ETCの障害者割引の手続き方法・割引の併用は出来るの?
更新日:2024年10月06日
教えて!ETC障害者割引を受ける手続方法
障害者が有料道路を利用する際には料金の割引が受けられます。事前に申請手続きをすれば料金所又はETCで支払う際に料金が半額になります。障害者割引制度でETCを利用するにはどのような手続きが必要か解説します。
障害者割引制度とは
障害者割引制度とは、障害者の自立と社会経済活動への参加を支援するために設けられた有料道路料金の割引制度です。
有料道路では、「身体障がい者の方が自ら運転する場合」または「重度の身体障がい者の方もしくは重度の知的障がい者の方が同乗し、障がい者ご本人以外の方が運転する場合」に、事前に登録された自動車1台に対して、割引率50%以下の障害者割引を実施しています。
出典: http://faq2.driveplaza.com/faq/FaqList.aspx?sub=133 |
では適用される条件など詳細を見てみましょう。
割引対象となる人の条件
(自動車検査証の「所有者の氏名又は名称欄」記載事項)
出典: http://www.driveplaza.com/traffic/tolls_etc/etc_dis_handi... |
所有者の氏名が個人名義のものに限ります。
障がい者ご本人が運転される場合
障がい者ご本人、配偶者、直系血族及びその配偶者、兄弟姉妹及びその配偶者並びに同居の親族等
障がい者ご本人以外の方が運転され、障がい者ご本人が同乗される場合
障がい者ご本人、配偶者、直系血族及びその配偶者、兄弟姉妹及びその配偶者並びに同居の親族等
上記の方が自動車を所有していないときは、障がい者ご本人を継続して日常的に介護している方
※割賦購入(ローン)又は長期リース(レンタカー等短期リースは含みません。)により自動車を利用している場合であって、自動車検査証の「使用者の氏名又は名称」欄に上記に該当する方の氏名が記載されているものは対象になります。(手続きの際は、割賦契約書又はリース契約書をお持ちください。割賦購入の場合は、代金支払債務が残っている場合に限り対象となります。)障がい者手帳の交付を受けている場合は、身体障がい者ご本人が乗車されていない場合、割引の対象にはなりません。)
障害者本人が運転する場合と本人が運転できない場合が考えられますが、要件を満たす人は下記のように決められています。
割引対象となる車の条件
割引を受ける車は台数、車種、車の所有者について以下のような条件があります。登録したい車の車検証で確認できます。
1. 台数について
出典: http://www.driveplaza.com/traffic/tolls_etc/etc_dis_handi... |
障がい者の方お一人につき1台を事前に登録していただきます。
2. 車種要件について
(自動車検査証の「自家用・事業用の別/適否」、「用途」、「車体の形状」欄記載事項)
自動車検査証の「自家用・事業用の別/適否」欄に「自家用」と記載されているもののうち、以下の自動車が対象となります。
乗用自動車の場合
自動車検査証の「用途」欄に「乗用」と記載されているもので、乗車定員が10人以下のもの(軽自動車も対象になります)。
貨物自動車の場合
自動車検査証の「用途」欄に「貨物」と記載されているもので、後部座席が設置され乗車定員が4人以上10人以下のもののうち、乗車設備と荷台に仕切りがないもの、又は乗車設備と荷台が仕切られた最大積載量が500kg以下のもの。
特種用途自動車の場合
自動車車検証の「用途」欄に「特種」と記載されているもののうち、「車体の形状」欄に車いす移動車、身体障害者輸送車又はキャンピング車のいずれかが記載されているもので、乗車定員が10人以下のもの。
二輪自動車の場合
総排気量が125ccを超えるもの。
事前手続き(当初申請)
障害者割引を受けるには、まず身体障害者手帳又は療育手帳へ自動車のナンバー・割引有効期限等の記載を受ける事前手続きが必要です。これは料金所で手帳を提示して割引を受けたい人又はETCレーンを利用したい人、どちらの場合も必要な手続きです。
申請は手帳を管理している各市町村の福祉担当窓口で申請書を記入し、以下の必要書類等と共に提出します。登録要件が整っていればその場で手帳に必要事項を記載してもらえます。
■ETCを利用する場合の必要書類
なお、ETCを利用しない(手帳提示で割引を受ける)人は、上記の書類のうちETC関連を除いたものが必要書類となります。
障がい者ご本人の身体障がい者手帳又は療育手帳
出典: http://www.w-nexco.co.jp/etc/handicapped/guidance.html |
登録を申請される自動車の自動車検査証
障がい者ご本人の運転免許証(障がい者ご本人が運転される場合)
委任状(代理人による申請の場合)
ETCカード(障がい者ご本人名義に限ります※)
「ETC車載器セットアップ申込書・証明書」 等登録を申請される自動車に取り付けられたETC車載器の車載器管理番号が確認できる書類等
ETC利用登録
前項の障害者割引の事前手続きが完了してもまだETCは利用できません。祉担当窓口で受け取った「ETC利用対象者証明書」と所定の封筒を「有料道路ETC割引登録係」宛に郵送し、折り返しETC利用可能日を知らせる書面が届けば障害者割引のETC利用登録手続きは完了です。
手続きには最長で2週間程度かかるので、高速道路利用予定がある人は早めに障害者割引の事前手続きとETC利用登録手続きを済ませましょう。出かけるときにはETCカードをETC車載器に挿入するのを忘れないでください。そして、実際にETCレーンで障害者割引を受けてみましょう。
事前手続きに出向く前にやるべき手続き
①ETCカード準備
障害者本人名義のETCカードであること。ただし重度の未成年の障害者の場合は、本人以外の親権者や後見人の運転による割引を受けるなら、親権者又は後見人名義のETCカードでOKです。家族カードやETCパーソナルカードでも本人名義であれば問題ありません。
②ETC車載器の取付
登録を希望する車にETC車載器を取り付けておきましょう。ETC車載器セットアップの申込み名義は障害者本人や車の所有者と同じでなくてもOKです「ETC車載器セットアップ申込書・証明書」の控えは大事に保管しておきます。
申込時だけでなく更新や変更申請の際にも記載されている車載器管理番号が必要になります。2度手間にならないようにしっかり準備してから窓口に出かけましょう。なお、ETCを利用せずに手帳での障害者割引を希望する場合は上記の1~4のみでOKです。
障害者割引に有効期限はあるの?
障害者割引の割引有効期限は、手続きした日から数えて2回目の誕生日まで。申請時に提示した身体障害者手帳又は療育手帳に記載されています。また有効期限が切れる前にETC割引登録係より郵送で有効期限のお知らせが届きます。転居などで届け出住所の変更をがある場合は忘れずに後でご紹介する変更申請を行う必要があります。
(有効期限の例)
出典: http://faq2.driveplaza.com/faq/FaqList.aspx?sub=133 |
12月15日が誕生日のお客さまが、平成23年12月10日に当初申請または変更申請をされた場合
⇒平成23年12月15日の誕生日が1回目、平成24年12月15日の誕生日が2回目の誕生日となりますので、平成24年12月15日が割引有効期限となります。その後更新申請される場合は、2回目の誕生日の2ヶ月前から手続きが可能となりますので、平成24年10月15日から更新申請が可能となり、有効期限の前日(平成24年12月14日)までに更新手続きされた場合、平成26年12月15日の誕生日(更新申請の日から3回目の誕生日)までが次の割引有効期限となります。
ETCレーンで障害者割引を受けている人は、割引有効期限の約2週間前までには更新申請を行いましょう。更新申請には初回申請時と同様の手続きが必要です。「ETC利用対象者証明書」を窓口に郵送する期間を見込んで早めの手続きを。
万一有効期限を過ぎてETCレーンを通過した場合、障害者割引は適用されず普通料金になるので要注意。
更新手続き方法は?
障害者割引の更新手続きは、割引有効期限の2ヵ月前から行うことができます。手続きは手帳を管理している福祉担当窓口に必要書類を揃えて申請書と共に提出します。事前手続きや時とほぼ同じです。(事前手続き参照)
■必要書類等
事前手続き時と同じ
福祉担当窓口で受け取った「ETC利用対象者証明書」所定の封筒で郵送し、折り返しETC利用可能日を知らせる書面が届けば手続きは完了です。更新手続きはすべて完了するまでに最長約2週間かかるのでETC障害者割引が途切れないよう早めの手続きを心がけましょう。
こんな時は変更申請が必要になります
次のような内容に変更が生じた場合はその都度変更申請を行う必要があります。
・自動車のナンバー登録番号等
出典: http://www.w-nexco.co.jp/etc/handicapped/guidance.html |
・自動車の所有者、使用者
・ETCカードの名義、番号
・車載器管理番号
・ご本人の名前、住所
変更の手続きは手帳を管理している福祉担当窓口に必要書類を揃えて申請書と共に提出します。事前手続きや更新手続きの時とほぼ同じです。(事前手続き参照)
■必要書類等
事前手続き時と同じ。
福祉担当窓口で受け取った「ETC利用対象者証明書」を所定の封筒で郵送し、折り返しETC利用可能日を知らせる書面が届けば手続きは完了。手続きはすべて完了するまでに最長約2週間かかるので余裕をもって手続きしてください。
障害者割引が適用されないパターン
障害者割引が適用されないパターンはいろいろあります。手続き時に条件を満たしていない場合はもちろん、登録後であっても規則に従っていない場合は適用されません。しかし、特に難しいルールではないので、上で説明した割引対象となる人や車種のルールとよく理解して利用すれば問題ありません。
登録申請時に認めれないパターン
申請時に却下されることが多いのが、以下のケースです。
①名義が法人である
②車が事業用である、外見からひと目で営業用とわかる
③貨物自動車で後部座席が目隠しされている
対象外の車種の場合は申請を却下されます。障害者割引が適用されるルールを今一度確認しましょう。
ETC障害者割引利用開始後に割引が適用されないパターン
割引が適用になるのは、登録した車のETC車載器に登録した本人名義のETCカードを挿入して通行した場合のみです。次のような場合は適用されないので覚えておきましょう。
①レンタカーや代車等を利用する場合
②障害者本人が同乗していない場合
③登録していない車で本人のETCカードを挿入して通行した場合
④登録した車に本人以外のETCカードを挿入して通行した場合
⑤料金所でETCカードを係員に渡して支払う場合→手帳の提示がないと通常料金になる
ETCの障害者割引の表示内容
ETCレーン通過時の料金は割引後の金額が表示される?
ETC障害者割引の適用を受けると利用料金は通常料金の半額になります。ここで覚えておきたいポイントは、表示される料金は「通常料金」であること。ETCレーンを通過して料金を支払ったときに、ゲートで案内される料金は障害者割引が適用される前の金額です。請求時に50%割引が適用されます。
ETCの障害者割引と併用できるサービスは?
ETC時間帯割引
適用されません。
ETC時間帯割引(深夜割引、休日割引、平日朝夕割引)の適用時間に利用すると支払い時に時間帯割引料金が表示されますが、請求時には利用区間の通常料金に障害者割引(最も割引額が大きい)が適用された金額が請求されます。
マイレージサービス
適用されます。
支払った障害者割引金額に応じてマイレージポイントがたまります。
ETCの障害者割引不正通行に対する方針と取り組み
不正走行は度々ニュースになりますが、有料道路事業者により様々な対策が行われています。不正通行者を特定して通行料金と割増金を徴収したり、支払われない場合は督促状を送付します。今後も不正者を特定するための対策用カメラの設置や積極的に警察へ通報・捜査の協力を通じて不正を許さない取り組みが継続して行われています。
道路関係公団の民営化に合わせ、特措法が改正され、特措法第24条第3項に基づき当社が定めた通行方法に反する不正通行に、特措法第59条に基づき刑事罰(30万円以下の罰金)が科されることから、これまでは以下の取り組みを行ってまいりました。
出典: http://www.driveplaza.com/traffic/tolls_etc/effort/ |
周知ポスターなどを作成しSA・PAでの掲示やホームページへの掲載による広報
対策用カメラを活用して不正通行者の特定に努める
警察への協力
出口料金所の一般レーンに不正通行を防止する開閉バーの設置
ETC障害者割引を使いこなして快適なドライブを
ETC障害者割引についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。一度登録すれば2年ごとの更新や変更申請などで手順や準備するものは大体同じですから、簡単に手続きを行えます。利用上のポイントは、「事前に登録した車で」、「登録したETCカードで」、「障害者本人が乗っている」の3つと覚えておきましょう。
他の割引に比べて割引率が一番大きく、平日休日や時間帯に関わらずいつでも割引が受けられるETCの障害者割引のメリットを最大限に活かして、楽しいドライブライフを送りましょう。
初回公開日:2017年10月11日
記載されている内容は2017年10月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。