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ガレージに固定資産税はかからない?|かからないための条件

更新日:2024年10月10日

ガレージを設置すると固定資産税はかかると思いますか?実はかかる場合とそうでない場合があるのです。シャッターをつけたり、ガレージの代用でカーポートにしたりすることで、維持費が変わってきます。そこで、この記事ではガレージと固定資産税の関係などについて紹介します。

ガレージに固定資産税はかからない?|かからないための条件

ガレージに固定資産税にかかる条件とは?

固定資産税の課税対象は「土地」と「家屋」と「償却資産」です。そのうち、固定資産税の課税対象となる「家屋」の条件は、下記のものです。これらのいずれかの条件が欠けていれば「家屋」の扱いにされず、固定資産税がかかりません。

土地への定着性

固定資産税課税における「家屋」の条件の一つとして、土地に基礎工事などにより定着していることが挙げられます。ただ土地の上に置いているだけの状態では、「家屋」として認められません。基礎工事などが施されず、地面の上に置かれる程度の簡易なガレージは「家屋」の扱いにされないため、固定資産税はかかりません。

ただし、基礎のない構築物は、地震や水害などの災害時の安全面においては十分に確保できるものとは言えないため、注意が必要です。

外気分断性

固定資産税課税における「家屋」の条件の一つとして、外気分断性が挙げられます。外気分断性とは、外から内部へ空気を入れないために仕切りを設けている構造のことです。具体的には、三方向以上の壁と屋根で囲っている状態を指します。シャッターは壁ではありませんが、シャッターの付いているガレージも、シャッターを閉めた状態で外気分断性が認められれば固定資産税課税対象の「家屋」の扱いにされます。

用途性

もう一つの固定資産税課税における「家屋」の条件として、用途性が挙げられます。用途性とは、居住用や店舗用、作業用、貯蔵用などの何らかの用途を有していることを言います。ガレージの場合は、車両などの保管をする用途として用途性があるものとみなされます。

ガレージの固定資産評価額が高くなる場合とは?

ガレージにかかる固定資産税の高くなる場合には、ガレージに使用される建具などの固定資産評価額によります。固定資産評価額とは、国の定めた基準により固定資産税の税額算定の基礎となるものです。この固定資産評価額が高いと、固定資産税もその分上がります。

具体的には、次に挙げるものがガレージに設置されていれば固定資産評価額の高くなる傾向があります。

シャッター

ガレージにはシャッターの付されているタイプが多いものですが、シャッターの種類によって評価額が異なり、手動式と電動式の違いだけで固定資産税が1,000円ほど違うこともあります。

ドア

ガレージのシャッターの代用にドアを付ける場合にも、評価額は変わります。高価な材質のものを使用していれば、その分評価額が高いです。壁に取り付ける場合も同様に、壁より高価な材質を使用していれば、その分評価額が上がります。

ガレージの壁に窓を取り付けていれば、その分評価額が変わり、窓の取り付け面積や材質によって評価額は上がり、窓の取り付け面積の分において壁の評価額は下がります。つまり、窓の取り付けによって固定資産税が高くなるか否かについては、窓と壁の評価額の差によります。

ガレージ設置を引き渡し後にした方が良いと言われる理由とは?

不動産関係の業者の方から「ガレージの設置は住居の引き渡しの後の方がいい」と勧められることがあります。この意味は、固定資産税の算定に入らないということではなく、次に述べることにあります。

建ぺい率の問題

建ぺい率とは、土地の面積に占める建築面積の割合のことです。建ぺい率は都市計画で決められていて、地域によって建築基準法で上限が指定されています。建築工事が完了すると建築確認申請の完了検査を受けますが、その際に、建ぺい率が規定の基準を超えていると、建てた建物は違法建築物の扱いにされるため、取り壊す必要が生じてきます。

ガレージを設置する場合に、その問題に抵触する可能性があります。なぜなら、ガレージを設置することにより建築面積が増えて、建ぺい率の基準を超える可能性があるからです。実際には、建築確認申請の完了検査時点でガレージを設置せずに合格させて、その後でガレージを設置することが多いです。具体的には、主たる建物(居宅など)を建ぺい率の上限いっぱいまで建築し、その状態でガレージを設置する例が多いです。

なお、近所の方に建ぺい率の上限を超えている疑惑を役所に報告されれば、その建築物を取り壊す必要が生じますが、実際のところはほとんど見受けられません。ただ、建ぺい率は防火や住環境の安全の配慮のために考え出された概念でありますため、火災や建築上の不具合などが生じた場合に再検査が行われて発覚する可能性はあります。

固定資産税に関しては?

固定資産税の算定額に関して、ガレージの設置を引き渡すタイミングの違いによる影響はありません。影響があるとすれば、建てた時点における所有者の違いです。

1月1日における所有者に固定資産税が課税され、その所有者が業者であれば、業者と購入者との間で所有期間などにより支払額の按分についてやりとりを行います。多くの場合は、業者が納税通知書で固定資産税を支払い、そのうち支払うべき金額を業者が購入者に請求する形式です。

カーポートの場合は?

カーポートはガレージと同様に駐車をする用途で使われるものですが、ガレージと異なる点があります。そのことについて、下記に紹介します。

固定資産税に関して

カーポートは基本的に柱と屋根で建てられているものでありますが、三方向以上に壁で囲まれていないため、固定資産税算定上の「家屋」の扱いにされません。したがって、固定資産税がかかりません。

ただし、事業用建物の一つとして使用する場合には「償却資産」として申告する必要が生じます。その場合は、他に所有している「償却資産」の課税標準額との合計額によって固定資産税の課税される可能性があります。なお、「償却資産」の固定資産税算定には「免税点」というものがあり、所有している「償却資産」の課税標準額の合計額が150万円未満の場合には課税されません。

建築基準に関して

カーポートは、地方自治体の判断によりますが、多くの場合、建築基準法上で「建築物」に該当します。そのため、固定資産税では「家屋」の扱いを受けないカーポートであっても、建ぺい率の算定における建築面積が主たる建物のそれに算入されます。それによって、建ぺい率の基準超えによる建築基準法違反に抵触する可能性があります。

ただ、カーポートの場合には緩和条件というものがあり、庇の先端から1m後退部分の面積は建築面積に算入されません。気になる方は、建築地の属する地方自治体の建築確認の担当部署(建築指導課など)に問い合わせてみるのが望ましいです。

上手にガレージを設置しよう!

ここまでガレージと固定資産税の関係などについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?ガレージの建築の仕方によっては、固定資産税のかかるケースがあります。それには固定資産税の課税条件を知ることが必要です。

固定資産税の「家屋」における課税条件には、土地への定着性と外気遮断性、用途性の3つがあり、それらの条件の揃った建物ですと固定資産税の納税義務が発生します。シャッターやドア、窓の有無によって固定資産税算定上の評価額が高くなり、固定資産税の税額の上がるケースもあります。

主たる建物の引き渡し後にガレージを設置するという方法について、不動産関係の業者の方から勧められることがありますが、それは固定資産税に関することではなくて、建築基準法の関係であることに注意が必要です。

建築基準法上の建ぺい率の基準を超えると違法建築の扱いを受け、取り壊さなければなりませんが、実際には主たる建物を業者から引き渡された後にガレージを設置する例が多いです。ガレージ設置の際には、近隣住民の苦情を受けない範囲で行うことが望ましいです。

カーポートに関してはほぼ固定資産税の対象にはなりませんが、主たる建物の用途によっては償却資産として課税される可能性のあることに注意が必要です。また、建ぺい率では建築面積に算入されるという点にも注意を要します。

これからガレージ付きの建物を建てようとご検討される方は、固定資産税と建築基準の両方の観点で考慮に入れていただくことをお勧めします。上手にガレージを設置して、夢の家に住みましょう。

初回公開日:2017年10月20日

記載されている内容は2017年10月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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