ホイールにロックナットと外し方・紛失した場合
更新日:2024年09月10日
ホイールにロックナットをご紹介
車両に高価なセキュリティシステムを組む方もいらっしゃいますが、ホイールの盗難に的を絞ればホイール取り付けナット(ボルト)をロックナット(ロックボルト)に入れ替えることが簡易的で、コストもかからずです。
ホイールのロックナット(ロックボルトも以下ロックナットと表現いたします)は自動車用品量販店でも豊富に取り扱われていて、誰でも簡単に入手できます。取り扱いも簡単であり、社外のホイールに交換された場合はもれなく装着されることをお勧めします。
それでは、今回はロックナットの取り扱いや販売されている種類、万が一のアダプター紛失の対応について解説いたしますので、どうぞ最後までのお付き合いをよろしくお願いします。
ロックナットの外し方
ロックナットの取り扱いは簡単です。通常、ホイール取り付けナットはホイールごとに4つか5つありますが、そのうち一つをロックナットに入れ替えるだけです。
種類にもよりますが、ロックナットだけの販売と、ホイールナット1台分のロックナットセット販売の2パターンがあります。販売価格はもちろん前者のロックナット(4個から5個とアダプタのセット)だけの品物の方が安価で入手できます。
タイヤを取り外すときにはもちろんロックナットも取り外す必要がありますが、クロスレンチかヒンジハンドルで緩めるようにして下さい。インパクトレンチを使用しますと、ロックナットとアダプターを傷めてしまうことがあります。インパクトレンチは瞬間トルクが強いため、ナットとアダプターの金属摩耗を引き起こしカジリの原因となってしまいます。
盗難防止用に以前使っていたトヨタ純正品の凹凸がつぶれ,使用できなくなりはっきり山がありシンプルなこの製品を購入しました。落として傷つきそこからサビが出ましたが使うのに支障なし。前のよりずっといいです。
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用語解説-カジリとは?
カジリとは金属同士のクリアランスが原因で起こる引っかかり、噛み込み状態を指し、最悪分離できなくなります。ロックナットとアダプターがカジッてしまいますと、ロックナットセットの交換が必要です。
万が一ロックナットのカジリが発生した場合、緩めるときのカジリは締め込むことで、ロックナットとアダプターを分離できます。締め込む際のカジリは緩めることでロックナットとアダプターを分離できます。一度カジッたロックナットは使用せずに、予備で持っているノーマルナットで取りあえず代用しましょう。
用語解説-クロスレンチ、ヒンジハンドルとは
自動車からホイールの脱着を行ったことの無い方のために、必要なツールをご紹介します。万が一のパンクの際に、応急用タイヤへの入れ替えを経験する可能性があるため、知って損はありません。
クロスレンチとは
上の画像をご覧いただくと一目瞭然で、クロスレンチとは3、もしくは4種類のホイールナットのサイズに対応する形で組み合わされたレンチで、別称「十字レンチ」とも呼ばれています。両手を使ってナットを緩めたり締めたりします。
車に付属しているレンチと違い、両腕で力を加えやすいためタイヤ交換が楽に、かつ効率的にできるようになりました。
出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R2I77FCGOINM... |
電動のインパクトレンチを所有していますが、このクロスレンチだけで事足りてしまいます。
あとは、トルクレンチがあればネジをなめることなく適正トルクで締め上げることができ、完璧だと思います。
ヒンジハンドルとは
ヒンジハンドルはボックスソケットと組み合わせて使うレンチです。ナットに対応するサイズのボックスソケットを事前に準備する必要があります。
このツールの良い点は、緩める際にナットが固いときに体重を掛けられることです。また、ハンドルの長さに種類があるため、締め付けの強さに応じて使いやすいツールを選択されることをお勧めします。一般的には400mm程度のハンドルであれば、ホイールナットを楽に緩めることができるでしょう。
締め付けは規定トルクで!!
緩めたホイールナットは、必ず締め付ける必要があります。ただし、締め付けにも注意が必要で、ホイールのナットには車種により締め付けのトルクが決まっています。
トルクとは締め付けの強さです。この締め付けトルクを適当に締め付けますと、トルク不足でホイールナットの緩みにつながり、最悪の場合ホイールの脱落につながることもあります。一方、締め付けすぎの場合は、ホイールボルトの傷みにもつながり、ボルトナットのカジリの原因となり、緩める際のボルトの折損につながることもあります。
このような不具合を防ぐためにも、トルクレンチの使用をお勧めします。規定の締め付けトルクは車種により違いがありますので、自動車販売店にお問い合わせ下さいますよう、お願いします。
ドッシリとして、耐久性がありそう。ソコソコの価格ですが、ホームセンターの安物とは違い、プレセットがやりやすい。いいものです。推奨します。ケースが付いてなく、袋のみですが、工具箱に入れるので、別に問題はないです。
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ロックナットを紛失したらどうなるか
ロックナットに関わる紛失は二つのケースが考えられます。一つはロックナット脱着用アダプターの紛失、二つ目はロックナットそのものを紛失するケースです。
いずれにしても結論としては、ロックナットセットの再購入の必要があります。アダプターにしてもロックナット本体にしても、同じ形状の物を探し出すのは不可能に近いためです。もしも簡単に同型の物が購入できればセキュリティーにはなりません。
ケース別:アダプター紛失の場合
ケース別に対応方法をご説明します。ロックナットアダプターを紛失してしまった場合は大変です。アダプターを無くしては、ロックナットを緩めることができません。ホイールを取り外す機会が無い限りは実害はありませんが、いずれはタイヤ交換や定期点検でホイールの取り外しの必要性が出てきます。
そのような場合に対応するスペシャルツールが出ています。上の画像でご紹介しておりますツールは、現物合わせでロックナットにソケットをはめ込みロックナットを緩めることができます。緊急用であるため、普段は役に立つことはありませんが、万が一の場合にも何とかなるという安心感はあります。
ロックナットなくして大変でしたが無事はずれました。
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桜柄出ない限りだいたいいけるとおもいます
ケース別:ロックナットの紛失
各ホイールに用意されているロックナットの内一つだけ紛失してしまった場合は、前述のとおりロックナットセットを再購入する必要があります。ただし応急手段としては、余っているホイールナットで代用すれば、新たに用意できるまでは自動車を走行させることができます。
もしも余っているホイールナットが無いとなれば、ホイール取り付けナットが不足した状態になるため、なるべく自走は避けた方が安全ですが、近くに量販店があれば、速度を抑えて自走するのも良いでしょう。
解説!!ロックナットの仕組み
ロックナットがホイールの盗難に役立つことは、これまでのご説明でご理解が頂けましたでしょうか。
ロックナットと一言で済ませておりますが、いくつか種類があります。いずれのタイプにおいても、通常六角の角を持つナットに対して、ロックナットはいびつな凹凸や、幾何学模様の溝、ギザギザの内溝タイプなどで、一般の工具では容易に緩められない構造により、セキュティ性を高めています。
すなわち、基本的にはロックナットの脱着には専用のロックアダプターを使用せずには取り外せない構造となっております。
ロックナットの種類
ロックナットにもさまざまな種類があります。ロックキーの形状で大別できますが、いずれにしてもインパクトレンチによる脱着には注意が必要です。瞬間トルクに弱いため、破損の原因につながるためです。緩めようとして破損してしまうと、特殊ツールの準備であったり、あるいはプロの整備工場への救援要請であったり、やや面倒になります。
少し脱線してしまいましたが、ロックナットの働きに違いはありませんので、お好みでお選びいただくと良いでしょう。
オーソドックスタイプ
上の画像でご覧いただくタイプは最寄りの量販店でもおなじみの、オーソドックスなタイプです。クロームメッキが施されていることが多く装飾性があります。このため、他のナットも同様のメッキのナットに交換しないと、変な目立ち方をしてしまいますので、ドレスアップの一環で1台分のホイールナットの入れ替えをお勧めします。
問題なく使えます
出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1W9G63HFU3A... |
メッキナットに不足の場合
ロックナットを購入する際に1台分のロックナットセットを購入していれば問題ありませんが、うっかりロックナットだけの購入をしてしまった場合は、後からメッキナットを購入することができます。
メッキナットも紛失やねじ部の損傷などを起こしてしまうことがありますので、状況に応じて購入を検討されると良いでしょう。
カーショップでは中々置いていない17HEX1.5㎜ピッチがAmazonで気軽に安価に買える、これが最大の魅力だと思います
出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3OFE4FK8DIJ... |
メッキも綺麗でホイールともよく合っています
ダブルロックタイプ
勝手なネーミングを行ってしまいましたが、このロックナットは全てのホイールボルトにロックナットを取り付けるセットです。
仕組みとしては、ホイール取り外し時にロックナットアダプターを使用する前に、ロックキャップを取り外す必要がある、なんとも手間のかかるロックナットです。
けれど、手間がかかると言うことはホイールの盗難時にも時間がかかるため、セキュリティ性は高いと言えるでしょう。窃盗団も敬遠すること間違いありません。
自分的にはいいと思います!
出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R333578NS2MT... |
盗難防止にもなりなおかつメッキなのでいいす!
ちまたでなタイプ
ロックナットもどんどん進化してきており、内側もしくは外側に凹凸のロックキータイプだけでは無く、幾何学模様のキータイプもあります。
このようなタイプだと、類似商品のロックアダプターで代用する裏技もできないでしょう。つまり付属ロックアダプターでなければロックナットにアダプターを掛けることもできず緩めることはできません。
盗難予防には最適だと思います。
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ロックナットにマックガード
ロックナットメーカーのマックガードは、扱いが手軽である一方セキュリティ性、装飾性も高く商品となっています。直前の見出し「ちまたでなタイプ」でご紹介いたしましたロックナットもマックガード製です。
マックガード社(マックガードジャパン)のホームページを開いてみますと、同社は50年以上も自動車用盗難防止製品に携わって来たことが表記されています。参考に文献の引用を次にご紹介いたします。
自動車用セキュリティ製品
出典: http://www.mcgard.jp/automotive.html |
1964年以降、マックガードは自動車用ホイール盗難防止ロックナットをはじめとした、自動車用セキュリティ製品を数多く開発・製造しています。
中でもホイールロックは最も長い歴史を持ち、世界中のお客様にご愛用頂いている定番のロングセラー製品です。
また、ホイールロックを含めマックガードの自動車用製品群は、数多くの自動車メーカーやホイールメーカーに純正品としてご採用頂いており、高い性能と信頼性を誇ります。
マックガードをお勧めする理由
前述の引用をご覧いただくことで分かりますが、マックガード社のロックナットは多数の自動車メーカーの純正ロックナットに採用されています。つまりそれだけ信頼性の高いロックナットと言えます。
ロックナットはのアダプターセット部は幾何学模様であり、対応するアダプター以外かからない構造となっています。また、同社のハイエンド商品にはスピンカラーが備わっており、アダプター紛失時に使用する特殊ツールでも緩めることができない特徴があります。
マックガード社がお勧めである点は万が一のアダプター紛失時にも、同社に問い合わせることで代わりのアダプターを手配してもらえる点でしょう。スピンカラー付きのロックナットで、アダプターを紛失しても、アフターサービスが整っていますと安心です。
カッコいいです、ホンダ系は19Hだけどトヨタ系の21Hでは私のアルミの穴が深いためソケットが入りにくくホイールに傷がつきます、トルクは93Nmにしてます。
出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3GEF17ELIW8... |
ロックナットにソケット
ロックナットはロックアダプターを使用しないと外せないことは、これまでご説明してきました。加えて、社外品ホールにおいてナット挿入穴が小さく、ナットを緩めるためにはソケットの肉厚が薄肉である必要があるケースもよくあります。
このためホイール脱着においては薄肉ソケットの用意をお勧めいたします。ソケットの種類によっては肉厚が薄いだけでは無く、ホイールの養生カラーがソケットに被せられている物もありますが、もし裸のソケットである場合は、養生テープかマスキングテープを薄く巻き付けることをお勧めします。
せっかくの外品ホイールが脱着時に傷付いてしまっては、ショックも大きいことでしょう。事前のちょっとした注意が楽しいカーライフにつながります。
17が必要でしたが一本一本買うより安いと思って買いました、買って正解です。
出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R12M0L0MWWKI... |
万が一の応急ソケットお勧め
誰しも「うっかり」はあります。うっかり紛失、うっかり破損、そういう万が一の状況に備えるのも大切なことでしょう。これからご紹介しますソケットはそんな「備え」に向けたモノです。
オーソドックスタイプ用
見出し「ロックナットを紛失したらどうなるのか」でもご紹介しましたオーソドックスタイプのロックナットの取り外しツールです。もちろん応急ツールですから、これを乗用するのはお止め下さい。ナットの全ての凹凸にフィットするわけではなりませんので、ナットの摩耗促進につながってしまいます。あくまでも応急用です。
価格は8000円未満と言うことで、決して手に入らない価格ではありません。よくあるお話なのですが、整備工場に入庫した自動車にロックナットのアダプターが積み込まれていないためにタイヤが取り外せないことがあります。そのため、作業が中断することもあります。どうやら、紛失防止のために自宅に保管される方もいらっしゃるそうです。
このため、こういうツールはどちらかというとプロの整備士さんも持っていても良いでしょう。
スタッドレスに交換出来ず途方に暮れた時、この商品に出会い、無事助かりました
出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R15HXMFRVT1V... |
その他の緊急ソケット
こんなタイプも販売されています。純正ロックナット応急ソケットで、ナットの内側にロックキーの溝や凹凸が切ってあるタイプ向けです。
仕組みはロックナットにはめ込んで、緩める方向に回すだけです。内部のローラーが左回りに回転することで、ロックナットに噛み込む仕掛けになっています。発想はスタッドボルトリムーバーの原理となります。
スタッドボルトとは
スタッドボルトとは金属パーツに埋め込まれたボルトで、自動車のさまざまな部位で用いられる手法です。例えば、マフラー触媒と中間パイプ間のフランジボルトはスタッドボルトを使用しています。また、シリンダーヘッドのエキゾーストマニホールド取り付けボルトもスタッドボルトです。
このボルトを脱着するときはダブルナットで締めたり緩めたりする方法もありますが、適切なツールとしてスタッドボルトリムーバーがあります。
スタッドボルトリムーバーについて
スタッドボルトリムーバーというツールは言葉で聞いて分かりにくいことでしょう。従いまして、念のためにご紹介します。
上の画像が正にスタッドボルトリムーバーです。Amazonのリンクをたどっていただきますと、分かりやすい図面も添付されております。仕組みが分かれば何のこと無いツールです。そしてロックナット取外しツールに転用できることもご理解いただけることでしょう。
ダブルナットで抜くのが何だか不安だったので購入、25年以上前の車体のスタッドボルトもしっかり抜けました。
バイク程度ならあまりトルクをかけないので、スタッドボルトの引き抜きだけでなく簡単な締め付けにも使えます。
出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R2RH4ZMFGZJN... |
ロックナットにバスター
ロックナットバスターはロックナットを強制的に取り外すツールです。ツールの特徴より、バスターを使用した後のロックナットの再使用は不可能とお考え下さい。
何度もホイールの脱着を繰り返しますと、ホイール取り付けナットは金属摩耗が進みます。特にロックナットは構造的理由より通常のナットより金属的負担が大きい特徴があります。すなわちナットの消耗はやや早いとお考え下さい。
このため、ロックナットは消耗品という認識が強く、やがては無理な使用条件で無くても、摩耗が進んだことによりロックキー部がなめてしまうことがあります。
一度なめたロックナットはアダプターでも取り外しが困難であるため、万が一の対応策としてバスターという特殊ツールをお勧めいたします。
バスターの使い方
バスターの使い方は簡単です。ロックナットにバスターを掛けて、緩める方向(左回り)に回転させますと、バスター内側のねじ部がロックナットに噛み込み、バスターがロックナットにカジッた時点で、緩めるトルクがナットに伝わり、緩めることができます。
このツールはロックナットを緩める上で、最終手段となりますので、安易に使うと後でロックナットを交換する羽目となりますので、使用にはご注意をいただく必要があります。
このツールもどちらかと言いますと、プロの整備士さんに持っていただいた方が、活用頻度は高いと考えます。ロックアダプターを紛失した場合やロックナットのキー溝損傷、もしくはアダプター損傷は一年の内でも何度かあります。
ロックナットは物理的セキュリティ
いかがでしょうか。今回ロックナットに関わるさまざまな情報をご説明いたしましたが、ご理解いただけましたでしょうか。
自動車のセキュリティツールには社内監視装置もありますが、キットの費用も高く、取り付け費用もかかります。それに対して、ホイールロックナットは費用も安価で誰にでも取り付けることのできる、セキュリティの基本になります。
せっかく購入した高価な車外品ホイールが盗難されないためにも、まずはロックナットをご検討下さい。
初回公開日:2018年05月11日
記載されている内容は2018年05月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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