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4点式シートベルトの取り付け方・取り付け時のポイント・注意

更新日:2024年09月01日

装着するだけでスポーツカー気分が味わえ、なおかつしっかりとしたホールド性を約束してくれる4点式シートベルトはがあります。そんな4点式シートベルトの取り付け方やシートベルト装着義務の問題、そして気になる車検の問題などについて詳しく解説します。

4点式シートベルトの取り付け方・取り付け時のポイント・注意

4点式シートベルトの取り付け方

装着するだけでレーシングカー気分を味わうことができ、なおかつ車体の挙動の変化にもしっかりとしたホールド性を約束してくれるアイテムが4点式シートベルトです。そんな4点式シートベルトの取り付け方や気になる車検の問題などについて紹介します。

4点式シートベルトの取り付け時に使用する道具

ソケットレンチ、エクステンション

4点式シートベルトの取り付けには、後部座席の取り外しが必要です。シートの取り付け方法は車種によって異なり、工具を必要としない場合もあります。ボルトがシートの奥まった部分にある車種もあり、その場合はエクステンションがあると便利です。サイズは二面幅が12㎜や14㎜のものが一般的です。自分のクルマに合ったサイズのものを用意します。

メガネレンチ

4点式シートベルトの肩部分のハーネスを固定するのは、一般的に後部座席のシートベルト固定部を利用します。このシートベルト固定のボルトの脱着には、メガネレンチを使用します。サイズは二面幅14㎜または17㎜のものが多く使われています。

シートベルトフックまたはアイボルト

4点式シートベルトのハーネス固定にはシートベルトフックか、またはアイボルトを使用します。シートベルトフックはカー用品店や通販サイトで入手できますし、アイボルトはホームセンターでも入手可能です。アイボルトは、抜けを防止するために、十分な長さのものを選びます。

JURAN(ジュラン) シートベルトフック ブラック

4点式シートベルトのハーネス固定に最適なシートベルトフックです。

ロングボルト

4点式シートベルトの固定金具にシートベルトフックを使用する場合、後部座席のシートベルト固定金具にシートベルトフックの厚みが加わることになります。その際に既存のボルトでは長さが不足し、いざというときに抜ける恐れがあります。そのため、もとから付いているボルトより長めのボルトに交換したほうが賢明です。選ぶ際はボルト径とネジピッチの合ったものを選んでください。

後部座席について

後部座席は使えなくなる?

4点式シートベルトを取り付ける際には、後部座席を取り外す必要がありますが、装着後には後部座席を元に戻すことはできます。ただし肩部分のハーネスは、後部座席のシートベルト固定部分から引っ張るため、後部座席の乗車は実質的に不可能になります。

後部座席を外したままでも大丈夫?

もちろん外したままでも走行は可能です。スポーツ走行を好んでする人の中には、後部座席を取り払ってしまう人も多くいます。ただし後部座席がないと、ロードノイズや小石の跳ね上げの音、燃料ポンプや排気音などかなり車内の騒音は大きくなります。また車検の際には、乗車定員の基準が満たされなくなるので、後部座席を元に戻す必要があります。

それでも後部座席を使いたい

4点式シートベルトを取り付けていても、後部座席に人を乗せる必要がある場合もあります。その場合に何か方法はあるのでしょうか。

通常、4点式シートベルトに交換した場合も、既存の3点式シートベルトも残っています。また肩部分のハーネスにはバックル式で途中で2つに分けられるタイプのものもあります。そこで、後ろに人を乗せる場合は、肩のハーネスを分離し、純正の3点式シートベルトを装着するという方法をとることが可能です。

前部座席はバケットがいいの?

4点式シートベルトには、やはりフルバケやセミバケと呼ばれるバケットシートがベストマッチといえます。バケットシートには4点式シートベルトのハーネスを通すためのスリットもあり、両方のホールド性能を十分に発揮できるからです。

純正のシートに4点式シートベルトを装着することももちろん可能です。その際は、ベルトを通すためのスリットはありませんので、肩ベルトをヘッドレストの支柱に通すなどの工夫が必要ですし、ホールド感は若干劣ります。

4点式シートベルトの取り付け手順

①後部座席の取り外し

後部座席を取り外します。取り付け方法は車種によって異なりますが、ボルトで固定されているものが一般的です。座面の各部を持ち上げるようにして固定ボルトを探し、ソケットレンチを使ってボルトを緩めます。車種によってはクリップ式でボルトを使用していないものもあります。

②肩部分の取り付け金具の取り付け

4点式シートベルトの肩部分のハーネスは、後部座席のシートベルト固定部を使って固定するのが一般的です。後部座席を外すと固定部分が姿を現します。メガネレンチでボルトを緩め、アイボルトかシートベルトフックを取り付けます。フックの厚みでボルトが短い場合は、長いボルトに交換します。後部座席のシートベルトバックルの取り付け方向を間違えないように注意してください。

③後部ハーネスの取り付け

4点式シートベルトの後部の2つのハーネスを、取り付けた金具に装着します。しっかり固定されていることを確認し、後部座席を元に戻します。その際、4点式シートベルトのハーネスは、後部座席の座面と背もたれの間から出します。

④腰ベルトの取り付け

4点式シートベルトの前部ハーネスの取り付け金具を装着します。一般的には前部ハーネスは、前部座席のシートレール固定ボルトの部分に取り付けます。金具取付後、腰部分のハーネスを取り付けると、4点式シートベルトの取り付けは完了です。

4点式シートベルト取り付け時のポイント

思いっきり締める

きつく締める必要性

4点式シートベルト装着の際は、きっちりと締める必要があります。一般の3点式シートベルトの場合、上半身を乗り出して左右を確認するというシチュエーションがあるので、ある程度身体の動きに余裕があります。しかし4点式シートベルトの場合は、完全に身体が動かなくなるぐらいまで締め付けないと、本来のホールド性を発揮できません。

装着の方法

①最初に、腰のベルトをきっちりと締めます。コツはシートを正規の位置から1段階下げてしっかり締め込み、そこからシートを元の位置に前進させるとしっかり締め付けられます。

②次に肩ベルトを装着し、上半身が動かなくなるぐらいまで、しっかりと締め込みます。レースなどでは他人にベルトを引っ張ってもらったりしますので、それぐらい強い締め付けが必要ということです。

位置の確認

これは一般の3点式シートベルトでも言えることですが、腰ベルトの装着位置を間違っている人をしばしば目にします。正しくは腰骨の位置に合わせ、下腹部の高さで締めるのが基本です。これが腹部にかかってしまうと、万一の際には内蔵を損傷する危険があります。

4点式シートベルトの場合、肩ベルトの装着により腰ベルトの位置が上がってしまう場合もありますので、特に注意が必要です。

4点式シートベルトの注意

車検時について

4点式シートベルトを取り付けた場合、気になるのは車検に通るのかという問題です。それではこの問題について、解説していきます。

保安部品の問題

シートベルトは乗員の安全を守る重要な保安部品です。シートベルトの保安基準は以下のように定められています。

1.衝突時の衝撃を受けた時にシートベルトを装着した者に傷害を与える恐れが少ない構造でなければならない。
2.第一種座席ベルト(2点式ベルト)は乗員人員が衝突等の衝撃を受けた時に、乗員が前方に移動するのを防止することができなければならない。
3.第二種座席ベルト(3点式ベルト)は第一種に加え、乗員の上半身が過度に前傾するのを防止することができなければならない。
4.シートベルトは容易に着脱ができ、長さが調節できなくてはならない。
5.運転席と助手席の第二種座席ベルト及び運転席の第一種座席ベルトは通常の運行時に腰部と上半身を容易に動かせる構造(ELR)でなければならない。

純正の3点式シートベルトはこの保安基準を満たしています。ですが後付けの4点式シートベルトでは、長さの調節などこの保安基準を満たさないため、車検適応外となります。

乗車定員の問題

乗車定員も車検の際に問題になります。前述したように4点式シートベルトを取り付けた場合、肩部分のハーネスの固定を後部座席のシートベルト固定部分で行う関係上、後部座席への乗車が不可能となります。そのため車検証の乗車定員記載事項の変更をしないと車検に通らないことになります。

シートベルト装着義務違反について

4点式シートベルトならより安全なはず?

これまで述べてきたとおり、4点式シートベルトを装着することによって、乗車時の身体のホールド性は格段に高まります。これは激しく車体の姿勢が変化するレースにおいては、大変重要な機能になりますし、一般道においてもスポーツライクな走行をする場合にこのホールド性は大いに役に立ちます。しかし一般道においては、前述した道路運送車両の保安基準を満たさないという理由から、4点式シートベルトを装着していてもシートベルト装着義務違反となってしまいます。

装着義務違反とならないためには?

4点式シートベルトを装着して一般道を走行することは、シートベルト装着義務違反になりますが、抜け道がないわけではありません。それは4点式シートベルトの上から、純正の3点式シートベルトを装着するという方法です。あまり見た目的には格好が良いとは言い難いですし、解釈によっては違反とされる場合もありますので、あくまで抜け道的な手段と心得ておくことが大事です。

走行時の目視確認が難しい

ホールド性が高く安全なはずの4点式シートベルトが、シートベルトを装着義務違反に問われるのには、次のような理由があります。

一般道を走行する際には、脇道から出る際などに上体を前傾させて安全確認をする必要もあります。4点式シートベルトのよう身体がしっかりと固定されている状態では、この安全確認が十分に行えません。そのため前述の保安基準のように、長さが容易に調節でき、上半身を容易に動かせる必要があります。

エアバックの機能が果たされない

通常、市販車に純正品として取り付けられている3点式シートベルトには、プリテンショナーという機構があります。これは衝突時に自動巻き上げ機構が働き、身体が前のめりになるのを防ぐシステムです。純正のエアバッグは、このプリテンショナーとの組み合わせで乗員の身体に過度の衝撃が加わるのを防いでくれます。

しかししっかりと身体が固定された4点式シートベルトでは、このエアバッグの機能が十分に発揮できないばかりか、逆に腹部や胸部に強い衝撃がかかり、逆にケガをしてしまう可能性もありますので、注意が必要です。

4点式シートベルトの特製を理解して快適ドライブを!

4点式シートベルトについて、取り付け方や特徴、車検の問題について解説してきました。4点式シートベルトはスポーツ走行の際に必要なホールド性を確保し、乗員の安全を守る重要なパーツです。でも一般道の走行においては、安全確認のしづらさや、保安基準などの問題もないわけではありません。

そのため4点式シートベルトのメリット、デメリットを十分理解した上で、純正の3点式シートベルトと併用した賢い使い方が求められます。みなさんも4点式シートベルトを活用し、スポーツドライブを楽しみましょう。

初回公開日:2017年11月29日

記載されている内容は2017年11月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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