車のエアロパーツの取り付け方法と修理方法|メーカー/隙間埋め
更新日:2024年08月16日
車のエアロパーツの取り付け方法
エアロパーツは大きく分けてフロントバンパースポイラー、サイドステップ、リアバンパースポイラー、リアスポイラー、リアディフューザーの5点になります。それぞれ取り付けには両面テープや純正のネジ穴を使用して取り付けます。
ABS製品のハーフスポイラーでしたらDIYでも取り付けできるでしょう。しかし、FRP製のエアロはDIYでの取り付けは非常に高度な作業になります。それはFRPの特性上フィッティングに難がありポン付けできる代物ではないからです。そこでどうやってFRP製のエアロの取り付けるのかをご紹介していきます。
FRP製エアロの取り付け
FRP製のエアロは車と同じ色を塗ってから取り付けします。そこで板金塗装屋さんで塗装してもらい自分でエアロを付ける方も多いですが、結構な割合で失敗をしてしまいます。それはエアロの精度が悪いのでフィッティングが上手くいかずせっかく塗った塗装が割れてしまったり、最悪はエアロが割れてしまいます。
エアロを取り付けるには、最初、車に仮合わせをします。その時にネジ穴の位置やチリが合っているか、無理なく取り付けられるかを確認しもしフィッティングに問題あれば加工をします。加工終了後塗装をして取り付けをする流れとなり、綺麗に取り付けるには非常多くの作業が発生してきます。
接着剤
エアロパーツを車に接着剤で取り付ける場合、車は走行中ボディーが動いているので硬化後も弾性のあるボンドやシールング接着剤を使用します。もし硬化した後が硬い接着剤を使用すると車のボディーの動きにスポイラーが対応できずに割れてしまう事ことがあります。
エアロを外す時に、接着剤をボディーから剥がすのに塗装を傷つける可能性も高くなりますし、エアロも割れてしまう可能性があります。このように接着剤を使用しての接着は取り外しが容易にできなくなるので、あまり現実的な取り付け方法ではありません。ただし一生取り外さないのであれば問題ありません。
両面テープ
両面テープには色んなな種類が用途ごとで販売されています。両面テープは下地処理をしっかりと行う事で、強固な接着能力がうまれますので、接着前に車の汚れをしっかりと落として、脱脂を入念に行ってから取り付けを行います。
両面テープには一般のホームセンターで売られているものより、業務用として自動車修理工場が使っている物の方が接着能力が高くなっています。特にスポイラーを取り付ける時には、上の写真のような自動車生産ラインでも使われる両面テープが好ましいでしょう。
車のエアロの修理・補修方法
エアロを車につけるとちょっとした段差や、輪止めなどに気を使いながら走りますが、ちょっとした不注意でエアロに傷をつけたり割ってしまった経験がある人も少なくないでしょう。
車のエアロは主にFRP製とABS樹脂製とにわかれます。エアロの素材の違いで修理方法は変わってきますので、その違いを見ていきます。
FRP製
FRP製エアロはガラス繊維で作られたエアロなので、割れてしまうと「ささくれ」ができるのでABS製とはすぐに見分けがつきます。
FRP製を修理する場合はガラス繊維とポリエステル樹脂(FRP樹脂)を使って修理していきます。傷がゲルコートで止まっているか、その下の樹脂まで広がっているかで、修理方法は変わります。
ABS製
ABS樹脂は、通常の接着剤ではくっつきません。そこで半田ごてを使って溶かしてくっつけたりします。しかし半田ごてで溶接するには技術がないとできないので一般向けではありません。そこでABS樹脂はアセトンを使うと樹脂を溶かして接合することができます。アセトンが手に入らなければ、通販でアクリサンデーというアクリル用接着剤を購入すれば、同じように素材を溶かして接合させることができます。
傷
エアロにできた傷を補修する場合は、車から取り外して作業したほうがしやすいでしょう。FRP製のエアロは、表面に傷がついただけに見えてもグラスファイバーの内部にクラックが入っている可能性があります。そこで表面をベルトサンダーやリューターなどで傷が消えるまで周辺を削り落としてから、ファイバーパテやバンパーパテを使って表面を形成して修理します。
表面の形成ができたら、特にゲルコートを塗る必要はなく中塗りのプラサフを吹いてから塗装をしていきます。
割れ
エアロがFRP製の場合、車を軽くこすっただけでも割れてしまうことがあります。特にバンパースポイラーは取り付けのビス部分に負荷がかかり割れる事が多いです。
FRP製品が割れた場合の補修は、割れた所を補強して接着する必要があります。車からエアロを外して、割れた部分の表側にガムテープやアルミテープをシワができないように綺麗に貼り、裏側にガラスマットをFRP樹脂で接着していきます。この時に1枚だけでなく最低3枚のガラスマットを貼る事が重要です。貼る面積も傷より大きめにカットして貼り付けていきます。
補強した部分が硬化したら表側を研磨してバンパーパテを使い形成させます。形成完了後はプラサフを吹いて塗装して仕上げます。
車のエアロパーツの塗装方法
エアロを塗装するには、車に取り付けた状態では行いません。必ずエアロ単体で塗装を行います。
通常エアロはゲルコートが表面に施されているので、まずは足付け研磨を320番の空研ぎペーパーで行います。その後ゲルコートには巣穴が多くありますから、ポリパテで巣穴を埋めていきます。全ての巣穴を拾って表面に足付けが完了したら脱脂作業です。ゲルコートはしっかりと脱脂しないと塗料が弾きますのでシリコンオフをよく吹きかけながら綺麗なウェスで拭き取ります。
プラサフを脱脂後に吹き付けて乾燥後に巣穴があれば、その巣穴をポリパテで拾って800番の水研ぎで塗装前の足付けをします。足付け終了後塗装となります。
FRPはメーカーによりゲルコート処理が綺麗でないものが多く、下地作りをしないと綺麗に塗装できません。また面積の広いドアパネルなどは、ゲルコートの歪みが塗装後に出る事も多く、下地処理が非常に重要です。
車のおすすめエアロメーカー
車のエアロはどこのメーカーも同じではありません。メーカーによって作りが雑なところがあります。ひどい場合はエアロを取り付ける時にサイズが合わずに加工が必要になるメーカーもありますので、エアロメーカーを選ぶ際は次の事に注意が必要です。
エアロメーカーは名前の知られているメジャーなメーカーを選ぶようにしましょう。同じようなデザインで格安で販売されているエアロは粗悪品も多いので注意が必要です。エアロの値段が安いからと購入すると取り付けに工賃が余計にかかり、トータルで高いエアロを買ったほうが安く仕上がるなんてこともあります。
エアロはそのデザインに好みもありますが、昔からある老舗メーカーの商品でしたらFRP制作のノウハウがしっかりしているので、取り付けの際手直しもほとんどありません。エアロメーカーを選ぶ際は、老舗メーカーや名の知れたメーカーから選ぶようにしましょう。
車のエアロの隙間埋め方法
エアロを車に取り付けて隙間が空いていると、日が経つにつれて隙間にゴミやホコリがたまり白くなって見栄えも悪くなってきます。そこでその隙間を簡単に埋めるにはモールを使って埋めるのが綺麗にできます。
モールを張り付けるには、一度エアロを車から取り外す必要があります。取り外さずに隙間にモールを挟み込む方法もありますが、モール自体に両面テープがついているので、差込ではうまく貼ることができない場合もあります。
この他に隙間をパテ埋めする方法もありますが、バンパーだとパテ埋めすれば外す時に壊さないと外れないので、パテ埋めはサイドステップ位にとどめておいた方が良いでしょう。
車のエアロパーツの取付工賃
車のエアロパーツの取り付け工賃は意外に高くなります。それはエアロを買ってポン付けで車に取り付けることができないのがその理由です。
取り付けには板金屋さんにお願いすると綺麗に仕上がります。車に違和感なくフィットさせボディーカラーも色合わせをしっかりと行うので車とエアロが色が違うなんてことになりません。
工賃は、その場所で全て変わってきますし、塗る色でも変わってきます。通常は買ったエアロ単体とほぼ同じだけ工賃がかかると考えてください。例えばフロントバンパースポイラーを3万円で購入したら、取り付け工賃も塗装込みで3万円近くかかる事を覚悟したほうが良いです。もちろん塗装色がソリッドカラーならばそれよりも安くなることもあります。
安く塗装して取り付けた場合、取り付け後のクオリティーを気にしないことです。安い取り付けでは取り付け部分の隙間やエアロ自体の修正ができていない事が多いでしょう。
エアロの取り付け修理は専門業者で
車のエアロパーツは、そのまま取り付けることができない特殊なパーツになります。色付きも確かに販売されていますが、ほとんどが塗装が必要になり、塗装前の下準備も非常に重要なパーツです。
車をカスタムするうえで、エアロパーツは非常に魅力がある商品ですが、知識と技術力が無ければDIYで取り付けしないほうが良いでしょう。エアロ自体が高価なパーツになりますので、DIYで取り付けをして失敗するとその修正に余計な出費が生まれますか板金屋さんにお願いするのが得策になります。
修理に関してもFRPはグラスマットを使うのと溶剤を数多く使用するので、知識が無ければ人体に悪影響を及ぼす危険があるので、DIYでの作業はやらないほうがよいでしょう。
初回公開日:2017年12月20日
記載されている内容は2017年12月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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