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雪道に横滑り防止装置・義務なのか・仕組みと効果

更新日:2024年01月05日

横滑り防止装置は車の安全装置です。横滑り防止装置の仕組みや効果などご存知でしょうか。この記事では、横滑り防止装置についてさまざまな視点からご説明していきます。横滑り防止装置がどのようなものかわからない方や詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

雪道に横滑り防止装置・義務なのか・仕組みと効果

横滑り防止装置って何?

横滑り防止装置とは、車がカーブなどの旋回時にスピンしないよう車の姿勢を制御してくれる安全装置のことです。この記事では、横滑り防止装置の仕組みや効果、横滑り防止装置搭載車などをご紹介していきます。

横滑り防止装置の仕組み

横滑り防止装置は、車のさまざまな箇所にセンサーを取り付けています。そのセンサーが、オーバーステアやアンダーステアといった車の不安定な状況や危険な状況を検知します。センサーが検知すると、エンジンの回転数やブレーキを自動的に制御し、車両姿勢を安定させてくれます。

横滑り防止装置の効果

横滑り防止装置搭載車は、正面衝突事故や車両単独事故などの事故発生率が全体で36%も減少していると調査結果が発表されています。特に横滑り防止装置の効果が現れたのが、濡れた路面での事故発生率です。これに関しては58%も減少されています。

横滑り防止装置は義務?

横滑り防止装置によって事故件数が軽減していることから、2010年12月に車へ横滑り防止装置を搭載することの義務化が発表されました。これによりフルモデルチェンジの新型生産車は2012年10月1日以降、継続生産車は2014年10月1日以降横滑り防止装置が搭載されることとなりました。

軽自動車に関しては、新型生産車が2014年10月1日以降、継続生産車が2018年2月24日以降横滑り防止装置の搭載が義務付けられました。そのため軽自動車の購入や中古車を購入する際には、横滑り防止装置が搭載されているか確認しておきましょう。

横滑り防止装置を後付けする方法

横滑り防止装置を後付するには、エンジンの出力調整やブレーキの制御など車のコンピュータシステムも変えないといけません。ディーラーで行うことは可能ですが、かなりの費用が発生します。横滑り防止装置の後付けを考えるならば、車の購入を検討したほうが良いでしょう。

トヨタの横滑り防止装置

トヨタでは横滑り防止装置のことを「VSC」と呼んでいます。このVSCは4輪それぞれのブレーキの力とエンジンの出力を自動的に制御し、車両を安定してくれます。また、トヨタではこの機能と一緒に「タイヤ空転抑制機能」をつけています。

タイヤ空転抑制機能は、駆動輪の空転を検知すると駆動輪にブレーキをかけたり、エンジン出力を抑制したりする働きをしてくれる機能です。

横滑り防止装置はディーラーごとで呼び名が違う

横滑り防止装置はディーラーごとに呼び名が違います。トヨタではVSCでしたが、日産とスバルではVDC、ホンダではVSA、マツダではDSC、三菱ではASC、スズキではESP、ダイハツではDVSとなっています。ディーラーによって呼び名が違うのは、とてもややこしいです。そのため部品メーカーなどでは共通して「ESC」としています。

ディーラーによって横滑り防止装置の内容も違う?

横滑り防止装置はディーラーごとに呼び名が違うだけでなく、システムも若干違っています。それぞれ確認してみましょう。

日産「VDC」

日産ではトランクションコントロールシステム(TSC)と、リミテッドスリップデフ(ブレーキLCD)の機能を合わせたものを「VDC」と呼んでいます。VDCとは、ビーグルダイナミクスコントロールの略です。

このVDCはさまざまな箇所にセンサーがあり、このセンサーが運転者の操作や車速などを検知し、エンジンの出力やブレーキの力を自動的に制御してくれるものとなっています。コーナリング時や、滑りやすい路面などで生じる横滑りを軽減してくれ、車両の安定性の向上を目的としています。

スバル「VDC」

スバルは日産と同じで横滑り防止装置のことを「VDC」と呼んでいます。スバルの「VDC」もビーグルダイナミクスコントロールの略です。コーナリング中、車が滑りそうになったときに効果を発揮してくれます。

車の走行状態を各種センサーが常に検知しており、理想の走行状態に近づけるよう運転者をアシストしてくれます。コントロール限界付近になると、四輪個別のブレーキ制御、AWDトルク配分制御、エンジン出力制御などを行い、車の不安定な挙動を抑える働きをしてくれます。

ホンダ「VSA」

ホンダではABS(車輪のロックを防ぐ)とTCS(車輪の空転を制御)に加え、車の横滑りも制御し「走る・曲がる・止まる」の全領域で車の安定性を確保するシステムを、車両挙動安定化制御システムとしており、これをVSAと呼んでいます。

マツダ「DCS」

マツダは横滑り防止装置のことを「DCS」と呼んでいます。これはダイナミックスタビリティコントロールシステムの略です。走行中に車両の横滑りを検知すると、自動的に車両を制御してくれます。

また、TSC(トランクションコントロールシステム)と4W-ABSを統合制御しており、エンジン出力と四輪それぞれの制御力を最適に制御することで、車の横滑りを抑制してくれます。これによって、コーナリングや滑りやすい路面、危険回避時の急なハンドル操作にも、安定した走行姿勢を保つことができます。

三菱「ASC」

三菱では、スタビリティコントロール機能とトランクションコントロール機能を合わせたものを「ASC」と呼んでいます。ASCは、アクティブスタビリティコントロールの略です。

スタビリティコントロールとは、急なハンドル操作や滑りやすい路面での走行時に、各タイヤが適正なグリップを保ちきれないと判断した場合に、エンジン出力やブレーキリングを自動的にコントロールし、車の安定性を確保する機能のことです。

トランクションコントロール機能とは、雪道などの滑りやすい路面を発進する際に駆動輪のスリップを検知すると、スリップした車輪にブレーキをかけます。また、エンジン出力を自動的にコントロールし、駆動輪を適正に配分し発進や加速のサポートをする機能のことです。

スズキ「ESP」

スズキでは横滑り防止装置を車両走行安全補助システムとしており、これを「ESP」と呼んでいます。このESPは、さまざまなセンサーで走行を監視し、必要に応じてブレーキとエンジンをコンピュータが制御するようになっています。

カーブなどでの横滑りやタイヤスリップ、急ブレーキでのタイヤロックなどを抑え、車両の安定走行をサポートしてくれるシステムです。

ダイハツ「DVS」

ダイハツでは横滑り防止装置を「DVS」と呼んでいます。ビーグル・スタビリティ・コントロールの略です。コーナリングでの急なハンドル操作などによる車体の横滑りを検知すると、エンジンの出力を絞ったり、個々の車輪に独立してブレーキをかけたりなどを自動的に行う仕組みになっています。

車種別横滑り防止装置搭載車

車にはさまざまなタイプがあります。今回はセダンタイプ、4wdタイプ、ミニバンタイプ、コンパクトカータイプ、軽自動車タイプの横滑り防止装置搭載車(国産車)をご紹介します。

セダンタイプ

セダンタイプは、高級車として40代以上の世代にのタイプです。このタイプでのは、レクサスのLSと日産のスカイラインです。レクサスのLSは、トヨタの高級車メーカーレクサスの中で、最上位の車種です。横滑り安全装置の搭載はもちろんのこと、他にも車の安全システムを搭載しています。

日産のスカイラインも、日産の横滑り安全装置「VDC」の搭載はもちろんのこと、他にも予防安全システムを搭載しています。スカイラインの予防安全システムは、平成26年度の自動車アセスメントの予防安全性評価で最高ランクを獲得しており、その高い安全性が実証されています。

4wdタイプ

4wdは4つのタイヤを全て駆動輪として用いています。四輪全てで駆動力を発揮するため、牽引力が上がり、力強い走りとなります。四輪駆動とも呼ばれています。4wdタイプでなのはトヨタのランドクルーザー、日産のエクストレイルです。

ランドクルーザーには、セーフティー・サポートカーです。検知距離が長い「ミリ波レーダー」と物体の形や、大きさを識別できる「単眼カメラ」を併用した検知センサーを使用しています。そのためランドクルーザーの横滑り防止装置は、認識能力の高いものとなっています。

エクストレイルにも日産の横滑り装置VDCだけでなく、さまざまな先進安全装備が付けられています。前方や側方だけでなく、後方までの全方位に及ぶ先進の運転支援システムを搭載し、高度な運転支援を実現してくれます。

ミニバンタイプ

3列シートで7人乗以上の車をミニバンと呼んでいます。お子さんのいる家庭にはもちろん、最近では20代前半の若い方にもがあります。横滑り防止装置を搭載しているという安全性の点からなのは、トヨタのヴェルファイヤと日産のエルグラウンドです。

ヴェルファイヤはセーフティー・サポートカー〈ワイド〉、セーフティー・サポートカーです。横滑り防止装置の搭載はもちろんのこと、他にも多くの先進安全機能を搭載しています。これによって、さまざまなシーンで安心安全な運転をサポートしてくれます。

エルグラウンドも日産の横滑り防止装置VDCを搭載しているだけでなく、多くの先進安全機能を搭載しています。エルグランドは平成23年度に自動車アセスメントで最高の安全評価を獲得しており、安全性能は実証されています。

コンパクトカータイプ

コンパクトカーとは、小型車の中でサイズが一番小さい車のことです。車の全長が4mほどですが、排気量は1,000cc~1,500ccほどあるため、上り坂などで力不足を感じることはあまりないでしょう。またボディが小さいため小回りがきき、運転しやすいのも特徴です。

コンパクトカーの横滑り防止装置搭載車としてなのは、ホンダのフィットと日産のノートです。どちらとも自社の横滑り防止装置を搭載しているだけでなく、他にもさまざまな先進安全装置が搭載されています。また、どちらとも平成29年度自動車アセスメントの予防安全性能評価で最高ランクを獲得しており、安全性能が実証されています。

軽自動車タイプ

軽自動車は燃費が良く、維持費も安いため幅広い年代にがあります。軽自動車の横滑り防止装置搭載車としてなのは、ホンダのNBOXとダイハツのムーヴです。NBOXはホンダの横滑り防止装置VSAの搭載だけでなく、先進の安全運転支援システムを標準装備しており、多彩な機能で安全なドライブをサポートしてくれます。

また、平成29年度自動車アセスメントの予防安全性能評価で最高ランクを獲得しており、セーフティ・サポートカーS〈ワイド〉にも該当しています。

ムーヴもダイハツの横滑り防止装置VSCの搭載だけでなく、事故の回避支援や被害の軽減を図り安全運転をサポートしてくれるスマートアシストを搭載しており、セーフティ・サポートカーS〈ワイド〉にも該当しています。

横滑り防止装置をオフにする方法

標準装備が義務化されている横滑り防止装置ですが、実はオフにすることも可能です。横滑り防止装置の切り替えはスイッチを押すだけで簡単に行えます。雪道や泥濘などでタイヤが空転し、車が立ち往生した場合は横滑り防止装置をオフにした方が良いでしょう。横滑り防止装置がオンだと、タイヤの空転を抑制し、雪道や泥濘を脱出するのは困難です。

またレースなどの場合もオフにしておいた方が良いでのしょう。横滑り防止装置は、コーナーリングなどで機能が働き、スピードを抑制してしまいます。通常の運転時は事故を防いでくれる心強い装置なので、オフにしないよう気をつけておきましょう。

雪道での横滑り防止装置

上記で雪道で立ち往生した場合は、横滑り防止装置をオフにしたほうが良いとお伝えしましたが、雪道を走行する場合は、横滑り防止装置をオンにしておきましょう。横滑り防止装置のオン・オフは、車の表示灯で確認できます。オンの場合は横滑り防止装置の表示灯は点灯しません。オフの場合に点灯します。

雪道や凍結路面は、非常にスリップを起こしやすいです。横滑り防止装置はそのような状況も把握し、不意の急ハンドルなどにも車両姿勢を制御してくれます。走行時は必ずオンにしておきましょう。

雪道に横滑り防止装置搭載車

雪道には4wd車がです。4wd車は前にエンジンがあり、四輪を全て回して走行する自動車です。四輪すべてが前に進む力を路面に伝える仕組みになっているため、前への走行は安定したものとなっています。

エンジンの力を効率よく雪道や凍結路面に伝えることが可能なため、雪道の走行に強いとされています。そして雪道を走行するには重量が重い方が良いです。重量が重ければ重いほど、滑りにくくなります。これらのことを踏まえた上で、雪道に車をご紹介します。

①スバル レガシィ アウトバック

雪道といえばスバルです。スバルの車は雪道での走破性能が高いと言われています。そのスバル車の中でなのがレガシィのアウトバックです。レガシィのアウトバックにはスバルの横滑り防止装置VDCが搭載されているだけでなく、X-MODEというシステムがあります。

このシステムをオンにしておけば、雪道でのタイヤ空転を瞬時に制御介入してくれ、安全運転をサポートしてくれます。またレガシィには、スバルの安全機能・運転支援システムのアイサイトも搭載しています。これらによって雪道も安心して走行することができるでしょう。

②スズキ エスクード

エスクードにはスズキの横滑り防止装置ESPの搭載はもちろんのこと、先進のブレーキサポートシステムも搭載しています。エスクードが雪道になのは、「ALLGRIP」を搭載しているからです。

この「ALLGRIP」は、「AUTO」「SPORT」「SNOW」「LOCK」の4つのモードに切り替えができ、雪道には「SNOW」、雪が積もりスタックしそうな場合は「LOCK」のモードで走行すると、より運転しやすくサポートしてくれます。

雪道走行の注意点

上記では、雪道を走行するのにな車を紹介しましたが、車に搭載されているシステムだけでは、事故を防ぎきれません。搭載システムはあくまでも、安定した走行のサポートを目的としています。

雪道での事故を防ぐには、タイヤを冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)に替え、さらにタイヤチェーンも取り付けるようにしましょう。どちらとも手間がかかりますが、雪道での事故を起こさないためにも、必ず行うようにしましょう。

雪道での走行は、普段の道路では予想できない出来事が生じます。雪にはまって動けなくなってしまう場合もあります。そのようなときにスコップや防寒具があるととても役立ちます。雪道を走行する場合は、スコップなどの雪かき道具や防寒具を車に乗せておくようにしましょう。

横滑り防止装置を搭載した車で安定した運転を!

横滑り防止装置についてさまざまな視点から説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。横滑り防止装置の搭載は2018年2月24日以降すべての車種に義務化されました。しかし中古車などは搭載されていないことがあります。中古車を購入の際は、横滑り防止装置が搭載されているか確認しましょう。

雪道でも横滑り防止装置は効果を発揮します。しかし横滑り防止装置は、車両の安定をサポートすることを目的とした装置です。雪道を走行する際は、スタットレスタイヤを使用し、さらにタイヤチェーンを巻くようにして事故の発生を防ぎましょう。

最近は、横滑り防止装置だけでなく、さまざまな安全装備が搭載されるようになってきました。これらを上手に使いこなして、より安全で快適なドライブ生活を送っていきましょう。

初回公開日:2018年05月26日

記載されている内容は2018年05月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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