自転車のブレーキ交換|パーツ/費用/交換時期・自分での交換方法
更新日:2024年08月20日
自転車のブレーキは重要な部品
自転車には多くの部品が使用されていますが、ブレーキ周りの部品は非常に重要な部品です。自転車のブレーキにトラブルが発生すると、安全に自転車を止めることができなくなってしまいます。
しかし、自転車のブレーキが重要な部品であることは理解していても、自転車のブレーキに使われている部品や寿命などの判断について把握している方は少ないです。そこで今回は、自転車のブレーキ部品にはどんな部品が使われていて、部品の交換時期はどうやって判断すれば良いかご紹介します。
自転車のブレーキに使われている部品はいくつある?
自転車のブレーキには、以下の部品が使われています。それぞれの部品ごとに重要な役割があるので、どの部品がどんな役割をしているかをご紹介します。
・ブレーキシュー
・ブレーキワイヤー
・ブレーキキャリパー
・ブレーキレバー
ブレーキシューとは?
ブレーキシューは、自転車の速度を落とすために一番重要な部品で、ブレーキシューが自転車のホイールに当たることで摩擦が発生し、自転車の速度を落としてます。この摩擦を発生させている部品がブレーキシューなので、劣化してしまうとブレーキの効きが悪くなります。また、ブレーキシューは摩擦を発生させる時に磨耗していきます。
磨耗が進んでいくと、ブレーキシューの溝が無くなってしまい、雨の日に付いた雨水を逃すことができなくなってしまいます。雨水が逃がせなくなってしまうと、摩擦力が大きく下がってしまい、ブレーキの効きが非常に悪くなってしまいます。ブレーキシューのダメージが大きくなるとブレーキの効きが非常に悪くなってしまうため、小まめに点検をおこなうようにしましょう。
ブレーキワイヤーとは?
ブレーキワイヤーとは、ブレーキレバーを握った動作をブレーキ部品に伝えるためのもので、この部品も非常に重要な役割を持っています。
ブレーキワイヤーが劣化してしまうとワイヤーが切れてしまいます。ワイヤーが切れてしまうと、ブレーキを全くかけることができなくなってしまうため、ブレーキワイヤーが切れる前に交換をおこなうことが重要になってきます。寿命が来て急に切れてしまうことを防ぐために、定期的に点検をおこなうようにしましょう。
ブレーキキャリパーとは?
ブレーキキャリパーは、主に前輪のブレーキに使用されているブレーキの部品で、ブレーキシューを押し付けるために使われている部品です。
ブレーキシューやブレーキワイヤーなどの部品に比べれば、破損する可能性が低い部品ですが、ブレーキシューを取り付ける部分が曲がってしまっていると、十分な制動力を得ることができなくなってしまうので、ブレーキキャリパーが曲がってないか定期的な点検が必要です。
ブレーキキャリパーが曲がってしまう原因として多いのは、自転車が転倒した時にブレーキキャリパーが地面と当たって曲がることが多いです。そのため、ブレーキキャリパーに曲がりが発生していないかどうか、定期的に確認しておきましょう。
ブレーキレバーも重要な部品
ブレーキレバーは、ブレーキをかける時に握るレバーのことを言います。ブレーキレバーは定期的に交換するものではありませんが、ブレーキレバーに不具合があるとブレーキをかけにくい原因になってしまいます。
普通に使用している時に壊れてしまうことは珍しいですが、自転車が倒れた時に破損してしまうことなどは十分に考えられるため、ブレーキレバーが欠けていたりする場合は新品のものに交換しましょう。
また、自転車が倒れた時にブレーキレバーの位置が変わってしまったり、ブレーキレバーの取り付けネジが緩んでしまうなどのトラブルも考えられるので、ブレーキレバーを握った時に違和感を覚えた時などはすぐに点検を受けるようにしましょう。
ブレーキ部品の交換や寿命の判断は?
自転車の部品にはどのような部品が使われていて、どんな役割があるかご紹介しましたが、それぞれの部品の寿命や交換時期などをどうやって判断すれば良いか分からない方も多いことでしょう。ブレーキに不具合が発生することを防ぐために、ブレーキ部品の交換時期や交換を判断するポイントなどをご紹介します。
前輪のブレーキワイヤーはいつ交換するもの?
自転車のブレーキワイヤーが切れてしまうと、全くブレーキをかけることができません。そのため、ブレーキワイヤーが切れる前に交換をおこなう必要があります。ブレーキワイヤーがいつ切れるかは、自転車の使用状況によって変わってくるので、1年ごとと期間を設け定期的に交換をおこなうと良いでしょう。
また、ブレーキワイヤーにほつれが発生していると、ワイヤーの強度が下がってしまいます。ワイヤーの強度が下がったまま使用していくと次々にワイヤーのほつれがひどくなり、ワイヤーが切れてしまいます。
また、ワイヤーの強度が下がった状態で使用した場合、急ブレーキなどの強い力をかけた時に切れてしまう可能性があります。そのため、ブレーキワイヤーにほつれがある場合は速やかに交換するようにしましょう。
後輪のブレーキワイヤーはいつ交換するもの?
後輪のブレーキワイヤーも前輪側と同じで、使用状況によって寿命が変わります。そのため、後輪のブレーキワイヤーも定期的に交換をおこなうと良いでしょう。その他にブレーキワイヤーの交換時期を見極める方法としては、ブレーキレバーの重さが重くなったら交換時期と判断する方法があります。
ブレーキワイヤーにサビが発生するとブレーキレバーが重たくなり、ブレーキレバーを強く握らないとブレーキがかからなくなってしまいます。そのため、ブレーキレバーが重たいと感じる場合は、ブレーキワイヤーを交換すると良いでしょう。
ブレーキシューの寿命はどうやって判断する?
新品のブレーキシューには、雨水を逃がすための溝が設けてあります。この溝がブレーキシューの磨耗で無くなると、ブレーキの効きが悪くなります。そのため、ブレーキシューの側面を見て溝が見当たらない場合は、ブレーキシューを交換するようにしましょう。
また、長い間交換していないブレーキシューは経年劣化を起こしている可能性があり、劣化したブレーキシューはブレーキの効きが悪くなる原因や音が出る原因になってしまいます。何年も自転車のブレーキシューを交換していない場合は、ブレーキシューを交換するようにしましょう。
ブレーキ周りの整備にかかる費用は?
自転車のブレーキで交換頻度が高い部品は、ブレーキシューとブレーキワイヤーです。ブレーキシューの交換にかかる工賃は、安いところだと500円前後で済み、高いところでも1,000円前後でおこなうことができます。
ブレーキシューの交換にかかる工賃は、ブレーキの種類によって変わってくるので、スポーツバイクなどの自転車は工賃が高くなる可能性があります。
自転車のブレーキワイヤー交換にかかる工賃は、大体1,000円前後でおこなっているお店が多いです。安いお店では1,000円未満で行っているお店もありますが、ブレーキワイヤーもブレーキの種類によって変わってくるので、費用がかかる場合もあります。この値段に部品代がかかるので、総額だと2,000円程度かかると考えておいた方が良いでしょう。
ブレーキ部品の交換にかかる時間は?
ブレーキワイヤーやブレーキシューなどの交換はそれほど複雑な整備ではないので、大体30分程度で作業が完了します。しかし、お店が混んでいたりする場合や、前後のブレーキを交換する場合などはもっと時間がかかります。作業がすぐに終わりそうだとしても、時間に余裕を持って交換をおこなうと良いでしょう。
ブレーキ部品の交換時期は気がつきにくい
ブレーキ部品の交換時期についてはなかなか判断しにくい場合があります。たとえば、ブレーキシューが大きく減っている場合などは、徐々にブレーキの効きが悪くなるものなので、ブレーキの効きが悪いことに気づきにくい場合が多いです。
また、ブレーキワイヤーも徐々にサビが進行していき、ブレーキレバーが重たくなっていることに気づかない場合があります。そのようなことを防ぐためには、新車の状態やブレーキ部品を交換した時の状態をきちんと把握しておくと良いでしょう。
ブレーキ部品に全く問題がない状態では、ブレーキレバーを軽く握っただけでしっかりと自転車を止めることができます。そのため、ブレーキレバーをしっかりと握らないとブレーキが効かない場合などは、ブレーキに問題がある可能性が高いので、早めに点検をおこないましょう。
自転車のブレーキは自分で整備できるもの?
ブレーキ部品の交換は、自分で作業することが可能です。しかし、自転車のブレーキは自転車の安全の大きく関わるものなので、自信がない場合などは無理をせずに、自転車屋さんなどで整備してもらいましょう。
自分で作業することができそうだと判断した場合も、ネジの締め忘れなどの問題がないようにきちんと整備をおこなうようにしましょう。また、ブレーキワイヤーの取り回しなどが分からなくならないように、作業前に写真を撮っておく方法も良いでしょう。
自転車のブレーキシューを交換する方法は?
ブレーキシューを交換する場合は、古い部品を新品のものに交換し、ブレーキレバーの握り具合を調整する作業が必要になります。ブレーキシューは、ブレーキキャリパーに取り付けられており、ブレーキシューを取り付けているネジを取れば、ブレーキキャリパーから取り外すことができます。
ブレーキシューを外すことができたら新品のブレーキシューを取り付けますが、新品のブレーキシュには厚みがあるので、場合によってはブレーキシューが入らない場合があります。そのような場合は、ブレーキワイヤーを取り付けているネジを緩め、ブレーキシューを取り付ける場所にスペースを設けてから作業しましょう。
ブレーキシューを取り付ける時は、取り付け位置に注意する必要があります。ブレーキレバーを握った時に前輪のリム(タイヤの内側にある金属の部分)にまっすぐ当たるように調整しましょう。正常な状態は、ブレーキを握った時にブレーキシューがリムの中に収まるように当たり、ブレーキシューがまっすぐ当たるようになる状態が正常な状態です。
ブレーキシューがリムからはみ出てタイヤに当たってしまうとタイヤを削ってしまい、パンクなどのトラブルを起こす可能性があるので、タイヤに当たらないようにきちんと調整しましょう。
ブレーキレバーの握り具合を調整する方法
ブレーキシューを取り付けることができたら、遊びと呼ばれているブレーキの握り具合を調整します。ブレーキの握り具合を調整する時は、ブレーキワイヤーを取り付けている位置を変える必要があり、ブレーキキャリパーに付いているワイヤーの位置を変えることで握り具合を変えることができます。
この取り付けているネジを緩めると、ブレーキキャリパーがバネの力によって大きく開きます。キャリパーが大きく開いたら、キャリパーを手で押し縮めながらブレーキキャリパーから出ているワイヤーを一度引っ張りワイヤーを固定します。
この時に、手で押し縮める大きさが大きいほどブレーキレバーの握り具合が小さくなります。適度な位置になるように、きちんと調整しましょう。
ワイヤーを固定したらブレーキレバーを握り、軽く握った状態でブレーキシューが当たるように調整されているかどうか確認しましょう。きちんと調整されていない場合は、もう一度ブレーキワイヤーの取り付けネジを緩め、ブレーキキャリパーの押し縮める大きさを変えてみましょう。
ここまで調整することができたら、ブレーキワイヤーを止めているネジをしっかりと締め、ブレーキをしっかり握り、ブレーキの効き具合や動作に問題がないかどうか確認しましょう。問題がなければ作業は完了です。
自転車のブレーキワイヤーを交換する方法は?
ブレーキワイヤーの交換も比較的簡単におこなうことができますが、ママチャリのような自転車では前輪と後輪で異なるタイプのブレーキが使われています。そこで、前輪側と後輪側のそれぞれの交換方法についてご紹介します。
前輪側のブレーキワイヤーを外す方法
前輪側のブレーキワイヤーを取り外すには、ブレーキキャリパーに付いているワイヤーを取り外します。ワイヤーの取り付けネジを緩めればワイヤーを取り外すことができます。ワイヤーの端っこについているキャップは、ワイヤーを取り外す時に邪魔になってしまうので、取り外しておきましょう。
ワイヤーをブレーキキャリパーから外すことができたら、アウターワイヤーと呼ばれるブレーキワイヤーの外側を外し、ブレーキレバーからワイヤーを外します。ブレーキレバーについているワイヤーは、ブレーキレバーの先端から外すことができるので、一度ブレーキレバーを握り、ワイヤーをブレーキレバーの端から抜き出していきます。
前輪側のブレーキワイヤーを取り付ける方法
ワイヤーを自転車から取ることができたら、新品のワイヤーに付いているアウターワイヤーを外します。アウターワイヤーを外したら、内側のワイヤーに5−56などの潤滑油を塗ります。
潤滑油を塗ることができたら、ブレーキレバーにワイヤーを通していきます。ブレーキレバーには、ブレーキワイヤーの端っこにある丸い部分を入れるための穴があるので、その穴に丸い部分を入れます。ワイヤーの端を入れる時はワイヤーを一度下に向けてから入れていき、奥まで入ったら90度回してブレーキレバーの穴にワイヤーを通していきます。
ブレーキレバーからワイヤーを通すことができたらアウターワイヤーを通し、ブレーキキャリパーの穴と取り付けボルトの穴にワイヤーを通していきます。
ブレーキキャリパーにワイヤーを通したら、ブレーキキャリパーを手で押し縮めながらブレーキワイヤーを固定します。ワイヤーを固定したらブレーキレバーを握り、ブレーキの効きやワイヤーの遊びに問題がないかどうかを確認しましょう。
ブレーキレバーの握り具合を大きく変更する場合は、ワイヤーの固定ボルトを緩めてキャリパーの押し縮め具合を変えてみましょう。押し縮める量が多いほどブレーキレバーの握る量が小さくなります。遊びの調整が終わり、ブレーキの効きや握り具合などに問題がなければ作業は完了です。
後輪側のブレーキワイヤーはどうやって交換する?
前輪側と後輪側のブレーキワイヤーで作業が異なる点は、ブレーキワイヤーの調整方法です。新品のブレーキワイヤーを通していくまでの方法は前輪側と変わらないので、ここでは自転車の後輪に使用されているブレーキワイヤーを調整する方法についてご紹介します。
後輪ブレーキの遊びを大きく変更する場合は、ブレーキワイヤーを固定しているネジを緩め、固定するネジが付いているレバーを引きながらワイヤーを固定することで調整できます。ワイヤーを固定する時は、ワイヤーの先端を一度引っ張ってから固定するようにしましょう。
ブレーキの遊びを少し変更したい場合は、ブレーキワイヤーを外さない状態で調整します。後輪ブレーキのアウターワイヤーが当たる部分はネジになっており、そのネジを回すことで遊びを調整することができます。
ネジを時計回りに回すとブレーキレバーの握る量が多くなり、反時計周りに回すとブレーキレバーの握る量が小さくなります。遊びの調整が完了したら、ネジの間に付いているナットを時計回りに回して締め込み、調整したネジが緩まないようにしておきましょう。
ブレーキ部品の整備は非常に重要
自転車のブレーキは自転車の安全に関わる重要な部品で、定期的に整備しておかなければ事故の原因となってしまいます。ブレーキの劣化は徐々に進行するものなので、なかなか劣化していることに気がつきにくいですが、定期的な点検や整備をおこなう事で自転車を安全に使用することができます。
ブレーキのトラブルは、我慢して乗ればいいというものではないので、いつも使っている自転車のブレーキに問題がないかどうか一度点検をおこない、いつでも安全に止まることのできる自転車にしておきましょう。
初回公開日:2017年10月24日
記載されている内容は2017年10月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。