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イグニッションコイルの交換費用/効果・車種別交換費用/目安

更新日:2024年08月10日

エンジンが動作するときの影の働き者、イグニッションコイル。通常壊れることはないのですが、交換やカスタムする人もいて、エンジンの調子に直接かかわってくる重要な部品です。実際にイグニッションコイルとはどの部品か、交換するといくら掛かるのかご紹介します。

イグニッションコイルの交換費用/効果・車種別交換費用/目安

イグニッションコイルの交換

そもそもイグニッションコイルって何?

イグニッションコイルとは、ガソリンエンジンが動作する際に必要な「火種」を作るための高電圧を発生させる部品です。スパークプラグの電極間に火花を発生させるのに大体1万ボルトは必要になり、イグニッションコイルでは大体1万5千ボルトほどを発生させています。

エンジンには通常気筒と同じ数だけスパークプラグがついていますが、イグニッションコイルはそうとも限りません。最近ではもっぱらスパークプラグと同じ数だけある「ダイレクトイグニッション方式」が採用されていますが、20ほど年前まではスパークプラグの数に関係なくイグニッションコイルが一つの「ディストリビュータ方式」の車もありました。

いずれも仕組みは同じで、中に巻き数の少ない一次コイルと巻き数の多い二次コイルが同じ鉄心に巻いてあり、一次コイルの電流を一気に遮断するときに発生する「自己誘導電流」を増幅する「相互誘導作用」という現象で高電圧を発生させています。

イグニッションコイルが壊れるとどうなるの?

イグニッションコイルは火種を作るためのものです。いくらガソリンをエンジンにいれても火種がなければ燃焼しません。イグニッションコイルの故障には主に「断線」と「リーク(短絡)」があるのですが、いずれも発生電圧が極端に落ちるためエンジンは動作しなくなります。

断線はコイルが劣化によって切れたり、抵抗が大きくなると起きます。通常は線が物理的に切れてしまい、その場合リークも併発することが多いです。イグニッションコイルは分解できず、基本的にはアッシー交換です。

リークだけを起こす場合もあります。通常はこちらが多いです。スパークプラグに行く電圧が低下し、火花が安定しなくなります。その場合、アクセルを踏んだ時の加速が弱い、エンジンの回転が不安定でがたがた振動するなどの症状が顕著に現れます。このような症状はほとんどの場合がイグニッションコイルの故障です。

イグニッションコイルの交換費用は?

イグニッションコイルの交換は比較的簡単に行える作業です。年式にもよりますが大体一つ1万5千円ほどで交換してもらえるところがほとんどです。

しかしそれよりも高くなるケースもあります。イグニッションコイルは通常エンジンの上側についているのですが、スバル車のような水平対向エンジンやスポーツ車のV型エンジンではイグニッションコイルの交換に周りの部品を外さないといけない場合もあり、その場合はその費用も追加で請求されます。

工賃はどれくらいかかるの?

イグニッションコイルの交換は普通の車であれば簡単に交換できる部品です。自動車整備の工賃は基本的に点数方式になっていて、「〇〇外したから〇〇円」みたいなシステムになっています。

普通イグニッションコイルの交換は全気筒交換しても3~4万円程度で済むものですが、イグニッションコイルを外すために補器類を外さなければいけないなどの場合はさらに工賃かかります。

見積を出してもらって工賃に納得がいかなければ、自分で交換してもいいでしょう。

イグニッションコイルを交換するとどんな効果があるの?

イグニッションコイル交換の効果は、説明しなくてもわかるでしょうが、エンジンの安定性が増すことです。増すといっても新品のイグニッションコイルに交換して新車の状態に近づくといった程度で、性能が上がったりは決してありません。

しかし、チューニングの場合は別です。イグニッションコイルは、ECUからの信号につき一回しか点火を行わないのですが、これを2~3回行い燃料を確実に燃焼させれるようにしたイグニッションコイルに交換するといった改造もあります。

そういったイグニッションコイルに交換しても効果がないようにも思う人もいますが、低速域のトルクが増大したり、吹き上がりがよくなったり、燃費が良くなったりといろいろと効果があります。

車種別イグニッションコイル交換費用目安

ホンダ・フィット

フィットは4気筒エンジンに8本のイグニッションコイルが刺さっています。交換する場合、純正のイグニッションコイルが大体1本6000円ほど、社外品であれば1本3000円ほどかかり、ディーラーであれば全部交換して工賃は8000円くらいで済みます。全交換であれば56000円ほどかかることになります。

スズキ・ワゴンR

ワゴンRは3気筒エンジンで、プラグは純正で1本7000~8000円ほど。軽自動車は社外品がよく出回っていますが、ものがかなり悪いのでチューンナップなどでなければ純正を使うことをお勧めします。

工賃は4000~6000円ほどで済み、全交換も1本も変わらないところが多いです。全交換であれば3万円くらいです。

マツダ・RX-8

RX-8は以前は全交換で5万円以上請求されたそうですが、いまでは部品が安くなり、全交換でも4万円以内でやってもらえるところもあります。

ダイハツ・タント

タントは、初期のモデルだとイグニッションコイルに欠陥があり、リークが起きやすくなっていましたが、現在は改良版のイグニッションコイルになっています。そのタイプが故障で交換されるとたいていは改良版に交換されます。費用はそれほど高くもなく、たいていの整備工場で2~3万円ほどでやってもらえます。

ホンダ・モビリオスパイク

モビリオスパイクにも先ほどのフィットと同型のエンジンが搭載されていて、交換の費用はフィットと同じです。

ホンダ・ステップワゴン

ステップワゴンはフィット、モビリオと異なり、イグニッションコイルは各気筒1本ずつです。ただフィットほどではないにしろ、イグニッションコイルはほかの車に比べてよく壊れることが多いです。ステップワゴンのエンジン警告灯(ホンダ的にはPGM-FI警告灯)がついたら、ほとんどがイグニッションコイル周りの断線です。故障個所の修理だけでも1万5000円ほど。全部交換しても3万ほどで直してもらえます。

ダイハツ・ハイゼット

ハイゼットは業務用だけあって、部品一つ一つの耐久性はかなり高く、イグニッションコイルが壊れることはほとんどないですが、まれにケースが割れてしまう個体もあります。とはいえ「まれに」ですので、スパークプラグの点検をしっかりやるようにすれば壊れることはないでしょう。

ホンダ・カブ

カブのイグニッションコイルは非常に丈夫で、チューンナップ以外で交換することはほとんどありません。交換するにしてもイグニッションコイル自体は、車のイグニッションコイルよりもかなり原始的な構造で、3000円ほどで入手できます。整備工場に持って行っても1万もいかないでしょう。

スズキ・ラパン

ラパンのイグニッションコイルはあまり壊れやすいなどの欠陥がないので、通常はスパークプラグの点検で交換の必要性はほとんどありません。

イグニッションコイルを交換したくない!長く維持するには?

イグニッションコイルの交換、費用を見てどうですか。「これだけでエンジンが直って動くんだったら」という人もいれば、「ぼったくりだ」と思う人もいるでしょう。

昔のディストリビュータがついていたときの車のイグニッションコイルは頑丈で、ほとんど壊れることはなかったのですが、ダイレクトイグニッションはどうやってもコイルへの負荷が大きくなります。かと言って昔の車が壊れなかったのかといえばそんなことはなくディストリビュータという物理的な接点を持つ部品を定期的に点検、交換しなければいけませんでした。

それに比べてダイレクトイグニッションは故障が圧倒的に少ないので、「壊れない部品」という認識が広まっています。

といってもできる限り長持ちさせたいものです。そういうことであればできる限りスパークプラグの交換を行うことです。イグニッションコイルは、スパークプラグが消耗してくると負荷が多くなるので、点検をしっかりするのが大事です。

「イリジウムプラグだから大丈夫」という人もいますが、そんなことはありません。熱価があっていなかったりするとどんなスパークプラグも消耗してスパークしにくくなります。定期的な点検をしっかりするようするようにしましょう。

初回公開日:2017年10月19日

記載されている内容は2017年10月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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