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スキーが上達しない人の特徴・上達する人のコツ|初心者/子供

更新日:2024年08月14日

スポーツとしてのスキーは19世紀の中頃から、北欧のテレマーク地方で冬の狩猟の移動手段が「ノルディックスキー」として、西欧のアルプス地方では戦の技術が「アルペンスキー」として進歩と発展を遂げ、近代のディスタンス・ジャンプ・ダウンヒルなどの競技となってきました。

スキーが上達しない人の特徴・上達する人のコツ|初心者/子供

スキーが上達しない人の特徴

スキーというスポーツは、ゴンドラやリフトに乗って小高い山の上に昇り、スキー板に乗って頂上から低いところに向かって滑り降りるという、非常にシンプルなスポーツです。

つまり、自分が持っている「位置エネルギー(体重)」を利用して、高いところから低いところへ「自然落下」していくだけです。その意味では、他のスポーツ競技のように「身体能力」が大きなハンディキャップになることがほとんどなく、いわば老若男女を問わず「誰もが楽しく楽しめる」スポーツといえます。

ところが、スキーを始めた時期が同じ人であっても、中には少し上達の遅い人がいます。スキーの上達の遅い人には、共通して以下のような傾向が見受けられます。

平衡感覚

スキーが上達しない人の第1の特徴は、身体の「平衡(バランス)感覚」が鈍い人です。スキーを滑るときは、連続的かつ瞬間的に前後左右へ「重心移動」をしながら滑走しなければなりません。

そのため、滑走中に重心が体の中心から外れ「復元力」を失ってしまうと、その瞬間に重心が偏った側に転倒してしまいます。平衡感覚は、その人が持って生まれた身体的特性ですから、多少訓練したからといっても直ちに改善することもありません。

ただ、平衡感覚を失い転倒するのは、多くの場合はスピードの出し過ぎが原因です。つまり、自分の意思でスピードをしっかり制御することができるようになれば、徐々に転倒の回数も減ってきます。

恐怖心

スキーが上達しない人の第2特徴は「恐怖心の強い人」が挙げられます。スキーの滑走の基本は「谷脚重心」と「前傾姿勢」が重要とされています。

その理屈を十分理解しつつも生まれつき恐怖心の強い人は、どうしても理論と反対の「山脚重心」と「後傾姿勢」になってしまいます。

特に後傾姿勢は、自分の意に反してスピードがでる大きな原因になります。ゲレンデの斜度が急になるほど一層この傾向が顕著になるため、中々恐怖心に打ち勝つことが困難となります。

スキーが上達するコツ

スキーが上達するためには、始めに基礎的な理論と知識を教わっておく必要があります。といってもスキーが上達するために必要なことは大して難しいことでは無く、ただ「まっすぐ滑る」ことと「曲がる」ことの違いに関する原理や原則を知ることです。

スキーの曲がる原理は、直進方向に対して制動(ブレーキ)を掛けることによって、ベクトルの方向が変化することを応用しています。スキーの曲がり方は、直進方向のスピードと制動の大きさによって変化します。つまり、制動が強いと急に曲がりますし、スピードが速いと制動が利きにくいことが判ります。

スキーが上達するためには、比較的緩やかな斜面を利用した「まっすぐ滑る」こととスキーが勝手に「曲がる」ことを体感し、納得できればスキーの上達は目に見えて早くなります。

初心者がスキーが上達する方法

初心者がスキーが上達するために必要な練習方法は、まずは両手両脚のスキーとストックを自在に「体と一体」に動かせることです。この練習は、スキー上達の必須条件ですが、ゲレンデの端の平らな場所で行うことが基本です。

前身歩行の練習

全くの初心者は、スキーを付けて歩くことすらできないのが普通です。両手のストックを上手に使い、左右の脚を交互に踏み出しながら「前進」することを覚えます。

キックターンの練習

歩行がマスターできれば、次は方向転換の仕方を覚えることです。平らなところでは、足を踏み換えながら「円を描く」ように方向転換できますが、ゲレンデに出るとその方法では方向転換できません。

ストックで体を支えながら、スキーを滑らせないでスキー板を持ち上げるのは大変ですが、スキーを「自分の脚」のように操作できなければ滑ることなど叶いません。この練習は、転倒した際、両足を谷側に向ける動作を覚えるためにも必要なことです。

起き上がりの練習

初心者がスキーを付けると、少し動いただけで直ぐに転倒してしまいます。恐らく最初の1日目は、立っている時間より転んでいる時間の方が長いといっても過言ではありません。

転んだ後の「起き上がり方」をマスターしなければ、ゲレンデに出る所まで進むことができません。「平らな場所」でしっかりストックを使って起き上がれることができれば、ゲレンデの斜面で起き上がることは簡単にクリアーできます。

自分の癖や欠点を知る

スキーが上達しない人は、どちらかというと内向的な思考の傾向が強いため、他人の技量と比べたり客観的に自分の技量を観察しないことが多いといえます。スキーだけではありませんが、自分の所作や立ち居振る舞いを客観視することは極めて有意義なことです。つまり、自分でもの気が付いていない「癖(くせ)」「欠点」「弱点」が良く判ります。

スキーの上達が早い人は、しばしば自分の滑りを他人に評価して貰ったり、自分の滑っている姿をビデオ撮影して観察しています。ビデオを見ることによって、意外と自分の理解と現実が乖離していることに気付かされ、今後の練習の参考になります。

スキーが上達したと感じるようになれる技

カービング

「カービング(carving)」とは、「削る」とか「切る」などと訳されますが、通常は木を用いた「工芸彫刻」を意味します。

一方、カービングスキーは、1990年代に開発された「スキー板の形状」を指す言葉です。これまでのスキーの形状と比べてスキーのサイドカーブ(側面の円弧)がきついことが大きな特徴です。

従来のスキーで滑走中にターンを行う場合は、スキーのテールを「横滑り」させながら方向転換しますが、その際にスキー板と雪の間で摩擦力が働き減速することになります。そのため、特にスキーの競技者や上級者は、ターン時の減速が少ないカービングスキーの利用が広がり、やがて子供を含む一般のスキーヤーに普及していきました。

カービングスキーの特徴は、初心者でも簡単にターンできることと、従来のスキーに比べて約20~30cmくらい短いため操作性の向上に併せ、軽量化されたことで持ち運びが楽になったことです。

パラレル

「パラレルターン(parallel turn)」は、いわゆるゲレンデスキーでは最も美しくまた高度な「回転技術」のことをいいます。パラレルとは、日本語で「平行」とか「並列」のことを意味しますが、スキーでは2本のスキー板を平行にした状態のままに円弧を描いてターンする方法をいいます。

パラレルターンをマスターするまでは、その準備段階として「プルークボーゲン」や「ステムボーゲン」の練習を積み重ねることが必要です。スキーの技術は、単純な繰り返しなので直ぐに飽きてしまいますが、基礎的なターンの仕方をマスターできないと、パラレルターンに進むことはできません。

パラレルターンのポイントは、谷側スキーの「抜重」のタイミングと、山側スキーへの重心の「移行」と「加重」のタイミングの感覚を掴むことに尽きます。この感覚は、いくら理屈を理解しても中々体得できるものではありませんが、とにかく繰り返し練習あるのみです。

スキーが上達するおすすめの本

日本スキー教程(全日本スキー連盟著)

この書籍は、初心者から上級者までのスキー愛好者たちの上達への道筋を明快に示すバイブルです。また、スキー指導者にとっても、必読の指導書として位置づけられています。内容的には、スキーを滑るための基礎的な知識以外にも、技術的な解説やトレーニング方法付いても記述されています。

最新! スキーの科学(中里 浩介著、竹腰誠著)

一般的に、スキー教室などの現場では、個人の経験則に頼った指導が行われる傾向があり、中には科学的根拠に乏しい場合があります。

この書籍は、スキーをしているときの動作分析によって、上級者の動作がどのようになっているか、初中級者とどこが違うのかを比較し判りやすく解説しています。科学的なアプローチによって、ワンランク上達した滑りを実現します。

資格検定受講者のために2018(全日本スキー連盟著)

この書籍は、日本スキー連盟のスキー検定試験や資格試験を目指すスキーヤーのために「指導者に必要な基礎理論」「資格制度と検定制度」「公認スキー検定員制度」「受験者のために」などの内容で編纂されています。それ以外にも「スノーボード編」「スキーパトロール編」「クロスカントリースキー編」などの情報も満載です。

スキーが上達する練習方法

スキーを上達するためには、ただやみくもに滑る本数を増やせば良いのでは無く、モチベーションを維持しながら効果的な訓練に繋がる自分なりの工夫が必要です。

自分の癖や欠点を知る

スキーが上達しない人は、どちらかというと内向的な思考の傾向が強いため、他人の技量と比べたり客観的に自分の技量を観察しないことが多いといえます。スキーだけではありませんが、自分の所作や立ち居振る舞いを客観視することは極めて有意義なことです。つまり、自分でもの気が付いていない「癖(くせ)」「欠点」「弱点」が良く判ります。

スキーの上達が早い人は、しばしば自分の滑りを他人に評価して貰ったり、自分の滑っている姿をビデオ撮影して観察しています。ビデオを見ることによって、意外と自分の理解と現実が乖離していることに気付かされ、今後の練習の参考になります。

上手な人の滑りを見る

昔から「餅は餅屋」という格言があるように、スキーの上達の早道はスキーが上手な人に教わることです。何のスポーツにも共通することですが、あまりに我流に拘ると却って上達を阻害することになります。

また、そこそこスキーに慣れ親しんだ人であれば、スキーが上手な人に傍で見て貰ったり、運良く「ワンポイント・レッスン」して貰うと、一気に腕前が上がることがあります。

スキーの上級者は、雪の上を丸で「流れるように」滑っていますが、ジッと観察していると実にリズムとテンポが良いことに気が付きます。そのことに気が付くだけでも、スキー上達のアドバイスを受けたのと同じくらい価値があります。

スキーが上達する練習方法

スキーが上達する方法は、基礎的なことから始め、自分の腕前が上がるにつれて徐々に難易度を上げていくことが効果的です。

子供の練習方法

子供が初めてスキーをする場合、スキーやスキーブーツの重さやストックの操作が障害となり、思うように体を動かせないことが多いです。

子供がスキーに慣れるためには、スキーを履いてストックを使いながら歩くことから始めると良いでしょう。少し慣れてくると、ストックで雪を漕いでスキーを滑らすことを覚えます。この練習によって、スキー板に乗って前後に体重移動する感覚を身に付けたり、ストックで雪を漕ぐ際の左右のバランス感覚を身に付けます。

スキー操作に慣れてきた最終段階では、スキーとストックの使い方をシンクロさせる「スケーティング走行」や「プルーク(ハの字)走行」の練習を行うと、一段とスキーの操作法が上達します。なお、これらの練習方法ばかりだと飽きてしまうので、一定の距離を決めてグループ内で競争する方法を取り入れると、真剣みが増しレベルアップに効果的です。

スキーの上達は、体重移動とバランス感覚が肝心

スキーを滑る感覚は、自転車に乗る感覚とよく似ているといわれています。一般的に、自転車に乗り始めるのは大体子供の頃ですが、一旦乗り方を覚えてしまうと10年以上ブランクがあってもほとんど忘れることがありません。

スキーも同様に、一旦滑れるようになると長い間ブランクがあっても直ぐにその感覚が蘇ります。つまり、自転車に乗るバランス感覚とスキーに乗るバランス感覚は共通しています。

ちなみに、自転車の「立ちこぎ」で徐々にスピード挙げていくとき、左右交互の脚に重心移動を行ってペダルを漕ぎます。その際、ハンドルは直進方向に向けたまま、上体と車体はそれぞれ反対側に傾けてバランスを取ります。

パラレルターンを練習中の方、あるいはこれから挑戦しようとしている方は、シーズオフの練習メニューに追加してみてはいかがでしょう。

初回公開日:2017年11月18日

記載されている内容は2017年11月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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