レーシングセダンFD2シビックTypeR|FD2シビックタイプRの特徴・特色
更新日:2024年05月21日
レーシングセダンFD2シビックTypeR
レーシングセダンFD2シビックタイプRとは、本田技研工業が過去に生産し販売していたシビックシリーズのハッチバック型のスポーツセダンです。現在は生産が終わっているので、販売されているのは中古車のみとなっています。
ハッチバック型は、後ろのドアが開閉するようになっており、座席との仕切りがないので車から外に出なくても荷物に手が届きます。セダンとは、構成がボンネット・キャビン(乗車部分)・トランク(荷室)の3つになっている車のことです。レーシングテイストに造られた、セダンのスポーツモデルが「レーシングセダンFD2シビックTypeR」です。
本格的なスポーツカーとは見た感じが微妙に違っていますが、スポーツカーとしての性能を充分に持った、街乗りにも楽しく運転できる車です。ちなみに、FD2シビックタイプRは、サーキットでのレース記録をつくるため開発されたと言われています。
FD2シビックタイプRの特徴・特色
FD2シビックタイプRは、生産が終わっているにもかかわらず、乗ってみて「楽しい」と感じる日常で乗れるスポーツカーとして現在も根強いです。なぜそこまでなのか、デメリット含めて、その特徴と特色をご紹介します。
メリットは加速力と燃費の良さ
セダンFD2は加速力があり、走行性に優れています。また、燃費が良い(同年代のスポーツ車と比較)こともの理由です。運転の仕方にもよるので目安ですが、通常の街中での運転では1Lで8~10km前後走ることができます。
また、乗り降りがしやすく座席が広いのでゆったりと座れ、荷物もたくさん積むことができます。とにかく今では大変貴重な車となっていますが、FD2はスポーツカーの要素が強いので、運転を楽しんで乗りたい人に向いています。
デメリットは乗り心地が悪い
FD2シビックタイプRは、もともとが長距離を走るタイプではないので、サスペンションがとても固く、長い距離を走る上では、腰痛持ちの人にはできません。そして、最小回転半径が5.9mとなっており小回りが利かないので、その点では駐車やUターンがしずらいというデメリットがあります。
結婚して家族ができ、赤ちゃんが生まれた時のことを考えると、レーシングセダンFD2シビックTypeRは家族での長距離移動には不向きでしょう。また、走りにこだわった車であるため、見た目のカッコよさや内装の豪華さを求める人にも向いていません。
初の4ドアシビックタイプR
シビックタイプRには複数の種類があり、FD2は3代目に開発された車で、タイプRの中では、初めてとなる4ドアになります。タイプRとは、ホンダのスポーツモデルのハイグレード車種のことです。
セダンシビックタイプRの歴史
それでは、ここからシビックタイプRの歴史をご紹介します。シビックタイプRには、EK9型・EP3型(英国生産車)・FD2型・FN2型(英国生産車)・FK2型(英国生産車)・FK8型(英国生産車)があります。
シビックタイプR 初代は「EK9型」
シビックタイプRの初代はEK9型です。(1997年~2000年)ホンダ車の3割り強がシビックだった頃、「シビックにはなぜタイプRがないのか」といった消費者の声に応える形でシビックTypeRが開発されました。
シビックタイプR2代目は「EP3型」
2代目シビックタイプRは、EP3型です。(2001年~2005年)イギリスのホンダが開発して販売した車種で、日本へ逆輸入されていました。初代EK9よりもさらに車体が軽量化され、走行性もよくなっていましたが、EP3型は2005年に販売終了となりました。
シビックタイプR3代目が「FD2型」
シビックタイプRの3代目となったのが、鈴鹿製作所で生産されたFD2です。(2007年~2010年)FD2型は、EP3型が販売終了となってから2年、2代目販売から6年振りの2007年3月に発売されました。オールシビックの中では8代目となります。
エンジンは2代目EP3型と同じK20A型を採用していますが、吸排気系が見直され、走行性にこだわった固いサスペンションとなり、スポーツ走行を向上させた車種です。そして、シビックタイプRでは初の4ドアハッチバック型となり、3ドアハッチバック型より乗り降りがしやすくファミリー層の顧客獲得に良い結果となりました。
しかし、2009年から2010年に実施された排出ガス規制により、規制へ対応するのは難しいといったことなどで、2010年8月をもって生産を終了したと言われています。
走行性能を最重視したスポーツセダン
走行性能を最重視したのがスポーツセダンです。スポーツセダンと一言でいっても、その種類にはさまざまなメーカーと種類があります。例えばホンダだけでいえば、アコードユーロR・インテグラタイプR・シビックタイプR・シビックフェリオがあります。
スポーツカーに乗りたいけれど、家族から反対されて乗れないという場合はスポーツセダンがですが、乗り心地など考慮して決めると良いでしょう。特にホンダのセダンFD2シビックTypeRは長距離運転には不向きです。
自然吸気版K20Aでは最強のエンジン
FD2シビックタイプRは、自然吸気版K20Aでは最強のエンジンです。2代目EP型と同じ型式のエンジンですが、見直しがされており、さらにパワーアップしたエンジンとなりました。2000CC以下のタイプRの中では225馬力と最強です。そして、高回転型NA(自然吸気)タイプRとしては最後のエンジンです。
K20Aエンジンは、ホンダのアコードなどの他のファミリーワンボックスカーやステップワゴンにも搭載されていました。元々は、中型車種のためにホンダが開発した代表的なエンジンでしたが、それをさらにタイプRのために強化したK20A型エンジンがFD2シビックタイプRに搭載されています。
FF TYPE R史上最速をめざし、2.0L量産自然吸気エンジンとして世界最高水準※のパワーを達成していたDOHC i-VTECエンジン[K20A]のさらなるパワーアップに挑みました。
出典: https://www.honda.co.jp/factbook/auto/CIVIC_TYPE_R/200703... |
FD2シビックタイプRのライバル車
高回転型NA(自然吸気)の出力の高さで言えば、国産車にライバルはいないと言えますが、強いて言うならばトヨタのブレイド・日産のZ34フェアレディZ・スバルのWRXSTI・日産のスカイラインGT-RVスペック・マツダのRX-7タイプRS・ホンダのNSXタイプS・三菱のランサーエボリューションVIRSなどでしょう。
FD2シビックタイプRの中古相場価格
FD2シビックtypeRはが高く需要があるため中古相場価格は高いです。国産では最後となったタイプRであるということ、生産台数が少ないということ、エンジンの馬力が最強ということで他に変わる車種がないからでしょう。走りにこだわる人にとっては譲れない車種です。
FD2型のシビック タイプRが生産を終了した理由
中日新聞の経済ニュース欄で、FD2シビックタイプRの生産終了が発表されました。生産終了の理由は、スポーツ車の需要が減り販売の低迷が続いていること、排気ガス規制のため対応が難しくなったためと報じられています。やはり、燃費の悪いスポーツ車は売れなくなってきたといったことでしょう。ユーザーからは「寂しい」との声が多く上がりました。
FD2シビックTypeR中古車の相場はいくらか?
レーシングセダンFD2シビックTypeRの相場は、135.8万円~359.6万円です。ちなみに、中古車の買い取り価格は店によって、地域や時期などでも変わってきます。まだまだ需要があるうちは、相場は下がらないでしょう。
FD2シビックタイプRの代表的なスペック
FD2シビックタイプRの代表的なスペックは、下記のとおりです。
項目 | 詳細 |
---|---|
トランスミッション | 6速マニュアル |
車体寸法 | 全長:4.540m・全幅:1.770m・全高:1.430m |
客室内寸法 | 長さ1.900m・幅1.470m・高さ1.170m |
最低地上高 | 0.135m |
ホイールベース | 2.700m |
トレッド | 前:1.505m・後:1.515m |
車両重量 | 1,260kg |
乗車定員 | 4名 |
エンジン型式 | K20A |
エンジン種類・シリンダー数及び配置 | 水冷直列4気筒横置 |
エンジン弁機構 | DOHCチェーン駆動・吸気2排気2 |
エンジン総排気量 | 1,998cm3 |
エンジン内径×行程 | 86.0mm×86.0mm |
エンジン圧縮比 | 11.7 |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射式(ホンダPGM-FI) |
燃料タンク容量 | 50L |
10・15モード走行燃料消費率(国土交通省審査値) | 11.4km/L |
最小回転半径 | 5.9m |
レーシングセダンFD2シビックTypeRを知ろう
レーシングセダンFD2シビックTypeRは、国産では最後のタイプRで最強のスパルタンな車種です。これから中古車を購入しようとする人は、オーナーの感想や口コミなどを調べて、自分に合った車かどうか相場はどのくらいかを知った上で検討しましょう。
見た目では主張しないのにメカニズムにはこだわった大人の車、それがレーシングセダンFD2シビックTypeRです。
初回公開日:2019年04月01日
記載されている内容は2019年04月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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