ミライースをターボ車にカスタムする方法|改造/価格/注意点
更新日:2024年10月26日
ミライースをターボ車にカスタムする方法
ミライースは、エコを前面に打ち出して販売されている軽自動車です。徹底した軽量化と空気抵抗を減らし駆動系の転がり抵抗を低減させるなど、車が走るのに抵抗となるものをそぎ落とした車です。
現行ミライースのグレードは、2WDと4WDでそれぞれ4種類の設定があり、のその中で一番軽いLとBはたったの650Kgしかありません。これは軽自動車でクラスの軽さを誇ります。もしターボ改造ができれば、非常に楽しいアグレッシブな車になるでしょう。
改造
ミライースはNAエンジンの設定しかありません。よってターボrチューニングしようとすると、ボルトオンターボのキットを装着する方法となります。
NAの車にターボを装着すると聞けば、その改造は非常に難しい作業と考えるのは昔の話です。最近では、NA車に簡単にターボを装着できるキットが販売されており、エンジン本体に手を加えなくても手軽に改造ができます。
ターボキットとは
ミライースにターボを装着するには、色んな部品を交換または新しく装着しなければなりません。その構成部品のすべてを一つのパッケージにしたものがターボキットになります。
このターボキットの基本的な構成部品は、ターボ本体、専用エキゾーストマニホールド、専用サクションパイプ、レーシングプラグ8番、ステンレス製 専用エアインテークパイプ 、オリジナルエアクリーナーがミライースのターボキットの中身になります。この他に触媒の加工が必要になります。
ミライースのターボキットの価格
ミライースのターボキットは、関西で軽自動車のチューニングを得意とするパワーハウスDTMが販売と取り付けを行っています。DTMがあらゆるシーンの耐久性の実験を重ねて開発しました。販売されているターボキットは全部で3種類あり、全て工賃込みの金額です。
①(ボルトオンターボキット Turbo-S)このキットは、過給圧を純正ECUが持つ学習機能の範囲内である0.25~0.3kpaに設定されており、コンピューターに手を加えなくても大丈夫な仕様となっています。価格は240,000円(税抜)。
②(ボルトオンターボキット Turbo-R)さらにパワーアップを望む方は、サブコンで燃調を制御し、過給圧を0.4~0.48Kpaに上げて大幅なパワーアップを実現しました。価格は300,000円(税抜)。
③(ボルトオンターボキット Turbo-Z)は、TRUST 「Greddy e-manage Ultimate」を使用することで、より広範囲に燃調を制御をし、よりパフォーマンスの向上がされています。しかもエコ性能は残したままというのが嬉しい仕様です。価格は350,000円(税抜)。
ミライースをターボ車にカスタムする時の馬力の注意点
ミライースは低燃費を売りにしたNA車なので、ターボ化するとコンピュータのセッティングを変える必要があり、ガソリンもハイオク仕様となります。
ガソリンエンジンは空気の量を測り、それに見合ったガソリンを噴射していますから、ターボ化してエンジン内に充填する空気の量が増えれば、噴射するガソリンの量も増やさなければなりません。馬力を上げようと考えれば、エンジン内への空気とガソリンの量を増やします。一番手軽なのがブーストアップによる馬力向上です。
しかし、純正のECUには燃料マップが高出力を出すために対応していません。そこで馬力を上げるとなれば、サブコンピュータを使いECUを制御して燃料噴射量や点火時期を調整する必要があります。その他、馬力が上がれば車体へのダメージも増える事を忘れないようにしましょう。
車はトータルでチューニング
車体の軽いミライースは、DTM製のボルトオンターボキット Turbo-Zを取り付けて、自分好みのセッティングが出れば相当速い車になるでしょう。しかし速いというこは、止まる力も重要になります。
ブレーキを強化して、パワーに見合った足回りを入れボディーも補強してと考えれば、相当のお金が必要になるでしょう。しかしパワーを上げる時はトータルでチューニングしなければ危険な車になることを忘れないでください。
ミライースターボ車の中古の値段
ミライースにはターボ車の設定がないので、ターボ付きの中古車は無いと考えた方が良いでしょう。というのも、NAエンジンにボルトオンターボをつけたミライースは少なからず存在しますが、市場に出てくる可能性は非常に低いからです。
そこでミライースの中古車を探して、ターボを付けるほうが現実的となります。ミライースの中古車の相場は50万円から90万円なので、例えば90万円のミライースに24万円のターボキットを装着すれば114万円でミライースターボを手に入れることができます。
新型ミライースのターボ改造のやり方
新型ミライースのエンジンは、エンジン型式は先代と同じですが、アトキンソンサイクルエンジンとして生まれかわりました。このアトキンソンエンジンは、圧縮時に吸気弁を遅らせて閉じることで、混合気を意図的に逃がします。これでは仮にターボチャージャーで過給しても混合気は捨てられてしまうので、思ったパワーは出せれません。
アトキンソンサイクルの制御を可変バルブタイミングで行っているので、バルブタイミングコントローラーがあれば可変圧縮できノックセンサーでフィードバックをかけながら、ノッキングギリギリまで過給できるのでパワーも上がるでしょう。
新型と旧型の違い
ミライースは「e:Sテクノロジー」としてダイハツの既存の技術を見直して、圧縮比の向上やインジェクター噴霧微粒化により燃焼効率を高めました。「i-EGRシステム」を採用し、2011年に初代ミライースが誕生しました。
この初代ミライースは、2014年7月にマイナーチェンジされるまでは、52ps/6,800rpmでしたが、マイナーチェンジでアトキンソンサイクルエンジンとなりパワーは49ps/6,800rpmへと低下しました。
新型は2017年7月に誕生しましたが、エンジンはアトキンソンエンジンを使っていますが、オルタネーターへ伝えるベルト駆動を低フリクション化させるなどメカニカルロスを低減させました。
アトキンソンエンジン
ミライースのエンジンは、吸気バルブの閉じるタイミングを遅らせることで、圧縮時の負荷を低減させています。これは、アトキンソンサイクル化して圧縮比が11.3から12.2に上昇したことが原因です。アトキンソンサイクルは、膨張比を大きくしているので、12.2という数字は膨張比のことです。このまま圧縮させるとノッキングする可能性が高いので吸気バルブの遅閉じをして圧縮空気を逃がしています。ですから実際の圧縮比はもう少し低いでしょう。
アトキンソンサイクルエンジンは、圧縮比より膨張比を高くすることで、熱変換率を良くすることで燃費の向上になります。複雑なクランクシャフト構造で、圧縮時と排気時のクランクシャフトでピストンが上下する量が変わります。排気時は長いストロークで、圧縮時は短いストロークになります。
このように2014年のマイナーチェンジから、ミライースのエンジンは吸気バルブを遅閉じしているので、ターボ化させるのは難しいと言ってよいでしょう。初期型のミライースとはエンジン本体は共通なので、ターボキットの取り付けは可能ですが、ECUのセットアップが必修となり、データを持っているショップでなければ難しいでしょう。
後期型、現行型にターボを付けようと考えているなら、チューニングショップで納得がいくまで相談しましょう。
ミライースをターボカスタムした時の燃費
ミライースは低燃費で、第3のエコカーと呼ばれています。現行モデルではJC08モードで35.2Km/L走るグレードもありますが、実燃費は23.2km/Lとなっています。
そんなミライースにターボを取り付けるとどなるか。ターボと言えばガソリンをたっぷり使うイメージが強いのではないでしょうか。実際パワーを出せばそれだけガソリンを使うのは事実です。しかし今回ご紹介した、パワーハウスDTMではターボキットを付けて高速道路で検証しその結果約22~23km/hと、ほとんどターボを付けていないときと変わらない低燃費を実現しました。エコをそのままで今までよりパワーが出る優れたターボキットです。
エコを大切にしたターボチューニング
最近の車はエコが叫ばれ、ハイパワーでガソリンを多く使う車は敬遠されるようになりました。ミライースもターボを付けずに、最新の技術を使い低燃費を実現しました。
しかし低燃費を追いかけるあまり、上り坂や追い越しの際にパワー不足が気になることがあります。昔のようにドッカンターボでガソリンとCO₂をまき散らすようなチューニングカーではなく、今回紹介したようなエコなターボチューニングなら環境にやさしく、いざとなればアグレッシブな走りもできます。今風なチューニングで楽しいカーライフを送ってみましょう。
初回公開日:2017年11月20日
記載されている内容は2017年11月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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