マセラティの搭載エンジンの種類・エンジンオイル・エンジン音
更新日:2024年10月28日
マセラティの搭載エンジンの種類
最近都内や地方の主要都市でもマセラティを見ることが多くなりました。マセラティは創業1914年で100年以上続く老舗メーカーです。発祥はフェラーリやランボルギーニと同じくイタリアのモデナという田舎町ですが、フェラーリとランボルギーニと違う点は、2005年にフェラーリ親会社のフィアット直轄となったのをきっかけに販売戦略を変えたことが大きいでしょう。
マセラティと言えば、パワフルでエンジン音も勇ましく燃費やエコなど全く関係ないといわんばかりのエンジンを搭載しています。ここからはどんなエンジンが搭載されているのかを紹介していきます。
クアトロポルテ
クアトロポルテを日本語にすると、クワトロは4、ポルテがドアを意味します。1998年にフェラーリ傘下になってから、フェラーリの技術が導入されるようになりました。
現行モデルは6代目ですが先代の5代目は、フェラーリF430とベースエンジンが同じで、4.2リッター/400馬力のV型8気筒・DOHC32バルブが積まれています。
現行モデルに搭載されるエンジンは、設計がマセラティで生産がフェラーリという全く新しい60°V型6気筒3リッターツインターボで、最高出力は350ps/5500rpm最大トルク500Nmを発生するエンジンと、430ps/5750rpm最大トルク580 Nmを発生するクワトロポルテSがあります。
クワトロポルテ GT Sは、90°V型8気筒ツインターボエンジンを積み、最高出力は530ps/6500-6800 rpm最大トルク710 Nmに達します。
クーペ
マセラティクーペは2002年デトロイトモーターショーでデビューした2ドアクーペのフル4シーターです。一見3200GTのようですが、その心臓部にはフェラーリ製の4.2リッターV8が積まれています。
バンク角は90度。吸気側に可変バルブタイミング機構を備えたオールアルミエンジンで、NAながら390ps/7000rpmの最高出力と46.0kgm/4500rpmの最大トルクを発生します。
3200GT
3200GTはフェラーリ傘下になって最初の車です。しかし中身はマセラティ最後の自社製で、伝統の90°V8DOHC3.2リッターツインターボエンジンが積まれ最高出力370HP/6250rpm最大トルク50.0kgm/4500rpmを発生します。
エンジンフィールはNAでは味わえない、加給圧の上昇とともに危険な程の加速感が襲ってきます。0-100Km/hは5秒台という当時では驚異の速さを誇っていました。この加速は現代の車では味わえないドッカンターボです。
マセラティグランツーリズモ
グランツーリズモは2007年3月にジュネーブショーで発表されて、2009年にオープンモデルのマセラティ・グランカブリオが発表されました。
発売当初は、V8エンジン排気量4.2L(4,244cc、405PS/7,100rpm、47.0kgm/4,750rpm)と、排気量4.7L(4,744cc、440PS/7,000rpm、50.0kgm/4,750rpm)の2本立てで、ヘッドカバーを4.2Lを青色とし、4.7Lは赤色にして差別化を図っていました。
2017年にマイナーチェンジをして4.7Lに統一されましたが、このエンジンはフェラーリから供給されるマラネロ謹製のV8ノンターボエンジンで、これが最後の大排気量NAエンジンとなるでしょう。
ギブリ
1966年に登場した初代マセラティギブリは4.7もしくは4.9リッターのV8エンジンを搭載し、フェラーリ・デイトナ、ランボルギーニ・ミウラP400と争っていました。その後2代目のマセラティギブリが1992年に登場しイタリア本国仕様に2.0L V型6気筒、輸出仕様に2.8L V型6気筒エンジンが搭載されていました。
2代目は初代から19年ぶりの登場で、当時ギブリⅢと呼ばれ、1980年代を代表するマセラティのビトゥルボ系(ツインターボ)の最終完成形のモデルです。このV6ツインターボは、後に3200GTに受け継がれました。
ディーゼル
現行モデルには2つのタイプが用意され中でも注目されるのは、3L V6ディーゼルターボエンジンでしょう。最高出力275hp/4000rpm、最大トルク600Nm/2000rpmとなっており、他のディーゼル車とは違いマセラティらしいエンジン音を聞けるのも特徴です。
もう一つは3L V6ツインターボエンジンが用意されパワーは350hpと430hpの二種類が用意されています。
マセラティのエンジンオイル
マセラティと言えばビトゥルボ(ツインターボ)。しかしエンジンに熱がこもりやすくなるため、エンジンオイルの管理には非常に気を使います。高級オイルを使い小まめな交換が必要で、怠ればタービン焼き付きが起こる可能性があります。
現在、純正指定オイルはShell Helix Ultra 5W-40 API SM/CF100%化学合成オイルとなっていますが、オーナーの好みで他のメーカーのオイルをチョイスされていることが多いです。
のオイルは、モチュールV300、YACCO GALAXIE、NUTEC、Mobile1がよく使われています。高性能に越したことはありませんが、一番大事なのは純正指定のオイル粘度を合わせる事です。
交換など
マセラティのエンジンオイル量は非常に多く入っています。車種にもよりますが概ね9Lを必要とするので、他の外車に乗っていた人でもびっくりするでしょう。
エンジンオイル循環方法もドライサンプ式とウェットサンプ式の2種類が用意されており、ドライサンプ式はオイルタンクと薄いオイルパンの2か所からオイルを抜く必要があります。一方ウェットサンプ式は一般に主流の方式なので、通常通りオイルパンからオイルを抜いて作業をします。
マセラティのエンジン音の特徴
マセラティのエンジン音は始動時はもちろん、加速時には脳みそに響く迫力のあるサウンドを奏でます。この手のハイパフォーマンスカーはエンジン始動時にも演出されており、スターターをひねってエンジンに火が入った瞬間にやる気満々の吠える音を出します。
フェラーリとの共通エンジンを乗せているクワトロポルテなどは、4ドアセダンなのでフェラーリより大人しい排気音です。しかし普通のセダンとは全く違うスポーツカーらしい音をしているのが特徴でしょう。またアフターパーツにマフラーを交換すれば、フェラーリミュージックを奏でることができます。
マセラティのエンジンがかからないときの対処法
マセラティのような高級車は故障すれば非常に高い出費となります。しかしエンジンがかからない理由として多いのがバッテリー上がり。バッテリー上がりの場合、通常のロードサービスのジャンプスターターの容量によってはエンジンはかかりません。そこでバッテリーを追加で並列に繋ぐとかかることがあります。
この他よくある事例が、配線の不具合やカプラーの不具合。主要センサーのカプラーやそこにつながる配線の被覆が破れてショートしていることがあります。走行していて信号待ちで止まった時にエンストしてエンジンがかからなくなる時にはセンサー故障もありますが、配線の不具合もあるので注意深く調べる必要があるでしょう。
もう一つはアース線の取り付け部が緩んでいたり錆びていて導通が悪くなっていることがあります。アース線はエンジン始動だけに限らずあらゆるところに不調をもたらしますから注意が必要です。
マセラティのエンジンチェックランプの位置
マセラティのエンジンチェックランプは、スピードメーター内の上に有ったり、スピードメーターとタコメーターの間の上にある事が多いです。
エンジンチェックランプが付けば、直ちに整備工場で点検を受ける必要があるでしょう。しかし古いマセラティなどはエンジンチェックランプが点灯しても、エンジンをいったん切ってもう一度エンジンをかけると消灯していることがあり役立たずな警告灯であることもあります。
デ・トマソやフィアットの時期のマセラティではエンジンチェックランプが点灯していないとコンピュータ診断にかけられません。しかしフェラーリ傘下になったころからはエンジンチェックランプのエラーがコンピュータに残りますので、ディーラーで点検しましょう。
車好きにはたまらにエンジン
マセラティ―は非常に歴史のある自動車メーカーです。フェラーリと同じエンジンを積んでいたりと、とてもパワフルがありレーシーなエンジンです。
中古車ではフェラーリを買おうにも庶民には高根の花でしょう。しかし中古車ならフェラーリのV8エンジンを積んだマセラティ―クアトロポルテなら300万円で買う事も可能です。
中古車でマセラティを購入してエンジンオイルに気を配り、車のご機嫌を取りながらフェラーリのエンジン音を奏でるのも車好きにはたまらにことでしょう。
初回公開日:2018年01月12日
記載されている内容は2018年01月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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