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コンロッドの材料・ボルトの締め方とクランクシャフトとの関係

更新日:2024年10月07日

「コンロッドの材料・ボルトの締め方とクランクシャフトとの関係」と題して、「コンロッド(コネクティングロッド)の材料、ボルトの調節法、クランクシャフトとの的確な関係性」とともに、あらゆる詳細情報についてご紹介します。ぜひご参照ください。

コンロッドの材料・ボルトの締め方とクランクシャフトとの関係

コンロッドとは

コンロッドというのは、「車両を走らせるタイヤ・車輪を直接動かすためのクランクシャフトに、ピストン運動を連続して伝えるための連結棒のこと」であり、古くは蒸気機関車の車輪、最近でも車やバイク、また自転車、三輪車などにも使用されているタイヤ(車輪)駆動を固定しながら助ける軸のことを意味します。

基本的にこの場合のピストン運動は「上下に動かされること」が回転の模範となるため、このコンロッドも「タイヤ(車輪)に連結しているクランクシャフト、またそのクランクシャフトによって上下運動が行なわれるピストン」を保護するために設けられています。

このコンロッドの働きによってタイヤ(車輪)の回転力・回転数が一定し、さらに軸によって固定されることからタイヤ(車輪)にもし損傷があった場合でも他の車輪駆動によって助けられるため、車両事故・脱線事故がかなり減少することになります。

コンロッドの歴史

コンロッドはその正式名称を「コネクティングロッド」と言い、その歴史は蒸気機関車が生産され始めた頃から本格的に商業用・工業用の製品として使用され始めました。さらにさかのぼってコンロッドの歴史を反省してみると、イギリスの産業革命にはじまる「世界的な産業発展」の幕開けを担う工業用器具材としても認められます。

特に「クランクシャフト」というのは車両ができた時代から生産されているため、このコンロッドの歴史も「車両が生産されたときに製品として開発された」と見られがちですが、コンロッドの歴史はさらに古く、多くは馬車の時代からその車輪をつなぐための連結棒が使用されており、現代の形ではないにせよ、木製のコンロッドが造られていました。

コンロッドの働き

コンロッドは先述しましたように、「クランクシャフトと車輪とを連結させる形で車輪駆動を促進させ、主にクランクシャフトによって伝導されるピストン運動をさらに効率よく伝える働き」をメインとします。

つまりコンロッドは、車輪を動かして走行させる車両の骨子の部分を補強する器具材となり、このコンロッドの働きをする物は車両だけではなく古くは「馬車の時代」から流用されていました。

多くの場合、コンロッドの素材にはチタン合金やアルミ合金が使用されており、柔軟性に配慮した上でさらに強靭な丈夫さが認められるため、車輪を駆動させる働きを持つ機器類としては最適の働きをすることになります。

コンロッドの種類について

コンロッドの種類に考慮する場合は、コンロッドそのものの性能や材質よりも「どの車両に使用されているか」が重要であり、たとえば電車、車、バイク、自転車などと他にもさまざまな「車両」と呼ばれる特殊自動車がありますが、それぞれの「使用目的(用途)」によってその種類が変わってきます。

コンロッドの種別を見ていく上では、まずオートバイ、モトクロス、ジェットスキー、船外機、電車、蒸気機関車、レース用車両、自転車、三輪車、重機車両、特殊車両などのさまざまな分野に分けられ、その上で適切なコンロッドが使われます。しかしコンロッドそのものの機能は先述したとおりで、単純に言えばそのサイズの変更だけが見られます。

さらに京商から販売されているコネクティングロッドには「ラジコンパーツ用のコネクティングロッド(コンロッド)」も販売されており、他にも多くの特殊車両用のコンロッドが認められます。

コンロッドの各種部品

コンロッドと言ってもそのコンロッドはいくつかの部品・素材から構成されており、それらが1つのコンロッドを組成することによって「コンロッド(コネクティングロッド)」が造られています。

まず本体部分(全体的部分)のことをコネクティングロッドと言い、その下方の先端部のことを「コネクティングロッドキャップ」と呼びます。これはクランクシャフトのシリンダー部分を引き上げる働きをします。そして「ベアリングメタル」という部位があり、これは主に3層によって構成されるケルメットメタルが用いられます。

そして「コネクティングロッドボルト」と呼ばれる、コネクティングロッド本体部とキャップ部を接続するボルトがあり、最後に「ノックピン」と呼ばれる「コネクティングロッドとキャップを正確な位置でつなぎとめるためのピン」によってコネクティングロッド(コンロッド)が構成されています。

コンロッドの材料

先述でもご紹介しましたが、一般的にコンロッドの素材にはチタン合金やアルミ合金などが使われます。これは車両とクランクシャフトの間をつなぎとめるために「機器類の柔軟性(各部の力や反動に負けてすぐに折れないための柔軟性)」が求められ、動力(クランクシャフト)の働きを継続して伝えるために選択された合金素材となります。

このチタン合金やアルミ合金などによって組成された各部構成品から1つのコンロッドが組み立てられており、その構成品の1つ1つが先でご紹介しました「コネクティングロッド(コンロッド)」、「コネクティングロッドキャップ」、「ベアリングメタル」、「コネクティングロッドボルト」、「ノックピン」などになります。

コンロッドのボルトの締め方

コンロッドのボルトの締め方について配慮する場合、まずコンロッドボルトの伸びしろとトルク値が明記された適合表を参照する必要があります。そしてこの適合表は「機種メーカー」、「ロックボルトの伸び」、「トルク値(ボルトサイズ)」の主に3種類から組み合わされており、それぞれに適合するようにボルトを締めなければなりません。

たとえば「機種メーカー:FORD」、「ロックボルトの伸び:0.153 - 0.166」、「トルク値:68」という形式で「その用途において適合するボルトの伸びとトルク値」が明記されており、この各数値を基準にする形でコンロッドのボルトの締め方が認められます。

締める工具には主にトルクレンチが使用され、上記の適合表によって示された正確なトルク値(締め付ける力量)を用いて要所にボルトが取り付けられます。

コンロッドの材質

コンロッドの材質については先述しましたように、一般的にはチタン合金やアルミ合金などが使用されます。チタン合金の場合は主に「よく走行するための車両」に用いられることが多いため、基本的にはレーシングカーや快速用の蒸気機関車、電車などに使用されます。

アルミ合金の場合は比較的「重機車両」などに見られる力強い走行(つまり遅い走行車)に使用される場合が多く、セダン車や軽自動車などをはじめ、普通に日常生活で使用する車両の多くに使用されています。

コンロッドとクランクシャフトとの関係

クランクシャフトというのはほとんどすべての車両に取り付けられている「車輪を駆動させるためのピストンの動力を直接担っている原動部位の機器」であり、いくつものカムシャフトが取り付けられたままメイン動力である「エンジン主軸」から直接動力をもらい、その動力によってシャフトをすべて駆動させる働きを持っています。

このクランクシャフト(エンジンの動力部)から動力をそのまま車輪に伝える機器がコンロッドであり、つまりコンロッドというのは「動力部と車輪とのメディア(媒体)」として活用される機器となります。

このクランクシャフトから伝えられる動力を車輪に伝えられなければ、当然どんな車両も走行することができず動力は車内で空転します。そのため、コンロッドの働きというのはすべての車両の中で重要な働きを持っており、「コンロッドの性能によって車両の性能も直接変わる」と言っても過言ではありません。

コンロッドが折れた場合の対処法

コンロッドが折れた場合の対処法ですが、一般的にコンロッドが破損する・折れるという状態はほとんどありません。しかし、メンテナンスを怠っていたり、何らかの外部衝撃によって直接的にコンロッドが破損する可能性があるため、その場合は迅速な対応が必要となります。

コンロッドが1本破損するだけで(折れるだけで)、それによるダメージは「音」で伝えられます。これはクランクシャフトに接続されたピストンとバルブが接触する音で、一般的には「バルブクラッシュ」と呼ばれる現象です。こうした音を手掛かりにしてまず「コンロッドの破損」を確認します。

そしてこの「コンロッドが折れた・破損した」場合には、ほとんどの車両の場合、エンジンが停止します。そのため、車を動かすことができなくなるので牽引によって専門店までレッカー移動してもらい、そこでコンロッドを直接交換・修理してもらうことが必要です。

コンロッドの制作方法

コンロッドの制作方法についてですが、これは素人によって製造できる物ではありません。鋳型を使用して鋳造し、あらかじめ決められた工程をもって製造される専門機器類ですので、きちんと専門店・専門業者に依頼して造ってもらうことが原則となります。馬車の時代では木製コンロッドを作成できましたが、車両の場合はそうはいきません。

まず製造過程の初段階において、先述しましたようにチタン合金・アルミ合金を溶解し、コンロッドの鋳型に直接流し込みます。それからまずコンロッドボルトのトルク値をあらかじめ設定しておき、それに見合わせた形の「型」を鋳造します。

さらにベアリングメタル部位とノックピンなどの(コンロッドの部位から見てオプション品)とも言える各部位を象る形で作成し、コンロッド全体の設計を施すことで「1つのコンロッド(コネクティングロッド)」が仕上がります。

コンロッドの重量合わせの方法

コンロッドの重量合わせの方法についてですが、この場合も先述でご紹介しました「トルク値の適合表」と同じく、それぞれの重量に合わせた適合表があります。その適合表を参照しながら、コンロッドの重量合わせを行ないます。

一般的には、「ピストンピンとコンロッドボアのクリアランス」、「ピン外径」、「コンロッドボア内径」、「規定値」などによって計算値が導き出され、特に「コンロッドボアの内径」の規定値が重要になります。

・ピストンピンとコンロッドボアのクリアランス:1番ピン
・ピン外径:21.997
・コンロッドボア内径:22.021
・規定値:0.008から0.021
・計算値:0.024

たとえばこのように算出されます。

コンロッドの軽量化

先述でご紹介しました「重量合わせの方法」を利用する形で、コンロッドの軽量化を図る場合はその「規定値」の部分を細小値にセットすることによって軽量化を図ることができます。先でご紹介した場合で言えば、規定値が「0.008から0.021」とあることから、その細小値である「0.008」の内径に合わせることによってコンロッドの軽量化が認められます。

この軽量方法を1番ピンから4番ピンまで行なうことにより、すべてのコンロッドの軽量化が図れることとなるため、全体的に見ると相当なコンロッドの軽量化が認められることになります。

コンロッド使用による事故

コンロッド使用による事故というのは、その多くの場合は「コンロッドが破損した」や「コンロッドが折れた」という状況が認められます。

たとえば車両事故によってエンジン部位が破損した場合には、コンロッドが折れていることが多々見られます。また人災・天災を問わず、エンジン部位への直接的な外力によって破損を被らされた場合にも、このコンロッドの破損・ダメージが見られるでしょう。

コンロッドが破損・折れた場合には、エンジンがたとえ作動していても動力が各車輪に伝わらなくなるため、車両が急に動かなくなる(アンコントロール:コントロール不能の)状況に陥ります。そうなると、特に走行時には運転が利かなくなるため障壁に突っ込んでしまったり、あるいは横滑りしたりする事故につながる場合があります。

鉄道などで用いられたコンロッド

蒸気機関車(つまり汽車)が生産された際にもこのコンロッドは多く使用されており、コンロッドがどんなものかを確認する場合には、この蒸気機関車をはじめとする「鉄道で用いられたコンロッド」のあり方を見ると一目瞭然となるでしょう。

鉄道の場合は「コンロッドがエンジンと連結している部位」が車輪をとおして外部に丸見えの状態となっているため、そのコンロッドの動きを確認することによって「エネルギー伝導によってどのように車輪が回転しているか」について簡単に確認できます。

おそらく皆さんもよく目にしてきた「車輪と車輪とを連結させているあの主軸」となりますが、あの主軸は特に車輪同士を連結させているのではなく、車両内部の動力を車輪に与えるために設けられた連動的な軸となります。

蒸気機関車

先述しましたように、蒸気機関車の車輪駆動と動力の接続方法には「大型コンロッドによって動力が伝わるように、車輪の要所にコンロッドが取り付けられている」という形になりますが、これはクランクシャフトに接続されるコンロッドの仕組みとまったく同じになります。

クランクシャフトに接続されているコンロッドの場合も、主にエンジンの動力を連鎖的に組み立てられた軸をとおして車輪に伝え、その軸によって間接的に伝わる脚力をもって速度を緩めたり速めたりすることが可能となります。

メインロッド

メインロッドというのはコンロッドの中でも特に「動力を車輪に伝える重要部位」となりますが、これは車両と言うよりも蒸気機関車の場合に見られるもので、いくつもの車輪に直接取り付けられているコンロッドのうちでも「一番長いコンロッド・コネクティングロッドキャップの内径が最も大きな径のコンロッド」のことを意味します。

一般的に蒸気機関車のメインロッド(主力のコンロッド)というのは「赤い色で示されたコンロッド」であり、この赤色のコンロッドによってエネルギー(動力)が最も車輪に送り込まれ、その上でスピードを緩めたり速めたりすることが可能となっています。

車輪の保護

これも車両ではなく蒸気機関車をはじめとする鉄道車両の場合となりますが、コンロッドが直接的に車輪を保護すると言うのではありません。

車輪が動力によって駆動させられる際に「正しいスピードで回転する」、「車輪の接続部位を比較的保護する役目を持つ」、「動力によって得られる走行力をすべての車輪に満遍なく伝えることができる」という、主に4つの働きによって車輪をはじめとする車両全体が保護される形になります。

潤滑油の使用

車両関連の機器類を問わず、工場や研究施設などで使われる電気や重油などを使用して使われる設備というものは、すべて「機器類が正しく制動するための潤滑剤」というオプション品が使用されています。特にこの中でも「車両のエンジン」などをはじめとする「熱量によって動く機器類」は、この潤滑剤が必ず使用されている場合がほとんどです。

熱量によって機器類を制動させる場合には、たとえばエンジンについて配慮する際、ピストンやシリンダー、コンロッドの周囲を取り囲むようにして配管されているバルブとの間に必ず「高熱による劣化」が伴われます。これは航空機や船舶にしても同じですが、この熱量による劣化によって「すぐに機材が破損する」ということも頻繁にあります。

この劣化をオイルなどの潤滑油によって緩和することにより、機材の保護だけでなく、その後のメンテナンスにも大きく役立ちます。

コンロッドについての正確な情報を取得しましょう

いかがでしたか。今回は「コンロッドの材料・ボルトの締め方とクランクシャフトとの関係」と題して、「コンロッド(コネクティングロッド)の材料、ボルトの調節法、クランクシャフトとの的確な関係性」とともに、あらゆる詳細情報についてご紹介しました。

コンロッドというのは、一般的に「車両が搭載しているクランクシャフトに接続されている、動力と車輪部分とを円滑に作動させるための機器」として認められ、このコンロッドの破損によって、その車両は大ダメージを被るというほどの重要部位の1つになります。

コンロッドは車両だけではなく、船舶や航空機、また蒸気機関車や(古くは)馬車などという、エンジン(エネルギー)や車輪を併用する車両にはすべて取り付けられている機器の1つにあるため、コンロッドについての正確な情報を獲得しておくことは「車両メンテナンス」においても重要な知識となるでしょう。

初回公開日:2018年05月11日

記載されている内容は2018年05月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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