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プリウスの実燃費はどれくらい?燃費向上方法・走り方

更新日:2024年07月14日

未来を先取りしたプリウスの誕生から20年。四代目となったプリウスは、高い燃費性能を保ち、そのも衰えることはありません。そんなプリウスの燃費性能の実際と、その性能を最大限に引き出すドライビングテクニックについて説明します。

プリウスの実燃費はどれくらい?燃費向上方法・走り方

トヨタプリウスの実燃費はどれくらい?

1997年から世界初の量産型ハイブリッド車として製造・販売されているトヨタのプリウスは、20年が経過した2017年においても、月間新車販売台数で3に入り続ける車です。

その理由は、なんといってもハイブリッドエンジンを搭載した燃費の良さが一番です。また、世界初の量産型ハイブリッド車ということで、ブランド力はハイブリッド車の中では一番ということもあります。ここでは、そのトヨタプリウスの燃費について様々な角度から説明します。

30

まずは、三代目プリウスZVW30の燃費について説明します。プリウスZVW30のカタログ上での燃費はLグレードが最高で38.0km/Lと当時としては世界最高の数値が掲載されています。ただし、これはあくまで計測上数値ですので、実際の走行では、その6~8割程度になるのが通常です。

三代目プリウスのパワートレインは二代目から全体の9割以上を新開発した「リダクション機構付THS-Ⅱ」を搭載しています。そのうちエンジン部分は高速域の燃費向上を目的に、それまでの1.5Lの1NZ型から新世代ZR系の1.8Lの2ZR-FXE型に変更され、モーターも3JM型へと変更されました。

優れた空気抵抗

このZVW30型のプリウスの燃費に関わる要素としては、パワーユニットの他に、二代目プリウスから引き継いだハイブリッド車独自のスタイルとして確立した「トライアングルシルエット」や、空気抵抗を下げるための、アンダーフロアカバーの配置変更やボディのコーナー部分の改良などの施策により二代目より改善された空気抵抗係数があります。

これらの要素の総合結果として、三代目プリウスZVW30の燃費カタログ値としては、低燃費モデルLグレードで10・15モード38km/Lの数値が記載されています。この数値は二代目プリウスNHW20型の35.5km/Lと比較して7%の燃費向上となり、当時の世界最高値となっています。

プリウスZVW30型の実燃費

では、このプリウス三代目ZVW30の実走行での燃費はどうなっているか説明します。結論からいえば、プリウス三代目ZVW30の実燃費は、平均で21km/L前後となっています。これには、走行条件で数値に大きな差がでてきますので、あくまで平均値、それも一番多くのデータが集まっている数値となっています。

では、具体的にいくつかの環境での燃費数値について説明します。まずは、一般道での走行になります。この場合、燃費に一番関わるのがどれだけEVモード走行がなされるかという点です。もちろんですが、EVモードではエンジンの動力は利用しないので、当然燃費は伸びます。ただし、あくまでバッテリー電源がある状況でしか利用できません。

コンディションによる実燃費の違い

従って、一般道での燃費数値にはバラツキが大きいのが現状です。従って、条件によっては15~16km/Lといった声も聞かれますし、中には25km/Lといった意見もあります。そこで、一例として、市街地、それも比較的交通量が多い国道での実例をあげます。

この例では国道を90km程度走行しています。それも、交通量が多い道路ですので、渋滞が断続的に発生する場面もありました。ここまでだと、随分燃費が悪くなるのではと考えられますが、実はここでプリウスの真価が発揮されます。

EVモードの利用

というのは、プリウスが渋滞の中で走行すると、EVモードへの切り替わりが多く発生します。これにより、燃費が大きく伸びてきます。さらに、断続的な渋滞ですので、途中エンジン走行も発生し、回生エネルギーの回収でバッテリー充電もなされて、国道の間、都度都度のEV走行が可能でした。

こうした結果により、一般道それも交通量の多い国道では、平均燃費23.2km/Lを記録しました。この数値は冒頭に説明しました、21km/L前後の数値よりは随分高い数値となっていますが、やはりEVモードの利用と、エンジンモードでの走行時に充電を上手く実施したことが影響しています。

回生ブレーキの利用

ちなみに、回生ブレーキを使って上手く充電するには、やはり、それなりのドライビングテクニックが必要です。プリウスなどのハイブリッド車で低燃費を実現するには、ブレーキングテクニックが必要です。

といっても、それほど難しい操作ではなく、通常のブレーキよりも早めにブレーキペダルに足を置くというだけです。ただし、これには道路状況を早めに判断して、先の信号が赤に変わる事を早めに予測して、アクセルペダルから足を離して、ブレーキペダルに軽く足を置くという手法です。

これによって、プリウスは充電モードに切り替わり、バッテリーに充電されますので、次の走行でのEVモード利用距離が長くなります。従って、EVモードを上手く使えば、燃費が伸びるという理論です。

プリウスの峠走行

次に、プリウスZVW30での、峠道走行について説明します。峠道ですので、当然上りと下りがあります。今回の例では、上り下りのある50km程度の峠道での結果について説明します。

まずは登りでの実燃費ですが、今回の例では11.1km/Lとなりました。登りでは当然、EVモードには切り替わりませんし、平坦な道路より多くアクセルを踏み込まなければなりません。従って、さすがの低燃費車でも数値自体は特徴的な結果にはなりません。
一方で、下りとなるとハイブリッド車ならではの特徴が現れます。それは、下りではほとんどアクセルを踏みませんので、全区間において充電モードになりますし、燃費も大きく伸びます。

この結果、上り下りの峠道では、総合的に16.2km/Lの実燃費となりました。さらに、バッテリーも満充電になりましたので、この後の走行でのEV走行に活かされることになりました。

高速道路走行

最後に、高速道路での実燃費について説明します。まず頭にいれておかなければならないのは、高速道路でも、やはりEVモードには切り替わりません。従って、エンジン動力での走行になります。従って、エンジン性能による燃費が問われることになります。

しかし、結果的に一番高い燃費性能を発揮するのは、高速道路走行となります。これは三代目プリウスから採用されたエンジン1.8Lの2ZR-FXE型の燃費性能によるものが大きいといえます。

高速道路を80km/h平均で80km走行した場合の燃費は、26.3km/Lを記録しました。これは、カタログ値と比較しても74%の燃費数値となりますし、他車と比較しても優秀な数値といえます。

のZVW30型

こうした高い燃費性能と初代、二代目と比較してもカッコイイと評されるフォルムで、プリウスシリーズで一番高いを誇っていたのが、他でもなくZVW30型です。

50

次に、四代目プリウスZVW50の燃費について説明します。2015年販売開始のプリウスZVW50のカタログ上での燃費はEグレードが最高で40.0km/Lの数値が掲載されています。その他のグレードでは37.2km/Lにそれぞれグレードアップされています。

四代目プリウスはトヨタの新しいクルマ作りの基盤TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)の第一号車となり、走行性能のアップや、バッテリーのリチウムイオン電池への変更など、大きな改善がほどこされています。

進化するパワートレイン

その中でパワートレインにおいては、エンジン部分は三代目同様2ZR-FXE型が採用されていますが、最大熱効率40%アップを実現すると共に、ハイブリッドシステム全体の小型化・軽量化で約20%の低損失化を図ったことで、大幅な燃費向上につながりました。

さらにZVW50型のプリウスに関しては、TNGAコンセプトによる、新プラットフォームTNGA-Cの導入により、低燃費を実現する低重心フォルムとなったことも、燃費向上に大きな影響を及ぼしています。

プリウスZVW50型の実燃費

では、このプリウス四代目ZVW50の実走行での燃費はどうなっているか説明します。結論からいえば、プリウス四代目ZVW50の実燃費は、平均で23km/L前後となっています。これには、走行条件で数値に大きな差がでてきますので、これも、あくまで平均値、それも一番多くのデータが集まっている数値となっています。

ZVW50型の一般道での燃費

そこで、具体的にいくつかの環境での燃費数値について説明します。まずは、一般道での走行になります。ZVW50の場合もやはり、燃費に一番関わるのがどれだけEVモード走行がなされるかという点です。同様に一般道での燃費数値にはバラツキが大きいのには変わりはありません。従って、条件によって意見は異なり、夏場は20km/L、冬場は15km/Lといった声も聞かれますし、燃費を伸ばすためには冷暖房を制限するといった意見もあります。そこで、ZVW30と同様に、市街地それも比較的交通量が多い国道での実例をあげます。

一般道でも高い燃費効率

この例ではZVW50においても、三代目ZVW30同様にプリウスの真価が発揮されます。渋滞の中でのEVモードへの切り替わりが多く発生し、これにより、燃費が大きく伸びてきます。さらに、断続的な渋滞ですので、途中エンジン走行も発生し、回生エネルギーの回収でバッテリー充電もなされて、国道の間、都度都度のEV走行が可能でした。

こうした結果により、一般道それも交通量の多い国道では、平均燃費28.4km/Lを記録しました。この数値は冒頭に説明しました、23km/L前後の数値よりは随分高い数値となっていますが、やはりEVモードの利用と、エンジンモードでの走行時に充電を上手く実施したことが影響しています。

回生ブレーキの使い方

ちなみに、ZVW50型においても回生エネルギーを使い方は同じで、長めのブレーキングテクニックが必要です。道路状況を早めに判断して、早めのブレーキングが充電に貢献してくれますので、この点に留意してドライブします。

ZVW50型での峠道走行

次に、プリウスZVW50での、峠道走行について説明します。これもプリウス三代目と同様に、上り下りのある50km程度の峠道での結果について説明します。

まずは登りでの実燃費ですが、今回の例では11.8km/Lとなりました。この点も三代目と同じく、大幅に燃費は悪化します。一方で、下りとなるとハイブリッド車ならではの特徴が現れ全区間において充電モードになりますし、燃費も大きく伸びます。

この結果、上り下りの峠道では、総合的に17.5km/Lの実燃費となりました。さらに、バッテリーも満充電になりましたので、この後の走行でのEV走行に活かされることになりました。

ZVW50型での高速道路走行

最後に、高速道路での実燃費について説明します。ここでもプリウス三代目同様に、プリウスZVW50と同様に燃費の最高値を記録しました。これは四代目プリウスから採用された改良型エンジン1.8Lの2ZR-FXE型の燃費性能によるものが大きいといえます。

高速道路を80km/h平均で80km走行した場合の燃費は、35.3km/Lを記録しました。これは、三代目プリウスと比較して多く数値を伸ばした結果となりました。やはり、エンジン性能の向上が大きいことの証明といえます。

の高い四代目

こうした高い燃費性能と新しいプラットフォーム採用で、三代目にはおよびませんが高いを誇っており、2017年の現在においても、月間新車販売台数3を守り続けるプリウスZVW50です。

α

次に、プリウスαの燃費について説明します。三代目プリウス発売後2年の時を経て2011年販売開始されたのが、プリウスのステーションワゴン(2列・5人乗り)とミニバン(3列・7人乗り)型がプリウスαです。

プリウスαの特徴

プリウスαと三代目プリウスの違いは、ホイールベースの80mm延長とホイールPCDの14.3mmの増加および、車両重量の130kgの増加となります。それ以外の、プラットフォームやハイブリッドユニットについては三代目プリウスと共通の利用となっています。

このプリウスαのカタログでの燃費は、10・15モードでは、31km/L、JCO8モードでは26.2km/Lとなっており、それぞれ三代目プリウスを4km/L弱下回った数値となっています。

プリウスαの実燃費

では、このプリウスαの実走行での燃費はどうなっているか説明します。結論からいえば、プリウスαの実燃費は、平均で19.4km/L前後となっています。これには、走行条件で数値に大きな差がでてきますので、これも、あくまで平均値、それも一番多くのデータが集まっている数値となっています。

一般道と高速道路

走行条件の燃費の違いについても、プリウス三代目、四代目とその傾向性は変わりません。例えば、渋滞を含む一般道では17.6km/Lという報告があります。やはり、ここではEVモードの利用有無が大きく影響してきます。渋滞の中でEVモードが力を発揮しますので、あとはエンジン走行の時にいかに充電するかということです。

また、郊外の流れのよい幹線道路では、20.6km/Lの燃費を記録しています。やはり、高いエンジン性能故、流れが良くなると燃費を伸ばしてきます。また、高速道路での走行では、さらに数値は伸び、20.7km/Lとなっています。

コストパフォーマンスの高いプリウスα

この結果、セダンタイプのプリウスよりは劣る燃費となりますが、ステーションワゴンやミニバンという位置づけとしては、十分に納得のいく燃費だといえますし、コストパフォーマンスの観点からも高い評価を受けています。

E

次に、四代目プリウスの最廉価グレードにあたるEグレードプリウスの燃費についてご紹介します。四代目プリウスEグレードは廉価グレードであると共に、四代目の中で唯一カタログ燃費が40km/Lを超える40.8km/Lの最高燃費グレードとなっています。

廉価版とはいえ、ひととおりの装備が搭載されています。ただし、タイヤサイズは唯一、195/65R15を装着しており、これが燃費向上の一因となっています。

また、車両重量も1310kgとグレード最軽量となっていますので、燃費向上に貢献しています。さらに、Eグレードには、プリウスで初めて燃費効率の高いリチウムバッテリーを採用している事も忘れてはいけません。

プリウス グレードEの実燃費

では、この四代目プリウスEグレードの実走行での燃費はどうなっているか説明します。結論からいえば、プリウスEの実燃費は、平均で28.2km/L前後となっています。これには、走行条件で数値に大きな差がでてきますので、これも、あくまで平均値、それも一番多くのデータが集まっている数値となっています。

一般道と高速道路での実燃費

走行条件の燃費の違いについても、プリウス三代目、四代目とその傾向性は変わりません。例えば、渋滞を含む一般道では29.6km/Lという報告があります。やはり、ここではEVモードの利用有無が大きく影響してきます。渋滞の中でEVモードが力を発揮しますので、あとはエンジン走行の時にいかに充電するかということです。

また、郊外の流れのよい幹線道路では、30.6km/Lの燃費を記録しています。やはり、高いエンジン性能故、流れが良くなると燃費を伸ばしてきます。また、高速道路での走行では、さらに数値は伸び、31.7km/Lとなっています。

四代目プリウスの最高燃費

この結果、燃費という面では四代目プリウスで最高の数値を記録していますが、あくまでも廉価版なので販売台数では他のグレードより少なくなっており、燃費データもブレが大きいといえます。

プリウスの燃費のいい走り方とは?

次にプリウスの燃費性能を最大限に引き出すための燃費のいい走り方のコツについて説明します。

高速

プリウスの燃費向上に寄与するポイントとして、一番の要因はハイブリッドユニットのモーターの利用です。つまり、走行中にEVモードに切り替わりエンジンを停止した状態で走行する事で、燃料の利用を抑え燃費を伸ばします。

ところが、高速走行、特に高速道路などの走行ではプリウスのモーターでは高速で長時間の走行は困難です。となると、ハイブリッド車としての能力は発揮できず、通常のエンジン車として、エンジン性能だけの燃費結果となってしまいます。

では、プリウスでは高速道路走行で高い燃費効率は期待できないのでしょうか。結論として
プリウスでの高速走行でも、一般のエンジン車を凌ぐ高い燃費走行が可能です。次に具体的にプリウスの省燃費走行の方法について説明します。

アトキンソンサイクル

まずは、プリウスという車両の特性について説明します。プリウスの高い燃費は、実はハイブリッドユニットの効果だけではありません。というのは、プリウスのハイブリッドユニットのうち、エンジン部分については、アトキンソンサイクルという、非常に効率の良いエンジンを採用しています。
このアトキンソンサイクル方式のエンジンは普通のエンジン車では、あまり採用されていない方式のエンジンです。

というのも、このアトキンソンサイクル方式のエンジンは、非常に効率がよく高い燃費性能を持っていますが、一方で欠点もあり、同じ排気量のエンジンと比べると、出力パワーが少なく、動力性能が劣っています。

メリット・デメリット

つまり、プリウスのエンジン部分は、非常に高い燃費効率を持つものの、パワーで劣っているため、それを補う意味でもモーターの動力を活用しているという仕組みになっています。

この2つの動力が絶妙なバランスを保つことで、高い燃費性能を発揮しているので、そのバランスが崩れやすい、高速道路走行ではエンジン部分だけの走行になってしまい、高速走行を維持するために、エンジン能力を多く駆使するので燃費が悪くなる可能性があります。

ただし、この高い燃費性能を持ったアトキンソンサイクル方式のエンジンは時速80km~90km程度までは、高い燃費性能を発揮することができます。従って、プリウスで高速道路走行を行う場合には、時速80km~90km程度の走行を目安にすれば、その真価を発揮させることができます。

空気抵抗

次に、高速走行で燃費を下げてしまう原因のひとつ、空気抵抗について説明します。高速道路走行での、燃費の悪化原因のひとつが、速度の出し過ぎです。速度を上げること自体、燃料を消費しますが、速度の上昇と共に、加速度的に空気抵抗が大きくなるので、速度を保つために、更なる燃料の消費が必要となってしまいます。

この理屈は、当然プリウスだけではなく、普通の車でも同様ですので、どの車をドライブするにも、無用な速度の上昇は避けるべきです。ただし、プリウスでは、燃費効率を追求するために、空気抵抗への対策も行われています。

具体的には、新しいエアロダイナミクス、究極の空力フォルムと呼んでいる、トライアングルシルエットがそのひとつです。このトライアングルシルエットはプリウスの象徴でもあり、高い空気抵抗対策で、CD値は0.24を実現し、二代目、三代目と改善を続けた結果といえます。

数々の空気抵抗対策

さらに、空気抵抗対策として、純正のアルミホイールや、フロントバンパー、フロントピラーに、リアバンパー廻り、さらにはルーフアンテナもシャークフィンタイプを装備し、空気の流れをコントロールするのに一役買っています。

もちろん、安全面という意味でも、無駄な速度上昇は危険も伴うので、無駄に速度を上げる事は避けるべきです。また、車両によっても高速走行の適正は異なるので、高速走行が得意なスポーツ系の車両同様にスピードを上げるのは危険ですので避けるべきです。

一定速度

前述の理由からも、プリウスで高速道路走行をする際に一定速度で走行することです。これは、ハイブリッド車に限ったことではなく、一般のエンジン車においても同様ですが、内燃機関エンジンでは加速時に多くの燃料を消費しますので、速度が一定せず加速を繰り返すと、燃料を多く消費します。

従って、高速道路走行では、信号はありませんので、基本的に一定速度走行が容易に実現可能です。制限速度を確認しながら、他社との流れに乗って、極力一定速度走行を心がけます。こうする事で、無駄な燃料を消費することなく、燃費は向上します。

ただ、一定の速度を保つには、それなりのアクセルワークが必要となりますので、その辺りは技術が必要となります。ただし、プリウスにはクルーズコントロール機能というものがあります。

クルーズコントロールの利用

クルーズコントロールは上位グレードには標準装備されており、下位グレードにおいても、オプション装備可能となっている機能です。走行中にこの機能をONにすると、ミリ波レーダーで前方の車を検知し、前方との距離を保ちながら、指定された範囲内で一定速度走行を自動的に行います。

従って、ドライバーはアクセルワークを行うことなく、一定速度走行を実現でき、運転の負担を減らしながら、省燃費走行の実現が可能です。

推奨速度

ここまでの説明で、プリウスの効率の良い燃費走行のコツは、一定速度でスピードを上げ過ぎず、空気抵抗を抑えながらドライブすることが、プリウスの高速道路走行で燃費効率を上げるのに最適だと説明しました。

では、具体的にどの程度の速度で走行するのが最適なのでしょうか。これには、理論値だけではなく、実走行をおこなったオーナーの声も含めて総合的に判断することが必要です。

最適は90km/h

結果として、一番多く声が寄せられているのが、90km/h程度の速度で一定速度運転ができれば、高い燃費を記録できるということです。

この数値は、アトキンソンサイクル方式のエンジンの性能値とも一致しており、理論的にも説明のつく数字と言えるでしょう。さらに、高速道路の制限速度を鑑みても、法定速度を守り、かつ実際の車の流れを妨げることなく、快適にドライブする数値としても、現実的な数値といえます。

エコドライブモード

次に、プリウスが持つ電子制御機能で、高い燃費を実現する方法について説明します。プリウスには、状況や気分に合わせて、電子的に走りをコントロールする機能が付いています。

これは、ボタン操作一つで切り替わる、パワーモード、エコドライブモード、EVドライブモードです。このうち、燃費効率を上げるひとつの機能として、エコドライブモードがあります。

このエコドライブモードを利用すると、いつも行っているアクセル操作をしても、駆動力が押えられ、自動的に高い燃費を実現する事ができます。また、暖房や冷房の効き具合も抑えられ、燃費の向上と環境への配慮にも貢献します。

エコドライブモードの効果

このエコドライブモードが高速走行に貢献する側面としては、もちろん加速時の駆動力制御もありますが、多くは高速走行時の駆動力と、一番は暖房の機器具体が制御されることで、燃料の消費を抑えてくれます。

従って、ドライブ時の外部環境にもよりますが、暖房機能がさほど必要ない場合には、このエコドライブモードを使って燃料の消費を抑える事で、高い燃費効率を得る事ができます。

右車線ばかりはダメ

こうした状況を踏まえると、現実的な高速道路走行について具体的な指針が見えてきます。それは、速度は90km/h程度での一定速度走行、加減速を控えて走行し、クルーズコントロール装着車については、極力、その機能を利用して走行します。

この指針を踏まえると、もうひとつ重要な遵守項目が見えてきます。それは、高速道路走行では、追い越し車線ばかりを走行しないことという点です。

90km/hでの走行というと、右側の追い越し車線の継続的な走行も問題がないように思えます。しかし、実際には、追い越し車線には、法定速度を大きく超える車両が後方から追い付いてくることもありますし、走行車線を走っていた大型車両が追い越しのために、入って来る可能性もあります。

判断よく走行車線を走る

こうした状況が続くと、意図していなくても加減速を繰り返さざるを得なくなってしまい、燃費走行に悪い影響を及ぼす事は避けられません。こうした状況を避けるためにも、右側の追い越し車線ばかりを走行するのではなく、車両の流れを見ながら、一定速度での走行が可能な状況においては左側の走行車線を走る事を心がけます。

このような判断力とドライビングテクニックを駆使する事で、結果的に燃費も向上しますし、ドライビングの負担も軽減できて快適な高速道路走行を可能にしてくれます。

高低差を利用

次に、ハイブリッド車の特性を活かした、高速道路走行について説明します。ハイブリッド車の真価は、EVモード、つまりモーター動力での走行で、エンジンを止め燃費を稼ぐという点です。

高速道路ではなかなか、EVモードへの切替は難しいようですが、実は高速道路でもEVモードに適した環境があります。それは、高速道路の高低差を利用する場合です。高速道路においても、特に中央道のような路線では、多くの高低差が存在します。
この高低差、特に下りの路線においては、ブレーキをかける、あるいはアクセルから足を離してエンジンブレーキ状態にしてあげると、この状態でプリウスはエンジンを止め充電モードに突入します。

充電したモーターパワーで燃費向上

そして、充電された電力を、次のモーターアシストとして利用します。高低差のある高速道路で、上り下りを利用して、充電からモーターアシストを繰り返すことで、プリウスの燃費は普通の車との燃費効率の差を広げていきます。

高速でもアクセルを戻せば充電しエンジンは止まる

高低差のある道路での走行の際にも述べましたが、高速道路走行でもアクセルを戻せばプリウスは回生ブレーキで電力を充電してくれます。従って、必ずしも高低差ばかりでなく、燃費を伸ばすドライビングテクニックはあります。

つまり、平坦の道路の続く区間であっても、周りの車が少なければ、アクセルON/OFFを繰り返す事で、プリウスは充電モードに切り替わり、アクセルONの際にはモーターアシストが行われて燃費効率が上がります。

アクセル操作を繰り返す

一般のエンジン車での走行では、通常走行の際に、アクセルのON/OFFを繰り返すというアクセルワークはされませんが、ハイブリッド車ではこれに当てはまりません。回生ブレーキという機能上、アクセルを戻すという動作は、充電という結果につながります。

従って、前提として周囲の車両に迷惑にならない状態であれば、アクセル操作によりプリウスの充電・モーターアシストを繰り返すことで、燃費の向上が期待できますので、速度を落とさず、巧みなドライビングテクニックを取得することをします。

25km/L以上可能

上記のような、ドライビングテクニック、プリウスの電子制御機能を駆使すれば、高速道路走行でも、十分な燃費性能を発揮してくれます。37km/L以上の燃費性能をもつ四代目プリウスZVW50型であれば、25km/L以上の燃費性能は軽くクリアできると言っても過言ではありません。

高速道路に入るとどうしても、アクセルを踏み込んでしまう癖がついている方も、プリウスに乗った際には、こころを落ち着かせ、道路状況に合わせて、走行速度を最適な90km/hに抑えて、加減速を極力控えます。

回生ブレーキの達人

その上で、道路の高低差を素早く判断し、下りではアクセルを戻して、回生ブレーキで電力を充電します。そのモーター動力のアシストで上り坂に対応するといった、ドライビングテクニックを駆使します。

さらに、クルーズコントロール装備車では電子制御の力で、車間を保ちながら一定速度での走行を実現します。

こうしたドライビングでプリウスの燃費性能をいかんなく発揮し、高速道路走行で25km/Lの高燃費走行を実現します。

東名高速 90km/h走行でリッター25km/Lの実現

プリウスが高い燃費走行を実現するために、一番適した高速道路に東名高速道路があります。東京から名古屋までの全長346.8kmを、90km/hで一定速度走行を心がければ、25km/Lの燃費は十分にクリアできます。

それどころか、カタログ値にぐっと近づく30km/Lといった数値を出す事も夢ではなくなってきます。せっかくプリウスのオーナーになったのならば、その真価をいかんなく発揮して満足のゆくドライビングを実現を目指しましょう。

プリウスの燃費向上方法

プリウスはその製造コンセプトから燃費性能を最重視していますので、純正の車両においても他車に引けを取らない燃費性能を持っています。ですが、メンテナンスや改造によって、その性能を維持・向上させる余地も残っています。ここでは、プリウスの燃費向上のための改造方法などについて説明します。

改造

まずは、車両のアイテムの取替など改造対策によって燃費向上を目指す方法について説明します。

クルーズコントロール取り付け

一定速度走行による燃費向上術については前述したとおりですが、一定速度コントロールをより簡単に行うために、クルーズコントロールという機能があります。三代目プリウスZVW30型車両についても、Gグレードでオプション追加可能となっています。

ただし、オプション追加した場合には、別途14万7000円という費用が必要になり、クルーズコントロールを装着した車両は多くありません。ただし、このクルーズコントロール機能自体は後付けで有効化可能になっています。

ZVW30型車両への取り付け

特に、ZVW30型車両のメーカーオプションでETCオプションを付けている場合には、簡単な部品、具体的にはクルーズコントロールスイッチを配線するだけで機能を有効化できます。

これにより、アクセルを踏むことなく一定の速度で、前方を走行している車両を追尾しながら、一定の車間を開けて一定速度で走行をしてくれます。従って、無駄な加速を防ぎ、一番燃費効率の高い速度で、継続的に走行を行ってくれます。

また、四代目プリウスZVW50型車両においては、ツーリングセレクションレザーパッケージでは標準装備となっており、Gグレードではメーカーオプションとして装着可能になっています。

従って、四代目においても、後付けキットを入手して、ご自身であるいは、ショップにてクルーズコントロールスイッチを取り付ける事で、オートクルーズ機能が有効化され燃費向上に力を発揮してくれることは間違いありません。

プリウス 低燃費マフラー

次に、改造車両の定番のマフラー交換です。マフラー交換ときくと、ついつい爆音やパワーアップを想像してしまいますが、トヨタ純正でプリウスの燃費を良くするマフラーが販売されています。

マフラーの役割は主に消音効果ですが、排気管の一部ですので、排気能力に深く関与しています。その排気能力をアップさせてあげることで、燃費効率を高めるというパーツになります。さらに、純正の製品なのでその品質は保証されているといって間違いありません。

具体的には、メーカー側の意見としては、10%の燃費向上が見込めるというもので、効果としては高いものがあります。もちろん、純正製品なので車検の新基準も満たしており、排気音も気になるほどの悪化はありません。始動直後の暖機運転での音が低音になります。

マフラー交換の効果

実際の効果として、10%という明確な数値は導き出すのは難しいですが、やはり平均的に燃費向上効果があります。また、パワーアップ効果もあるようで、高速道路での合流など高速走行での効果が確認できます。

また、排気音についても全体的に低音になり、抜けのよい音になり、ドライビングの楽しさを増し、回転の立ち上がりの向上と共に、プリウス改造には良い効果を示しています。

ポールアンテナフィンタイプ

次に、空気抵抗に関する改造について説明します。どんな車両においても、空気抵抗は避ける事はできません。特に速度が上昇すると加速度的に空気抵抗は増加していきます。特にプリウスのように高い燃費性能をセールスポイントにしている車両においては重要な要素になります。

四代目プリウスにおいてはトライアングルシルエットという独自のフォルムで、高い空気抵抗性能をさらに向上させCD値を0.24まで向上させました。この数値だけでも十分な数値ですが、こうしたコンセプトに基づいて、より高い空気抵抗性能を実現させるのが、今回の改造です。

具体的には、ボディにあるアンテナ形状です。プリウスのボディ形状は前方からの空気の流れを、独自のフォルムで後方に効率よく流し、ボディエンドの低いスポイラーで整流化して空気の抵抗を低減します。

アンテナは必須

ただし、一般の車では社内オーディオや、近年のIoT化の流れの中でのコネクティッドカーに向けてT-Connectなどの通信機能も必須要件になっています。このため、ボディ上部のアンテナは必須ですが、この部品はそれだけだと空気抵抗の増加や気流の乱れを生みます。

そこで、三代目プリウスなどのポールアンテナをフィンタイプに変更することで、空気の流れを効率化・整流化することで余分な空気抵抗を減らします。近年のF1カーなどではシャークフィンとして一般化されています。

ただ、改善効果としては極めて少ない数値となりますが、折角のボディ形状の邪魔をすることなく、かつコンパクトなアンテナとして機能美を保つことができます。

テクニック

次に燃費向上のためのテクニックについて説明します。パーツの交換することなく、各ユニットの性能を向上させ燃費性能のアップに寄与するテクニックです。

ラジエーターグリルを塞ぐ

優秀なプリウスですが、そのプリウスにも弱点があります。そのひとつに冬の暖房があります。冬場の運転で、エンジンがあまり稼働していない状況下において、プリウスはあまり水温があがらず、暖房の効きが悪いという事があります。

このような状況になると、やはり寒さには勝てませんので、つい暖房の風量を増加させてしまいます。それでも、なかなか暖まらないので、ついつい風量マックスのままのでの走行が続き、燃費の悪化を招きます。

そうした状況を回避するために、プリウスオーナーの間ではラジエーターグリルをスポンジで塞ぎ、余分な冷却を防ぐと言う手立てが施されています。こうすることで、暖機運転が早まり、暖房の効きも早くなるのですが、1点問題があります。

市販の水温計で温度管理

プリウスには水温計がついていません。このため、適切な温度管理ができないという問題が発生します。あまり、無理な保温を行うと、それこそ車両故障に繋がりかねません。そこで、適切な温度管理のためのアイテムを追加します。

それは、プリウスのEUCから各種情報を取得するメーターです。もちろん、プリウスに準じた製品を選ぶ事は必須ですが、正しい製品さえ選んでしまえば、ダッシュボード下の診断用コネクタに接続するだけで、水温やエンジンの回転数、実速度も取得でき、電源もそこから取れるので大変に便利です。

このメーターを使って、さまざまな条件下での走行実験を行い、適切なラジエーターグリルの施工を調整します。これにより、車両にダメージを与えることなく、寒い冬場を乗り切るプリウスを誕生させることができます。

アーシンググッズ

次に、自動車のエンジン回りのアースを強化することで、燃費向上を目指すテクニックを紹介します。ハイブリッド車に限らず自動車と電気は密接な関係にあります。従って、その効率を高めることで、さまざまな機能に改善効果が表れます。

具体的には、このエンジン回りのアースの強化は、燃費向上と共に、車のタイヤを回転させる力(=トルク)、車のアクセルを踏み込んだ時の反応の良し悪しの向上、エンジンのかかり方の改善、さらにはヘッドライトの光量アップなどの効果が期待できます。

施工自体は至って簡単ですので、感電対策などを十分に行った上でDIYにて実施することができます。ただし、こういった作業に慣れていない方は、無理をせずショップにて実施してもらうことをします。

マグネーションエボリューション

次に、燃料タンクからのガソリンなどの供給効率を上げるテクニックを紹介します。ガソリンなどの燃料を使った内燃機関エンジンの車両では、燃料の供給効率を上げることで、燃費の向上を実現することができます。

具体的には、燃料タンクからガソリンや軽油などの燃料を送り込むパイプに、磁力を発生するパーツを取り付ける事で、その磁力によって燃料効率をアップさせて、燃料消費率を上げることで燃費効率向上に寄与するという仕組みです。

エンジンは燃料の供給と空気との混合、そして爆発により動力を発生します。ですので、おおもとになる燃料の供給効率が上がれば、燃焼効率も上がり、必然的に燃費向上につながるという具合です。

排気ガス対策にもなる

この施工により、燃料の消費が抑えられるので、結果的に排ガス対策にもなります。ただし、燃料ホースのサイズや形状によっては取り付けできない場合や、十分な効果が出ない事もあります。

ただし、上手く機能すれば0.4km/Lの効果が改善が見られたという意見もありますので、試してみる価値はあります。

アイテム

次にプリウスの燃費向上に役立つアイテムを紹介します。

プリウス カーボン除去剤

最新のプリウスといっても、エンジンを回して走行していると、カーボンの堆積によって燃費が落ちていってしまいます。これでは、折角の低燃費車両に乗っていてもその価値が発揮できません。

そこで、燃費を向上させるために、堆積したカーボンを除去するアイテムを利用します。それは、カーボンクリーナーと呼ばれる液体アイテムです。このカーボン除去剤を1本すべて注入することで、堆積したカーボンを徐々に除去してくれます。

それにより、燃焼効率や吸気効率が回復し燃費向上が期待できます。こうしたメンテナンスが車の機能を保ち、快適なドライブを継続できます。

プリウス エアフィルターグッズ

次に、基本中の基本になりますが、エラーフィルターの交換について説明します。エアーフィルターが詰まってしまうと、エンジンに空気が十分に供給されなくなってしまうので、エンジンの働きを鈍くしてしまいます。

先ほども述べましたが、エンジンは空気と燃料の混合で爆発を引き起こします。従って、燃料と共に空気の供給が重要な要素となります。ですので、この空気の供給を妨げる要因を取り除くことが重要になります。

効率的な空気吸入

エンジンの働きが鈍くなると、思ったような走行性能が発揮されないので、ついついアクセルを踏み込んでしまいます。こうなると、燃料を多く使用し燃費は一気に悪化してしまいます。

こうした状況を回避するために、詰まったエアフィルターは交換し、あるいは効率の高い製品に交換することで、エンジンの働きを保つことができます。

低燃費プリウスで快適ドライブ生活を

ここまで、トヨタ自動車のハイブリッド車のパイオニア、プリウスのロケーション別の実燃費や燃費向上のためのドライビングテクニックを紹介してきました。1997年のプリウス登場以降、日本だけでなく世界中が低燃費車に向けた流れができあがりました。
その後、プリウスは二代目、三代目、そして四代目とモデルチェンジを重ねても、不動のを保ています。プリウスの魅力は、その燃費性能はもちろんのこと、空気抵抗性能の高いそのフォルムもの理由の一つです。

想像を超える未来へ

現在は、プリウスを筆頭にしたハイブリッド車だけではなく、燃料電池車、EV車が台頭し始め、100年に一度の大変革期へと突入しました。今後の展開は、誰も予想できません。

そんな中ではありますが、やはり時代の先頭を走るプリウスの燃費性能を最大げに引き出すための、ノウハウを理解していただき、ご自身のニーズにあったプリウスを選んで快適な未来に繋がるカーライフを送っていただければ幸いです。

初回公開日:2017年12月20日

記載されている内容は2017年12月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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