自転車チューブの交換方法/値段/時間・仏式チューブの交換
更新日:2024年10月02日
自転車チューブの交換ってどうやるの?
車のタイヤはチューブレスが主流ですが、自転車のタイヤはいまのところチューブ式が大勢を占めています。ゴム製品であるチューブは熱や走行時の衝撃、経年劣化などにされされ、永久に使用することはできません。
ここではそんな寿命を迎えたタイヤチューブ交換にかかる費用や、方法、そのコツについて解説していきます。
チューブの値段はどれぐらい?
種類で変わってくる自転車チューブの価格
自転車のチューブは、その素材によって「ブチルチューブ」と「ラテックスチューブ」の2種類に大別されます。それぞれの素材に長所と短所があり、値段も異なります。では、これらの違いを比較してみましょう。
ブチルチューブ
ブチルチューブとは石油を原料に化学合成したもので、素材感としては見慣れたゴムの手触りによく似ています。大量生産が可能で、自転車チューブの約8割がこのブチルチューブです。耐久性はありますが、薄くするとちぎれやすくなるという特長があり、軽量化を追い求めるような競技自転車には不向きであるといえます。
コストパフォーマンスは高く500~1,000円程度で入手可能です。なかには100均などで300円程度で売られていたりもしますが、このレベルになると耐久性に難があるものが多くあまりおススメできません。
ラテックスチューブ
ラテックスチューブは主に競技用自転車に使用されれるチューブで、ゴムの密度が高いために薄く、軽くできるのが特長です。振動吸収性もよく乗り心地が格段に変化しますが、空気が抜けやすいのが難点で、毎回乗車前に空気圧を確認する必要があります。
価格面でもブチルチューブに比べて若干高くなり、1,000~3,000円ぐらいが相場です。
交換時期の目安は?
自転車にはパンクがつきものです。釘やガラス片などによるパンクだけでなく、空気圧不足が原因の「リム打ち」などでもパンクは発生します。チューブにできた傷が小さな穴であれば、専用のパッチなどで修理は可能です。でもチューブの劣化によるチューブ本体やバルブ取り付け部の裂けの場合は、交換が必要になります。
ではチューブの寿命はどれくらいでしょうか。乗り方にもよりますが、一般には約4~5千キロと言われています。自転車を1日15キロ乗るとすると300日あまりで寿命を迎える計算になりますので、毎日乗るのなら1年弱で交換が必要となります。
チューブと同じくゴム製品であるタイヤも約4~5千キロで寿命を迎えます。タイヤ交換の際には、同時にチューブも交換することをおススメします。
時間はどれくらいかかる?
自転車の機種によって異なる交換時間
自転車のチューブ交換にかかる時間についてのお話です。前輪の場合、タイヤをはずすこと自体さほど手間がかかりません。一方後輪の場合には、チェーンや機種によってはディレイラーと呼ばれるいわゆる変速機があり、フロントよりは若干手間がかかります。
またロードレーサーなどの競技用自転車は、クイックレリーズと呼ばれるレバーによって前後輪を固定しているため、このレバーを引くだけでホイールをはずせます。また整備性を良くするために、チェーンカバーなどもついていませんので、よりホイールが取り外しやすくなっています。
シティサイクル、いわゆるママチャリは、ホイールがナットで固定されているうえ整備性も高くないため、ホイールをはずすのに少し時間を要します。
実際に交換に要する時間はどのくらい?
整備性にも左右されますが、仮にナット固定の自転車でも、前後輪をはずす作業はせいぜい10分もあれば可能です。
次にホイールからタイヤをはずし、チューブを交換して、またタイヤをはめるという作業を行います。このタイヤの脱着には、タイヤレバーという専用の工具を使います。このタイヤレバーの使い方も、慣れればそんなに時間をかけずに脱着が行えます。
前後のホイールをはずし、タイヤレバーを使ってチューブを交換して元に戻すのに要する時間は30分程度です。プロが行えばもっと早く交換することも可能ですが、自転車屋さんに依頼する場合は作業の混み具合にも影響を受けますので、依頼時にどれくらい時間がかかるか確認すると良いでしょう。
チューブ交換の方法は?
では、実際に自転車のチューブを交換する作業について解説していきます。ここではクイックレリーズ機構のある自転車を例に説明しています。
①ブレーキワイヤーをはずす
まず、ブレーキ本体にかかっているブレーキワイヤーをはずします。左右のブレーキを両側からワシづかみにして、ワイヤーをたるませると、ブレーキワイヤーをブレーキ本体からはずせます。
②ホイールをはずす
クイックレリーズのレバーを引いてホイールの固定を解除します。前輪の場合は、これですぐにホイールがはずせます。後輪の場合は、ディレイラーを後ろに引っ張るようにしてスプロケット(後輪についた歯車)からチェーンをはずすとホイールがフレームからはずせます。
③タイヤの空気を抜く
タイヤに残っている空気を完全に抜きます。仏式バルブの場合はバルブを緩め先端を押し込むことによって、空気を抜きます。英式の場合は、虫ゴムを固定しているナットをはすし、虫ゴム自体をはずして空気を抜きます。次にバルブの根本についているナットをはずしておきます。
④タイヤレバーでタイヤをはずす
タイヤレバーをリムとタイヤの間に入れ、レバーのもう一方をスポークにひっかけます。そこから10㎝ほど間隔をあけて、2本目のタイヤレバーを差し込みます。そのままタイヤレバーをリムに沿ってずらしていくと、タイヤの片側が完全にリムからはずれます。
⑤チューブを交換しタイヤをはめる
新しいチューブと交換し、バルブの根本のナットを締めて固定します。チューブに軽くエアを入れておくと、作業がしやすくなります。
ねじれに気をつけながら、チューブをタイヤの中に入れていきます。次にタイヤのビード部分をリムに入れていきます。通常は手で入れますが、タイヤが固い場合は最後にタイヤレバーを使うこともあります。このときにリムとタイヤの間に、チューブをはさまないように注意してください。
あとは、はずしたときと反対の要領で、ホイールやブレーキワイヤーを元にもどします。最後に空気圧を適正値に合わせて、作業完了です。
チューブのサイズについて
まずは自転車のタイヤのサイズ表記を知りましょう。自転車のタイヤサイズはタイヤのサイドウォール、つまりタイヤの横の部分に表示されています。
一般的なシティサイクルやマウンテンバイクなどに良く用いられているサイズ表記は26×1 3/8や26×1.50となっています。前の2桁の数字はタイヤの直径が26インチであることを表しています。×の後ろの数字は幅を表しており、分数のものは1と3/8インチ、少数のものは1.50インチの太さということです。
ロードバイクなどでよく用いられているタイプには700×25Cといった表記が使われています。先頭の3桁の700はタイヤの直径が700㎜、後半の25はタイヤの太さが25㎜で最後のCはリムの幅を表す記号となっています。
自転車のチューブを交換する際は、このタイヤサイズに合わせるのが基本ですが、必ずしもぴったりの太さに合わせる必要はありません。あえてタイヤより太いチューブを選ぶことでゴムの伸びを少なくし、パンクしづらくするというテクニックもあります。
チューブ交換のコツ
自転車のチューブ交換についてはすでに説明しましたが、ここではチョットしたコツを何点か伝授します。
①タイヤをリムからはずす際に、レバーを使う前に全周にわたってタイヤとリムを揉むようにしておくと、密着がはがれはすしやすい。
②チューブを入れる際は、チューブがよじれないようにあらかじめ少し空気を入れておく。
③タイヤをリムにはめる際は、バルブのある部分から入れ、両側から均等に入れていく。最後にバルブの対面部分でまだはまっていない手前側を反対にねじるようにすると、レバーを使わずにはめることができる。
あさひでの自転車チューブの交換費用は?
サイクルベースあさひで、自転車のチューブ交換をおこなった場合、工賃は前輪で1,080円、後輪で1,940円です。あさひの会員制度であるサイクルメイトに入会すると、さらに工賃の割引がありますし、あさひのネット注文で購入したチューブをあさひに持ち込んだ場合、工賃10%オフのサービスもあります。また他では断られることが多い、他の自転車店などで購入したチューブの持ち込みでの交換にも対応してくれます。
英式チューブから仏式チューブへの交換
仏式バルブは英式に比べて高い空気圧に耐えるうえに、空気圧の微調整も可能です。そんなことから英式バルブから仏式バルブに交換する人が増えています。
英式バルブの径は仏式に比べ若干大きくなっています。そのまま使用する人もいますが、リムテープが劣化していたりすると、擦れてパンクの原因となります。そのために専用のスペーサーというものが存在します。安いものでは100円程度からありますので、バルブを仏式に交換する際は、ぜひ利用してください。
ママチャリの自転車チューブの交換方法
ママチャリのチューブ交換といっても、基本的にはすでに説明した自転車の交換方法と大差はありません。異なる点といえば、後輪をとりはずす作業が若干面倒だということぐらいです。そこでここでは、後輪のはずし方について説明します。
①左右のチェーンアジャスターをはずす
後輪の軸の後ろにある、チェーンのテンションを調整するナットを左右ともはずします。
②後輪をフレームに固定しているナットをはずす
ママチャリはクイックレリーズがありません。そのため後輪を留めている軸にあるナットをはずします。すると同じナットで留まっている泥除け、リアキャリア、スタンドなどがはずれます。ナットの下にあるワッシャーも含め、元に戻すときに順番がわからなくならないよう、写真を撮っておくことをおススメします。
③ブレーキをフレームに固定しているナットをはずす
ドラムブレーキをフレームに固定しているナットをはずします。このナットの頭にはプラスドライバ―が差し込めるようになっているものも多くありますが、固着していてネジ頭をなめてしまう可能性が高いので、スパナを使ってはずしましょう。
④後輪をフレームからはずす
スプロケット(歯車)にかかったチェーンをはずすと、後輪がはずせます。ここからは前に説明したタイヤの脱着方法と同じです。チューブ交換後は、はずしたときと逆の要領でくみ上げます。
自転車のチューブ交換に挑戦してみよう!
自転車のチューブ交換について紹介してきましたが、いかがでしたか。自転車の種類によってやり方は若干異なるものの、その作業自体はさして難しいものではありません。お金の節約と、自分の自転車への愛着を高めるためにも、ぜひ一度チューブ交換にチャレンジしてみてください。
初回公開日:2017年10月18日
記載されている内容は2017年10月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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