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車のウォーターポンプの異音の原因・放置の危険性・交換方法

更新日:2024年08月12日

車のウォーターポンプと聞いてもどんな部品か想像がつく人は少ないでしょう。しかしこのウォーターポンプがあるおかげでエンジンは毎日動いてくれます。そこで今回はウォーターポンプの役割とそこから聞こえる異音の種類と異音への対策について詳しく解説していきます。

車のウォーターポンプの異音の原因・放置の危険性・交換方法

車のウォーターポンプの異音の原因

車にはウォーターポンプが取り付けられています。これはラジエーターで冷やされた冷却水をエンジン内に循環させる非常に重要な役目を持った部品です。そのウォーターポンプですが、もし故障してしまうとエンジンをオーバーヒートさせ、金銭面にも大きな打撃を与えてしまうでしょう。

そこでいち早くウォーターポンプからの異音に気づいて、対処する必要があります。ウォーターポンプからの異音には色んなタイプの音が発せられ、その音の違いで故障原因も変わってきます。

ウォーターポンプの異音の原因には、プーリー、ベルト、ベアリング、インペラ、メカニカルシールなどの破損が考えられます。またエンジン本体やその他のパーツの故障も考えられるので、正確な診断には整備工場でのチェックが必要になるでしょう。

水漏れがある場合

ウォーターポンプからの異音が考えられるときに水漏れが認められれば、高確率でウォーターポンプの故障が考えられます。その場合はウォーターポンプ本体からの水漏れがほとんどで、エンジンブロックを冷却水で濡らしていることがほとんどです。

またエンジンが始動していないときに、ウォーターポンプ周辺を見ると冷却水の漏れたあとが付いているでしょう。例えばトヨタ系であれば薄ピンクと白っぽい跡が付いており、そのほかの緑のクーラントであれば、緑と白っぽい跡があるでしょう。

修理が必要なウォーターポンプの異音

エンジンから普段聞こえない異音が聞こえてくれば、何らかのパーツに不具合が生じています。音の変化は車を常日頃使っていれば必ず気が付くでしょう。

その異音には、早急に修理が必要な音と、特に急がなくても大丈夫な音に分かれます。修理が必要な音としては、カラカラ、キーン、ウィーン、キュルキュルといった音が多く、エンジン回転と共にその音も反応する事が多いです。

エンジン回転と共に音が変化する理由は、ウォーターポンプはベルトを介してエンジンのパワーで動いているからです。よってアクセルを踏んでエンジン回転を上げれば異音も同じように大きくなるなど、音に変化があります。

カラカラ

エンジンから「カラカラ」といった音が聞こえると、エンジン内部に問題があるのか、油圧系統に問題があるのか、または他の部品なのか見当が付きません。そこでそれを調べるには、ファンベルトを全て外してエンジンを始動します。

エンジン始動して音が出なければエンジン内部やオイル系統ではありませんので、ベルトにより駆動されている部品と特定できます。あとはウオーターポンプを手で回してみて「キリキリ」何かに擦れるような音が聞こえれば、原因はウォーターポンプとなります。

このまま走り続ければ、ウォーターポンプは故障して冷却水の循環をしなくなる恐れがあるので、早急に交換する必要があります。

キーン

キーンといった甲高い音で、エンジン音に合わせて音に変化が出る場合は、ウオーターポンプやその周りの補器類のプーリーやメカニカルシールからの音が原因と考えられます。

音を特定するにはサウンドスコープや長いドライバーを使って音の特定をしますが、ベルトを外してエンジンを回して異音の特定をすることもできます。

ベルトを外し異音が止まれば、そのベルトのかかっていたプーリ―を回すと「キュルキュル」といった音が出るでしょう。この音が出ればウォーターポンプの交換をしなければなりません。

ウィーン

ウィーンといった低周波の音は、ベアリングの異常の可能性が高いです。しかもエンジン音とともにこの唸るような音が一緒に大きくなれば、ウォーターポンプなどの補器類の可能性が高いでしょう。

ベルトを外して異音が出るか確認をします。音が収まればウォーターポンプ、オルタネーター、エアコンコンプレッサー、パワステポンプのうちのどれかのベアリングに異常があります。あとは一つずつ、プーリーを回し音の発生源の特定をします。

ベアリングの場合、温度が冷えている時に音が大きく、温まると音が消える事があります。しかし異音が収まるからと放っておけば、ベアリングの異常が高まり破損してしまうので早めに交換をした方が良いでしょう。

キュルキュルなどの場所

「キュルキュル」といった音は、ベルト鳴きに多く見られます。ベルトの鳴き止めスプレーをして消えることもありますが、ベルトを交換したほうが良いでしょう。

異音がベルトを交換しても消えなければ、プーリーの可能性もあるのでその場合はウォーターポンプの交換が必要になります。10年もしくは10万キロ以上走行していれば、異音の原因はベルトよりウォーターポンプの可能性が高いでしょう。

車種別ウォーターポンプの異音がする場合の対処法

ウォーターポンプの異音は車に乗っていると聞こえてきますが、車により室内にいると聞こえ方が違います。それは、車種によって防音素材が違う事や、エンジンの取り付けてある位置にも関係します。

例えばシートの下にエンジンがあるハイエースやキャラバンなどはお尻の下から異音が聞こえてくるでしょう。そして高級車などは防音対策がしっかりしているので、室内ではあまり聞こえない事が多いです。

異音を確認するには、どの車でも車外で確認をします。車の外に出れば音を遮るものが無いので異音をはっきりと聞くことができます。また窓を開けて確認する方法でも良いでしょう。そこで代表車種による異音が聞こえた場合の対策として交換方法をご紹介します。

タント

タントはダイハツ車ですが、タントの他にもムーブ、エッセ、ミライースも年式で違いはありますが、ウォーターポンプ異音の状態があります。

ダイハツ車特有の状態として有名で、「キー音」や「ガラガラ音」が聞こえたら点検に出しましょう。

ダイハツの保証は、3年、6万キロを新車登録から補償対象としていましたが、それを延長して7年、10万キロまで保証する事になりました。保証期間であればウォーターポンプの異音は無償で修理してもらえますから、ダイハツ車にお乗りの方で異音があればディーラーに相談しましょう。

タントに限らずダイハツ車でウォーターポンプの故障の前兆に「ウォーターポンプの鳴き」という現象があります。それはエンジンキーをひねって止める直前にウォーターポンプから「キュウ」という音が聞こえます。この音が聞こえたら点検しましょう。

ワゴンR

ワゴンRでウォーターポンプから異音が出始めるのは、平成18頃の製造から10年ほどたっている車でしょう。型式だとMH21Sより以前の車種はそろそろ異音が出てもおかしくないでしょう。

異音の種類は、一般的な「キー音」や「ガラガラ音」が多いですが、エンジン始動してエンジン音と一緒に異音も変化すれば補器類と考えられるでしょう。

ワゴンRの場合、水漏れがあまりなく、プーリーが錆びついてベルト交換しても異音が改善されない事が多いでしょう。その場合はウォーターポンプ交換となります。

ミラ

ダイハツミラに搭載されているKF型エンジンは、ウォーターポンプの故障が有名です。2005年から登場したこのエンジンを搭載したミラで異音が出るといった状態があれば、ほぼ間違いなくウォーターポンプの故障と言われるほど、自動車業界ではあたり前の話となっています。

ダイハツも対策を行い新しい部品を投入してきましたが、部品を替えても不具合がまた発生するほど、ダイハツが苦渋を味わってきたエンジンです。そのために整備工場では、交換の頻度が高いので対応も早いでしょう。

ミラに乗っていて、エンジンがKFエンジンを積んでいれば、ウォーターポンプの故障が高確率で起こるでしょう。異音が聞こえていなくてもエンジンを止める際に「キュゥ」といった鳴きが聞こえたら、ウォーターポンプの故障が近いと言えます。

エスティマなどはエンジン降ろしが必要

エスティマ50系は、ウォーターポンプが故障した場合エンジンを降ろす必要があります。エンジンが車に積まれた状態では作業ができないからですが、作業になれた場所で行えばエンジンを完全に降ろさずにずらして行う所もあります。

標準的な作業日数は2日で、1日目がエンジンを降ろすまで、そして2日目がウォーターポンプを交換してエンジンを載せる作業となります。金額的にエンジン降ろしなので10万円以上かかる修理となり、エスティマ50系はウォーターポンプ交換には、かなりの出費を覚悟しなければなりません。

ウォーターポンプ交換費用

エンジンから異音が聞こえて、ウォーターポンプの交換が必要となった場合、通常は1万円程度で作業を行ってもらえるでしょう。

ウォーターポンプにはエンジンに取り付けられた場所により作業難易度が変わるために、エスティマなどエンジンを降ろす作業があるとその金額は10数万円になる車種もあります。ウォーターポンプ自体の部品価格は1万円前後ですから、軽自動車のように作業が比較的簡単な場合は、部品代込みで2万円程度で行ってもらえます。

高級車になると、取り付けられている部品点数が多く、例えエンジンを降ろす作業が無くても数万円の工賃が必要となるでしょう。またタイミングベルトで駆動させている車種では、タイミングベルト交換時に同時に交換する事が多く、タイミングベルトと同時交換で5万円~10万円が一般的な交換工賃となります。

ウォーターポンプの異音を放置することの危険性

車からの異音は車の悲鳴であり、どこかに不具合が必ずあります。その不具合をそのままにしていれば、状態は悪化する事はあっても良くなることはありません。

かつて車のエンジンはタイミングベルトが主流で、10万キロで定期的に交換しないとタイミングベルトが切れてエンジンを壊すことを誰でも知っていました。そこで必ず10万キロ近くではタイミングベルトの交換をしていました。

そのタイミングベルトは、ウォーターポンプも駆動していたので同時交換をしており、定期的に交換されていたので、ウォーターポンプ単体での修理はほとんどありませんでした。しかし近年はタイミングチェーンのエンジンが主流となり、ウォーターポンプの単体での故障が目立つようになってきたと言えるでしょう。

異音が原因でオーバーヒート

ウォーターポンプはエンジンを冷やすため冷却水を循環させる非常に重要な役目を持っています。エンジンは燃料を燃やして高い温度を発していますから、もし冷却水で冷やしていなければその熱でエンジンは焼き付き、車を走らせることはできないでしょう。

車から異音が聞こえ、ウォーターポンプが故障していれば一刻も早く修理をする必要があるでしょう。もし怠ると最悪は車を諦めて違う車に乗り換えるか、またはエンジンを乗せ換えるしか方法が無くなるでしょう。

ウォーターポンプから異音がする場合の添加剤

ウォーターポンプの異音に効果的な添加剤は、ほとんどありません。しかしこのBARDAHL ラジエターアンチラストは、ウォーターポンプのベアリングシールを潤滑させる効果があります。ベアリングが乾くことが原因で起きる金属音には効果があります。

この商品を使用してベアリング鳴きを防止させる場合は、注入後30分ほどアイドリングさせます。30分ほどアイドリングさせても金属音が消えない場合はベアリングではなく違う場所の故障と考えられますから早めに修理工場で点検してください。

ウォーターポンプの異音時の交換方法

車からの異音は突然やってきます。昨日は何も音がしなかったのに、朝エンジンをかけるといつもと違う金属音や、低周波音がするといった具合にです。

そこで異音が発生した場合、何処から異音が発生しているかを見極める事が重要になります。異音はエンジンルームから聞こえるので、ボンネットを開けてどの辺から出ているのか耳を澄ませて聞いてみましょう。するとだいたいの場所がわかるはずです。

その異音の場所にベルトがあればベルトが鳴いているのか、ベルトに駆動されている部品が鳴いているのかを確かめる必要があります。確かめるにはエンジンを止めてベルトを確認し、もしベルトに亀裂や割れなどの劣化があればベルト交換をして様子を見ます。ベルトに劣化が見られなければ、補器類の不具合でしょう。

DIYでできるか

ボンネットを開けて、異音の発生している不具合箇所がウォーターポンプ付近と特定できれば、実際にベルトを外して音が鳴りやむか確認をします。またプーリーを手で回して異音が出るか確認し、音が出れば交換となります。

ウォーターポンプをDIYで交換する方法は、車のメンテナンスを日頃から行っており、ある程度基本的な工具が揃っていれば可能でしょう。しかし車種によっては大がかりな作業が必要になる事もあるので、エンジンルームを覗いてウォーターポンプを自分が持っている工具だけで取り外せるかどうか確認してから作業したほうが良いでしょう。

整備工場などにお願いする

車から異音が出れば、一般的になじみの整備工場やディーラーなどに連絡をするのが普通でしょう。しかし中には自力で何とか修理しようと試みたり、色んな種類のケミカルで何とか異音を止めようと必死になる方も多いでしょう。

車の故障の中でもウォーターポンプの故障は、エンジンの使用期間に大きく関わる部分です。間違った対処方法ではエンジンの使用期間を縮めることにもなりかねません。一般的にウォーターポンプの交換工賃はそれほど高額ではないので、早めに整備工場に相談する事を勧めます。

車からの悲鳴に耳を傾けよう

車から異音が聞こえると嫌な物です。その異音は車からの故障のサインですから聞き逃さないように注意し、違和感があれば対処する必要があります。

ウォーターポンプからの異音をそのまま放置すればエンジンへのダメージに直結しますから、早急に整備工場に点検を依頼することで愛車を守ることができるでしょう。

早めの対処で快適なカーラーフを送りましょう。

初回公開日:2018年04月19日

記載されている内容は2018年04月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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