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車の水温計とは?仕組み/・表示の意味・取り付け方法

更新日:2024年06月27日

最近、水温計を気にして見た事がありますか?最近の車は水温計がランプ式になったので水温計が付いていないと思う方もいるかもしれません。しかし実際は全ての車に水温計は取り付けてあります。その見方と、水温計を利用したトラブル回避を紹介していきます。

車の水温計とは?仕組み/・表示の意味・取り付け方法

車の水温計とは?

現在の車は、エンジンから発生する熱を冷やすために水を使っています。これを水冷エンジンと言いますが、その冷却している水の温度を知るために車には水温計が取り付けられています。
エンジンの冷却水には適正温度がありますが、水温計の存在を知らなかったり見方を知らないと、異常に気が付かずにエンジントラブルになる場合があります。そのため水温計により冷却水の温度をドライバーに知らせる事は重要です。

仕組み

水冷エンジンには、エンジン廻りに水路があり、その中を冷却水が流れエンジンを冷却しています。エンジンの熱で熱くなった冷却水は、ラジエーターへと流れていき走行風で冷やされたあと、エンジン廻りに戻りエンジンを冷却しています。水温計はエンジンを冷却している水路にセンサーが取り付けられていて、そのセンサーの温度をドライバーにインパネ(インストルメントパネル)内の計器で知らせています。

最近の車には水温計が付かなくなりました。視覚的にランプで知らせるものが主流となり、今現在の水温がどのくらいの温度なのか知ることができません。また純正装備されている水温計もHとCの間に針があるだけで、とてもアバウトです。
そこで、社外品の水温計を付ける事により、車のコンディションを細かく知ることができます。興味がある方は取り付けてみてみるとよいでしょう。

価格

水温計の種類は非常に多く、価格も5千円ほどから高い物は3万円ほどします。あまり安い物は、制度の問題と取り付け作業が大変な事も多いです。平均的な1万円前後の水温計なら問題ないでしょう。
水温計を取り付けるには、通常ラジエーターホースをカットし、そこにアダプターを取り付けます。別途アダプターも必要になりますが、こちらは数千円で購入できます。
取り付け工賃は車により変わりますが、カーショップでは約1万円~となっています。

比較

純正装備されている水温計は非常にアバウトです。今の水温が何℃なのか知りたいときは後付けの水温計が役に立ちます。実際、純正の水温計は20℃から120℃の範囲となっており、それをCとHで表示してあるだけです。
適正温度を把握するためにも後付けの水温計は非常に便利なアイテムです。

燃費

水温と燃費は関係ないと認識している人も多いことでしょう。しかし、非常に密接な関係があります。
エンジンが始動した直後は、アイドリング回転が高くなっているのをご存知でしょうか。エンジンは冷えていると、適正な水温になるまでエンジン回転は高くなります。すると必然的にガソリンを多く消費するので、燃費が悪化します。
もしオーバークールの症状が起きると、寒い冬場はいつまでたっても水温は上昇しないので、燃料消費は多くなります。
反対にオーバーヒート気味になるとノッキングが起き始めます。エンジンコンピューターは燃料の噴射量や点火時期を調整しエンジンを冷やす努力をします。
オーバークールでもオーバーヒートでも燃費は悪化します。

車の水温計の表示の意味

ランプ

車のインパネにあるランプは車の異常を知らせるものがほとんどです。水温計の装備がない今の車は、水温のランプの点灯の意味をしっかりと理解して、問題ある時は適切な対処をする必要があります。

マーク

最近の車は、インパネ内に水温計の表示が無くなりました。その代わりに冷却水の温度が低いとマークで知らせます。HとCのマークがありますが、HはホットでCはクールの意味です。

上がる

水温が上がってくるとC(クール)の青または緑のランプが消えて適正温度になったことを知らせます。しかし120℃付近になるとオーバーヒートの知らせとしてH(ホット)の赤いマークが点灯します。

低い

水温が低いといつまでたってもCマークは消えません。Cマークは20℃前後であることを示しています。

消えない

Cマークがいつまでたっても消えないときは、冷却水の経路にトラブルが考えられます。一番最初に疑うのはサーモスタットの故障です。早めに整備工場で整備をしましょう。

点滅

赤いHランプが点滅をしたときは、冷却水の温度が高くなってきたときです。冷却水の量が少なくなった時に多く発生しますが、そのほかにも考えられる故障もあります。

①ウォーターポンプ故障

②ラジエーターファンの故障

③サーモスタットの故障

これらが考えられますので早めに整備工場にて点検を行ってください。

点灯

写真のようにHランプが点灯した場合は、オーバーヒートが考えられます。直ちに安全な場所に停車してエンジンを切らずにボンネットから蒸気が出ていないことを確認してからボンネットを開けて様子を見ましょう。その時に冷却水の漏れが車の下に無いかも確認してください。もし漏れていれば甘い匂いがします。また、リザーバータンク内が沸騰している時は絶対にリザーバータンクの蓋を開けないように。やけどの危険があります。空っぽなら水を直ちに入れてください。
オーバーヒートはそのまま乗り続けると、エンジンに重大なダメージを与えます。最悪はエンジン載せ替えになる事もあります。

90度

車の水温はラジエーターのアッパーホース付近で90度位で推移しています。90度を超えてくると燃料や点火時期の高温補正が入りオーバーヒートをしないようにエンジンコントロールをします。

平均温度

国産車と輸入車とでは、水温の平均温度が違います。国産車は平均温度は90度ですが、輸入車で特に欧州車は、冷却系が密閉式で高圧状態にし100度を超えるものがあります。100度で沸騰するだろう。という考えはごもっともですが、それは大気圧での話。高圧にすることで問題が無くなります。その代わりにラジエーターキャップの密閉度が重要になります。

正常値

国産車の冷却水の適正温度は70度から95度です。通常走行中は90度近辺で推移する事が多いです。欧州車では水温が高めになっており100度近辺となっています。
エンジンは燃料を燃やしているので、それを冷やすことは逆の行為です。効率よく燃焼するには温度は高い方が良いのですが、エンジンは鉄やアルミといった素材の他にプラスチックも使われています。熱を持ち過ぎればエンジン素材を痛めるので、エンジンを壊さないための適正温度をキープさせる必要があります。

異常

水温計を見ていつまでも水温が上昇しないときや、どんどん上昇してしまう時は、冷却水の機構にトラブルを抱えています。インパネの水温マークは、水温が適正温度になれば消えます。しかしCマークが消えてすぐにHマークが付く場合は異常です。
夏場と冬場では、Cマークの消える時間が異なりますが、概ね10分ほどでマークは消えます。それ以上点灯している場合は、冷却系統の異常が考えられます。

冷却水はLLC(ロングライフクーラント)といいます。通常の色はメーカーにより、緑か青もしくは赤を使っています。トヨタ系は赤色のLLCでその他は緑や青のLLCを使っています。
長い間交換しないと、色が濁ってきます。LLCにはエチルグリコール(不凍剤)、防食剤、防錆剤が含まれており、交換しないとその機能が低下しラジエーターやウォーターポンプなど冷却機構に悪い影響を与えます。2年に1度の車検時期に交換をお薦めします。

オーバークール

オーバークールとは、いつまでたっても水温が上昇してこない事を言います。原因はサーモスタットの異常が考えられます。
冷却水の水路は、エンジンからラジエーターに循環するようになっていますが、エンジンが冷えているときは、ラジエーターに冷却水を流さないように途中に弁があり閉じています。エンジンが温まり水温が上昇してくると、冷却水の温度を適正に保つために、ラジエーターに水を流して、冷却水を冷やして循環させます。この弁が開きぱなしの場合、水温計はいつまでも低いままです。

オーバーヒート

水温計の針がグングンと上昇して、H近くまで上がり始めるとオーバーヒートの兆候の可能性があります。赤いHマークがつかなければ問題ないですが、アナログで針が上昇すると非常にびっくりします。
通常針の場合は真ん中あたりをキープしているので、もしそれ以上に上がればオーバーヒートの可能性はあります。このまま乗り続けるとエンジンを壊してしまい、数十万円の出費となる事もあり、オーバーヒートは軽視できません。オーバーヒートさせないためにも日頃からボンネットを開けて、リザーバータンク内の水量を確認する習慣をつけましょう。

水温計の取り付け方法

純正の水温計は、今はランプ式が多くなりました。実際の水温を把握するために水温計を付けることは、エンジンを守るためにも良いですし、また室内のドレスアップにもなります。

後付け

水温計を後付けするには、水温センサーを冷却水の通路に取り付ける必要があります。通常は、ラジエーターのアッパーホースに取り付けます。ロアホースはサーモスタットが開くまでは冷却水の温度は冷えたままなので適しません。

アタッチメント

アタッチメントが無ければ、水温計センサーは取り付けられません。写真のようなアタッチメントを、ラジエーターのアッパーホースを切断して割り込ませて使用します。

位置

水温計を取り付ける位置は、運転に支障をきたさない場所に取りつけます。主に運転席側のピラーに取り付けたり、ダッシュボードのセンターや、ハンドルコラムの上などが取り付け候補となります。

配線

水温計の配線とは、水温計のセンサーからの電気信号の配線や、イルミネーションを点灯させる配線を行います。イルミネーションはライトスイッチに配線すると良いでしょう。
電気配線をする時は、安全の為にバッテリーの-端子を外してから作業します。
エンジンルームから、室内に配線するのでバルクヘッド(エンジンルームと室内スペースの隔壁)にある既存の穴を利用します。

種類別の車の水温計

デジタル

デジタルは視認性が良いので、見てすぐに何℃かわかる利点があります。

アナログ

アナログは、非常にレーシーな雰囲気があります。イルミネーションの色も変えられるものもあります。

メーカー・販売店別の車の水温計

KOSO

KOSOの水温計はコンパクトで見やすくしかもリーズナブルなところが非常に良いです。精度も車の水温計の大手メーカーと比較しても違いはないです。

スミス

イギリス製水温計のスミスはローバーミニに使われています。

Aamzon

Amazonは豊富な品揃え魅力です。デザイン、機能で自分好みを選ぶことができます。ぜひ自分好みのものを探してみてください。

オートバックス

オートバックスでは、お目当ての水温計が店頭に置いていない場合が多く、その場合は注文販売となります。利点として、取り付けに自信がない人は、オートバックスで取り付けしてもらえることです。しかし持ち込みの取り付けは、水漏れなどのトラブルがあった場合お客さんとのトラブルを避けるために断られるでしょう。これは大きな量販店であればどこでも断られるので注意が必要です。

ヤフオク

言わずと知れた日本最大のネットオークションですが、新品は意外に他の店舗やサイトと金額は変わらないことが多いです。中古品は安く買えますが、水温計のセンサーは消耗品なので使用期間が気になります。安くても中古品の購入は見合わせた方が良いでしょう。

楽天

国内最大級のインターネットショッピングができるサイトです。品ぞろえが非常に多いのが特徴でしょう。

季節別の車の水温計

日本には四季があり特に夏と冬では、水温計の上昇スピードや、冷却ファンの動きがだいぶ変わります。オーバーヒートやオーバークールにならないためにどうすればよいか解説していきます。

夏場は特にオーバーヒートに気を付けなければなりません。特に運行前にラジエーター内のクーラントが適量入っているか、リザーバータンクを確認する事がオーバーヒートにならないために重要になります。夏場のオーバーヒートの原因は冷却水不足が非常に多いです。
冷却水も時間とともに蒸発しますので気を付けましょう。

エアコン

エアコンとオーバーヒートの関係は、エアコン作動によるエンジンの負荷が大きくなることで起きます。エアコンは、エンジンの出力でコンプレッサーを回していますので、エアコンを最大で使用し続けるとアイドリングが上がり続けます。その状態で渋滞にはまると、走行風が無いのでラジエターファンが全開で周り続けます。しかも周りの車の熱気も加わり思うように冷却されなくなり、オーバーヒートとなる可能性があります。

クーラント

クーラントは定期的に交換することが望ましいです。無交換では、クーラントの中に添加されている防錆剤、防食剤が劣化して、ラジエーター内にヘドロ状の物質がたまり、冷却機能の低下を招きます。また最悪はラジエーターが腐食し穴が開いたり、ウォーターポンプやサーモスタットを故障させる原因にもなります。

冬場は、水温の上昇はゆっくりとなります。冬場にあまりオーバーヒートの話は聞きませんが、注意したいのが冷却水の凍結。凍結すればラジエーターは氷の膨張でパンクし壊れてしまうので注意が必要です。
冬場に水温が走行しても上がらずヒーターも暖かくならないときは、サーモスタットが故障ししている可能性が高いです。

車の水温計の修理

車の水温計で故障する場所は、水温センサー部分です。純正の場合、エンジンブロックに取り付けてあるので、交換する事になります。その他はメーター本体の故障。純正品だとメーターパネル内の玉切れでランプがつかないことが多いです。

水温計で車のコンディションを把握しよう

水温計は車のコンディションを知る重要なパーツの一つです。最近の車はオーバーヒートする事が少なくなりましたが、油断は禁物です。特に追加で水温計を取り付けた場合、取り付け部からクーラントの漏れがないかチェックをこまめに行う必要があります。せっかくトラブル回避のために取り付けた水温計がトラブルの引き金になることは避けたいです。
普段あまり気にすることのない水温計ですが、油断せずに確認することを心がけ、重大なトラブルから車を守りましょう。

初回公開日:2017年11月11日

記載されている内容は2017年11月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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