全長が短い軽自動車・規格・長い・変更方法
更新日:2024年09月29日
軽自動車のサイズ規格と全長が短い車
国内の自動車市場では、相変わらず軽自動車のが高く、現在、市場で最ものあるホンダN・BOXは、2017年の年間販売台数が何と21万8,478台という、販売されている車両の中で唯一20万台を超える驚異的な販売台数を記録しています。
軽自動車は、普通車に比べて年間の自動車税額が格段に低いなど維持費が安く、経済性の高さでとなっていますが、N・BOXのの秘密は決してそれだけではありません。
あらゆるジャンルが存在する軽自動車の世界
軽自動車は法律により普通車に比べて税制面で有利に扱われていますが、その代わりに車体の大きさやエンジンの総排気量、最高出力などに軽自動車規格として特別な制限が定められています。
自動車メーカーは、そういった軽自動車の規格に準じながらも、自動車の設計におけるさまざまな分野で、従来にはない多くの技術を投入することで、ユーザーにとって価値の高い商品を生み出してきました。
それは、ワゴンタイプからクロカン4WD、さらにスポーツカーに至るまで、あらゆるジャンルの車を開発し販売することで、ユーザーによる選択肢の幅を広げています。
その中でも、N・BOXは「スーパーハイトワゴン」という新ジャンルで、軽自動車とは思えない開放感のある室内や抜群のユーティリティーなど、普通車のミニバン並に使い勝手の良い軽自動車として、多くの人々から称賛を浴び、その結果大となりました。
規格制限が魅力を半減させた!?
しかし、現在の軽自動車は、法律によって定められた専用の規格があるため、自動車メーカー各社が、あらゆる技術を注ぎ込んで開発したにもかかわらず、普通車に比べて走行性能や快適性の面で大きく見劣りし、さらに居住性や積載能力についても、今一歩ユーザーが不満を隠せないのが現実です。
また同時に、市場で絶大な支持を得ている軽スーパーハイトワゴンに比べて、最近ではあまりがない、かつては主流だった全長が短いコンパクトな軽自動車には、それほど魅力がないのでしょうか。
そのような、全長が短い軽自動車の魅力や車種、法的規格からみた軽自動車の変遷、また全長が長い軽自動車のや、長さを変更する方法などを解説していきます。
軽自動車はなぜ小さい?
軽自動車は、なぜ普通車に比べてあれほど小さいのでしょうか。
このように言うと、軽なので小さいのはあたりまえと考えてしまいますが、実際の軽自動車のユーザーは、「軽なので車体が小さいのはわかりますが、もう少し大きくて馬力のあるエンジンを積んでくれたら、もっと楽に快適に運転ができます」と考えることがあるでしょう。
また、「エンジンが小さいのは仕方がないとしても、車体の幅がもう少し広ければ、三人ずつ横ならびに前後で六人は座ることができます」などと、軽自動車が現在よりもう少し性能が良ければと感じている人は少なくないでしょう。
軽自動車の車体やエンジンが小さいのは、「道路運送車両法」という法律によって特別な規格が定められ、自動車メーカーが製造販売する車について、性能などが制限されているからです。
軽自動車の歴史に秘密がある
このように、現在の軽自動車は、ユーザーを強く惹きつける多くの魅力を持ちながら、非常にもったいないことに、軽自動車のみに適用される法的な規格が存在するために、製品としての可能性が大きく制限されてしまっています。
軽自動車には、一体なぜそのような制限があるのでしょう。それは、時代と共に変遷してきた軽自動車の歴史に秘密があります。
軽自動車のルーツは二輪車または三輪車
軽自動車という車両規格は、1949年に制定されていました。当時の規格は、車体の長さが2.8m以下、幅1.0m以下、高さ2.0m以下という現在と比べて非常に小さな物で、また、四輪車や二輪車といった区別もありませんでした。
この規格では、何より「車幅が1m以下」では、オートバイのバーハンドルより少し幅が広い程度で、とても四輪車としては成立し難く、これは二輪車もしくは三輪車の製造を想定した規格でした。その当時は、戦前からの二輪車の後部にリアカーのような二台を取りつけた、「オート三輪」の需要が高く、商用車や貨物車として大活躍していました。
このように、軽自動車とは元々四輪車のための規格ではなく、二輪車またはオートバイと車の中間にあたる、オート三輪といった乗り物を表す言葉でした。軽自動車に本格的な四輪自動車が登場したのは、1955年の軽自動車規格改正以降のことです。
庶民にとって自動車は高嶺の花だった時代
日本で、国産車の本格的な量産が始まった1950年代中期、それらすべての国産車は総排気量1000cc以上の普通車規格の車でした。その頃の国産車の価格は安い物でも100万円程度と、当時月収が数千円ほどだった多くの一般庶民には、とても手が届かない高値の花でした。
そこで、日本で普通乗用車の普及が進む前に、一般の人にも手が届く本格的な四輪乗用車を開発する「国民車構想」に基づき、軽自動車の規格が大きく改正され、長さ3.0m以下、幅1.3m以下、高さ2.0m以下、エンジンの総排気量が360cc以下となります。
そして、新規格の下に開発された「スバル360」が、当時としては驚きの36万5,000円という低価格と、小さいながらも十分実用に耐える性能を持つとして大ヒットし、現在まで続く軽自動車の歴史が始まります。
軽自動車は、その後も三度にわたる規格改正を経て、現在に至ります。
全長3m以下の軽自動車の
現在大の軽自動車のトレンドは、全長3.395m、幅1.475mという軽自動車規格を目一杯活用したスーパーハイトワゴンです。スーパーハイトワゴンは、そのサイズを生かした普通車顔負けの室内の広さが大きな魅力ですが、あまり運転に自信がないという人にはやや大きすぎて不安という声もあります。
そこで、全長が何と3m以下という小さなサイズの軽自動車がです。
スズキ・ツインが
「スズキ・ツイン」は、全長が何と2.735mという超コンパクトサイズの軽自動車です。ツインは、長さは短いですが、その分車幅は1.475mと規格目一杯の広さを持ち、さらに1.80mのロングホイールベースによって安定した走りが可能です。
その上、最小回転半径は軽トラックと同等の3.6mで、小回りが利いて運転のしやすい車です。さらにハイブリッド車まであるという充実ぶりも魅力です。
ツインは2005年に生産が終了していますが、中古車市場ではまだ多く流通しています。また、二人乗りのため使い勝手はよくありませんが、二人分には十分なスペースと運転して楽しい車です。軽自動車が欲しいけれど大きい車は苦手という人は、ぜひ一度試乗してみましょう。
車検など保安基準適合規格に基づく軽自動車の全長
車検などの自動車に対する保安基準を定めた、「道路運送車両法」による現在の軽自動車の規格は、車体の全長が3.4m以下、幅が1.48m以下、高さが2.0m以下で、エンジンの総排気量が660cc以下です。
最も全長が短い軽自動車
現在、自動車メーカーから販売されている軽自動車の新車ラインナップでは、セダン(ハッチバック)タイプを始め、ワゴンおよびスーパーハイトワゴン、スポーツカーに至るまで、全長は3.395m、幅1.475mという軽自動車規格目一杯のサイズで開発されており、異なるのは高さのみです。今の軽自動車は、従来に比べてサイズが随分と大きくなりました。
全長2.54mのスマートK
中古車市場などで購入できる、現実的な年式の新しい車の中で、最も全長が短い車はメルセデス・ベンツの小型車ブランド、スマートが販売していた「スマートK」です。こちらは、全長が2.54mと非常に短い車で、元は普通車サイズだったスマート・クーペのリアフェンダーを改良し、車幅を1.475mとした車です。
こちらは、三菱製の総排気量598cc3気筒ターボエンジンを、座席後部の荷室の下に搭載したRR(後エンジン後輪駆動)車で、小さいのに乗り心地が良く、きびきびと走る運転が楽しい車です。
バンパースポイラー・エアダムスカートなど
軽自動車のドレスアップパーツとして、のバンパースポイラーやエアダムといったエアロパーツには、装着することで車体の全長や全幅が拡大し軽自動車枠を超えてしまう事があります。
しかし、これらのパーツは「指定部品」として取り扱われるため、リベットや溶接など恒久的な取り付け方法でなく、また全長が3㎝、全幅が2㎝以上変更されていなければ、装着したままで車検を通すことができます。
指定部品とは、ユーザーの嗜好により追加、変更等をする蓋然性(がいぜんせい:確実性)が高く、安全の確保、公害の防止上支障がないものとされている自動車部品として、規定されている物です。
全長が長い軽自動車
全長が長い軽自動車について説明します。
現在の軽自動車の全長は、どの車もほぼ規定枠一杯の3.395mで設計されているため、長さをアピールしてをすることはできません。
そのため、全長が長い軽自動車の中でも「走りが楽しい」車を紹介します。
ダイハツ・コペン
ダイハツ・コペンは、2002年に登場した軽自動車のスポーツカーで、現行モデルは2014年に発売開始された2代目です。
コペンの最大の特徴は、初代から続く、何と電動開閉式メタルを装備したオープンカーという成り立ちです。コペンの車名は「COPEN」ですが、元は「KOPEN」つまりK(軽)のオープン(OPEN)という意味で、車名そのままの魅力を持った軽快なスポーツカーです。
ダイハツらしい前衛的なアイディアが満載の車
現行型は、ボディパネルの着せ替え可能な「D-Frame」を採用し、購入後に、ユーザーの好みで異なる外装にチェンジできるのがとてもユニークです。この構造を生かしてダイハツは、現行コペンを都会的な「ローブ」、アドベンチャースタイルの「エクスプレイ」、ノスタルジックな「セロ」という三つのバリエーションでマーケティングを行っています。
また、D-Frameは剛性が高く、軽とは思えない安定感のある走りを実現しています。さらに絶妙なフィーリングを持つハンドリング特性により、本当に運転が楽しい車です。その上、後部には実用性の高いトランクルームが装備され、二名で1泊二日の旅行なら余裕の積載量を持つ、使い勝手の良さも魅力です。
コペンは、デザインもメカニズムも日本の軽自動車を象徴するような、ダイハツらしいアヴァンギャルドに溢れた魅力満載の軽自動車です。
軽自動車全長3
軽自動車の全長について説明します。といっても、現在の軽自動車の全長は、どれもほぼ規格一杯の3.395mですので、長さでランク付けはできません。
そのため、ユーザーの車選びのポイントとして重要な、室内長でを説明します。
第3位スズキ・アルトワークス
軽自動車の室内長で第3位は、スズキ・アルトワークスです。しかし、実際の室内長では軽スーパーハイトワゴンが勝っています。そこをあえてアルトをランクインさせたのは、現在では少数派となってしまったセダンタイプ(ハッチバック)の軽自動車の中で、室内長が大きい車として選択しました。
セダンタイプの軽自動車は、三菱ミニカやダイハツ・ミラ(ミラ・イースとなってワゴンタイプへ移行)が生産を終了したため、現在はこのアルトとホンダN・ONEの二車種のみとなりました。
アルトワークスは、ターボエンジンを搭載したスポーツモデルで、5速マニュアルまたはAGSという自動クラッチ式ミッションが装備されています。
アルトワークスの室内長は2.04mで、ライバルのN・ONEの2.02mを上回っており、また、普通車のリッターカークラスのトヨタ・パッソの1.975mを大きく上回る優れたパッケージングを持つ軽自動車です。
第2位ダイハツ・ウェイク
軽自動車の室内長第2位は、ダイハツのスーパーハイトワゴン、ウェイクです。ウェイクは、まるでコンテナみたいな真四角なボディを持つ、積載能力が自慢の軽自動車です。
ウェイクの室内長は、何と2.215mという長さです。さらに、室内の高さは1.455mと軽自動車でも断トツの高さで、トヨタのミドルクラスミニバン、ノアの1.40mを大きく上回っていますから驚きです。
第1位ホンダN・BOX
軽自動車の室内長第1位は、大のホンダN・BOXです。その注目の室内長は驚きの2.240mです。この数値は、ウェイクの2.215mを上回り、さらにライバル車ダイハツ・タントの2.20m、スズキ・スペーシアの2.155mよりも長いです。
N・BOXのの秘密は、室内の長さにもありました。
軽自動車の全長を変更する方法は?
軽自動車のスーパーハイトワゴンは、日本でもの高いバニング・カスタムのベースとして使われています。
バニングとは主に北米で流行している、バンタイプの車をドレスアップして楽しむ自動車趣味のひとつで、それに欠かせないのがバンパースポイラーやリアウイングなどのエアロパーツです。
構造変更手続きで小型車登録をする
このようなエアロパーツは、車検においては指定部品として扱われ、リベットや溶接による恒久的な取り付けでなく、また全長が標準より3㎝を越えない場合はそのまま車検を通すことができます。
しかし、3㎝を越えて車体の全長が変わってしまう場合は、指定部品であっても軽自動車規格から外されるため、車検を通すには「構造変更」という手続きが必要になります。その場合は、車検の際に、構造変更検査や変更登録についての委任状に委任事項を記入し、捺印をして提出します。
また、構造変更後は軽自動車ではなく、普通小型車として登録されます。
特徴別軽自動車の全長について
特徴別の軽自動車の全長について説明します。
ワゴン
の軽スーパーハイトワゴンの全長は、すべての車が3.395mで軽自動車規格ほぼ目一杯です。これらの車は、室内長も2.1~2.24mと長いため、普通車のミニバン並みのユーティリティーの高さを実現しています。
従来は主流だった、セダンタイプのスズキ・アルト、ホンダN・ONEの全長も、スーパーハイトワゴンと同じ3.395mで、こちらも軽自動車枠一杯のボディサイズを生かし、広い室内空間を実現しています。
軽スポーツカーのダイハツ・コペンとホンダ・S660も全長は同じ3.395mです。また、コペンの室内長は0.91mで、S660の0.895mより長く、軽スポーツカーながらゆったりとした室内と、実用的なトランクルームを備えています。
独自の魅力にあふれた日本の軽自動車
全長が短い軽自動車の魅力や車種、法的規格からみた軽自動車の変遷、また全長が長い軽自動車のや、長さを変更する方法などを紹介しました。
日本の軽自動車は、かつてはオートバイと車の中間にあたる、オート三輪などの製造規格として定められ、時代と共に本格的な四輪自動車へと進化します。自動車メーカーの努力により、軽自動車は大きな可能性を秘めた車に成長しましたが、法的な規格によって性能が制限され、その魅力が半減しています。
将来、新たな軽自動車規格として、例えば超小型車コミューター、セダンおよびスポーツカー、ハイトワゴンまたはミニバンといった、目的別に三つに分類し、それぞれに適した規格を定めるなどすれば、軽自動車の可能性が大きく広がり世界的に魅力的な製品となるでしょう。
あなたもぜひ、今後の軽自動車の動向を逃さずチェックして、車選びの参考にしましょう。
初回公開日:2018年04月17日
記載されている内容は2018年04月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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