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車の運転のコツ・運転に必要な視力・違反事項一覧

更新日:2024年01月24日

車の運転が上達するためのコツはどこにあるのでしょうか?実は「車の運転は手足でする」のではなく、「車の運転は目でする」ものなのです。目が追いつかないと操作は絶対間に合いません。今回は車の運転の上達する基本的なコツを、特に「認知」の観点から紹介します。

車の運転のコツ・運転に必要な視力・違反事項一覧

車の運転のコツ

「車をうまく運転するコツってないの」と思う方は意外と多いのではないでしょうか。運転技術は経験に比例します。それは経験を通じて、自分なりの運転のコツを見出していくからです。ただ、知識としてコツを知っておくと、車の運転が上達するスピードは飛躍的に向上するのではないでしょうか。

車の運転が上達するまで経験を積むと言っても、闇雲に運転して車をぶつけてしまえば、上達するより先に心が折れてしまいます。せっかく運転免許を取得しても、「運転が苦手」と敬遠してしまうのは、非常に残念なことです。

そこで今回は、運転技術上達のコツを紹介します。特に運転が苦手な人は参考にしてみてください。キーワードは「車の運転は目でする」です。

運転への恐怖心との付き合い方

車は時に凶器となります。巨大な鉄の塊が人に猛スピードでぶつかればどうなるか、冷静に考えると怖くなります。車を運転するのが怖いから、運転に苦手意識を持っている方もいるでしょう。でも大丈夫です。そういう人は、車の運転が素晴らしく上手になる素質があります。

車の運転に対して恐怖心が全くない人に比べて、運転に恐怖心を持っている人の方が、気休めではなく絶対に運転が上手になります。

教習所で最初の方で教わることですが、車の運転は「認知→判断→操作」の繰り返しです。そして、特に重要になるのは「操作」ではなく、「認知」です。重要度は認知6割、判断3割、操作1割程度のイメージでしょうか。車を運転する上で素早く状況を把握することが最重要ポイントになります。「車の運転は目でする」のです。

恐怖心を持っている方は、いわば想像力が豊かな人です。ボールが転がってきたら子供が飛び出してくるかもしれない、という想像が働けば事前にスピードを落とせます。スピードを落とさないまま飛び出してきた段階で、操作でかわすことは、恐らくプロのレーサーでも困難でしょう。恐怖心は克服する必要はありません。むしろ運転に利用すればよいのです。

運転初心者がまずマスターすべきこと

運転免許を取得したばかりで、これから車の運転をするという方や、長らく運転しなかったペーパードライバーなど、運転初心者が車を運転する上で、まずマスターしておくべきことは、「運転席からの視界を把握する」ことです。

ボンネットは運転席から見るとどう見えているか、ルームミラーやドアミラーで何が見えるのか、逆に、何が見えないのかを大体で構いませんので把握してください。文章にすると難しいですが、やり方は止まっている車の運転席で座って見るだけです。

車の運転席は想像以上に見えない場所(死角)が多く、距離感もつかみにくくなっています。止まっている段階で見えないものは、動いている段階では絶対に見えません。「車の運転は目でする」ので、どこが見えて、どこが見えないかを把握するだけでも運転技術は向上します。

車の運転の練習方法

理屈だけで車の運転は上手にはなりません。実際に車を運転し、運転経験を積むことで上達します。平たく言えば、「最後は練習あるのみ」です。

ただ、練習するにしてもポイントを押さえておかないと、上達するまでに無駄に時間がかかってしまいます。そこで、比較的簡単な運転のコツを紹介します。コツを意識しながら運転することで、効率の良い運転の練習になります。

・走行ラインを目でイメージ

車を運転する上で、わき見運転は絶対してはいけません。教習所でも習うことです。でも、仮に障害物の何もない、完全に安全が保証された場所(もちろん、現実にそんな場所はありません)で、わき見運転で真っ直ぐに車を走らせることはできるでしょうか。

答えは「不可能」です。というのも、車はドライバーの視線に沿うように動きます。無意識のうちに目線の先に行こうとします。

そこで、運転する際には自分が走行しようとしている走行ラインを目で見てイメージして運転してください。特にカーブでやってみるといいでしょう。怖いと感じる場合、スピードが出過ぎています。やってみると思いの外スムーズに走ることができます。

・周りを逐一確認

わき見運転はしてはいけませんが、ただひたすら前だけを見て運転することも、実は危険です。周りで何が起きているのかを、把握できるようになる必要があります。

運転中は基本的には前を見ますが、前が安全であると確認できれば時々、周りにも気を配るようにしましょう。視線を少し左右に動かしたり、ルームミラーや左右のドアミラーを一瞬でいいので確認しましょう。

そこまでの余裕がないという場合は、スピードが出過ぎています。車のスピードが上がるほど、ドライバーの視界は狭くなります。周りが把握できるスピードで走行することが重要です。

・全ての操作をゆっくり行う

車の運転の練習ということで運転する上で一つルールを作りましょう。「全ての操作をゆっくり行う」です。

ハンドルを回すのも、アクセルやブレーキを踏むのも全てゆっくり行います。危険回避のためやむなく素早く操作しないといけない場合は仕方ないのですが、可能な限りゆっくり操作してください。

実は車を運転する上で、素早く操作する必要はほぼありません。スピードが出ている状態でハンドル操作を素早く行えばすぐにコントロールを失いますので、むしろやってはいけないことです。また、急にアクセルやブレーキを踏めば重心が一気に動くため、体が振られます。マニュアル車のクラッチ操作やシフト操作は早い方が良さそうですが、レーサーでもない限り、特段素早く操作する必要もありません。

車の運転が下手と言われる原因

車の運転が下手と言われる人とはどういう人でしょうか。スピードが遅いと下手だと言う人は要注意です。同乗者から見て、「下手だな」と思われている可能性があります。

スピードの速い遅いで運転が上手か下手かは分かれません。しかし、レーサーでもないのにスピードにこだわる人は、本人が上手いと思っていても、運転下手と陰で言われている可能性は大いにあります。

運転が下手と言われる原因は「周りが見えていない」か「操作が雑」のどちらか、もしくはその両方です。この2点は、実はスピードが速すぎる人が陥りやすいポイントです。先ほど紹介した練習ポイントは、この2点をカバーする意味合いもあります。

最適なドライビングポジション

ここまで運転のコツを紹介してきましたが、上達する上での大前提として、「運転しやすい姿勢」を確保する必要があります。シート位置が運転しにくい状態では操作もおぼつきません。ミラーで後ろや側面を確認しようとしても、ミラーが合ってなければ全く確認できません。

運転しにくい姿勢で運転しても、上達はできません。運転しやすい姿勢を確保して運転するようにしましょう。

・座面位置

シートの前後をまず調整します。ブレーキを目一杯踏み込んで、膝がほんの少し曲がる程度に合わせるとペダル操作がしやすくなります。

車によっては座面の高さの調整ができるものもあります。座面の高さはある程度好みで合わせてもかまいません。高い位置に合わせると近くが把握しやすくなり、低い位置に合わせると遠方を把握しやすくなります。

気を付ける点は、座面の高さが変わると、最適な座面の前後位置も変わってきますので、高さを合わせてから、前後を合わせるのがです。

・背もたれの傾き

座面を合わせると、次は背もたれの傾きを調整します。背もたれに体を預けて、ハンドルのてっぺん(アナログ時計で12時の位置)をつかみ、肘がほんの少し曲がる程度の位置が理想です。

ハンドルの上下位置を調整できるチルト機構が多くの車についていますが、ハンドルがメーターに干渉しない範囲に合わせましょう。ハンドルの前後を調整できるテレスコピック機構がついている車の場合、多少背もたれの傾きに幅が出てきます。理想的にはわずかに骨盤が後ろに傾く程度に背もたれを合わせ、その姿勢で最適な位置にハンドルを合わせましょう。

・ミラー位置

シート位置が決まれば次にルームミラー、ドアミラーを調整します。

ルームミラーは背もたれに体を預けて、リアガラス全体が収まる位置にルームミラーを合わせれば大丈夫です。

ドアミラーは左右とも背もたれに体を預けて、上下を路面がミラーの下半分で見えるように合わせ、車体側面がミラーの端に映る位置に合わせましょう。

ハンドルを持つ位置

運転する場合、ハンドルを持つのですが、手の位置はどこがいいのでしょうか。教習所では一般的にアナログ時計の9時15分の位置で持つように指導しています。実際両手で運転する場合、左右の端を持つ形が最も運転しやすいでしょう。

上達へのカギ

車の運転の上達には知識と経験がカギとなります。ここまで紹介してきたことで、操作に関するコツはゆっくり操作することだけです。運転しやすい姿勢を確保すれば操作が楽になります。楽に操作ができればそれで十分です。いわば車の運転で反射神経、運動神経は「良ければなお可」程度です。

むしろ重要なことは周りの状況を素早く把握し、状況に応じた判断を正確にすることです。それが「車の運転は目でする」ということなのです。

車の運転免許取得・更新に必要な視力

運転免許の取得や更新において必須となる条件があります。それは視力です。必要な視力がない場合は、運転免許は交付されません。

必要となる視力は普通自動車第一種免許において両目で0.7以上、片目でそれぞれ0.3以上となります。片目だけが0.3未満の場合はもう片方の目の視野角が150度以上で視力0.7以上でも可です。裸眼で見えない人は眼鏡などで矯正して0.7以上の視力であれば交付されますが、免許条件に「眼鏡等」と表記され、裸眼での運転は認められなくなります。

また、大型自動車免許や普通自動車第二種免許(タクシードライバーに必要な免許)の場合、両目での視力0.8以上、片目でそれぞれ0.5以上の他、深視力検査の合格が必要になります。検査用機器をのぞき込むと棒が3本立っており、真ん中の棒が前後に動くようになっています。真ん中の棒を動かして、横一列に並んだタイミングを備え付けのボタンなどで申告する検査で、前後2cm以内の誤差で合格となります。

実は違反?車の運転で違反になる思わぬ落とし穴

車を運転する上で、道路交通法や都道府県条例などの遵守が義務付けられています。その中では意外な法令違反があります。知らなかったでは許してもらえません。また、運転の妨げにもなるような事でもありますので、覚えておくといいでしょう。

(安全運転の義務)
第七〇条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
(運転者の遵守事項)
第七一条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
六 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項

出典: http://www.houko.com/00/01/S35/105.HTM |

サンダルやハイヒールで運転すると違反になる?

車のアクセルやブレーキは足で操作するため、サンダルなどのかかとのない履物で運転すると非常に運転しにくくなります。そして、サンダルやハイヒールで運転すると、道路交通法第71条6で規定されている公安委員会遵守事項違反が適用される場合があります。適用された場合、反則金の支払いが義務付けられており、普通車で6,000円、大型車で7,000円となります。

公安委員会遵守事項違反

交通違反の区分:一般違反行為(白キップ)

行政処分:行政処分はありません。
反則通告制度:反則金6,000円(普通自動車の場合)
根拠法律:道路交通法第71条 6項
公安委員会が定める遵守事項を守らず運転する行為です。

公安委員会遵守事項違反の罰則

【行政処分】行政処分はありません。

【反則通告制度】大型車7,000円、普通自動車6,000円、二輪車 6,000円、小型特殊自動車 5,000円、原動機付自転車 5,000円※警視庁反則金一覧表参照

出典: http://parparshop.sakura.ne.jp/angs_new/?p=584 |

イヤホンを使用して運転すると違反になる?

車を運転する際に周りの状況を認知することが重要ですが、目からの情報だけでなく、耳から聞こえてくる情報も周りの状況を認知に役立ちます。そのため、イヤホンなどで耳からの情報を遮断すると認知の遅れの原因になります。そのため、道路交通法70条で規定されている安全運転義務違反が適用される場合があります。

また、運転中に携帯電話を手に持って使用して通話した場合、安全運転義務違反になります。そこで持たずに通話できるハンズフリーを使えば違反とはならないか、と言えば、必ずしも違反にならないとは限りません。実はイヤホンマイクの使用を禁止している地域があります。

茨城、群馬、東京、山梨、長野、滋賀、鳥取、島根、徳島、香川、愛媛、高知、熊本、以上の都道府県ではイヤホンマイクの使用が認められていません。ハンズフリーで通話していても、違反と見なされるため、携帯電話で通話する場合は安全な場所に車を停車させる必要があります。

ハンズフリー装置(イヤホンマイク)で話す場合は違反にならないというのが浸透していますが、道交法の罰則の対象外になるだけで、都道府県の道路交通規則でイヤホンマイクによる通話が禁止されている地域もありますので注意しましょう。

イヤホンマイクを禁止してる地域は、「茨城、群馬、東京、山梨、長野、滋賀、鳥取、島根、徳島、香川、愛媛、高知、熊本」です。使用自体は認めているが、外部の音が遮断されていると判断された場合に違反になるのが、「千葉、富山、山口、福岡」です。

※道路交通規則や条例は変更される可能性があります。最新の情報は各都道府県警のサイトでご確認ください。

禁止条例がある地域では、安全運転義務違反になり、罰則は違反点数2点、反則金9,000円になるようです。条例で禁止されている地域は以外に多く、運転中の通話は道交法違反ではなく条例違反も気をつけなければなりません。

出典: https://www.hajimete-carhoken.com/jiko/hou/318/ |

安全運転を意識して運転上達を目指そう

「車の運転は目でする」というキーワードで車の運転のコツを紹介してきました。車の運転の上手い下手を分ける決定的なポイントは、いかに安全に運転するか、ということです。車のスピードを出せる人が運転が上手いわけではありません。スピードを出すだけなら、アクセルを踏めば誰でもできます。安全にコントロールができてはじめて「車の運転が上手」と言えます。

車を安全にコントロールできれば、スピードが出せる度胸のある人よりも数段「運転が上手」な人と言えます。スピードはゆっくりで十分ですので、車をコントロールすることをマスターして安全運転を意識すれば、車の運転は必ず上達します。きっと苦手意識が振り払えることでしょう。

初回公開日:2017年11月08日

記載されている内容は2017年11月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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