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エンジンブレーキで燃費は変わる?理由・ニュートラルとの違い

更新日:2024年07月24日

エンジンブレーキを使うと「燃費が悪くなる」といったこと聞いたことがありませんか?エンジンブレーキの事を教習所で習ったけど忘れている方も多いと思います。ここでは効果的なエンジンブレーキの使い方と燃費の関係について説明していきます。

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エンジンブレーキで燃費は変わるの?

クルマを運転するうえで必ず付きまとうのが燃費です。昨今の燃料費の高騰でなるべく燃料がかからないように運転に心がけている人々が多くなりました。教習所で車を減速させる方法の一つとして、エンジンブレーキの事を習った記憶のある方も多いはずです。

エンジンブレーキを利かせると、エンジン音が大きくなるので燃料を沢山使っているように感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、エンジンブレーキを使っても燃料を多く使っているわけではないのです。アクセルを踏むと燃料がエンジンに供給され車が動きますが、アクセルを戻すと燃料はストップします。

するとエンジンは回転しようとはせずに止まろうとします。エンジンが止まろうとする力に逆らっているわけですから、相当の力が働きます。車はそのエンジンの止まろうとする抵抗力に負けて減速します。これがエンジンブレーキです。

ですから、エンジンブレーキで燃料を多く消費するという考えは間違った話です。しかし使い方では、エンジンブレーキにより燃費が悪化する事があるのです。その意味を順を追って説明していきます。

エンジンブレーキで燃費に影響がある理由

通常走行しているときは、アクセルペダルに足を置いて、燃料をエンジンに送り込み車を走らせています。しかし、下り坂では車はアクセルを踏まなくても進みます。下り坂では燃料を消費しない代わりに重力の力によって、車はどんどん加速します。ここでスピードが出過ぎると人間はブレーキを使うわけです。この時に使うのがエンジンブレーキとフットブレーキです。

うまく利用すれば車を安定させて減速できるのがエンジンブレーキですが、エンジンブレーキは、変速ギアのチョイスの仕方で効き方が変わってきます。あまりにも低速ギアにすると、予想以上に車は減速します。しかしその反面高速ギアを使うと車は殆ど減速しません。
これを、平坦路で同じことを行ったらどうなるでしょう。

例えば、40km/hで順行しているときに、低いギアで走っているとアクセルを戻したときに強いエンジンブレーキがかかり、失速します。失速するので元の40km/hに戻すため強くアクセルを踏みます。当然燃料は多くエンジン内に送り込まれます。

要するに、一定の速度で走るように高いギアを使い、アクセルコントロールし不意なエンジンブレーキを起こさなければ、車はスムースに進んでいきます。平たん路ではなるべく高いギアで走り、車が進もうとしている力を利用する事で燃費を稼ぐことが出来ます。

エンジンブレーキは車の進もうとする力を止めようとする働きがあるので、運転の仕方で燃費に影響が出る事があるのです。

ATのエンジンブレーキは?

ATの車でエンジンブレーキをうまく使っている方はどのくらいいるでしょうか。ATのシフトレバーを見ると「L,2,D」とあり、ギヤのポジションを変える事でATでもエンジンブレーキを使う事が出来ます。

急な下り坂では、Lとか2にギヤを入れてエンジンブレーキで下る事になりますが、平坦路になったら、こまめにDレンジに切り替えないと、アクセルを戻したときに強いエンジンブレーキがかかる事により、失速してしまいます。その為にスピードを元に戻すためにアクセルを踏み込むこととなり、燃料を多く噴射し燃費の悪化となるので注意が必要です。

ATはDに入れっぱなしで走るのではなく、道路状況でギアのポジションをうまく使い分けて走ることが大切です。また、OD(オーバードライブ)スイッチが付いているので、このスイッチを上手に利用すれば、緩い下り坂でぎくしゃくしない走りが出来るでしょう。

CVTのエンジンブレーキは?

最近はCVTの車が多くなってきました。CVTはスクーターと同じ原理で無段変速機と呼ばれています。CVTの変速レンジは、D、LまたはSの2種類です。Dは通常走行で使い、Lはエンジンブレーキとして使います。

CVTはMTやATと違い、エンジンブレーキを多用するとCVTに負担がかかり、滑らかな加速が出来なくなると言われています。また燃費の悪化につながるようですので、シフトダウンをしてエンジンブレーキを使いながら減速する方法はお勧めできません。下り坂でフットブレーキと併用での使用にとどめておく方が良さそうです。

MTのエンジンブレーキは?

MTは、車と一体感になれるという事で、車好きには好まれるミッションです。シフトチェンジを繰り返しながら適切なエンジン回転で走る楽しさがあります。適切なギアでエンジン回転を低く保つことによって、過度なエンジンブレーキがかかる事を抑えることが出来ます。減速力を自分で細かく調整出来るので、燃費も良くすることが比較的簡単にできるでしょう。

過度なエンジンブレーキで減速をせずに再加速させる量を減らすことは、燃費向上ににつながります。

正しいエンジンブレーキの使い方

オートマ

オートマチック車にも、最近はマニュアルモードの設定が多くなりました。この機能を使用すれば、まるでマニュアルの車を運転しているようにエンジンブレーキを使用する事が出来ます。

しかし、平坦な道で、むやみにマニュアルモードでシフトチェンジを繰り返すと、燃費の悪化に繋がります。エンジンブレーキは、下り坂でフットブレーキと併用でスピードを減速するときに使うのが良いでしょう。

燃費を上げるコツは、エンジンブレーキによってスピードを殺し過ぎない事です。マニュアルモードの楽しさで、ついついシフトチェンジしてしまいます。無駄なシフトチェンジは燃費悪化の原因なので注意をしましょう。

ハイブリット車のエンジンブレーキ

ハイブリット車が世に出てから久しくなりますが、プリウスやビッツなどのシフトレバーに「B」という文字があります。この「B」はブレーキを意味しています。使い方は、エンジンブレーキを必要としたいときにBレンジに入れる訳ですが、ハイブリット車の場合、このシフトの使い方が燃費に非常に影響する深い意味があります。

通常走行する時はDレンジに入れて走りますが、バッテリーが充電可能な時だとDレンジでアクセルを戻したとき、その減速エネルギーを充電に回します。この時に抵抗が発生して、Dレンジでもアクセルを放すとエンジンブレーキが効いた感じになります。

また、ブレーキを軽く踏んでいる時も、電気を回収するモーターの抵抗だけで減速します。しかもブレーキを軽く踏んでもブレーキパットは使用しません。モーターの発電抵抗だけで減速させます。しかし、いざフル充電になると、モーターによる減速が起きません。それはもう充電の必要が無いからです。

その時に初めてBレンジに入れて、エンジンブレーキを使用するのです。充電中にBレンジに入れてしまうと、充電に回しているエネルギーをエンジンに取られてしまうので、燃費が悪化してしまいます。通常、フル充電されていないときは、Dレンジでアクセルオフやフットブレーキで減速したほうが、燃費は良くなります。

プリウスなどのハイブリット車についているBレンジ付の車は、少し運転の仕方が違うのです。

フットブレーキ

フットブレーキは、車を止める上で一番重要な装備です。もしフットブレーキが効かなければ、重大事故になってしまうでしょう。フットブレーキは、車を停止させるほか、減速させる時に多用します。

急な下り坂でブレーキを多用し過ぎると、ブレーキが熱を持ち、ブレーキオイルの中に気泡を生じさせペーパーロック現象を起こし、ブレーキが効かなくなります。この事から急な下り坂ではエンジンブレーキと併用で使用する事が望ましいです。

平坦路を走っている時、信号機で止まらなければならないとわかっているのならば、アクセルから足を放し、惰性で走行して最後にブレーキで止まる事が出来れば、燃費を稼ぐことが出来るでしょう。 

車を早く走らせたり、前の車との車間距離が無いとフットブレーキを多用する事になります。燃費を稼ぐには、全てにおいてゆとりある運転も必要になるでしょう。

下り坂

下り坂では、車は何もしなくても動きます。そのままだと車はどんどん加速してしまいます。そこでフットブレーキを使い車を減速するわけですが、ブレーキを使い過ぎるとペーパーロック現象が起き、ブレーキが効かなくなります。そこでエンジンブレーキの併用が大事となってきます。

しかし、エンジンブレーキを使うという事は、通常より低いギアにして走っている訳で、そのままの状態でアクセルを踏むと、より多くの燃料を消費し燃費を悪化させます。下り坂と平坦、下り坂と上り坂といったように、道路は常に変化します。その変化をとらえて適切なギアにシフトを入れて走る事が燃費向上につながります。

下り坂でエンジンブレーキを使っていて、平坦路に変わったらATならDレンジ、MTなら高いギアに変速させ、燃費を悪化させない走り方が重要でしょう。

エンジンブレーキとニュートラルではどちらが低燃費?

エンジンブレーキは、車を早く減速させます。そしてニュートラルは摩擦抵抗や、風邪の抵抗で車が減速します。同じスピードからエンジンブレーキとニュートラルでどちらが遠くまで走れるかと言えば、ニュートラルです。ということは、ニュートラルの方が燃料の消費が少なく済むという事にまります。

しかし実際の走行環境では、ニュートラルを多用するのは現実的ではありません。その為に車にはオーバードライブという機構がつけられています。例えばAT5速だと、4速が直結で5速がオーバードライブという事になります。

直結はエンジン1回転でタイヤが1回転で、オーバードライブはエンジン1回転でタイヤが1回転以上するということです。よって高速順行するときは、よりニュートラルに近い走行ができ、燃費の低減になっています。

基本の運転を低燃費につなげよう

エンジンブレーキが燃費に悪影響を与えるのは、運転の仕方一つです。エンジンブレーキを上手に使う事は、安全運転をする重要な役目でもあります。運転操作は、ATの普及で非常に楽になりました。また燃費に関する情報もインパネから見て取れるようになり、低燃費運転を心がける方も増えてきました。

しかし、エンジンブレーキの使い方が車によってだいぶ変わってきているのも事実です。車の取扱説明書を読むことは以前にもまして重要になっていると感じざる負えません。車の基本運転を見直す事が安全運転と低燃費への近道となるでしょう。

初回公開日:2017年09月14日

記載されている内容は2017年09月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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