冷却水の交換費用/方法/時期・車種別交換方法・エア抜きの方法
更新日:2024年10月02日
冷却水はどうやって交換するの?
車やバイクなどのエンジンは、冷却水を利用してエンジンの熱を冷ましています。その冷却水も適切な時期に交換をしなければ、オーバーヒートやエンジンが止まってしまうなどのトラブルになってしまいます。
また、冷却水を自分で交換する場合は、正しい手順で交換をしなければオーバーヒート等の原因にもなってしまいます。そこで今回は、冷却水の交換時期や作業方法などをご紹介します。
冷却水には種類がある
冷却水は、冬に凍結してしまうことを防ぐために不凍液が入っています。この不凍液には主に2種類のものがあります。1つ目の種類は、ロングライフクーラントと呼ばれるもので、llcとも呼ばれます。llcの場合は、液体の色が緑色や赤色のものがあり、llcの場合は原液を水道水で薄めて使用することが可能です。
2つ目の種類は、スーパーロングライフクーラントと呼ばれるもので、sllcとも呼ばれます。sllcの場合は、液体の色が青色でllcよりも長持ちする冷却水です。しかし、sllcは水道水で希釈することができないので、冷却水を補充するときは原液か希釈されたものを補充しましょう。
この2つの冷却水は混ぜることができないので、自分の車に使われている冷却水の種類がどちらの種類のものなのかを事前に確認してから交換をするようにしましょう。
冷却水はいつ交換するもの?
冷却水の交換時期は、「llc」と「sllc」で異なります。「llc」の場合は2年ごとに交換をしますが、「sllc」の場合は10年間交換が不要です。それぞれ交換時期が違うので、冷却水の色を見て交換時期を判断しましょう。
冷却水の交換にかかる費用は?
冷却水の交換にかかる費用も様々な価格のものがあります。どんなに高くても1万円以内で交換をすることが可能で、安いところだと5千円未満で交換が可能なお店もあります。また、店舗によってはエンジンの排気量によって値段が変わるお店もあるので、自分の車がどのくらいの排気量なのか事前に把握しておくと良いでしょう。
オートバックスで交換をするといくらかかる?
オートバックスは、カー用品などの販売をしているお店で車の修理なども受け付けています。オートバックスで交換を行う場合は、工賃が2千円からとなっており、冷却水の値段は別となっています。冷却水の値段は車種によって異なりますが、冷却水自体はそれほど高くないものなので比較的安くで作業が可能です。
冷却水の交換方法を車種別に紹介!
冷却水の交換作業は自分でも行うことが可能です。しかし、正しい手順で交換を行わなければ走行中にトラブルが発生する原因となってしまいます。そこで、冷却水はどこから排出し、どうやって交換すれば良いのかを車種ごとにご紹介します。
サンバーの場合はどうやるの?
サンバーの場合、冷却水を抜くためのドレンプラグは車体前方の下にある白い樹脂製のネジから古い冷却水を抜きます。この時に、ラジエーターキャップを外しておくと、スムーズに冷却水を抜き取ることができるので、冷却水を抜く前にラジエーターキャップを外しておきましょう。
ラジエーターキャップは、助手席シートの下にあるので助手席のシートを上げれば、ラジエーターキャップを外すことができます。
古い冷却水を抜いたら、ラジエーターキャップの付いている場所から冷却水を入れていきますが、冷却水を入れる前にエア抜き用のキャップを外してから冷却水を入れましょう。
エア抜き用のキャップを外さずに冷却水を入れようとしても冷却系統に空気が噛んでしまい、十分な量の冷却水を入れることができません。そのため、エア抜き用のキャップを外してから冷却水を入れるようにしましょう。冷却水を入れたらエア抜き作業を行います。
ハイエースの場合は?
ハイエースの場合もサンバーと同様で、ラジエーターキャップは助手席の下にあります。ラジエーターキャップを外したら、車体下にあるプラスチック製のネジを緩めて冷却水を抜きます。冷却水を抜いたら新品の冷却水をラジエーターキャップの取り付け穴から入れ、十分に冷却水が入ったらエア抜きを行います。
ミニクーパーのような輸入車の場合は?
国産車の場合は、冷却水を抜くためのネジがありますが、ミニクーパーの場合は冷却水を抜くためのネジがありません。そのため、車体下にあるホースを外して、冷却水を抜き取ります。冷却水をホースから抜くことができたら、エンジンルーム内にあるエア抜き用のネジを緩めます。
ミニクーパーの場合は、ネジを緩めるだけでは内部のバルブが開かないので、冷却水を入れる前にイグニッションキーをオンの状態でエアコンの設定を最大温度にし、風量を最小に設定すると内部のバルブが開くので、車の電源をオンにしてヒーターの設定をしたまま冷却水を入れましょう。
冷却水は、エンジンルーム内にある冷却水のサブタンクから冷却水を入れていきます。サブタンク内に十分な量の水が入ったら、タンクのキャップをしないままエンジンをかけてエア抜き作業を行います。
ワゴンRのような軽自動車の場合は?
ワゴンRのようなエンジンルーム内が狭い車でも冷却水の交換は簡単に行うことが可能です。古い冷却水が抜けやすいようにするために、エンジンルーム内にあるラジエーターキャップを外します。冷却水を抜くためのネジは、車両前方から車体下を見ると樹脂製のネジがあるので、そのネジを緩めれば冷却水を抜くことができます。
冷却水を抜いたら、ラジエーターキャップの取り付け穴から新品の冷却水を入れ、サブタンク内の冷却水も適切な位置に調整します。冷却水を十分入れたらエンジンをかけてエア抜きを行います。
RX-8のようなスポーツカー場合は?
RX-8の場合、ロータリーエンジンを使用している特殊なスポーツカーですが、冷却水の交換は普通の車と同様に交換することが可能です。エンジンルーム内の冷却水のタンクにあるラジエーターキャップを外し、車体前方の下側にある樹脂製のネジを緩めれば、冷却水が出てきます。冷却水を抜いたら、新しい冷却水をサブタンクに注ぎエア抜きを行います。
バイクの冷却水は自分で交換できるもの?
ここまでは、車の冷却水を交換する方法についてご紹介しましたが、バイクの冷却水も自分で交換することが可能です。
原付などのエンジンが小さいバイクは、走行中の風で冷やすことができるので、冷却水は使用されていませんが、排気量の大きなエンジンを搭載しているビックスクータなどは、冷却水を使用してエンジンを冷やしているので、そのようなバイクの場合は、定期的な冷却水の交換が必要になります。
そこで、バイクの冷却水はどのように交換すれば良いかをご紹介します。
マグザムの場合は?
マグザムの場合は、車体下から冷却水を抜くことが可能です。車体下にあるボルトを緩め、車体前方にあるラジエーターキャップを外すと冷却水を抜くことができます。冷却水が抜けてきたら、ブリュードスクリューと呼ばれるエア抜き用のネジを緩めて、冷却水をできるだけ多く抜き取りましょう。
冷却水を抜くことができたら、車体下のネジとブリュードスクリューを締め、冷却水をラジエーターキャップの取り付け穴から注ぎエア抜きを行います。
マジェスティの場合は?
マジェスティの場合、冷却水のキャップは車体前方のカバーを外さなければ冷却水のタンクが見えません。そのため、車体前方のカバーを外して作業をする必要があります。
車体前方のカバーを外したら、冷却水のタンク上面にあるキャップを外し、車体下にあるボルトを緩めて冷却水を抜き取ります。冷却水が抜けたら車体下のボルトを軽く締め、車体前方にあるクーラント口と呼ばれる黒い注入口から規定量の冷却水を注ぎます。
冷却水を注いだら、エンジンの横にあるエア抜き用のボルトとキャブレーター側にあるエア抜き用のネジを緩めてエア抜き作業を行います。
冷却水を交換したらエア抜きが必要
冷却水を交換した時は、必ずエア抜きと呼ばれる作業を行いましょう。エア抜き作業は、冷却系統の中に溜まっている空気を抜くための作業で、この作業を行わなければ冷却水の交換を十分に発揮することができなくなり、冷却水の温度が異常に上がってしまいます。
そのため、新しい冷却水を入れたときは走行する前にエア抜き作業を必ず行いましょう。
エア抜きの方法は?
エア抜きを行う場合は、ラジエーターキャップを外した状態でエンジンをかけます。ラジエーターキャップは、ラジエーターと呼ばれる部品の上やエンジンルームの見やすい場所、冷却水のタンクなどに付いています。
また、エンジンをかけている時は車内の暖房を最大の状態にしておきましょう。車の暖房は冷却水の熱を使用しており、冷却水をエアコン内部にまで通しているため、暖房を最大の状態にしてエアコン系統の冷却水を循環させながら作業しましょう。
キャップを外したままの状態でエンジンをかけると、冷却系統に溜まった空気が徐々に抜け冷却水の量が減ります。そのため、冷却水を補充しながらエア抜き作業を行いましょう。ラジエーターキャップの穴から空気が出なくなったらエンジンを止め、冷却水が溜まっているタンク内の冷却水の量を調整しエア抜きの作業が完了します。
定期的な交換でトラブルを防ぐ!
今回は、冷却水についてご紹介致しましたが、冷却水はエンジンのとって非常に重要なものです。定期的な交換を行うことで、オーバーヒートや冷却系統のトラブルを防ぐことができ、突然のトラブルやエンジンの破損を防ぐことができます。冷却水の交換を定期的に行い、突然のトラブルが発生しないように整備しておきましょう。
初回公開日:2017年10月03日
記載されている内容は2017年10月03日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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