タイヤの表記の見方と意味・製造・サイズの表記|バイク
更新日:2024年06月13日
タイヤにも様々な種類が存在する
普段、何気なく乗っている自動車やバイクにはタイヤが付いています。何を言っているのと思われる方もいるでしょうが、タイヤが付いているのは当たり前の事です。タイヤが無くては自動車やバイクは走ることもできません。
つまり、タイヤは自動車やバイクにとって重要なパーツの一つであるという事です。その重要なパーツの一つであるタイヤには、その構造や用途などにより、さまざまな種類があります。まずはタイヤの種類について紹介していきます。
タイヤの用途による分類
単に自動車と言っても、乗用車があったりトラックがあったりしますが、タイヤも車両の用途毎に、大きく4つに分類されます。日本自動車タイヤ協会が示すタイヤの分類は次のとおりです。
1.自動車用タイヤ:さらに、乗用車用タイヤ(PC)、小型トラック用タイヤ(LT)、トラック・バス用タイヤ(TB)に分類されます。
2.産業車両・建設車両用タイヤ:フォークリフトなどの産業車両用タイヤ(ID)、ブルドーザーなどの建設車両用タイヤ(OR)に分類されます。
3.農業機械用タイヤ:田植え機やトラクターなどの農業機械用タイヤ(AG)です。
4.二輪自動車用タイヤ:さらに、オートバイに使用するモーターサイクル用タイヤ(MC)と、スクーター用タイヤ(MOP)に分類されます。
その他に、自転車用タイヤ、航空機用タイヤなどがあります。
タイヤの構造による分類
先に、タイヤの用途による分類を紹介しましたが、タイヤの構造によっても分類があります。その種類は次のとおりです。
バイアスタイヤ
カーカスと呼ばれるタイヤの骨格にあたるコード層が、斜め方向かつ複数枚を交互に重なっています。中央部にブレーカーと呼ばれるコード層を加えて締め付ける場合もあります。この構造をバイアス構造と呼び、バイアス構造のタイヤをバイアスタイヤと呼びます。
バイアスタイヤは、低速度や悪路走行での乗り心地がよく、比較的製造方法が容易であることから、主に産業車両・建設車両用タイヤ、農業機械用タイヤ、二輪車用タイヤに多く採用されています。
ラジアルタイヤ
カーカスと呼ばれるタイヤの骨格にあたるコード層が、タイヤの中心から放射状に配置されています。またタイヤの接地する部分は、ベルトと呼ばれるコード層で強く締め付けています。この構造をラジアル構造と言い、ラジアル構造のタイヤをラジアルタイヤと呼びます。
ラジアルタイヤはバイアスタイヤと比較して、発熱が少なく、操作性や安定性や燃費性に優れ、高速での乗り心地が良いというメリットがあり、主に自動車用タイヤに採用されています。
また、タイヤの中にチューブが入っているものをチューブタイヤといい、チューブが入っていないものはチューブレスタイヤといいます。現在の自動車のほとんどが、ラジアルチューブレスタイヤを採用しています。
タイヤの横にある表記とは?
タイヤの横の部分は、サイドウォールと呼ばれています。このサイドウォール部には、タイヤの色んな情報が表記してあります。各タイヤメーカーによって若干の違いはあるものの、タイヤに関する色んな情報が示されています。特にタイヤの規格に関して表記されているものは、日本自動車タイヤ協会規格に沿って表記してあります。
タイヤのサイドウォール部に表記してある主なものを紹介します。
1.タイヤメーカー名と商品名の表記
2.タイヤの指定回転方向や、非対称パターンタイヤの外側・内側の指定の表記
3.スリップサインの位置の表記
4.タイヤサイズの表記
5.製造工場と製造年月の表記
タイヤのサイズの表記
タイヤのサイドウォール部に表記してあるタイヤサイズについて紹介します。例えば「215/45R17」とサイドウォール部に表記してあるとします。
始めの3桁の”215”は、タイヤの総幅を指します。
スラッシュの後の”45”はタイヤの偏平率を指します。偏平率とは、タイヤの幅に対するタイヤ高さの比率の事で、偏平率の数値が少なくなるとタイヤの接地幅が広がり、サイドウォールは低くなります。
”R”は、ラジアルタイヤであることを意味します。
Rの後の”17”はリム径を指し、17インチであると読みます。
タイヤの荷重指数の表記
タイヤのサイドウォール部の表記には、タイヤの強度を示す「荷重指数」というものがあります。例えば、「215/45R17_91V」のように表記してあるとします。
17の後の”91”がタイヤの荷重指数を示す数値となります。荷重指数は、ロードインデックスとも呼ばれ、91という荷重指数はタイヤ1本にかかる最大荷重(負荷能力)が615キログラムであることを指します。
この荷重指数ですが、車検の検査項目に該当します。タイヤを変更した場合に、最大荷重が車両の輪荷重を下回った場合は、車検不適合となりますので注意が必要です。
次に主な荷重指数を紹介します。
荷重指数 | 負荷能力 |
---|---|
73 | 365キログラム |
85 | 515キログラム |
91 | 615キログラム |
97 | 730キログラム |
タイヤの最高速の表記
タイヤのサイドウォール部の表記には、タイヤの最高速度を示す記号があります。例えば「215/45R17_91V」と表記してあるとします。91の後のアルファベット「V」が最高速度を示す速度記号になります。Vは最高速度240キロまで走行できることを意味します。
次に主な速度記号を紹介します。
速度記号 | 最高速度(km/h) | 速度記号 | 最高速度(km/h) |
---|---|---|---|
Q | 160 | V | 240 |
S | 180 | W | 270 |
H | 210 | Y | 300 |
タイヤの製造の表記
タイヤのサイドウォール部の表記には、タイヤの製造年月を示す番号があります。場所的には、ホイールのリム側に刻印してあり、表記方法は各メーカーで若干の違いはありますが、4桁の数字でそのタイヤが製造された年と月が分かります。
例えば、「0117」という刻印があったとします。後ろ2桁の「17」は西暦の下2桁を指し、前の桁の「01」は何週目に製造されたのかを指します。例に挙げた「0117」は、2017年の第1週目に製造されたもの、つまり2017年1月に製造されていることを意味します。
タイヤメーカーによっては、4桁の製造年週番号の前にアルファベットや数字が刻印されている場合があります。その刻印されているアルファベットや数字が、タイヤの製造された工場の場所を示します。
タイヤの表記の意味と見方
上記で紹介したタイヤのサイドウォール部に表記してある、タイヤサイズ、荷重指数、速度記号、製造年週の他にも、さまざまな記号があります。次に紹介する記号は車に詳しい方なら、見覚えのある記号もあるでしょう。それでは、その他の記号の意味について紹介していきます。
xl
タイヤによって、「xl」「EXTRA LOAD」などと表記してあるタイヤがあります。これは、エクストラロード規格で作られているタイヤである事を意味します。
世界には、アメリカの「TRA」、ヨーロッパの「ETRTO」、日本の「JATMA」などタイヤの規格を定めている組織があります。エクストラロード規格とは、ヨーロッパの「ETRTO」が定めたタイヤの規格です。
エクストラロード規格のタイヤは、タイヤの内部構造を強くすることにより、より高い空気圧充填を可能にして、負荷能力を高めることが可能です。各メーカーがエクストラロード規格の荷重指数と空気圧の負荷能力対応表がありますので、その表を参考に空気圧を充填します。ただし、空気圧が下がると負荷能力が落ちることになりますので、注意が必要です。
zr
少し前のタイヤに、まれに「zr」と表記してあるタイヤがあります。この「zr」の「z」は、速度記号であり、「r」はラジアルタイヤであることを意味する記号です。この「zr」は旧規格の速度カテゴリーと呼ばれるものになります。
現在のタイヤ規格のように、速度記号が細分化されておらず、この「zr」は、タイヤの最高速度は時速240キロメートル超であるという意味になります。その他の旧規格の速度カテゴリーとしては、「sr」「hr」「vr」などがありました。
ms
タイヤのサイドウォール部に「ms」とか「m+s」の表記があるものがあります。この「ms」はマッドアンドスノーといい、マッドは泥、スノーは雪、つまりぬかるみや雪路の走行が可能なタイヤであることを意味します。
クロスカントリーSUV車に多く使用されるオールシーズンタイヤや、スタッドレスタイヤに表記してある場合が多いです。
lt
タイヤのサイドウォール部に「lt」の表記がある場合があります。この「lt」は小型トラック用タイヤであることを意味します。なので、小型トラック用のタイヤには必ず表記されています。
バイクのタイヤの表記の見方
では、バイク用タイヤの表記の見方は自動車と違うのでしょうか。バイク用タイヤのサイズなどの表記は、自動車用タイヤの表記とほぼ同じです。
例えば、「100/80R17_M/C_71H」と表記されているバイク用タイヤがあるとします。最初の3桁の「100」はタイヤの幅を示します。その次の「80」は偏平率を示します。その次の「R」はラジアルタイヤであることを示しますが、バイアスタイヤの場合はRの表記はありません。
その次の「17」はリム径を示し、17インチであることを指します。その次の「M/C」の表記は、モーターサイクル用タイヤであることを示します。その次の「71」は荷重指数を示し、最後の「H」は速度記号です。
タイヤの記号の意味を理解してスキルアップ!
今回は、タイヤの分類やタイヤの表記の見方や記号などの意味、タイヤサイズなどについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。これまで意味の分からなかった、タイヤのサイドウォール部の表記がある程度理解できれは、タイヤについてのスキルアップ間違いなしです。
タイヤの知識が上がることによって、愛車のカスタムをする際の、ホイールのインチアップ化に非常に役立つ事でしょう。折角、タイヤ&ホイールをインチアップ化するのでしたら、負荷能力が下がって車検に受からないということが無いように、準備しましょう。
初回公開日:2018年01月31日
記載されている内容は2018年01月31日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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