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マニュアル車の基本と運転方法|運転するコツや手順・参考動画など

更新日:2024年03月23日

AT車が多い今の日本で、マニュアル車を運転する機会はめっきり減りました。しかし不意な用事でマニュアル車を運転する事になった時に、運転方法を忘れてしまっている方も多いはずです。そこでマニュアル車の基本的な仕組みから、運転方法まで詳しくご紹介していきます。

マニュアル車の基本と運転方法|運転するコツや手順・参考動画など

マニュアル車運転の方法

日本の(AT)オートマチックトランスミッションの普及率は99%を超え、MT(マニュアルトランスミッション)の車を見かけることがほとんどなくなりました。新車で販売される車はMT のグレードが無くなった車種がほとんどなので、マニュアル車を運転する機会はほとんどないでしょう

しかし、全くマニュアル車が無くなったわけではないので、ふとした時にマニュアル車を運転する機会が無いとも限りません。そこでATに慣れてしまいマニュアル車の運転方法を忘れていたり、自信が無くなってしまった時の教本として、マニュアル車の運転方法を復習していきます。

マニュアル車とは

マニュアル車とAT車の運転方法の違いは、マニュアル車は変速機を人間の手と足で操作する事です。AT車はアクセルを踏めば進みブレーキを踏めば止まるといったように、運転方法は非常に単純です。しかしマニュアル車は左足でクラッチを踏み、右ハンドル車でであれば、左手でギヤチェンジをしながら進み、止まる時はクラッチを切るか、ギアをニュートラルにしないとエンストしてしまうなど、複雑な運転操作が必要です。

マニュアル車を初めて運転するときに一番苦労するのが発進でしょう。何回もエンストを経験し、なんとか前に進むことができたのではないでしょうか。

今さら聞けないマニュアル車の運転テクニックの基礎や仕組みを紹介していきます。

マニュアル車の仕組み

エンジンをかければ回転運動が常に発生しています。その回転運動をタイヤに伝えるためには、操作が必要になります。もしエンジン回転が常にタイヤに伝達されていると、車はエンジンが動いている間止まることができません。

そこでエンジンとタイヤの間にはトランスミッションがあり、トランスミッションとエンジンを繋いだり切ったりしているのが、クラッチになります。クラッチは一番左のペダルを左足で踏むことで接続を切ることができます。

ギアチェンジするには、クラッチを踏んでシフトノブを操作し、クラッチを放すとギアが繋がります。この繰り返しの操作で車を動かすことができます。

クラッチの役割

クラッチはエンジン回転をキアに伝達するために、エンジン側のフライホイールを掴む役目をしています。このクラッチを一番左のクラッチペダルを踏んだり離したりしながら、操作します。

エンジンがアイドリングの時に、ギアを入れていきなりクラッチを繋ぐとフライホイールが止まります。すなわちエンジンが止まるということでエンストします。そこで半クラッチの出番です。それは、フライホイールをガッチリつかまずに、適度に滑らせるようにして掴みます。するとエンジンはストップせずに周り続けられ、しかもクラッチを介して動力がトランスミッションに伝わります。これが半クラッチです。

しかしこの半クラッチを多用すれば、摩擦でクラッチ版がどんどん減っていきます。最後は車が動かなくなるでしょう。半クラッチは長く使うのではなく、一瞬の半クラッチで繋げられる練習が必要です。

マニュアル車のギアポジション

マニュアル車のギアポジションは、1速から5速や6速まであり、Rはバックになります。シフトノブを横に動かして「グラグラ」と大きく動く場所がニュートラルになります。

エンジンをスタートする時には、ハンドブレーキが効いていることを確認し、クラッチペダルを深く踏み込みギアポジションはニュートラルにして、右足はブレーキペダルを踏みながらエンジンを始動します。エンジン始動後、ニュートラルの確認をしてからクラッチペダルからゆっくり足を離します。

車が停車する時はAT車のようにPレンジがないので、ニュートラルにしてハンドブレーキを使います。また駐車する時は、上り坂ならローギアに入れて駐車して、下り坂であればRに入れて駐車しましょう。

基本的なクラッチ操作


エンジンをスタートさせた後、ギアを入れ車を発進させる方法を説明していきます。エンジンがかかっていてもギアはニュートラルでハンドブレーキが効いているので、車は停車しています。

①ハンドブレーキが効いていることを確認し、右足はブレーキを踏んでおきます。ギアをロー(1速)に入れたら静かにハンドブレーキを解除してます。

②右足をアクセルペダルに踏みかえて、少しアクセルを踏みエンジン回転を上げます。エンジン回転は道路状況で踏み込む加減を替えます。上り坂ではやや回転を上げて、下り坂ではそれほど回転を上げなくてもよいでしょう。

③ゆっくりと左足のクラッチペダルを離し、エンジン音が変わり車体が動き出します。この時が半クラッチと呼ばれる状態です。この動き初めの時にクラッチペダルを離すとエンストするので、暫くクラッチペダルの位置を変えずにこらえます。車が完全に動いたらクラッチから足を離します。

運転の手順

マニュアル車の運転手順は、クラッチを左足で操作して、右足でアクセルとブレーキを操作します。左手はシフトレバーを操作してギアチェンジをします。

ギアチェンジしたい時には、左足でクラッチペダルを踏み込み、右足のアクセルペダルから足を離します。この時にギアチェンジを行い、再び左足のクラッチを離します。少しおくれて右足でアクセルを調整して車を進めます。

この一連の操作がマニュアル車の運転ほうほうとなります。この一連の動作を繰り返しながら、シフトアップしたり、シフトダウンを繰り返し車を運転します。

停車する時には、ブレーキペダルを踏んでスピードを落として、止まる寸前にクラッチペダルを踏み込み、クラッチを切ります。

練習方法

マニュアル車の運転を練習するには、最初は広い場所で発進の練習をしましょう。いきなり公道を走ると、焦った時に不用意にアクセルを踏み込み過ぎたり、ブレーキをアクセルと勘違いして、エンストを繰り返すなど、初歩的なミスが連発してしまうからです。

広い場所で発進の操作と、ギアチェンジの操作がスムーズにできるようになってから、公道を走りましょう。


教習所で坂道発進の課題があります。これをうまくできないと車は後ろに下がり後続車にぶつかってしまいます。坂道発進は、素早くブレーキペダルからアクセルペダルに踏みかえる技術と、ハンドブレーキを併用した方法があります。慣れないうちは、教習所でも教わったハンドブレーキ併用での坂道発進の練習をしましょう。

坂道発進

坂道発進の手順を紹介します。スムーズにできるまで何回も練習しましょう。

①ハンドブレーキをかけ、ブレーキペダルから足を離し車が動かないことを確認します。

②クラッチを踏み、ギアをローに入れます。左手はハンドブレーキに手を添えて解除できる体制にします。

③アクセルペダルを少し多めに踏み込みエンジン回転を上げます。平坦と同じエンジン回転ではエンストの原因になりますから、少しエンジン音がうるさく感じる程度まで回転を上げると良いでしょう。

④クラッチペダルを少しずつ離してきて、エンジン音が変わり車が動こうとしたら、ハンドブレーキを徐々に解除します。

⑤エンジン音が低くなり止まりそうなら少しアクセルを踏みます。クラッチペダルを離しながら車が前に出ようとする力が強くなったら、完全にハンドブレーキを解除します。この時にあまり半クラッチを使うと、クラッチを痛めるのでできるだけ素早い動きが必要になります。

車が前に動き出せば、クラッチを完全にはなし、アクセルで車のスピードを調整します。

運転のコツ

マニュアル車の運転のコツは、半クラッチをマスターする事です。半クラッチをマスターすることで、スムーズに発進する事が可能になります。

半クラッチをマスターするコツは、クラッチを離すとエンジンとギアが噛み合う振動が伝わります。その振動を体で覚えることで、半クラッチの技術が向上し発進がスムーズになります。

久しぶりのマニュアル車の運転は焦りがちになりますが、落ち着いて半クラッチの感覚をつかめば、坂道発進も難しくなくなります。その他には発進の際ローギアに入れる癖をつけることで、5速などのハイギアに入れていたのを忘れて発進し、エンストするのを防ぐことができます。そしてシフトダウンする時は、しっかりと速度を落としてシフトダウンすることを心がければ、マニュアル車の運転が楽しくなるでしょう。

テクニック

マニュアル車の運転テクニックは、プロが使うヒールアンドトゥーのようなテクニックを身に着ける必要はありません。スムーズに発進して、スムーズなシフトアップやシフトダウンをするテクニックを身につけましょう。その他にはクラッチはその使い方で減り方が変わります。クラッチをいたわった運転も重要なテクニックになります。

スムーズなシフトチェンジ

スムーズに運転するには、半クラッチの使い方が重要になります。しかし半クラッチは主に発進の時に使うテクニックで、通常走行中のシフトチェンジには使いません。

シフトチェンジには、シフトアップとシフトダウンがあります。シフトアップは、高いギアに変えていくので、車に大きな振動が無くギアを入れることができます。しかし、シフトダウンは、低いギアにシフトチェンジするので、エンジン回転とギアの回転の差が大きいのでシフトショックが起きます。

マニュアル車のシフトダウンで、車に振動が起きないようにするには、スピードをきっちり落としてからシフトダウンする事です。しかし、急な下り坂でエンジンブレーキでスピードを落としたい場合、ダブルクラッチを踏むテクニックがあります。これは、昔からあるテクニックで、エンジン回転とギアの回転を合わせることで、車に振動を与えずにシフトダウンできるテクニックになります。このテクニックはトランスミッションやクラッチをいたわるテクニックでもあります。

断続クラッチとは

断続クラッチはAT免許の方は聞きなれない言葉ではないでしょうか。これはマニュアル車を運転するうえで非常に重要なテクニックの一つになります。

使うシーンは時速10Km/h以下で走るような渋滞の時や、狭い駐車スペースに車を駐車する時、狭い曲がりくねった道などで使います。マニュアル車に乗りなれた方は無意識で使用できるテクニックになります。教習所のS字カーブで断続クラッチの教習を受けるので、マニュアル車の免許があれば誰でも使った事があります。

断続クラッチの使い方は、車のスピードをブレーキで落とすとエンストしてしまうような低速の場合、クラッチを切ったり繋いだりしながら車をゆっくり動かします。クラッチの使い方で、どんな低速のスピードでもエンストさせずに走らせることができます。

マニュアル車の運転の仕方を忘れた場合

マニュアル車の運転方法は体を使って運転しますから、たとえ忘れてしまっても、運転し始めると体が思い出すでしょう。

しかし、運転がおぼつかないまま公道を走るのは危険です。しっかりと安全な場所で運転の復習をしてから、公道で運転するようにしましょう。

最近はATの車がのとんどなので、マニュアル車を運転する機会が少ない人でも、過去にマニュアル車の運転経験があれば、5分も運転すると感覚が蘇ってくるでしょう。どうしても不安であれば、教習所でマニュアル車のペーパードライバー講習があるので問い合わせてみましょう。

安全な場所

マニュアル車の運転練習する安全な場所は、広い場所で車が少なく、人の往来が無い所を選びましょう。一番安全な場所は教習所ですが、お金もかかるので過去に運転経験があれば、広い駐車場で練習しても良いでしょう。

マニュアル車の運転を上達させるには、前段にあるように半クラッチの習得です。マニュアル車の運転経験があれば、駐車場で発進の練習を数回行えば感覚が戻るでしょう。

AT限定免許の方は、私有地であっても一般の歩行者や車が自由に通行できる場所では「道路」とみなされ、道路交通法が適応される事例もあり、無免許運転で検挙されることもありますから注意してください。

運転の参考になる動画

①マニュアル車の仕組みや、ペダルの操作方法を細かく説明した動画になります。

②半クラッチを使っての発進や、止まり方、そして走行中のギアチェンジの方法を詳しく説明している動画の紹介をします。

③坂道発進のお手本と失敗例。これを見てしっかり練習すれば坂道発進は簡単にできるようになるでしょう。

マニュアル車は、見聞きするよりも実際に運転して慣れることが必要です。頭でわかっていても体がついてこないのが普通ですから、体が勝手に動くようになるまで反復練習をして習得しましょう。

アプリ

車の運転が上達できるアプリは存在しません。しかし自分の運転を採点する機能はアプリには存在しますので紹介します。

中にはドライビングシミュレータと謳ったアプリもありますが、あくまでもゲームの域は出ません。運転が上達するには実際に車を運転するしかありません。

マニュアル車は楽しい

AT車と違い、マニュアル車は自分で運転している感覚が強く、運転する楽しさもあります。特に車好きや運転の好きな方は「人馬一体になれる」とマニュアル車のが高いです。

引っ越しなどで軽トラックをレンタカーで借りれば、マニュアル車であることが多いです。いざというときのために、マニュアル車の仕組みと運転方法を復習して損はないでしょう。その他にセカンドカーに1台マニュアル車を用意して休日にドライブに出かければ、懐かしくも新しい発見があるでしょう。

初回公開日:2017年11月19日

記載されている内容は2017年11月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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