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コリジョンコース現象が起こる原因・対策方法|航空機

更新日:2024年10月07日

車を運転する人なら誰にでも起こり得る「コリジョンコース現象」のことをご存じですか?コリジョンコース現象は見通しの良い道路の交差点で起こる目の錯覚の事で、死亡事故も発生しています。この記事では、コリジョンコース現象の原因や対策方法についてご紹介いたします。

コリジョンコース現象が起こる原因・対策方法|航空機

「コリジョンコース現象」って何?

コリジョンコース現象とは、見通しの良い道路の交差点に向かっている自分の車から見て、約45度の角度から同じ速度で向かってくる他の車がいた時に、目が錯覚を起こして相手の車が止まって見えてしまう現象の事を言います。また時には、相手の車が自分の車のピラーに隠れてほとんど見えない場合もあります。

もし交差点に進入するタイミングが同じになってしまうと、そのまま衝突事故となります。このような交通事故は別名「十勝型事故」「田園型事故」と呼ばれており、白昼の田んぼ道など見通しの良い道路で起こります。

コリジョンコース現象の「コリジョンコース」ってどんな意味?

コリジョンコースとは、英語で「衝突」や「激突」という意味がある『collision』(コリジョン)と、「進路」という意味がある『course』(コース)を組み合わせた言葉です。

そのままのコース(course)を進めば必ず衝突(collision)するという意味です。これは90度の角度に限定されてはおらず、2台の自動車や航空機がそのまま進んだ場合衝突するコースにあれば、それはコリジョンコースであると言えます。

コリジョンコース現象の動画

この動画は、JAF(日本自動車連盟)が公開したコリジョンコース現象についての動画です。相手の車が早い段階から視認できる場所にいたにも関わらず、それに気が付かないまま交差点に交通事故寸前のタイミングで進入してしまっている事が分かります。

コリジョンコース現象が起こる原因とは?

一見、交通事故の起こりにくそうな見通しの良い道路ですが、コリジョンコース現象は見通しが良いからこそ起きやすい現象だと言われています。それでは、コリジョンコース現象が起こる原因について2つご紹介いたします。

原因その1:相手の車を「周囲視野」で見てしまうため

人間は、物事をはっきりと視認する「中心視野」と、その周りのものをぼんやりと視認する「周囲視野」を持っています。動かないものでもよく見える中心視野とは違い、周囲視野は動かないものを上手に認識する事ができません。そして多くの場合、車を運転する時には正面以外から近付いてくる車を周囲視野で認識します。

そのため、同じ速度と角度で向かってくる相手の車に対して「止まっている車」だと錯覚を起こしてしまいます。これが、コリジョンコース現象の大きな原因となっています。

原因その2:相手の車が自分の車のピラーに隠れてしまうため

車のフロントガラスの左右両端には、ルーフを支えるピラー(Aピラー)があります。Aピラーは衝突時の安全確保のために太く丈夫に作られている事が多く、コリジョンコース現象ではそのピラーに相手の車が隠れて見えなくなってしまう場合があります。

コリジョンコース現象では相手の車も自分とほぼ同じ速度で走っているため、ピラーに隠れてしまうとかなり接近しないと相手の車を視認する事ができません。これも、コリジョンコース現象で交通事故が起こる大きな原因となっています。

コリジョンコース現象に対策方法はあるの?

コリジョンコース現象は見通しの良い道路で起きるため、運転者もつい油断してしまいがちです。また見通しの良い道路では無意識にスピードを出してしまう事が多く、重大な交通事故につながる原因となっています。

それでは、コリジョンコース現象を防ぐにはどうすれば良いのか、対策方法を2つご紹介いたします。

対策その1:交差点に近付く時には交差する道路に直接目を向けて確認する

コリジョンコース現象は、周囲視野で相手の車を見ている事で起きる錯覚現象です。そのため、交差する道路に直接目を向けて中心視野で確認することで、コリジョンコース現象を防ぐことができます。田んぼ道など見通しの良い道路を走る時には、必ず目を向けて直接安全を確認するようにしましょう。

またその時には、頭を振ってピラーの陰に車がいない事を確認する事も大切です。交差点に差しかかる度にこの確認作業を繰り返していれば、コリジョンコース現象を防ぐことができるでしょう。

対策その2:交差点に近付く時には減速をする

コリジョンコース現象は、同じ速度で走っている車同士で起こる現象です。そのため、自分の車を十分に減速させれば、相手の車の速度の方が速くなり相手の車を視認する事ができるようになります。

見通しの良い道路の交差点では、交差する道路の方が自分の走っている道路より細く見えるため「自分の道路の方が優先である」という錯覚を起こしやすくなります。そのため減速しないまま交差点に進入する車も多く、重大な衝突事故の原因の一つとなっています。そのような事故を防ぐ意味でも、減速は有効な手段であると言えるでしょう。

また、実際に自分の道路が優先道路であり相手に一時停止線があったとしても、念のために減速をしておくのも良いでしょう。万が一相手が一時停止を見落としていた時に、交通事故を防ぐことができる可能性があります。

コリジョンコース現象で起きた事故の死亡者の割合は?

国内で起きた交通事故の死亡者数の約10%、およそ400人がコリジョンコース現象が原因での死亡だと言われており、決して低くない数字だという事が分かります。

コリジョンコース現象が原因での交通事故はほとんどの場合、お互いの車が減速しないまま衝突してしいまいます。その分衝撃も大きくなり、ぶつかる角度によっては車が横転してしまう事もあります。そのため、死亡事故につながる可能性も高くなります。

見通しの良い道路を運転する時には、「横から同じ速度で交差点に向かってくる車は止まって見える」という事を忘れず、必ず直接目を向けたり頭を振って安全確認をして、コリジョンコース現象を防ぐようにしましょう。

コリジョンコース現象で事故が起きた場合の過失割合はどうなる?

コリジョンコース現象のほとんどが、信号のない交差点で起こります。その場合、どちらの道路が優先であったか、どちらの車が先に侵入したかによって過失割合が考えられます。

どちらか一方の道路に一時停止線があった場合

どちらか一方の道路に一時停止線があった場合、停止線の無い道路が優先となりますので停止線で停止しなかった車の方が過失割合が大きくなります。

どちらか一方の道路の道幅が狭かった場合

どちらか一方の道路の道幅が狭かった場合、広い方の道路が優先となりますので狭い道路側の車の方が過失割合が大きくなります。

どちらの道路にも停止線があり(または無く)道幅も同じだった場合

どちらの道路にも停止線があり(または無く)道幅も同じだった場合は、左方優先の法則により左側が優先道路となります。そのため、右側から衝突した車の方が過失割合が大きくなります。

過失割合がゼロになることはほぼ無い?

信号のない交差点でのコリジョンコース現象で起きた交通事故の場合、自分の過失割合がゼロになる事はほぼないと言えるでしょう。しかし、相手に重大な過失(酒酔い運転や居眠り運転や無免許運転など)があった場合はその限りではありません。

もしも交通事故が起き、過失割合に納得がいかない場合には弁護士などの専門家に相談することとなります。また、万が一に備えてドライブレコーダーを装備しておくのも良いでしょう。

航空機でもコリジョンコース現象は起こるの?

コリジョンコース現象は航空機やヘリコプターでも起こる可能性はあります。空中では障害物がないため見通しは良いのですが、同じ速度で近付けばやはりコリジョンコース現象が起きます。

実際に、海外や日本で航空機やヘリコプターがコリジョンコース現象によって衝突する事故が起きています。ただし、旅客機などのほとんどの飛行機には空中衝突防止装置(TCAS)が搭載されており、周囲の航空機と衝突が起きないようになっています。

そのため、旅行などで飛行機に搭乗する際にはコリジョンコース現象による事故の心配はほとんどないと言っても良いでしょう。

コリジョンコース現象は誰にでも起こる現象です!

コリジョンコース現象は、飲酒などの危険な運転をしていなくても、誰にでも等しく起こる現象です。見通しの良い道路の交差点で起こるというのもコリジョンコース現象の大きな特徴で、多くの人が陥りやすい落とし穴となっています。

死亡者の多いコリジョンコース現象での交通事故を防ぐために、見通しの良い道路であっても油断はせず、必ず交差する道路に直接目を向けたり頭を振ってしっかりと安全確認をするようにしましょう。

初回公開日:2018年01月17日

記載されている内容は2018年01月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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