【車種別】ショックアブソーバーの交換方法と工費・オイル交換
更新日:2024年08月30日
ショックアブソーバーの交換方法
ショックアブソーバーを交換するには、車をリフトアップさせてリジットラックで車体を固定します。タイヤを外してから作業する車種とそのまま作業できる車種があります、車体からショックアブソーバーを外すには、足回りを分解する必要があります。
車体からショックアブソーバーを外してから、スプリングを専用の特殊工具で縮めてアッパーマウントを外せば、ショックアブソーバーが外せます。ショックアブソーバーには専用のシェルケースに入っているものあり、その場合はシェルケースを開ける工具が必要になります。
リアの場合はスプリングとショックアブソーバーがセパレートになっているリジットサスペンションがあり、この場合はスプリングコンプレッサーは使用しません。
diy
DIYでショックアブソーバーを交換する場合、数多くの工具が必要になります。特にショックアブソーバーからスプリングを外す場合は、専用のスプリングコンプレッサーが必要になります。
交換作業は、特殊工具も必要になり専門的知識と大きな労力が必要です。特にスプリングを外す時には、間違った作業方法をすれば大怪我だけにとどまらず死亡する事もありますから、興味本位での作業は絶対にやめましょう。
乗り心地の変化など
ショックアブソーバーは、スプリングの上下運動を吸収して減衰させます。ショックアブソーバーにはオイル注入式とガス注入式とがあり、純正のショックアブソーバーはオイル式がほとんどです。
オイルはショックアブソーバー内の小さな穴の中を通って抵抗を作りだしスプリングの動きを減衰させますが、このオイルは高温で高圧になるので次第に劣化していきます。走行する路面状況にもよりますが、7万キロも走ればかなり劣化が進んでいます。10万キロともなれば初期の性能はもう望めません。
ショックアブソーバーが劣化してくると、車体を揺らすと収まりが悪くなり、走るとカーブで車が、大きく傾く現象が起きます。乗り心地も悪くなり、周辺パーツにも悪影響を及ぼすことでしょう。
ショックアブソーバーのオイル交換方法と費用
純正で取り付けられているショックアブソーバーのオイルは交換できません。ショックアブソーバーを交換する事になります。オイル交換ができるショックアブソーバーは、社外品のショックアブソーバーで、オーバーホール可とある商品のみになります。
オーバーホール料金は、それぞれのメーカーで異なりますし、劣化した部品があれば別途料金が発生するでしょう。
車種別のショックアブソーバーの交換方法
車をジャッキアップしての作業になりますので、安全には十分注意して作業する必要があります。必ずリジットラック(ウマ)を使いましょう。
ショックアブソーバーを交換する場合は、全ての車種は足回りを分解することになります。足回りは外すとアライメントが狂いますので、取り付け後はアライメント調整が必要となります。
それでは車種ごとにショックアブソーバーの交換方法について説明していきますが、ここに無い車種でも同じセグメントであれば参考になるでしょう。
ハスラー
ハスラーの足回りはフロントがマクファーソンストラット式コイルスプリング、リアにはアイソレーテッド・トレーリング・リンクを採用しています。
ハスラーはゴツゴツとして乗り心地が悪いと感じる方が多いのではないでしょうか。そこで社外品のカヤバのKYB SR SPECIALに交換すると、高速でのふらつきが無くなり、カーブも安定して曲がるようになります。
フロントの交換は車をジャッキアップしてウマをかいます。タイヤを外したら、ショックアブソーバーの下側のボルトを緩めてからボンネット内のストラットタワー部のナットを緩めて外します。スプリングコンプレッサーを使いスプリングとショックを分離させます。組み付けは外すのと逆の手順です。
リアは、タイヤを外したら、ショックアブソーバーの下側のボルトを抜き取ってから上のボルトを外してショックを縮めて外します。取り付け方法は逆の手順となります。
ワゴンR
フロントの交換方法は、車をジャッキアップしてからウマをかい、タイヤを外します。ボンネットを開けて、左側のストラット部分にコンピューターがあるのでネジを緩めてずらします。
アッパーマウントの取り付けナットを緩めて置きブレーキホースとショックアブソーバーを分離させてABSセンサーのステーを外します。ショックの下のナックルとの結合を分離させればショックアブソーバーはフリーになります。アッパーマウントのナットを外してショックアブソーバーを下に引き抜きます。
新しいショックアブソーバーにスプリングを付け替えて外したときの逆の手順で取り付けます。
リアの交換は、ショックアブソーバーの下側のボルトを引き抜いてから上のボルトを外します。ショックアブソーバーを手で縮めて抜き取ります。取り付けは逆の手順で行います。
クラウン
クラウンのフロントサスペンションは、ダブルウィッシュボーン式を採用しており、ショックアブソーバーを外すには、アーム類の切り離しが必要になります。ショックアブソーバーのアッパーには、AVSのアクチュエーターが付いているので外す時は半時計回りに回し、取り付ける時は時計回りで取り付けます。
取り付けの際にアームの位置を合わせてあげれば、ボルトはすんなりと留めることができますから、ボルトが入らないときはアームの位置合わせをやり直しましょう。
リアはほとんどの車種が採用しているマルチリンク式です。アームを切り離さなくてはなりませんから大変な作業となるでしょう。またトランク内の内装を全て外さなければアッパーマウントが見えないので、これもまた高級車なのでひと手間かかります。
ハイエース
ハイエースのフロントサスペンションはトーションバー式を採用していますから、通常目にするコイルスプリングは付いていません。よってフロントショックアブソーバー交換は難易度はそれほど高くなないでしょう。
フロントショックアブソーバーの交換方法は、車をジャッキアップもしくはスロープに車を乗せて行います。タイヤを外さずに交換することもできます。ショックのアッパーマウントのナットを外してからロアアームとショックアブソーバーを分離します。
取り付けは、ロアアームとショックアブソーバーの取付穴を合わせるのにトーションバーのスプリングの反発力で合いにくくなりますから、ロアアームとショックの下側の間にマイナスドライバーを差し込み、テコの原理で持ち上げればすんなりボルトが入れられます。あとは元のように締め付ければ完了です。
リアはリーフスプリングなので交換の際の取り外し、取り付けは非常に簡単にできます。
プリウス
プリウスはハイブリットなので高電圧のパーツが使われていますから車をバラす場合は細心の注意が必要になります。間違った手法で行うと生命に重大な危険を及ぼす事がありますから、専門的知識がない人はプリウスの分解整備はしないようにして下さい。
フロントショックアブソーバーの交換は、アッパーアームがフロントカウルの下にあるのでワイパー、ワイパーモーター、そしてワイパーリンケージを外さなければ右のアッパーマウントは外れません。ここまで外れればナックルとショックを分離してアッパーマウントのナットを外しショックアブソーバーを抜き取ります。
リアはトランクルームの両サイドの内張りを外すとアッパーマウントのナットをは外すことができます。ただしトランクルームの内張りを剥がすと高電圧バッテリーがありますか注意が必要です。
タント
タントの足回りは、フロントがマクファーソン・ストラットでリアはトーションビーム式となっており非常に一般的な足回りです。
フロントのショック交換は、ナックルとっショックアブソーバーを分離して、アッパーマウントのナットを外します。ABSセンサーとブレーキホースをショックから切り離せば外すことができます。取り付けは逆の手順となります。
リアの場合は、トーションビームなので、ショックの上下のボルトを外せば取り出すことができます。取り付け時にはショックを手で縮めながら取付穴に合わせて取り付けます。
フォレスター
フォレスターのショックアブソーバーは、前後共にスプリングコンプレッサーでスプリングとショックアブソーバーを分離する必要があります。
フロントとリア共に交換作業は、車体からショックアブソーバーを外します。外し方は、ロアアームとショックアブソーバーを分離してアッパーマウントのナットを外します。ブレーキホースとABSセンサーをショックから切り離します。
スプリングコンプレッサーを使い、スプリングを縮めてアッパーマウントを外してショックを抜き取ります。新しいショックアブソーバーを外す逆の手順で取り付けていきます。
ショックアブソーバーの交換工費
ショックアブソーバーを交換するには、商品代とその交換工賃が必要になります。部品代はフロントとリア、そして車種によりその価格は違いますが、純正品で1本5,000円から15,000円が相場です。
1台分のショックアブソーバーをディーラーや整備工場で交換するとなると、部品代込みで安くても8万円から10万円ほどの請求がくる可能性があります。
オートバックスなど
オートバックスなどのカー用品店でショックアブソーバーを交換すると、20,000円~(税別)となっています。車種により金額が変わってくるので、店舗にお問い合わせする事をすすめます。また、足回りを交換するとアライメントが狂うので、オートバックスでアライメント調整も合わせてお願いするのがよいでしょう。
ショックアブソーバーの交換による効果
ショックアブソーバーが、劣化していれば乗り心地がゴツゴツしたりふわふわしたり、多様な症状が現れますが、日々運転していると気が付かないこともあります。
走行距離が仮に10万キロ近く走っており、ショックアブソーバーの交換歴が無ければ純正品に交換してもその違いはハッキリと感じ取ることができます。乗り心地のゴツゴツ感や、道路のうねりに追従した運転ができるようになります。
一方、社外品のスポーツ性に振った物や乗り心地を追求したものなどに変えると、その変化はヘタっていない純正品から交換しても感じ取ることができるでしょう。良い製品を選べば、運転が上手くなった錯覚に陥る事でしょう。
ショックアブソーバー交換は専門業者で
今回はショックアブソーバーの交換について解説してきました。ショックアブソーバーがヘタると乗り心地が悪くなるばかりか、オイル漏れをしていれば車検にすら受かりません。
安易に自分で交換することは、作業中に怪我をする危険性があるばかりではなく、取り付けに不備があれば走行中に大事故にも繋がります。足回りの交換は、専門の知識のある業者にお願いをして、見切り発車のDIYでの交換作業はしないようにしましょう。
しかし交換すれば今までとまるで違う乗り心地と運転操作性を与えてくれます。ショックアブソーバーを交換して快適なカーラーフを楽しみましょう。
初回公開日:2018年01月08日
記載されている内容は2018年01月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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