スバルレヴォーグの燃費は悪い?実燃費・燃費向上方法
更新日:2024年07月17日
スバルレヴォーグの実燃費はどれくらい?
スバルレヴォーグは、2014年から発売されたスバルの新型ステーションワゴンです。大ヒットしたスバルレガシィツーリングワゴンの後継車として位置づけられていますが、2013年に東京モーターショーで発表された当初は、4代目インプレッサをベースとして開発された別物として紹介されました。
スバルレガシィシリーズは、ツーリングワゴンの生産を5代目で終了してしまい、セダンのB4とアウトバックのみが6代目にフルモデルチェンジして継続生産・販売されています。
最後のモデルとなったレガシィツーリングワゴンと、レヴォーグのボディサイズを比較すると、レヴォーグの方がわずかに小さくなっており、さらにレヴォーグのエンジンは、6代目レガシィシリーズに搭載されているエンジンとも別物、ちょっと変わった経緯を持つスバルのステーションワゴンです。
次に、スバルレヴォーグのモデルラインナップの特徴をみながら、公称燃費や実燃費についても紹介していきます。
レヴォーグ 1.6L モデルの燃費性能
スバルレヴォーグ1.6GTおよび1.6GT-Sに搭載されるエンジンは、水平対向BOXER FB16型、排気量1.6Lの4気筒エンジン、インジェクションが直噴化されたターボエンジンとなっています。参考までにインプレッサの1.6Lエンジンは、同じFB16型ですが、こちらは直噴化されていないNAエンジンです。
レヴォーグに搭載されるトランスミッションは、スバル独自のチェーン式無段階変速機であるリニアトロニックが搭載されており、全車AWDのみの設定です。
気になるレヴォーグの燃費性能ですが、JC08モード燃費で16.0km/L。最高出力が12kkW/180PSに達するスポーツモデルとしては、高い燃費性能を発揮しています。
レヴォーグの実際の燃費性能は、ネットの口コミ情報によりますとおよそ5km~17km/Lとかなり幅があります。運転の仕方や走行道路の内容によって大きく変化することがわかります。しかしながらこれらの口コミ情報を平均してみると、11km/L前後の実燃費となります。
レヴォーグ 2.0Lモデルの燃費性能
スバルレヴォーグ2.0GT-Sおよび2.0STI Sportsに搭載されるエンジンは、水平対向BOXER FA20型、排気量2.0Lの4気筒エンジン、こちらも直噴化されたターボエンジンです。
高出力のエンジンに組み合わせるべく改良された「スポーツリニアトロニック」が搭載され、よりスポーティな走りを楽しむことができます。
レヴォーグ2.0Lの燃費性能はJC08モード燃費で13.2km/Lと、燃費性能よりもややスポーツ志向にチューニングされたモデルです。
実際の燃費性能は、ネットの口コミ情報によりますとおよそ5km~17km/Lと1.6Lモデルと似た傾向を示しています。こちらも運転の仕方や走行道路の内容によって大きく変化しますが、同様に平均すると11km/L前後の実燃費です。
新型レヴォーグの主な特徴
新型スバルレヴォーグは、スバルの最上級グランドツアラーと位置づけられています。精悍なフロントマスクやテールエンドでやや絞り込まれたボディデザインは、走りの重厚感や快適さを予感させます。
シックでクオリティの高い質感のインテリアは、落ち着いた室内空間を生み出し、このレヴォーグを所有する喜びを感じさせてくれます。
ドライバーが車の情報を受け取るインストルメントパネルは、メーター内、カーナビ、そして上部のセンターパネルにまとめられ、少ない視線の移動だけで認知できるよう設計されています。特にこのセンターパネルには、5.9インチの大型カラーLEDが採用されており、グラフィカルな表示によって視認性を向上させています。
また、車内のさまざまなところに使われたブルーのステッチは、高級感を提供するとともに、いつまでも飽きの来ない遊び心のある空間を演出しています。
新型スバルレヴォーグは、グランドツアラーとしての機能が満載です。欧州系の高級輸入車に搭載されるような機能から最近のトレンドとなる機能まで、充実の装備です。
その一例を紹介します。
アイサイト ver.3
スバル車のセンシング機能として、レヴォーグにも標準搭載されるアイサイト、先行車両だけでなく画像認識よって歩行者も認知することができ、エマージェンシーブレーキを作動することができます。
もちろんレヴォーグに搭載されたセンシング機能はそれだけではなく、全車速追従機能付クルーズコントロールや車線の区画や先行車両を認識するステアリングアシスト機能も実現し、特に高速道路でのロングクルージングや渋滞時の負荷の軽減にも大きく貢献しています。まさにグランドツーリングカーにふさわしい安全機能をフルに搭載しています。
エマージェンシーストップシグナル
急ブレーキを検知し、自動的にハザードを点滅させて後続車に注意を促します。
ターンインジケーター付ドアミラー
方向指示器の点滅状態を、室内側から確認可能です。
ウェルカムライティング
ドアミラー下に取り付けられた、下方を照射するランプをキー操作と連動して点灯し、暗い場所での車両周りの視界を確保します。欧州の輸入車によく装備されている機能です。レヴォーグにも採用されており、特に地下の駐車場などで威力を発揮します。
オートピークホールド
車が停止した後、ブレーキペダルを離しても、その状態を保ちます。坂道発進などで後にさがってしまうのを抑制します。
左右独立温度調整機能付フルオートエアコン
運転席・助手席側それぞれ独立して、エアコンの温度設定が可能です。輸入車をはじめ高級車に設定が多いこの機能、乗員の体感や体調に合わせ、別々に設定することができます。
USB電源(フロント2+リア2)
4人の乗員が、それぞれスマートフォンなどの充電を同時に行うことができます。最大定格5.25V/2.1A出力ですから、通常のスマートフォンだけでなく、iPadなどの高い電流を必要とする機器の充電にも対応します。
レヴォーグのエンジンと走行性能
新型スバルレヴォーグは、上記のような1.6と2.0の2タイプ構成となり、どちらもDITと呼ばれる直噴ターボエンジンです。
時代の要請として環境性能を重視しながらも、この2つのエンジンの求めるところは、それぞれやや異なり1.6Lはレギュラーガソリンを採用したダウンサイジングターボによる燃費向上を、2.0Lはスポーツ走行を追求したモデルとして設計されています。
レヴォーグの1.6Lモデルは、ベースがインプレッサと同じFB16型でありますが、ほとんどが新規に設計しなおされ、欧州メーカーがハイオク仕様で作りあげたダウンサイジングターボに対抗し、レギュラーガソリンで実現するというブレイクスルーを実現しました。
その結果、GTというモデルにふさわしいパワーを持ちながら、16.0km/Lの燃費性能を達成しました。人や荷物をたくさん載せるステーションワゴンとして余裕のある走りと、高い燃費性能をバランスよく実現したモデルです。
一方のレヴォーグの2.0Lの方はというと、ハイオク仕様の2.0Lターボエンジンで、圧倒的なパワーとトルクを誇ります。こちらのモデルにはアイドリングストップ機能が搭載されておらず燃費性能の数値の上では不利ですが、1.6Lの1.6GT-S EyeSightと比較しても車両重量が+10kgに抑えられているなど、軽量化設計も行われています。
レヴォーグのトランスミッションは、1.6にはリニアトロニックとアクティブトルクスプリットAWD、そしてレヴォーグの2.0Lにはスポーツリニアトロニックと、前後輪トルク配分を45:55としたVTD-AWDという組み合わせを実現。それぞれの性格にあった高性能なシステムを搭載しています。
スバルレヴォーグの燃費は悪い?
スバルレヴォーグの燃費性能について解説しましたが、次にこれらをライバル車の性能と比較してみます。
レヴォーグのライバルは?
レヴォーグの持つ、ステーションワゴンとしてのユーティリティ性能、グランドツアラーとしての風格を考えてみますと、ライバルはズバリ、「マツダアテンザワゴン」です。
その他、輸入車系ではアウディA4やフォルクスワーゲン ゴルフバリアントが近いコンセプトになりますが、価格帯が大きく異なります。また、トヨタアヴェンシスも近いコンセプトではありますが、アヴェンシスの設計がすでにかなり古いものであり、レヴォーグとの比較はふさわしくありません。
そしてあえてあげるとすれば、ターボモデルを備えた小型のミニバンであるホンダのジェイドが、レヴォーグと似通ったポジションにあります。
こうして考えてみますと、レヴォーグのような存在の車が非常に希少であることがわかります。
今回は、マツダのアテンザワゴンを中心としたいくつかの車と、その燃費性能を比較していきます。
燃費対決 レヴォーグ1.6 vs マツダアテンザワゴン
まずはマツダのアテンザワゴンの主力モデルである2.2L クリーンディーゼルモデルから見ていきます。
マツダアテンザワゴン XD L Package/XD PROACTIVE/XD 2.2L 4WD AT車: 18.2km/L
FFのMT車では、JC08モード燃費で22.2km/Lを達成していますが、やはり車重の重くなる4WD/AT車ではそこから燃費性能は10%以上低下し、18.2km/Lとなっています。効率が良いと言われるマツダのクリーンディーゼルですから、さすがに燃費もよく、さらに価格の安い軽油を使うというところも総合すると、レヴォーグの燃費性能は、アテンザワゴンのクリーンディーゼルモデルに一歩譲ります。
一方、アテンザワゴンのガソリンモデルですが、こちらは残念ながらFF車の設定しかなく、レヴォーグのライバルになりえませんが、以下の様になっています。
アテンザワゴン 25S L Package 2WD AT車 JC08モード燃費:16.0km/L
アテンザワゴン 20S PROACTIVE/20S 2WD AT車 JC08モード燃費:17.4km/L
レヴォーグの1.6L AWDモデルは、SKYACTIVE-G搭載 アテンザワゴンの2WDとほぼ同等の公称燃費値です。レヴォーグは車両重量の点では不利なはずでが、同等の燃費性能を達成しており、その燃費の基本性能の高さがわかります。
燃費対決 レヴォーグ1.6 vs ホンダ・ジェイドRS
ホンダジェイドは、1.6LのVTECターボを搭載したミニバンです。ミニバンといいながら全高を低く設計し、タワーパーキングや昇降式パーキングに対応しています。さらに3列シートの6人乗りという少し型破りなスタイルではありますが、大人4人でのロングツーリングに適したグランドツアラー的な使い方も可能です。
残念ながらこのモデルには4WDの設定がなく、その点はレヴォーグと対等な比較ができませんが、近いボディサイズで元気のよいターボエンジンを搭載という視点で燃費を比べてみます。
ホンダジェイド RS 1.5L VTEC TURBO FF/CVT (レギュラーガソリン仕様) JC08モード燃費: 18.0km/L
レヴォーグ1.6Lと比較すると若干高い数値を示していますが、やはりジェイドはFFモデルということで車重もやや軽量、このわずかな差が燃費にも影響しています。
1.6L
上記のようにいつくかのライバル車と比較してみました。レヴォーグの真っ向からのライバルとなる車は非常に少なく、大きなライバルはマツダアテンザワゴンです。アテンザワゴンがその主力モデルを2.2Lのクリーンディーゼルターボにしているのに対し、レヴォーグは1.6Lのダウンサイジング(ガソリン)ターボということでやはりそのエンジンフィールはかなり異なり、ユーザーによって好き嫌いがわかれます。
また、ホンダジェイドとの比較にしても、ジェイドの4WDモデルが存在しないこともあり、やはり同じ土俵では比べられないモデルです。
こういった違いを越えて燃費を比較した場合には、もともと燃焼効率のよいクリーンディーゼル車には一歩譲りますが、AWDによる走行安定性や安全装備とのバランスで考えた場合には、レヴォーグの燃費性能は決して悪くはありません。むしろこれだけの性能と装備、ユーティリティを持ちながら、16.0km/Lの燃費性能を達成するモデルは、スバルレヴォーグ1.6の他はありません。
ハイブリッドモデル不在
燃費競争が激化する昨今、トヨタ・日産・ホンダをはじめとする国産メーカーは、ハイブリッドモデルを次々に投入してきました。これに対し、エンジン性能を根底から磨き上げ対抗する大手メーカーがスバルとマツダの2社です。
スバルにおいては、過去にXVハイブリッドとインプレッサハイブリッドを試乗投入していますが、その燃費性能は公称燃費で20km/Lにとどまり、他社の20kmを大きく上回る性能に比べるとまだその真価が発揮されていません。
ハイブリッドモデルの燃費向上手法は、エンジンにとって燃費の悪い回転領域を使わないようにモーターでアシストしてやるところにあります。その結果、さまざまな状況での走行に対しても、使われるエンジン領域を限定し、大幅な燃費向上を可能とします。
しかし、レヴォーグが選んだのは、ガソリンエンジンの性能向上による燃費改善と、エンジンフィールの向上によるドライビングの楽しさの追求です。
スバルレヴォーグの燃費向上方法
水平対向BOXER FB16 DITエンジン
スバルレヴォーグに搭載されるこの1.6Lエンジンは、欧州自動車メーカーが先行している「ダウンサイジングターボ」のコンセプトを実現したエンジンです。欧州自動車メーカーのものは、耐ノッキング対策のためにハイオクガソリン仕様で実現されていますが、レヴォーグのエンジンではレギュラーガソリンが使えることを念頭に置いて設計・開発されました。
ハイオクガソリンに比較し、レギュラーガソリンの小売り価格の方が安価ですから、同じ燃費値であったとしても、1km走行するのにかかる費用も安価になります。
インプレッサに搭載されるFB16型のNAエンジンと型式こそ同じですが、ほとんどの部分を専用設計し、燃料噴射装置も直噴式に変更されています。エンジンの排気量を小さくすることで、定速走行時の燃料消費を減らし、加速時に不足するパワーを過給によって補うコンセプトです。パワーと燃費をバランスさせたセッティングにより、グランドツアラーとしてのドライビングの楽しさも合わせ持っています。
ダウンサイジングターボのコンセプトでは、排気量の小型化を行うに当たり、過給によって低回転域でのトルクを大きくするようにチューニングすると同時時に、常用域で使用するエンジン回転数を低回転化させ、燃費を稼ぎます。
スバルレヴォーグのエンジンにおいても、こうした低回転化によって燃費向上と静粛性を達成していますが、スポーツモードを選択し積極的に高い回転数まで楽しめるようになっているところが、この車のの秘訣です。
リニアトロニック
エンジンの燃費性能だけでなくトランスミッションの働きも、燃費性能の向上に大きく関与します。エンジン特性に応じ、必要十分なパワーをもっとも効率的に引き出せる回転数を選んでやることで、燃費性能は大きく向上します。スバルは無段階変速機(CVT)を利用することにより、効率的にダウンサイジングターボのエンジンパワーを動力として伝達しています。
このCVTを歴史的に見てみますと、いち早く開発し量産化しのたがスバルです。1987年スバルジャスティに搭載されたECVTが最初です。さらにスバルは、CVTの伝達効率の向上や高出力エンジンに対応するための改良を重ね、内部のベルトによる動力伝達部にチェーンを採用した独自のCVTを開発。これがリニアトロニックと呼ばれるスバルの無段階変速機です。
一般にCVTは、高出力エンジンに対応するのが困難であったため、コンパクトカーを中心に採用されてきましたが、スバルのリニアトロニックは、レヴォーグの2.0Lモデルのような高出力エンジンにも採用されるなど、高出力エンジン対応のための大幅な性能向上が行われています。
SI-DRIVE
スバルレヴォーグでは、シーンに合わせて切り替え可能な2つの走行モードを用意しています。一方の「スポーツモード(S)」ではリニアな加速感が得られるチューニングとなっており、他方の「インテリジェントモード(I)」では、燃費に考慮した穏やかな特性で走ることができます。
エアロダイナミクス
レヴォーグの空力特性に優れたボディ設計や、ルーフスポイラーの装着、そしてフロアアンダーカバーにより、空気抵抗を減少させ、車の走行安定性の向上も図っています。このエアロダイナミクスデザインは、燃費性能の向上にも少なからず貢献しています。
アイドリングストップ
レヴォーグの1.6Lエンジンを搭載するモデルにみに搭載されたアイドリングストップ機能は、交差点や渋滞での停止時に、即座にエンジンをストップさせて無駄な燃料消費を抑制します。また出発時には即座にエンジンを始動して復帰しますので、ストップ&ゴーでわずらわしさを感じることがありません。特に渋滞や信号待ちの多く発生する都心部で、この仕組みは燃費性能に大きく寄与しています。
レヴォーグは、走りの楽しさと燃費性能を両立したグランドツアラー
大人4人がゆったり乗れて、大きなカーゴスペースを持つスバルレヴォーグ、精悍な外観スタイルと、シックなインテリアデザインの内装は、所有する喜びを感じさせてくれる車です。水平対向BOXERとリニアトロニックによる駆動系は、低重心で安定した走行性能を提供してくれます。
ここまではこれまでのレガシィツーリングワゴンでも実現されていたことですが、後継となるこのレヴォーグは、ダウンサイジングターボの1.6Lエンジンで高い燃費性能を達成。所有する喜び、運転の楽しさ、充実したユーティリティ、さらに高い燃費性能とレギュラーガソリンによる維持コストの抑制など、これほどバランスのとれたモデルは希少な存在です。
初回公開日:2017年10月28日
記載されている内容は2017年10月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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