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中型限定解除の取得方法・平均費用・一発試験の受け方・試験内容

更新日:2024年09月09日

中型限定解除取得により、それまでの8トン未満という限定がなくなり、11トン未満のすべての中型車の運転が可能になります。すなわちマイクロバスクラスの車両も運転できるようになります。そんなメリットいっぱいの中型限定解除取得の方法やコツについて紹介します。

中型限定解除の取得方法・平均費用・一発試験の受け方・試験内容

中型限定解除の取得の仕方

新旧免許区分の違いについて

運転免許制度ができてから長らくは、運転できる車両の大きさによる区分は普通車と大型車の2種類のみでした。それが平成19年の改正により新たに中型免許が追加されました。またさらに平成29年の改正により準中型の区分も追加されました。新旧の免許区分の違いは以下の表のとおりです。

改正前の免許区分

2007年以前の免許制度では、車両総重量8トン、最大積載量5トン、乗車定員10名を境に普通車と大型車の2種類に分けられているのみでした。

車両総重量最大積載量乗車定員
普通車8トン未満5トン未満10名以下
大型車8トン以上5トン以上11名以上

改正後の免許区分

2007年の法改正で、まず中型免許ができました。ここでいう中型は、総重量5トン以上11トン未満、積載量3トン以上6.5トン未満の車を指していました。その後2017年の改正で準中型の区分が新設され、現在の免許区分となりました。現在の区分の内訳は、以下の表のとおりです。

車両総重量最大積載量乗車定員
普通車3.5トン未満2トン未満10名以下
準中型車7.5トン未満4.5トン未満10名以下
中型車11トン未満6.5トン未満29名以下
大型車11トン以上6.5トン以上30名以上

中型限定って何?

平成19年の改正により中型免許が新たに追加されましたが、それまで普通免許を持っていたドライバーは特例措置として8トンまでの車を運転できることとなりました。すなわち新設された中型区分の内、それまで運転可能だった車両総重量8トン未満の車に限って運転できるという措置です。これが中型限定です。

中型限定解除とは?

平成19年以前に普通免許を取得していた人にとっては、特例措置によりすでに中型免許を持っていますが、運転できるのは8トン以下の車に限る限定措置となっているということです。これは免許証に「中型」の記載があることでもわかります。この限定を取り除き、中型免許区分のすべての車両を運転できるようにするのが「中型限定解除」です。

中型限定解除を取得するには?

指定教習所で取得する方法

中型限定解除を教習所で取得するのは、比較的容易です。すでに8トン以下の限定とはいえ中型免許を持っているので、教習といっても学科はなく技能のみの講習となります。普通免許を取得したときと同じように検定はあるものの、直接運転免許試験場に行って受検するよりははるかに合格率も高く、仮に落ちても追加の講習を受けることができます。ただしそれなりに費用は高くつきます。

検定に合格すれば、あとは事務手続きのみで限定なしの中型免許が取得できます。

直接運転免許試験場で受検する方法

いわゆる「一発試験」と呼ばれる方法で、中型限定解除試験を行っている日に直接運転免許試験場に出向き、試験を受ける方法です。教習所に通うより費用は格段に安くなりますが、それだけ合格率もかなり低い「狭き門」となっています。受検にはそれなりの心構えと対策が必要です。

中型限定解除にかかる平均費用・料金

指定教習所での取得の場合の費用

教習所で中型限定解除の教習を受ける場合、それまでに取得している免許の種類によって教習時間や費用が異なります。すでに持っている免許がいわゆるマニュアルも運転可能な限定なしの免許の場合、技能講習は5時間で済みます。料金は教習所によって若干幅はありますが、おおむね8万円前後になります。

一方オートマのみしか運転できないAT限定の場合、時間・費用ともに若干かかります。ATの場合の技能講習は9時間、費用もそれに伴い高くなり10万円前後になります。

これはあくまでストレートでの時間・価格ですので、審査にパスできずに補修を受けたりすると、さらに追加の料金が発生します。

試験場での一発試験の場合の費用

運転免許試験場で中型限定解除の免許を取得する費用は、教習所で取得する場合と比べると費用の面ではかなり格安といえます。まず申請手数料や交付手数料などを含め合計で3,000円程度ですみます。ただし合格率はかなり低いため、通常は数回受検してようやく合格となります。それでも毎回の受験料を払っても、教習所よりはかなりお得な金額です。

中型限定解除の一発試験の受け方と伴うリスク

中型限定解除の一発試験を受けるには?

一発試験を受けるには、まずは予約が必要です。試験当日に直接運転免許試験場に行き、必要書類の提出や手数料の納付を行いようやく受検です。受検コースは当日発表されますので、コース図を見てコースを覚えます。

試験官は警察官が努めますので緊張しますが、リラックスして受検することが大切です。仮に不合格でも、試験終了後に講評が聞けますので、次回受験時の参考にできます。

中型限定解除一発試験に合格するコツは?

中型限定解除試験に合格するコツというものはあるのでしょうか。一見、コツというものはなさそうですが、まったくないわけではありません。S字やクランク、駐車といった基本的な中型トラックの運転技術はもちろん必須項目です。

ただし限定解除の場合、それ以上によく見られるのが安全確認です。中型とはいえそれなりに大きな車両を運転する以上、死角に対する配慮や左折の際の巻き込み、バックの際の後方確認については、大げさすぎるぐらいのアクションで確認を行うのが、試験合格のコツと言えます。

教習所での取得に比べリスクはある?

中型限定解除を運転免許試験場の一発試験で取得することのリスクはあるのでしょうか。教習所での取得と比較して考えてみます。

運転技術の問題

教習所ではプロの指導員が懇切丁寧に運転の技術を指導してくれます。ところが一発試験で中型限定解除を行った場合、どうしても自己流の運転技術となってしまうのは否めません。ですがこの技術は、実践で中型車の運転を繰り返すうちに身についてくるので、それほど心配する必要はないとも言えます。

結果的に費用や期間がかかってしまうこともある

中型限定解除の一発試験での合格率は、試験場によってもバラつきはありますが、一説に20~30%と言われています。この数字は、なかなか一度や二度の受検では合格がままならない数字です。

もともと受検者が多いとは言えない中型限定解除は、試験日も毎日行われていない試験場がほとんどです。何度も受検を繰り返すうちに、結果として費用も時間もかなりかかってしまうこともありえます。

中型限定解除の講習内容

中型限定解除の講習内容にはどんなものがある?

中型限定解除の免許を教習所で取得する場合には、以下の内容の講習を受ける必要があります。
●S字狭路
●クランク
●方向変換
●縦列駐車
●見通しの悪い交差点
●指定速度での走行
●駐車措置
●路端停止
●後方感覚
●隘路教習

すでに普通免許を持っているとはいえ、中型限定解除の短い教習時間でこれらすべてをクリアするのは、かなり大変であることは間違いありません。

合宿免許で取得する方法も

かなり多岐にわたる中型限定解除の教習カリキュラムを短時間でマスターする方法として、合宿免許という方法があります。通常3泊4日程度の合宿期間で取得できるようプログラムされています。なによりも通常の教習のように細切れとなることなく、連続して中型車に乗ることで、中型限定解除の運転に慣れることが可能です。

中型限定解除の試験内容

中型限定解除の試験内容は?

中型限定解除の試験項目は以下のようになっています。基本的には教習所での教習項目がそのまま試験されます。
●指定速度(40㎞/h)による走行
●路端停止(道路の左側の障害物の棒にぶつからないよう白線に平行して停止。再び障害物にぶつからないよう発進する)
●S字クランク・L字クランク
●踏切通過
●縦列駐車
●バック駐車(方向転換)
●隘路進入(幅6mの道路からはみ出さないようにし進入、4回の切り返しで中止)

試験の難易度は?

中型限定解除試験の難易度は、一発試験であれば前述したとおり合格率20~30%の狭き門です。ですが指定教習所できちんと教習を受けた場合の審査の場合は、それほど難易度は高くありません。仮に一発で合格できなくても、補習を受けることができるので安心です。

中型限定解除の取得のメリット

中型限定解除をすることによって、どんなメリットがあるのでしょうか。ここでは一例を挙げてみます。

マイクロバスも運転できる

中型限定解除を取得することにより、運転できる車の総重量は8トン未満から11トン未満に、乗車定員は10人以下から29人以下にまでいっきに増えます。これはすなわちマイクロバスクラスの車両も運転できるということになります。たとえば親戚の結婚式などでレンタカーのマイクロバスを借りて、大人数を乗せて走ることも可能になります。

仕事の幅が広がる

中型限定解除を取得することにより、仕事の選択肢も増えます。二種免許ではないので、運賃をとって乗客を運ぶことはできませんが、旅館やホテルの送迎や4トントラックでの配送など、選べる仕事の幅が広がるのも大きなメリットと言えます。

メリットも多い中型限定解除にチャレンジしましょう!

中型限定解除の取得について紹介してきました。中型限定解除免許はたしかに教習に時間がかかったり、高い運転技術を要求されたりとたいへんな事も多いですが、取得によって運転できる車両の幅も広がるなど、そのメリットは数多くあります。みなさんも、そんなお得な中型限定解除にぜひチャレンジしてみませんか。

初回公開日:2018年01月13日

記載されている内容は2018年01月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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