないのフォード車になります。

マスタングのほかにスポーツカー然としてファンが多いフォードGTなどもあり、フォードは実に多彩な車種を用意していて、若者から年輩の人までを虜にする魅力が備わっています。

その他

フォードが日本撤退したことが理解しがたいくらい、案外フォードのファンは少なくありません。ですので、上記で紹介したような車種のほか、の車は多数販売されています。

例えばアウトドアファンにはピックアップトラックのラプターなどはです。フルサイズですので、巨大な車両になりますが、そのパワフルさは男性の憧れでもあります。カスタムパーツも多数あり、日本国内でも扱う業者がいくつかあります。

それから、日本市場であまり見ませんが、フォードのバンもがあります。海外では商用車に使われたりしますが、最近の日本のキャンピングカーブームを見ると、カスタムのベースカーとしてもぴったりなサイズです。

撤退してもフォードは魅力あるメーカーなのか

日本から撤退してしまったフォードですが、例えば東南アジアの国のタイでは生産工場が稼働していて、そこで造られるピックアップトラックが東南アジア圏内で爆発的なを誇っています。

また、先にも紹介したように、マスタングやGTなどのスポーツカーもあれば、フィエスタといったファミリーカー、ピックアップトラックなどの仕事の車など、フォードは多彩な車種をラインナップしている自動車メーカーです。

ですので、例えばフェラーリなどのスポーツカー専門のメーカーとは違い、トヨタなどの日本メーカーに近い企業戦略のあるメーカーであるといえます。すなわり、フォードは撤退したとはいえ、十分に魅力のあるブランドとしてできます。

現在は正規店はなくても、認定サービスディーラーがありますし、今もフォードの看板を掲げる並行輸入車ディーラーも存在します。ですので、フォードにはまだまだたくさんの魅力が詰まっています。

初回公開日:2018年04月02日

記載されている内容は2018年04月02日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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