軽自動車の全長が小さい車種3|保安基準
更新日:2024年06月19日
軽自動車ってどんな車?大きさは決まっているの?
ホンダのN-BOXを筆頭に近年大の「軽自動車」ですが、「軽自動車」と「普通車」の違いを知っていますか。
本記事では、日本独自の文化で育まれた「軽自動車」について、その限られた規制の中で保安基準に適合するようにカスタムするためのポイントと、「軽自動車の全長最短3」をご紹介します。全長が小さくて個性的な軽自動車を探していたり、これから軽自動車のカスタムを考えている方はぜひ参考にしてください。
そもそも「保安基準」ってなに?
「保安基準」とはその名前のとおり自動車の安全を保つための基準で、道路運送車両法に定められた自動車の規格の事です。
全長・全幅・全高、乗車定員、最大積載量、タイヤの残溝、排気ガスの汚れ具合、ブレーキの効き具合などを各自動車カテゴリーに分類して定めています。公道を走る車はこの「保安基準」を満たしている必要があり、その確認をするための機会が2年ごと(商用車は1年ごと)の車検です。
つまり「保安基準」を満たしていないと車検に通らなくなり、車として公道を走行することができなくなってしまうという、とても重要な基準です。
軽自動車の保安基準は?
では、軽自動車の保安基準とはどのような内容になっているのでしょうか。今回は、特にサイズについてご紹介します。
軽自動車のサイズは、初めて軽自動車が誕生した昭和24年には、全長280cm以下・全幅100cm以下・全高200cm以下と定められていました。それが時代とともに少しずつ改正されてきて、現在採用されている平成10年に改定された規格では、全長340cm以下・全幅148cm以下・全高200cm以下となっており、このサイズが現在の軽自動車の上限の大きさとなっています。
このサイズを超えてしまうと、軽自動車のカテゴリーではなくなってしまうため軽自動車をエアロパーツなどでカスタムする際には十分注意しましょう。
パーツ毎に軽自動車の全長規格サイズはあるの?
バンパーをカスタムしてオンリーワンの愛車にする際に、車検に通らなくなってしまうとせっかくのカスタムが水の泡になってしまいます。
そこで、バンパー交換をする際の注意点をまとめました。
見た目が一番変わる!バンパー編
外装で一番見た目が変わるのがバンパーです。バンパーとは、車の前後についている樹脂でできたパーツです。
バンパーについての基準が決められているのは道路運送車両法の中の技術基準という項目になります。その記載によると、「全長は車検証に記載されている長さ」であることが求められます。
しかし、走行状況により若干変化する可能性が考慮されているため「車検証記載の全長からプラスマイナス3cmまでの変更は可」とされています。
つまり、バンパーの長さ自体には基準は設けられていませんが、車体全体の全長としては車検証記載の全長から大幅に変わってしまうとNGとなります。そのためエアロなどでカスタムする際には注意が必要です。
自分好みにバンパーをカスタムするときには、必ず全長がどのくらい変わるのかを確認してから行う必要があります。
軽自動車の最短の長さはいくつ?
軽自動車の最長の基準はわかりました。では、最短の基準はあるのでしょうか。道路運送車両法を見る限り「短さ」については特別な基準は設けられてはいません。つまり、車として使用する上で支障がなければ全長が短い分には問題ないということです。
ちなみに、日本で軽自動車が発売されてからの歴史の中で、一番全長が短いものは昭和26年に発売されたオートサンダルという車種で、全長は228cmでした。
オートサンダルは、発売期間も短く古い車のため今では手に入れるのは困難です。しかし、今ならまだ手に入る全長の短い軽自動車で魅力的な車種がたくさんあります。次の全長最短3を参考に、自分好みの車を見つけてください。
軽自動車の全長最短3
最近の軽自動車は、時代の流れとともに大型化しており、各メーカーもどれだけ大きく作るかを競っています。また、デザインも個性的なものが減ってどれも似たデザインになってきています。そこで、今でも購入できる個性的な軽自動車で一番小さいものをご紹介します。
ちなみに、先ほどのオートサンダルは、もうすでに手に入らなくなっているため除外してありますが、コンパクトな軽自動車には個性的な車種がたくさんありますのでこれを機に自分好みの中古車を探してたり、今乗っている軽自動車をカスタムして楽しみましょう。
小さい車のイメージ!アルトの全長は?
発表の前に、軽自動車の中で小さいイメージのあるスズキのアルトについてご紹介します。
アルトはスズキが1979年に発売した軽自動車で、現在のモデルで8代目となり、軽自動車の中では最も長い歴史のある車です。翌年には、ダイハツから対抗馬としてミラが発売されその2台は現在においてもライバル車種として競い合っています。
そんなアルトですが、そのサイズは全長339cm・全幅147cm・全高147cmと意外にも全長サイズは現在の軽自動車規格いっぱいに造られており、外観のイメージよりも全長が大きいです。
アルトの全長が意外と大きいことがわかったところでいよいよ本題の「軽自動車の全長が小さい車種3」の発表です。
どんな車がランクインするか予想しながら読んでみてください。
第3位! ダイハツ ミゼット2 289cm
ミゼット2は1996年〜2001年にダイハツが販売した軽貨物自動車です。その全長は289cmと短く、小回りの効く便利な貨物車です。
発売当初は、トラックタイプのみの設定でマニュアル車では1人乗り、オートマチック車では2人乗りで販売されました。また、1997年にはバンタイプも発売され、出目金のような丸目のヘッドライトとフロントのボンネット上にスペアタイヤを装着した個性的なデザインででした。
今でも移動販売の車などで使用していたり、個人でカスタムをして乗っている人も見かける車です。
第2位! スズキ ツイン 273cm
ツインは、2003年〜2005年にスズキが販売した2人乗りの軽自動車です。しかも、当時時代の最先端を行くハイブリッドのタイプもラインナップに設定されていました。
長さは273cmとミゼット2よりもさらに16cmも短くなっています。また、カタログ燃費はガソリンエンジンのタイプで26km/l、ハイブリッドでは34km/lという当時としては驚異的な燃費を実現していました。
今でこそ当たり前になったハイブリッドを15年以上前にしかも軽自動車で販売していたのはスズキくらいで、今考えるととても先進的な車です。
そして第1位! スマート K 254cm
栄光の第1位には、スマート Kが輝きました。「スマート?K?なにそれ?」と思った方も多いでしょうが、スマートはドイツのダイムラーの子会社で輸入車のメーカーになります。その中で唯一軽自動車として発売されたのがスマート Kになります。
日本国内では2001年〜2004年まで販売され、オシャレな軽自動車としてとてもでした。その全長は254cmと、スズキのツインよりもさらに19cmも短いものでした。2004年にエンジンの排気量が598ccから698ccに変更され、軽自動車の規格に適合しなくなったため販売が終了しています。
スマートはコンパクトなボディとエンジンのおかげで輸入車で唯一の軽自動車として税金面でも負担が少ないため、オシャレに個性的なクルマに乗りたいユーザーからです。
エアロで作る!全長最短軽自動車!
先の「軽自動車の最短の長さはいくつ?」でも触れましたが、エアロパーツなどのバンパー部品の交換をすることで車の大きさを変えることができます。つまり、このにある車種よりも全長が短い自分だけの軽自動車もつくることができます。
そこまでカスタムするには、かなりの費用と時間がかかりますが、他にはない軽自動車に乗りたいなら既存のパーツを使ったカスタムをした車両にそのまま乗るのではなくオリジナルのパーツを用意してカスタムすることで世界で一台のコンパクトな軽自動車をつくることができます。
車検に通らない!?軽自動車カスタム注意点!
先のバンパーについての記述でも触れましたが、愛車のカスタムの際には決められた基準の中でカスタムを行わないと車検に通らなくなってしまいます。
せっかく愛車をカスタムするのであれば、そのままきちんと道路を走行できるように下記のポイントを押えてカスタムしてください。
エアロパーツで変わる!全長編
車の長さの基準は「車検証記載の長さプラスマイナス3cmまで」が法律で認められた全長となっています。もしそれを超えて大きく(小さく)改造してしまった場合どうなるかというと、車検に通らなくなってしまいます。
特に、軽自動車の場合には、全長が340cm以下と決められているため、エアロパーツなどで大きくなる改造をした場合にはこれを超えてしまう可能性が高くなります。そうなると車検に通らなくなるだけでなく、軽自動車として認められなくなってしまうので気をつけてください。
エアロ変更で気をつけたい!車検時注意のパーツは?
エアロパーツを変更した場合に、さらに車検に通らなくなってしまう可能性のあるパーツは、マフラーです。
マフラーについては、一定以上の長さバンパーからはみ出していてはいけないという基準があります。カスタムしてバンパーを短く変更した場合には、標準の長さのマフラーだと、バンパーから大きくはみ出してしまうため注意が必要です。
また、タイヤとホイールの部分も車体から外にはみ出していると車検の検査に通らなくなってしまいますのでこちらも注意が必要です。次の項では、車検に通らなくなってしまった愛車をどうすれば車検に通るようにできるかを書いていきます。
軽自動車の全長を変えたい!どうすればいいの?
エアロなどで改造したことで全長が変わり車検に通らなくなった愛車を車検に通すには、車検証記載の全長を変更してあげることで車検に通るようになります。その手続きを「構造変更」と言います。
これは全長だけでなく、乗車定員の変更、乗用から貨物への使用用途の変更など自動車の「構造が変わった」ということを届出して車検証を書き換えてもらう手続きになります。
「構造変更」は、車の構造が変わったことを申請して陸運局でその構造が保安基準に適合しているかを確認してもらうための手続きです。そのため、構造変更の際には一度車検を切って新たに車検を取得し直すことになります。
軽自動車検査協会のホームページに構造変更時に必要な書類をわかりやすくまとめた表がありますのでリンクを貼ります。参考にしてください。
日本独自文化の軽自動車で個性を楽しもう!
日本の道路事情などにより生み出された独自の文化の軽自動車ですが、独自の文化だからこそカスタムをしたり、他にはないデザインのものを購入したりと個性を楽しむことができます。あえて全長が短い車を選んで乗るのも面白いのでを参考に、中古で程度の良いものを購入したり、保安基準に適合する範囲の中でカスタムしてカーライフを楽しんでください。
初回公開日:2018年04月13日
記載されている内容は2018年04月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。