【特徴別】リッターカー一覧3・維持費
更新日:2024年11月05日
リッターカーってどんな車?
相変わらず軽自動車の売れ行きが好調な、国内の自動車市場ですが、今、軽自動車に代わる車選びの選択肢として、「リッターカー」と呼ばれる車が話題となっています。
リッターカーは、軽自動車に劣らぬ高い経済性を持ち、なおかつ軽自動車よりも優れた走行性能や、快適性を備えた車として、現在、注目を集めています。
そのようなリッターカーについて、その成り立ちや魅力、一覧や、気になる維持費などを解説していきます。
リッターカーとは
リッターカーとは、その名のとおり総排気量が「1リットル」、つまり1,000ccクラスのエンジンを搭載した小型車の事で、現在の普通自動車のラインナップにおいて、最も軽自動車に近いカテゴリーの車です。
欧州車では古くから、このような総排気量800cc~1000ccクラスのエンジンを搭載した小型車が、各メーカーから多くラインナップされており、特にイタリアのフィアットなど、その経済性の高さと、きびきびとした軽快な走りが評価されてとなり、欧州各地で、人々の日常の足としてよく使われていました。
日本でも1970年代の後半から、欧州の小型車をお手本にした経済的な小型車として、各自動車メーカーから多くのリッターカーが登場し、手頃な車体サイズと価格の安さから、となりました。
現在でも数は少ないながら、各社から魅力的なリッターカーがラインナップされています。
リッターカー一覧3
現在、市場で販売されている、リッターカーの一覧について説明します。
3:日産マーチ
日産マーチは1982年に登場したリッターカーで、日産の普通自動車ラインナップ中、最も小さな車です。
現行型は2010年7月に発売された4代目で、車体の全長が3.825m、幅1.665m、高さ1.515mという、欧州車のBセグメント枠(全長3.75m~4.20m)に収まる手頃なサイズと、先代から引き継ぐラウンドしたルーフで開放的に感じる室内、そして、とても愛嬌のあるファニーな顔つきが好まれる小型車です。
伝統ある車名から今も根強い
マーチは初代から日産の世界戦略車として、欧州など海外市場に投入されている車です。
現行のマーチはタイ、中国、メキシコといった海外工場で生産された車を日本で販売している輸入車で、発売からおよそ8年が経過しモデル末期ながら、2018年2月の月間販売台数で1,187台と手堅く売り上げており、1982年から現在まで長きにわたって販売され続けてきたことで、このマーチという車名が持つユーザーへの信頼度がうかがい知れます。
マーチは2003年に、それまで搭載されてきた1,000ccエンジンが廃止され、現在の車は総排気量1,200ccの直列4気筒エンジンのみのラインナップとなったため、厳密にはリッターカーではなくなってしまいましたが、それでも小型軽量の車体は運転がしやすく、経済的で便利な小型車として根強いを誇ります。価格は115万1280円からとなっています。
2:ハスラーの弟分スズキ・XBEE
「遊べる軽」のキャッチフレーズで大の軽自動車、スズキ・ハスラーの普通自動車版として2017年末に登場したのが、クロスオーバー型SUVのリッターカー「XBEE(クロスビー)」です。XBEEは「軽自動車ハスラーの普通車タイプがあったら」というユーザーからの要望に応えて、スズキが具現した「遊べる小型SUV」です。
XBEEは、総排気量996cc直列3気筒ターボエンジンに電気モーターを組み合わせた、スズキ独自のマイルドハイブリッドを搭載した、経済性に優れた小型車です。その燃費性能は2WD車で1ℓ当たり22㎞、4WD車で20.6㎞/ℓとなかなか優秀です。
ターボとハイブリッドで1,500cc並みの走り
またこの3気筒ターボエンジンは最高出力99馬力、最大トルク15.3㎏・mという性能を発揮し、軽自動車ハスラーの弱点だったエンジンの非力さを克服する、力強い走行性能を実現しています。
もちろん全長3.76m、幅1.67m、高さ1.705mの、軽自動車並みにコンパクトな車体は、スクエアなデザインと相まって車両感覚がつかみやすく、運転がしやすいことも大きな魅力です。またハスラー譲りの室内の広さや、ゆとりある荷物スペースなど使い勝手に優れるところもの秘密です。
XBEEは発売直後の2018年1月に2,442台、翌2月には2,905台と堅調に販売台数を伸ばしており、軽自動車ユーザーからも注目のリッターカーとなっています。価格は176万円からです。
1:スバル・ジャスティとその兄弟車
ジャスティは、スバルが長年製造を続けて来た軽自動車でしたが、軽自動車市場から撤退した現在は、ダイハツより小型普通車のハイトワゴン「トール」にスバルのエンブレムを付け、OEM供給を受けて「新型ジャスティ」として販売しています。同じくトヨタの「ルーミー」「ダンク」もダイハツからのOEM車両で、これらはメーカー名や車名の違う兄弟車となります。
軽トールワゴンからの乗り換えに最適
新型スバル・ジャスティを始め、これらダイハツ・トールとそのOEM車は現在、非常に好調な売れ行きを達成しており、メーカーの販売規模の違いから、ジャスティの販売台数はそれほど多くはない物の、2018年2月の月間販売台数ではトールが1,965台、ダンクが5,969台、ルーミーが6,851台となっています。
またルーミー/ダンクの発売が開始された、2016年11月の受注台数は何と合わせて37,500台と驚異的で、軽自動車のみでなく小型車でも、国内市場でハイトワゴンのの高さがうかがえます。
優れた動力性能を持ち安全装備も充実
ジャスティには総排気量998ccの直列3気筒、DOHCのインタークーラー付きターボエンジンが搭載され、最高出力は98馬力、最大トルクは14.3㎏・mを発揮します。ダウンサイジング技術が投入されたこのエンジンは、どの速度域でも1,500ccエンジン並の力強い走りを実現し、また1ℓ当たり21.8㎞という優れた燃費で経済性にも優れています。
その他、自動ブレーキなどの安全支援装置「スマートアシストⅡ」を装備し、緊急時の衝突回避などに威力を発揮します。
便利さで注目のリッターカーハイトワゴン
ジャスティの最大の魅力はその使い勝手の良さで、広々した荷室で4つの旅行用トランクを並べて積み込むことができ、またシートアレンジの手軽さで、ベビーカーなどの大きな荷物でも楽に積むことができる、ハイトワゴン車ならではの便利さがの秘密です。
市場で大のジャスティの価格は、146万3400円からとなっており、今後も非常に注目度の高いリッターカーのハイトワゴンです。
特徴別リッターカーについて
リッターカーについて説明します。
史上最速のリッターカー
現在のところ、これまで販売されていた中で最速の性能を持つリッターカーは、2010年2月まで販売されていた、リッターカーの競技用ベース車両、ダイハツブーンX4でしょう。
ダイハツ・ブーンX4は、総排気量936ccの直列4気筒に、大型のターボチャージャーを装着したエンジンを搭載し、その最高出力は何と133馬力、最大トルク13.5㎏・mという、リッターカーとしては驚異的なパワーを発揮し、車両重量980㎏の軽量な車体を、0-400m(ゼロヨン)タイムで15.97秒を叩き出す怪物マシーンです。
ブーンX4はすでに生産を終了しており新車では購入できませんが、中古車はまだまだ流通しています。ジムカーナやラリーなど、モータースポーツを始めたいと考えている方はぜひチェックしてみましょう。
4wdのリッターカー
リッターカーの4wd車としては、昨年末デビューして上昇中の、スズキXBEEの4wdモデルがです。魅力は優れた動力性能とハイブリッドによる高い経済性、さらにスペースユーティリティに優れた車体の万能さです。
雪道やオフロード走行で威力を発揮する、XBEEの4wdは、アウトドア派のあなたの頼もしい相棒になってくれるでしょう。
ターボエンジン搭載のリッターカー
ターボエンジン搭載のリッターカーでは、ルノールーテシア・ゼンがです。
ルーテシア・ゼンが搭載する総排気量900ccの直列3気筒ターボエンジンは、最高出力90馬力、最大トルク13.8㎏・mを発揮します。それを5速のマニュアルトランスミッションと組み合わせて、各ギアごとにエンジンの力を目一杯絞り出して走らせるのが、欧州小型車を操る醍醐味となります。ぜひ試乗をして、その楽しさを味わってみましょう
スライドドア装備のリッターカー
スライドドア装備のリッターカーでは、現在大のスーパーハイトワゴン、トヨタ・ルーミー/ダンクでしょう。この車は、後部座席の両側にスライドドアを備え、また助手席側はうれしい電動式となっています。
ルーミー/ダンクを始め、ダイハツ・トール、スバル・ジャスティなどOEM兄弟車は、広い室内と楽々シートアレンジが魅力の車で、さらに両側スライドドアが装備された、ビジネスにもレジャーにもうれしい万能リッターカーです。
リッターカークラスの小型スポーツカー
スポーツカータイプのリッターカーとしては、過去には、総排気量700ccのエンジンを搭載したスマート・ロードスターがありましたが、今は生産が終了しています。
そこで、リッターカーよりも少し大きなエンジンを搭載する、世界中の市販車の中で最も過激と言われているスポーツカー、「ラディカルSR4」はいかがでしょう。
操縦にはヘルメットが必須の怪物マシーン
ラディカルSR4は、英国ラディカル社が製造する「公道を走るレーシングカー」との呼び声高い、究極のスポーツカーです。屋根などどこにもない、レースカーそのものの車体に搭載されるのは、日本のカワサキ製、総排気量1,164cc直列4気筒DOHCで、オートバイ用に作られたこのエンジンを、元の145.2馬力から最高出力190馬力までチューンナップされています。
これが車両重量490㎏という驚異的に軽量な車体を、まるでロケットみたいに猛烈な加速力で走らせます。その走りは、このような車が公道を走って良いのかと驚いてしまうほどです。またフロントガラスも装備されないため、操縦にはヘルメットが必要です。
また価格も1,098万円と、リッターオーバー(1000万円以上)になっています。
リッターカーの維持費について
リッターカーの維持費について説明します。
エンジンの総排気量が1,000cc未満のリッターカーは、自動車税が29,500円と、1,000cc以上、1,500cc以下のコンパクトカーの34,500円に比べて、5,000円もお得になっています。また車検の際に必要な重量税も7,500円と安く、ユーザーにはうれしい経済性の高さです。
気になる燃費も、カタログ値で22㎞/ℓ、実燃費でも16㎞/ℓと優秀なため、毎日の足として使うのにも、安心して乗ることができます。
リッターカーと軽自動車の違いを比較すると
リッターカーと軽自動車との大きな違いは、ゆとりのある走行性能と、やや大きめのボディがもたらすしっかり感と快適性です。
現在の軽自動車は、エンジンの総排気量が660cc、最高出力64馬力までという上限があるため、高速道路などでの走行性能に限界があり、また小さすぎる車体はやや弱々しく、時速100㎞/hを越えるとふわふわした感覚があり、リッターカーとは快適性の面で大きく劣ります。
ただし、軽自動車は自動車税が10,800円(制度改正前にすでに登録されている車では、据え置きの7,200円)、重量税が何と2,500円と激安で、税金面は普通自動車ではとてもかなわない経済性の高さがあります。
軽自動車の次に選ぶならリッターカー
リッターカーについて、その成り立ちや魅力、一覧や、気になる維持費などを紹介しました。
エンジンの総排気量が1,000cc以下の、軽自動車に最も近い普通車であるリッターカーは、現在では数は減りましたが、経済的で走りの良い、魅力的な車が販売されています。その走行性能や快適性は、軽自動車とは次元の違う大きなゆとりがあり、注目を集めています。
軽自動車のスーパーハイトワゴンにお乗りの方や、購入を考えている人は、ぜひ一度、快適でゆとりの走行性能を持つ、リッターカーへの試乗をします。
初回公開日:2018年04月14日
記載されている内容は2018年04月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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