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ドライブシャフトの異音の原因・交換方法と時期・費用

更新日:2024年08月07日

車を車庫入れする時にタイヤ付近から変な音が出た時には、ドライブシャフトに問題があるかもしれません。今回はドライブシャフトの異音やその原因は何処に有るのかを解説し、ドライブシャフトを交換するとどのくらいの費用が発生するのかを詳しくご紹介します。

ドライブシャフトの異音の原因・交換方法と時期・費用

ドライブシャフトの異音の原因

車を運転している時にハンドルを切ると(ゴリゴリゴリ)といった音が聞こえたらドライブシャフトからの異音の可能性があります。そのまま放っておくと直線でも音が聞こえるようになり、ドライブシャフトはかなりの重症となります。

異音が起こる原因は2つ考えられます。一つ目はサーキットを高速でコーナーを走る続けるとドライブシャフトに負荷がかかりベアリングが破損して音が出ます。もう一つはドライブシャフトブーツ切れにより、グリスが飛び出してジョイント部分から音が出始めます。通常の走行で起きる異音は2番目のブーツ切れが原因でしょう。

曲がる時だけ音が出る理由は、ドライブシャフトのジョイントには少なからず出たり入ったりするストロークに余地があるので、直線のようにドライブシャフトのジョイントがフリーの状態だと異音がでません。しかし曲がる時には若干の力が加わり金属同士の擦れる音が出ます。

アウタージョイント

ドライブシャフトにはアウタージョイントと呼ばれるハブ側に近い部分に一つジョイントがあります。このジョイント部分にあるブーツが一番切れやすくなっています。それは車の上下運動だけでなく左右にハンドルを切る度にドライブシャフトブーツが伸び縮しているので経年劣化でブーツが切れていしまいます。

ドライブシャフトのアウタージョイントのブーツが切れるとグリスが飛び散りホイールの内側に黒い点が数多くできるので洗車時に気を付けてみればブーツ切れの早期発見ができるでしょう。

インナージョイント

ドライブシャフトにはアウタージョイントの他にもう一つインナージョイントが取り付けてあります。これはミッションやデフ側に取り付けてあるジョイントでこちらのブーツはアウター側よりは切れる事が少ないです。それはアウター側と違いインナー側はステアリングを切ってもブーツは動きません。インナー側は上下運動にのみ対応したジョイントとなっているからです。

ドライブシャフトのインナー側のブーツもゴム製なのでいずれ切れてしまいますから定期点検は欠かすことができません。もしブーツ切れをそのまま放置してしまうとドライブシャフトのジョイントからグリスが出てしまい焼き付きを起こします。最悪はミッションからドライブシャフトが抜けてミッションオイルが漏れだし走行不可能となるでしょう。

折れる

ドライブシャフトは通常の走行ではそう簡単に折れるようなものではありません。しかし下回りを走行中に障害物でヒットしたり、サーキットでの高負荷の走行意を続けるとドライブシャフトには大きなダメージが加わります。

下回りをぶつけてドライブシャフトが歪んでしまうと芯が出ませんから歪んで回転する事になります。するとドライブシャフトは歪みにより折れてしまうでしょう。最近の車はパワーステアリングなので歪んでいてもハンドルは問題なく切る事ができるため、ドライブシャフトの異変に気付くことができないことが多いです。

折れてしまった場合は、動力がドライブシャフトからタイヤに伝えられないので車を動かすことができません。レッカーなどの手段で修理工場やディーラーに車を運ぶしかありません。

ドライブシャフトの交換方法と費用・時期

ドライブシャフトの交換は、専門的な知識とジャッキスタンドなど専門工具が揃っていれば自分でも行うことができます。ただしエンジンが発生する強大なパワーを車輪に伝えるための重要なパーツであることを考えれば、専門家に交換修理はお任せしたほうが良いでしょう。

ただしドライブシャフトの交換はそう頻繁に行われるものではありません。ドライブシャフトに異常が出る前には、ブーツ切れが起きる事がほとんどですから、常日頃からブーツの点検を行っていればドライブシャフト交換のような重整備を行わなくてもよいでしょう。

ドライブシャフトはassy交換とブーツのみやアウタージョイントのみの交換があります。止むを得ずドライブシャフトを新品で交換する場合は、片側で数万円以上しますからリビルト品や中古品を選択する手もあります。その交換工賃は約7,000円~約10,000円程度となるでしょう。

ブーツ

ドライブシャフトの部品交換で一番多いのが、ドライブシャフトブーツの交換です。ブーツはゴムでできているので経年劣化で切れてしまいます。その時期はゴムの素材や走行の仕方で一概には言えませんが、概ね10年または10万キロで交換は必修となります。もちろんこれより少なくても走行の仕方で切れる事があるので、日常点検は重要でしょう。

ブーツ交換は、古いブーツを取り外してジョイントをシャフトから抜いて清掃したのちに、傷などが無いか確認してグリスを詰めてから新しいブーツをかぶせてバンドで締めます。

アウタージョイントとインナージョイントでは取り外し方が異なり、アウターはハンマーなどで叩くとジョイントが抜けますが、インナーはスナップリングで止まっています。

交換にかかる工賃は車種によりますが部品代込みで一か所2万円から3万円となるでしょう。

分割式ブーツ

分割式ブーツはドライブシャフトを車両から外すことなく作業ができるので、時間の削減と工賃の削減になります。部品代は、この商品だと3693円と通常のブーツの3倍近い金額ですが、工賃は通常の工賃より安くなります。

昔の分割式ブーツは耐久性に問題がありましたが、現在の分割式ブーツはその問題点も克服されているので便利なアイテムといえるでしょう。

ドライブシャフトの構造

ドライブシャフトは鋼鉄製のシャフトに2個の等速ジョイントが組み合わされたassy(ユニット)です。

FF車の場合は前輪、FR車は後輪にと駆動輪に対して使用されるのがドライブシャフトです。FF車の場合、エンジンからトランスミッション、そしてドライブシャフトを介してタイヤに動力が伝わりますが、荒れた路面や操舵することで位置関係が変わってきます。これらの位置関係を吸収して自在に折れ曲がり、駆動をタイヤに伝えることができる自在接手です。

この自在接手を入力側と出力側の速度を同じ速度にするために考案されたのが等速ジョイントです。

ドライブシャフトの点検方法

ドライブシャフトはタイヤに駆動を伝える上で非常に重要です。その中の等速ジョイントは両サイドに配置され、自在に滑らかに動くようにグリスが塗布されています。このグリスが塗布される機構がダストブーツという蛇腹構造のゴムです。

ゴムブーツの中にはグリスが蓄えられており、ゴムが少しでも破損すると水やホコリが侵入し、またグリスも漏れて等速ジョイントが滑らかに回転できなくなります。車検時にもブーツ切れがあると車検に合格ができないほど重要なパーツとなりますから、破れが無いか点検が必要です。

シャフトにガタが無いか調べるには回転軸方向と垂直の方向にドライブシャフトを握ってゆすってみます。この時に大きくガタがある時には何らかの不具合がありますから整備工場で点検が必要になるでしょう。この時に車載ジャッキで大きく揺する点検は大変危険なので行わないでください。必ずリジットラックを使って行いましょう。

ドライブシャフトが抜けない時の対策・抜き方

ドライブシャフトを抜く場合、ハブと固着して外れない場合とミッション側で噛み込みが強く外れない場合があります。ハブ側で錆付きがひどく固着して外れない場合は、油圧プレスで外すしかありません。

ミッション側で抜けない場合は、ボルトで止まっていないか確認します。ボルト止めでなく差し込みだけの場合は、むやみに引き抜くと変な場所でインナージョイントが分離される可能性があるので、専用の分離用の工具を使うと良いでしょう。

リムーバー

このハスコー製のドライブシャフトリムーバーはデフやミッション側から簡単にシャフトを引き抜くことができる工具です。

爪部分をアジャストさせればほとんどのドライブシャフトのジョイントの溝に装着でき、ハンマリングポイントでショックも与えることができます。

テコの原理で外すことができますが、その場合には車両側とリムーバーの間に板などを挟み使用することで、車両側の破損を予防します。

ドライブシャフトの値段

ドライブシャフトを新品で購入すると軽自動車でも1本4万円ほどします。普通乗用車になれば1本5万円以上は当たり前と非常に高価な部品です。

そこでドライブシャフトを交換する場合は、中古部品とリビルト品を探すと良いでしょう。中古部品はヤフオクなどで見つけることができますが、使用距離や状態が見えないので長く使うには不向きといえます。変わってリビルト品であれば中古部品を再生した商品なので耐久性も問題なく使用できます。

純正新品のドライブシャフトが高価なので多くのメーカーからリビルト品が販売されていますから、一度問い合わせてみると良いでしょう。

リビルト品

リビルト品とは再生品のことで、中古部品を一度ばらして洗浄し、不具合の部品を新品に交換して新しく組み付けた部品です。

リビルトのドライブシャフトは1万円前後から販売されています。またメーカーによっては補償もついているので気軽に使用することができるでしょう。

リビルト品だから純正新品より劣るということはなく、耐久性もあるのでぜひ利用したい部品です。またリビルト品を購入する場合は、古いドライブシャフトを送り返す必要があります。また事故での破損したドライブシャフトは受け付けないメーカーもあるので、事前問い合わせましょう。

ドライブシャフトのグリス・オイル漏れ対策

ドライブシャフトのブーツの中にはグリスが入っています。車を長く使っているとブーツ切れでグリスが飛び出すほかに、ブーツをシャフトに止めているバンド部分の隙間からグリスが漏れ出す事があります。

ドライブシャフトは、トランスミッションやデファレンシャルギヤに刺さっていますから、その部分のオイルシールに不具合が出るとミッションオイルやデフオイルが漏れだしてきます。いずれも経年劣化による漏れとなるので、グリスやオイル漏れが発見されたら早めに修理をする必要があります。

ドライブシャフトブーツ切れでグリスが漏れた場合は交換が必須ですが、ブーツバンド部分からの漏れの場合は、一度分解してからバンドを締める部分のグリスを綺麗にしてから再度組み付ける必要があります。この時にバンドは再使用できないのと、補充用意のグリスを用意しましょう。

シール

シールの不具合でデフオイルやミッションオイルが漏れる場合は、シール交換となります。オイルシール自体は、数百円~購入できますから変なケミカルを使用する事はやめた方が良いでしょう。

オイルシールを交換するにはドライブシャフトを引き抜き、オイルシールを抜くには手では抜けないので専用のピックツールを使うと良いでしょう。先端が尖っていてアールが付いた工具ですが、マイナスドライバーでひっかけて外す事もできます。

取り付けにはオイルシールにシリコングリスを塗ってからミッションに取り付けますが、この時にミッションとツライチになるように押し込みます。意外に硬く入らないので、塩ビパイプなどサイズの近い物を流用して押し込むと良いでしょう。また古いオイルシールを当てがってハンマーで少しづつ叩いても良いです。

グリスの種類

ドライブシャフトに使われるグリスには色々なグリスがあります。ドライブシャフトに使用されているグリスは一般的に二硫化モリブデングリスです。ドライブシャフトのアウター側とインナー側では、色分けもされておりインナーのほうがスライドして伸び縮みするので流動性の高いグリスが使われています。

一般整備工場では、ドライブシャフトのインナーもアウターも同じグリスを使用していることがほとんどです。それは購入するアウター側のCVジョイントグリスが手に入りやすい事でしょう。アウター側よりインナー側のほうが負担が軽いので、アウター側のグリスを使用しても問題はないでしょう。

ドライブシャフトグリスの定番はダイゾーニチモリのBJグリスですが、WAKO'Sからもルブコールグリスというリチウム系多目的モリブデングリスが販売されています。

CVジョイント専用グリス

BJグリスはロングノズルでジョイントに注入しやすい形状で便利です。ドライブシャフトの等速ジョイントは重要保安部品に指定されていますから、グリスには信頼おける国産品を使用しましょう。

BJグリスはゴムブーツに対して膨潤、硬化などの悪影響を与えません。また耐荷重性、耐摩耗性に優れています。

ドライブシャフトは重要保安部品の一つ

車からの異音は大きな故障の前のサインの事が多くあります。ドライブシャフトに何らかの問題があれば、やはり音によりその不具合をドライバーに知らせてくれるでしょう。

ドライブシャフトは重要保安部品ですから、車検時に不具合があれば合格できません、合格できないだけならまだよいですが、そのまま走り続ければ重大な故障になり大きな出費となってしまいます。ましてや高速道路で故障したら目も当てられません。日々の点検を怠らないようにして快適なカーライフを送りましょう。

初回公開日:2018年03月01日

記載されている内容は2018年03月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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