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車のイグニッションスイッチの不良症状・交換方法|ハーレー

更新日:2024年04月07日

イグニッションスイッチについて、その仕組みや不良発生時の症状、また車種メーカー別の交換の仕方などを解説します。車はエンジンの始動点火や電装品にバッテリーから通電をするためのスイッチが設けられています。そのようなイグニッションスイッチの耳寄りな情報を紹介します。

車のイグニッションスイッチの不良症状・交換方法|ハーレー

車のイグニッションスイッチの不良症状

イグニッションスイッチは車のエンジンや各種電装品に、バッテリーから電気をつなぐための接続スイッチです。イグニッションスイッチに不具合があると始動時に電気モーターの力でクランクシャフトを回すセルスターターや、点火プラグなどのイグニッションシステムに通電できずにエンジンが掛かりません。

つまり、イグニッションスイッチが故障すると、オーナーがスタートスイッチをいくら押してもキーシリンダーを何度回しても、エンジンが目覚めることはなく車は眠ったままになります。

そのようなイグニッションスイッチについて、その仕組みや不良発生時の症状、また車種メーカー別の交換の仕方などを解説していきます。

イグニッションスイッチの仕組み

日本車のイグニッションスイッチは、キーシリンダーと共にステアリングコラムに設置されています。ステアリングコラムとはハンドルを取り付けた根元から後ろの部分で、ウインカーレバーやワイパーアーム、シフトパドルなどもそこに取り付けられます。

イグニッションスイッチ本体は、キーシリンダーの奥でステアリングコラム内に収納され、それぞれ接合部により繋がっています。

イグニッションスイッチ接合部の樹脂パーツには+(プラス)形状の穴が開いており、そこへ、こちらもプラス状のキーシリンダー先端部がかみ合わされています。キーシリンダーにキーを差し込むとその先端部と連結され、その状態でキーを回すとかみ合わされた樹脂パーツが回転し、イグニッションスイッチをONにします。

不具合のほとんどは接触不良

イグニッションスイッチが故障する原因のほとんどが接触不良です。従来のキーシリンダー式イグニッションスイッチの場合では、接触不良が起きる主な原因はスイッチ本体とキーシリンダー部とを接合する樹脂製パーツの不具合による物です。

スイッチ取り付け部のゆるみ

この樹脂製パーツによるエンジンの始動不能、またはキーシリンダーを回した際にいまひとつ反応が悪いといったトラブルの原因としては、例えば走行中の振動などによってイグニッションスイッチ本体を固定するねじがゆるみ、イグニッションスイッチ接合部でキーシリンダー先端とのかみ合わせが甘くなることです。

この場合はステアリングコラムのカバーを外して、キーシリンダーの奥にあるイグニッションスイッチ本体を確認してガタつきなどがあれば、固定用のねじをしめなおすことで不具合が解消します。また、キーシリンダー部の取付がゆるむこともあるので、同じようにねじをしめなおして解決します。

接合部の樹脂パーツが破損している

もう一つの原因は、長い間キーシリンダーを操作するうちに接合部の樹脂パーツが摩耗によって破損し、キーシリンダー先端部と上手く噛み合わずに空回りしているためです。この状態では、いくらキーを回してもイグニッションスイッチをONにできません。

この場合はイグニッションスイッチを新しい物に交換します。同じようにステアリングコラムのカバーを外し破損した部品を取り外して交換します。

車種別イグニッションスイッチの交換方法

イグニッションスイッチの交換方法を車種別に説明します。

ハーレーダビッドソン

ハーレーダビッドソンのイグニッションスイッチは、日本製オートバイとは異なりハンドルロック装置とは別に搭載されています。

例えばFXDLローライダーシリーズでは、ハンドルロックのキーはステアリングポスト右側のフレーム部にあるのに対し、イグニッションスイッチはガソリンタンク下のエンジン左側に設置されています。

これはアメリカでは二輪車のハンドルロックが義務化されていないため、かつてはハーレーもハンドルロックはなくイグニッションキーのみが装備されていて、盗難防止には南京錠を使用していました。その頃の名残りで現在でもそれぞれが別々に取り付けられています。

キーが二本になっても問題ない?

ハーレーのイグニッションスイッチを交換する場合は、同時にハンドルロックも交換する必要がありますが、どうせ別々についているならキーが二本あっても構わないという人には、イグニッションスイッチのみを交換しても良いでしょう。

スズキ・キャリイ

スズキ・キャリイは、登場以来長い歴史を持つ信頼性の高い軽トラックとしてがあります。特に道幅の狭い山間の農家では小さくて小回りが利き、車体が頑丈で悪路でも走破性が高いと大活躍しています。

キャリイを始め、道路状況の悪い場所を頻繁に走行する日本の軽トラックは、車の土台が丈夫に作られている分だけ車内には振動が大きく伝わってきます。そのため、イグニッションスイッチ本体やキーシリンダー部の取付にゆるみが生じ、接合部が摩耗して接触不良を起こしやすくなります。

このような軽トラックでは、エンジンの始動不能など突然のトラブルを防ぐために定期的に点検を行いましょう。イグニッションスイッチを交換するにはステアリングコラムのカバーを外し、中にある本体を取り外して交換します。

三菱ミニキャブ

三菱製の軽トラック、ミニキャブについてイグニッションスイッチの不具合によるリコールがメーカーの三菱自動車より提出されています。

リコールの対象車は、平成10年12月から平成13年2月までに製造されたマニュアルミッション搭載車で、不具合の内容は、エンジンを切った状態でキーシリンダーにキーを差し込んだまま停車していた際に、セルスターターが誤作動を起こして勝手にエンジンが始動してしまうという物です。

車が勝手に動き出す?

原因はキーシリンダーを長期に使用した事による接点部の摩耗で、エンジンを切った時にキーの位置がLOCKよりも手前でACC付近で止まってしまった場合にイグニッションスイッチ内の接点が誤って通電し、セルスターターに電流が流れてしまうためです。

もしキーを抜かずにギアがニュートラル以外の位置にある状態で車を離れた場合、セルモーターの誤作動によってエンジンが始動し、ひとりでに車が動き出してしまう危険があります。そのため、メーカーでは降車時はキーを確実にLOCKの位置まで戻し、必ずキーを抜くようにとユーザーにお願いしています。

調子の悪い時はすぐに部品交換を

また、キーシリンダーの反応が悪いなどの不調を感じた時は、接点部の摩耗が考えられますのですぐに新しい部品に交換しましょう。交換の仕方はステアリングコラムのカバーを外して、内部の古い部品を取り外して行います。

スバル・プレオ

プレオは、スバルが2010年まで生産していたトールワゴンタイプの軽自動車です。スバルが現在販売しているプレオプラスは、ダイハツから同社のミライースをOEM供給されている車ですので全く別物です。

そのスバル・プレオに関して、イグニッションスイッチのリコールが発表されています。対象車は1998年10月から2002年9月末までに生産された車です。

不具合の内容は、長期に使用するとキーシリンダーの反応が悪くなってエンジンが掛かりにくくなるという物で、原因はキーシリンダーとイグニッションスイッチの接合部の設計に問題があり、使用するにつれて内部の部品が変形して上手く噛み合わなくなるためです。

キーシリンダーを対策品に交換しましょう

プレオのイグニッションスイッチの交換は、通常と同じでステアリグコラムのカバーを外すことで行いますが、もしスイッチを新品に交換しても症状が治らないときはキーシリンダー部の不良が考えられますので、すぐにディーラーに問い合わせて対策品に交換してもらいましょう。

メーカー別イグニッションスイッチの交換方法

メーカー別のイグニッションスイッチの交換方法について説明します。

従来のキーシリンダー式のイグニッションスイッチは、接点部の摩耗などによる不具合でエンジンが始動不能になるケースが多く、特に製造から年数が経過した車ではトラブルが発生しやすいため、不調を感じたらすぐに交換しましょう。また、こうしたイグニッションスイッチに関するリコールが、各自動車メーカーから多くの車種について提出されています。

現在では、多くの車にイモビライザーと連動したプッシュボタン式のイグニッションスイッチが搭載され、このような不具合は無くなりました。

マツダ

マツダは、2015年10月にイグニッションスイッチの不具合によるリコールを提出しています。対象車は1989年1月から2005年12月までに生産された、デミオ、ファミリアなど21車種で、合計して92万3,627台がリコールとなりました。

その内容は、イグニッションスイッチ内部の接点に過剰にグリスが塗布されたために、グリスが炭化して堆積してしまうという物です。このために、スイッチ内部の絶縁性が悪化することで接点がショートして発熱し、最悪の場合は火災に至ります。

マツダでは、該当する車種のイグニッションスイッチを対策品に交換し、改善すると発表しています。この不具合によって、これまでに何と13件もの火災が発生していると報告されており、大変危険ですのでこの時期に生産されたマツダ車のオーナーはすぐに確認してみましょう。

フォルクスワーゲン

フォルクスワーゲンも、同社の小型車ポロの1,400ccエンジン搭載モデルにイグニッションスイッチに関するリコールを提出しています。

対象車は2002年12月から2003年3月までに生産された車で、不具合の内容はイグニッションスイッチにつながる配線の取り回しに問題があり、ステアリングの調整機構を使用して角度調節などを行った際に内部の配線を損傷してしまい、エンジンを始動できなくなってしまうという物です。

フォルクスワーゲンでは、該当する全車両のステアリングコラム内の配線の取り回しを変更し、またすでに損傷がある場合には状況に応じた修理を行うと発表しています。

該当する時期に生産されたVWポロのオーナーは、イグニッションスイッチを交換する前にディーラーに問い合わせてみましょう。

イグニッションスイッチでエンジンは目覚める

イグニッションスイッチについて、その仕組みや不良発生時の症状、また車種メーカー別の交換の仕方などを紹介しました。

燃料と空気をエンジンで燃やすことで車は走りますが、それには点火プラグに電気を通さなければエンジンが掛かりません。そのための通電スイッチがイグニッションコイルです。

従来の車はイグニッションスイッチがキーシリンダー式になっているため、長年使用していると接合部の樹脂パーツが摩耗して破損し、エンジンが掛からなくなることがあります。エンジンが目覚めなければ車は動かず、ただの鉄のカタマリになってしまいます。

そのようなトラブルが起きないよう、あなたも愛車のイグニッションスイッチの不調を放置せず、すぐに部品交換をして対処しましょう。

初回公開日:2018年04月23日

記載されている内容は2018年04月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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