プリウス30後期・30前期の乗り心地の評価|改善/悪い
更新日:2024年08月20日
プリウス30前期・30後期の乗り心地の評価
トヨタのプリウスと言えば、ガソリンエンジンと電気モーターで走行するハイブリッドシステムを搭載した、環境に優しい自動車です。現行のプリウスも販売台数の上位にありますが、中古車市場でも抜群の人気を誇る車種の一つです。
ただ、プリウス30系の前期モデルの乗り心地の評価は、あまり良いとは言えません。インターネット上で検索すると、「落ち着きがない」「ドタバタする」「ガタガタ・ゴトゴトしすぎ」などと悪い評価の方が多いです。
改善の余地あり?
自動車の乗り心地に関係する部位は、ボディー、サスペンション、タイヤになります。乗り心地において、ボディーは剛性が重要ですし、サスペンションは、その方式やコイルスプリングのバネレート、ショックアブソーバーの構造や減衰力、タイヤは内部構造の強度などが影響します。
グレードによって、サスペンションの味付けは多少違うとの事ですが、欠点とも言えるプリウス30系の乗り心地に関しては、改善の余地があるでしょう。
プリウスの乗り心地が悪い理由
乗り心地が悪いとの評価が多いプリウス30系ですが、特に前期モデルに悪い評価が多いです。乗り心地が悪い要因は何があるのでしょうか。主な要因をピックアップしてみます。
ボディー剛性の低さ
自動車のボディー構造は、モノコックボディーを採用しています。モノコックボディーとは、分かりやすく説明すると、ボディー全体が骨格となるように作られた構造になっています。イメージとしては、2枚貝を想像して頂ければ判りやすいでしょう。
モノコックボディーのメリットとしては、ラダーフレーム構造に比べて、剛性が高い、軽量に作成できる、室内空間を広くできる、衝撃吸収力が高いなどが挙げられます。
プリウス30系もモノコックボディーを当然採用していますが、乗り心地が悪いのはボディー剛性の低さが要因の一つとされています。自動車を大量生産する上のコストがかなり関わってきますので、ボディー剛性を重視して良い物を作れば、コストがかかります。販売価格と生産コストのバランスを取った結果でしょうか。
サスペンションの構造と機能
プリウス30系のサスペンションの種類は、フロントがストラット式・リヤはトーションビーム式と呼ばれるものが採用されています。リヤのトーションビーム式サスペンションは、構造上は左右が繋がれていますの、独立懸架式と呼ばれるサスペンションと比較してみると左右それぞれのサスペンションでの路面追従は劣る傾向にあります。
またサスペンションの構成部品の一つであるショックアブソーバーの内部構造や減衰力・コイルスプリングのバネレートなどが乗り心地が悪くなる要因の一つに挙げられます。
プリウスの乗り心地は改善されているのか?
プリウス30系は、2011年12月のマイナーチェンジで後期が登場しました。このマイナーチェンジで、ボディー開口部のスポット溶接の箇所を増やし、フロアブレース(床下の補強材)の構造を変更することで、ボディー剛性を高め、合わせてサスペンションの設定を変更することで、乗り心地と走行性能を向上しました。
プリウスオーナーの評価によると、プリウス30系の前期と後期では、乗り心地が全然違うとまで言われる程、30系後期の乗り心地は改善しました。
タイヤ別プリウスの乗り心地の変化
クルマのカスタムメニューの定番に、ホイールのインチアップがあります。ドレスアップの手法としては比較的簡単にできる事もあって、クルマ好きのオーナーなら、必ず実施する方法です。
インチアップのメリットとしては、見た目が格好良くなる、車両のコーナーリング性能やグリップ性能などの運動性能の向上などがあります。逆にデメリットとしては、乗り心地の悪化、ロードノイズが大きくなる、燃費の悪化、ハンドル操作が重くなるなどです。
プリウス30系のインチアップをした場合に、乗り心地はどう変化するのでしょうか。17インチと18インチを例に挙げて紹介します。
17インチ
17インチホイールは、プリウスのグレードにあるツーリングセレクションでも採用されているサイズです。採用されているタイヤサイズは、215/45/R17となります。ツーリングセレクション以外のグレードの標準サイズである、195/65R15から17インチまでサイズアップするとなると、先程紹介した、215/45R17と205/50R17が候補として挙げられます。
気になる乗り心地ですが、インチアップするとタイヤの偏平率が下がってしまい、サイドウォール部の幅が薄くなるために、路面からの振動や衝撃が伝わりやすくなり、結果乗り心地が悪くなる傾向にあります。乗り心地を気にする方はタイヤをチョイスする際に、乗り心地の良いタイヤを候補に挙げたほうがいいでしょう。
18インチ
プリウス30系を18インチホイールへインチアップする際のタイヤサイズは、215/40R18がベストでしょう。プリウスの特別仕様車であるG'sモデルでも採用されているサイズとなります。18インチホイールへインチアップした場合の乗り心地ですが、17インチよりもタイヤの偏平率が低いため、17インチよりも路面からの振動や衝撃が伝わりやすいです。
18インチホイールへインチアップする際も17インチの場合と同じで、乗り心地を気にする方は、タイヤを乗り心地のよい物をチョイスするといいでしょう。
プリウスにTRDサスペンションを搭載した時の乗り心地変化
クルマのカスタムメニューの中で、サスペンション(足回り)の交換もポピュラーな手法の一つです。車高調サスペンションキットや、ノーマルより性能が向上したショックアブソーバーやコイルスプリングへの交換が主なものになります。
プリウス30系にも、アフターパーツは存在し、TRDから出ているキットは、プリウス30系ようにチューニングされた車種専用設計のサスペンションになります。TRDサスペンションキットへ交換したプリウス30系の乗り心地は、評判がよく、しっかりしているが、アブソーバーのストロークも確保されており、ノーマルサスペンションと比較して、乗り心地は向上するとの事です。
プリウスをローダウンした時の乗り心地
クルマのカスタムメニューの中で、先程紹介したサスペンションキットの交換とは別に、車高を下げるために行うローダウンスプリングへの交換という方法があります。コイルスプリングのバネレートを上げ、自由長を短くしたものをクルマのサスペンションに取り付けます。
乗り心地に関しては、スプリングのバネレートと自由長が短くなり、ショックアブソーバーのストロークが減少するため、かなり悪くなります。
プリウスツーリングセレクションの乗り心地の評判
プリウス30系のグレードには、ツーリングセレクションというグレードがあります。SグレードをベースにしているSツーリングセレクションと、GグレードをベースにしているGツーリングセレクションの2種類です。このツーリングセレクションには、ツーリングセレクション用のサスペンションや17インチホイールなどが装備されます。
ツーリングセレクションの乗り心地の評価については、元々のサスペンションの設定がスポーツ志向の味付けのため、前期型はゴツゴツ感のある乗り心地であると言う評価が多いです。後期型はボディー剛性の向上やサスペンションの設定の見直しなどで、しっかりしているがマイルドな乗り心地であると言う評価が多くなりました。
プリウスの乗り心地の改善策とは?
これまで紹介してきたように、プリウス30系の乗り心地は、なかなか良い評価がありません。ですが、乗り心地が悪いと言われる原因があるはずなので、その部分を改善すれば多少なりとも乗り心地は改善するでしょう。では、プリウス30系の乗り心地を改善する方法を紹介します。
ボディー補強
ボディー剛性が上がり、ねじれに強くなれば乗り心地は良くなるとされています。ボディー補強の方法としては、ストラットタワーバーやフロアバーなどの補強バーの取付、ボディー開口部へのスポット溶接の増し打ちがあります。
スポット溶接の増し打ちは、専門の業者に依頼しなければならないため、時間も費用もある程度掛かってしまいますが、ボディーの補強バーの取付であれば、比較的簡単に実施できます。その気になれば、補強バーの取付はDIYでも可能です。
サスペンションの見直し
サスペンションを見直すことで、乗り心地の改善が可能です。高性能ショックアブソーバーへの交換や、ショックアブソーバーに合わせたコイルスプリングへの交換などで、クルマの運動性能自体も向上するでしょう。カーマニアの中には、サスペンションのフルオーダーをしてしまう強者もいます。
タイヤの見直し
クルマのタイヤを見直すことで、乗り心地の改善が期待できます。タイヤを乗り心地の良いものへ交換したり、インチアップの際のタイヤサイズの見直し、タイヤへ空気を入れる代わりに窒素ガスを充填するなどの方法があります。
インチアップに関しては、乗り心地を重視すれば17インチへのインチアップではなく、16インチという選択もありタイヤサイズは、205/55R16がいいでしょう。
プリウス30系はまだまだ現役!
今回は、プリウス30系の乗り心地の評価や、前期と後期の違いや、乗り心地の改善法などを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
乗り心地の酷評を受けているプリウス30系ですが、サスペンションチューンやタイヤのチョイスなどで十分改善できます。プリウス30系は、まだまだ現役です。カスタマイズを楽しみながらプリウス30系に乗ってみてはいかがでしょうか。
初回公開日:2018年02月14日
記載されている内容は2018年02月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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