スノーボードの板のブランド3・選び方
更新日:2024年10月01日
スノーボード板
この冬、スノーボードにチャレンジしてみませんか。初めはレンタルのボードからで構いません。何度かスキー場に通うと必ず自分の板が欲しくなります。しかし、初心者や女性の場合、何を基準に板を選べば良いのか分からないのが実情です。
今回は、そうした方のためにスノーボードの知識や実際の板の選び方の特集を組んでみました。スノーボードの種類は滑走の目的別、板の形状別に細分されます。それでは、初心者、女性の方も自分に合った板が見つかるように、スノーボードについて詳しく紹介します。
レディースのためのガールズスノーボードTV white field
スポーツは、万人が楽しむためにあります。今回紹介するスノーボードもその例外ではありません。老若男女に与えられた素晴らしいスポーツです。ガールズスノーボードTV white fieldは、ガールズスノーボーダーがゲレンデを滑走する番組です。この冬からスノーボードを始めたいガールズは、ぜひ参考にしてください。尻込みする必要はありません。
スノーボードの板の種類
スノーボードの板を種類分けする場合は、幾つかのカテゴリーがあります。まずは、遊び方の種類です。ゲレンデでどのような滑走をしたいかという、滑りに関する分け方があります。遊び方の違いによるスノーボード選びです。
次に、板の形状による種類分けがあります。板の形状はさらにシェイプの形、フレックス方向(板の硬さ)という板の性質に分類されます。ひとつひとつ詳しく紹介していきますので、イメージを膨らませて貴方に合ったボード選びの参考にしてください。
滑走(遊び方)の種類
スノーボードの滑走スタイルは大きく2種類に分けることができます。
アルペン
アルペンスキーのことです。20世紀になってからヨーロッパのアルプス地方で流行したスキーの技術です。スキーの原型であるノルディックから分かれたもので、ビンディングで踵(かかと)を固定することで滑降に適したスタイルになりました。
スノーボードにおいても同じことが言えます。スキーのように固いブーツで滑るスノーボードをアルペンスタイルと呼びます。滑降なので基本的には一方向(下)にしか滑れません。スピードに特化したスタイルです。
フリースタイル
フリースタイルは滑り降りるだけでなく飛んだり跳ねたり、当て込んだり、空中で回転したりと何でもありのスノーボードです。スノーボードと言うとこちらの方をイメージされる方が多いでしょう。次に、フリースタイルの遊び方(演技)について紹介します。
フリースタイルの遊び方(演技)
フリーライディング(フリーラン)
思いのままに自由に滑るスタイルです。簡単でありながら極めると奥が深いのがフリーライディングです。
ジャンプ(オーリー)
パーク(色々な遊具が設置されているゲレンデ)内のジャンプ台を利用して空中を舞います。
ハーフパイプ
冬季オリンピックでお馴染みになりました。丸いパイプを半分にカットした左右の壁に板を当て込み、技を競い合うスタイルです。
スノーボードクロス
人工的に作られた専用のコースを障害物競走のように滑り抜けます。
ジブ
パーク(色々な遊具が設置されているゲレンデ)内に設置された階段の手すりや専用の箱、鉄パイプ、などを利用して滑走します。バランス(ジブ)を楽しむ滑り方です。
グラトリ
グランドトリックのことです。パークではない普通のコースで色々な技を競い合うスタイルです。
基礎系(テクニカル)
スノーボードによるターンのテクニックを追究するスタイルです。インストラクターを目指す方にとっては必須です。
バックカントリー
整備されたゲレンデ以外の自然の山をスノーボードで滑走します。十分な経験のあるプロスノーボーダーが行います。命の危険を感じるスタイルです。一般のスノーボーダーがコース外を滑走することもそう呼びますが、遭難の危険もあるので絶対にやめましょう。
以上が、大まかなフリースタイルの説明でした。アルペンスタイルも含め、自身の体を守るヘルメットやプロテクター類は必ず装着してください。天候の急変や思いがけない接触事故もあります。冬山(雪山)に対する十分な配慮は忘れないようにしましょう。
シェイプの形状
ディレクショナルシェイプ
スノーボードを雪面上に置いて上から眺めた時の形状をシェイプと言います。ボードのノーズ(:進行方向)がテール(後部)より長く設計されています。このように重心がテール寄りのボードを、ディレクショナルシェイプと呼びます。
スイッチ(滑走の際前足と後ろ脚を入れ替えること)をしない滑走を想定した構造なので、ノーズとテールの形も異なります。最近は主流ではありませんが、スノーボード上陸当時はこのタイプが一般的でした。
スノーボードでは(サーフィンもそうです)左足が前をレギュラースタンスと言います。右足が前になると、グーフィー(とっぽい)スタンスと呼びます。スイッチとは、滑走途中でスタンスを換えることを意味します。ディレクショナルシェイプは、前後の構造が違うためスイッチには適していません。
ディレクショナルツイン
ディレクショナルツインは、ディレクショナルシェイプと同じで、重心がテール寄りに置かれています。しかし、ノーズとテールが同じ形状をしているためにスイッチ滑走が可能です。先ほど紹介したディレクショナルタイプはほとんど見かけなくなりましたが、ディレクショナルツインはスタンダードタイプとして定着しつつあります。
今回は詳しく説明できませんが、ボードとブーツをつなぐビンディング(バインディング)の位置によっては、グラトリやジブも可能です。フリースタイルの板としても十分活躍してくれます。
ツインチップ
ツインチップは、ノーズとテールの長さ形状が同じタイプの板のことです。重心が中央にあるのでスイッチが簡単にできます。フリースタイルスノーボーダーから絶大な支持を受けています。
フレックスとトーション(板の硬さ)について
フレックスとトーションはスノーボードの硬さを表します。メーカーは、フレックスとトーションの目安を数値で記載しています。フレックスは、スノーボードがしなる方向の硬さ、トーションはねじれる際の硬さを表します。
数値が大きくなるほど硬くなっていきます。フレックス・トーションに関しては、スノーボード業界で統一されているわけではないので注意してください。メーカーごとに数値が異なっています。
1~10表記のメーカーのスノーボードにフレックス8と記載されていたら、そのメーカーのボードの中では硬いものであると認識してください。ちなみに1と10はありません。また~100を規準としているメーカーもあります。数値で表現されていますが感覚的にはアバウトで構いません。基本的にフレックスが硬いとトーションも硬くなります。
フレックス方向(横から見た形状)
初心者にキャンバーボード
スノーボードの基本形と言われるのがキャンバータイプです。スキー場内のレンタルコーナーで借りられるほとんどの板が、このタイプになります。ノーズ(進行方向先端部)とテール(後部)が雪面に触れていて、板の中心部が浮き上がっています。
滑走の際の安定性が高く、エッジ(板の左右の部分)が良く利きます。キャンバーボードは中央部が浮いているので、反発力が高くオーリー(ジャンプ)がしやすい板です。接地面が2カ所あるので、着地が安定します。パークでのキッカー(ジャンプ台)に適した板です。
エッジがかかりやすいので、スノーボードの基本であるカービングも楽にできます。エッジがかかり易いため、逆エッジ(反対側のエッジが利くこと)になりやすいのが難点ですが、初心者が経験を積むのに適した板です。カービング、オーリーなどスノーボードの基本プレイを習得することができます。初心者に板です。
中級者に板ロッカーボード
ロッカーボードはキャンバーボードと反対の形状、ノーズとテールが浮き上がり板の中央部が雪面に触れます。エッジが雪にかからないので非常に操作性が良く、グラトリ大好きな方に向いている板です。
板の反発力が少なく雪に引っかからないのでスムーズに技をこなせますが、エッジが利かない分、回転系のトリックには不向きです。ロッカーボードはカービング、オーリー、安定滑走といったスノーボードの基本技術を学ぶことができないので、初心者にはできません。
キャンバーボードで基本技術を習得した後で乗り換える板です。トリックには向いていますが、安定感がないのでアイスバーンでの滑走には注意が必要です。逆に新雪(パウダースノー)では、気持ち良い浮遊感が得られます。バックカントリーでの滑走に適した板です。
3本目4本目に購入する板フラットボード
板のソール(裏面)が平な形状で、キャンバーボードとロッカーボードの両方の特性を持っています。反発力、安定性、操作性も両者の中間くらいの板です。そのため、ゼロキャンバー、フラットロッカーと呼ばれることもあります。
安定性、反発力はキャンバーボードに劣り、操作性ではロッカーボードに劣ります。ただし、パーク内でBOXに飛び移る時はソールが平らなので安定します。バランスを重要視するジブ向きの板です。
フラットボードは、初級者・中級者には不向きです。何種類も板を乗りこなしてきた方が3本目、4本目に購入する板です。エッジが利き過ぎてカービングも難しく、反発力も少ないのでキッカーにも適しません。キャンバーボード、ロッカーボードに飽きてしまって好きでこの板に乗っている、というこだわりを持っている方が愛用する板です。
フリーライドプレイヤーにダブルロッカーボード
ダブルロッカーボードは、ミニキャンバーボードと呼ばれます。キャンバーボードとの区別の仕方は、板の中央部の浮き上がっている幅が短いのが特徴です。安定感のあるキャンバーボードと、操作性の良いロッカーボード両者の長所を兼ね備えています。
ダブルロッカーボードは、安定性重視のキャンバーボードよりも操作性に優れているので、グラトリがしやすくなっています。そして、操作性の良いロッカーボードよりもエッジが利くので、回転系のトリックにも対応します。カービングも楽にできます。フリーライドを追究する方に板です。
キッカー中心で操作性も求めるダブルキャンバーボード
ダブルキャンバーボードは、板のソールが波状に2カ所浮き上がっています。キャンバーボードの反発力と、ロッカーボードの操作性のある板です。コントロールがしやすくオーリーにも適している板です。
フレックスの方向がこれまで紹介してきた、5種類の板の中で一番特殊な形状なので、スノーボード初心者の方は決して選ばないでください。キッカー(ジャンプ台)が中心で、かつ操作性も極めたいスノーボード上級者のモデルです。
スノーボードの板のブランド3
スノーボードのメーカーは数多くあります。また、板の種類も豊富です。これから紹介する板は比較的高価ですが、全てメーカーの傑作製品です。スノーボードを極めたい方への板をラインナップしてみました。
レンタルから始めスノーボードが上達して、自分専用の板が欲しくなった時の参考にしてください。使い込むほどに、ゲレンデを滑走すればするほどに、自分の身体にフィットする板が欲しくなるでしょう。
第3位:バートン スノーボード 板 CUSTOM X FLYING V
BURTON(バートン)はスノーボード業界でもに君臨する総合ウィンタースポーツメーカーです。バッグ、アクセサリー、アパレル用品など幅広く展開しています。その中でもバートンの代名詞になっているのが次に紹介するCUSTOMシリーズです。
CUSTOMシリーズはバートンの中でもプロに匹敵するスピードとグラトリを遊びやすいものにしています。雪面を選びません。フライングブイは高反発力のキャンバーボードとロッカーボードの操作性を兼ね備えています。グラトリのあらゆる技に対応する優れた板です。
第2位:FANATIC(ファナティック)について
FANATIC(ファナティック)のスノーボードは、プロ仕様といっても過言ではありません。板の素材・構造(中身)にこだわるメーカーです。蜜蜂の巣のような正六角形を組み合わせたハニカム構造は強度が抜群です。
強度だけでなく空洞部分を増やすことで、従来の板と比べて45%減の軽量化を実現しました。ノーズ(先端部)とテール(後部)の重量を減らすことで、ターンのスピードが速くなりました。細かなところまで計算されたボードです。
FANATIC(ファナティック) SLANTED スランテッドスノーボード
キャンバーが2カ所設けられた、ダブルキャンバーのスノーボードです。グラトリ、ジブなどのフリースタイルに適しています。ダブルキャンバーは左右の足の下に浮きがあるため、パークで思いっきり滑走できます。
第1位:BATALEON(バタレオン)
BATALEON(バタレオン)3Dキャンバーについて
BATALEON(バタレオン)のスノーボードの特徴である3Dキャンバーの説明をします。スノーボードの滑走する進行方向をノーズ、後ろの方向をテール、左右の側面をエッジと呼びます。キャンバーボードとは、板を雪面に置いた時にできるボード中央部の隙間のことをいいます。板を横から見ると1.2mm~5.6mm程度の遊びの部分があります。
隙間が小さなものをローキャンバー、大きなものをノーマル(スタンダード)キャンバーと呼びます。一般のキャンバーボードは、横から見ると中央部がわずかに浮き上がっていますが、正面から見た時は平らに雪面に密着しています。
雪面に食い込む逆エッジ
ところが、BATALEON(バタレオン)スノーボードの3Dキャンバーは、正面から見ると左右のエッジが船の底のように浮き上がっています。この構造によって、滑走時に反対のエッジが雪面に食い込む逆エッジが起こりにくくなりました。
BATALEON(バタレオン)の3Dキャンバーは、キャンバーボードの安定感とロッカーボードのストレスを感じないライディングを可能にしてくれました。デザイン性も高く、ゲレンデで目立ちたいスノーボーダーにです。
BATALEON EVIL TWIN
BATALEON(バタレオン)の3Dキャンバーは、キャンバーボードの安定感とロッカーボードのストレスを感じないライディングを可能にしてくれました。デザイン性も高く、ゲレンデで目立ちたいスノーボーダーにです。
スノーボードの板の選び方
自分に適したスノーボードの長さ
スノーボードの長さは、自分の身長から15cm~20cm引いたものが目安になります。ボードを自分の身体の前に立てて、顎(アゴ)から鼻の下くらいに収まるものがです。
厳密には、体重もボード選びの条件に加味されますが、極端に太っていなければ問題ありません。身長が高い人と低い人のボード選びの目安は次のようになります。
スノーボード初心者の方は特に注意してください。極端に短い板を選んでしまうと、将来的に自分に適した長さの板で滑走できなくなってしまいます。
貴方に適した板の長さ
・身長175cm以上の方:身長マイナス20cm前後
・身長160cm~175cmの方:身長マイナス15cm前後
・身長160cm以下の方:身長マイナス10cm前後
グラトリスタイル重視の方は、さらに3cm~5cm短くしましょう。逆に高速でのスピードランを好む方は3cm~5cm長くしてください。スノーボードの板は、長いほど安定しスピードが出ます。逆に板は短いほどコントロールしやすくなります。
スノーボードの良い板の選び方
スノーボードの板について紹介してきましたが、良い板は見つかりましたか。良い板とは高価な板ということではありません。貴方に合っている板がベストの板です。自分の力量やプレースタイルに合わせて板を選んでください。
レンタルボードからスタートしても、雪山を経験するごとに技量もアップしていきます。スノーボード仲間から学ぶことも多いでしょう。スノーボードのスタイル、板の形状、フレックスなど勉強することはまだまだあります。近い将来、貴方にピッタリの板に出逢えるでしょう。
初回公開日:2017年12月15日
記載されている内容は2017年12月15日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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