カーエアコンのガスの補充方法・臭いの対策とフィルター
更新日:2024年09月28日
カーエアコンとは
カーエアコンには古くから歴史があり、現代において使われているカーエアコンに至るまでには随分の形態の変遷を遂げてきました。カーエアコンが発売された当初には「カーヒーター」や「カークーラー」などと呼ばれており、アメリカやドイツなど、さまざまな国で「車用のエアコン」という形で製造されていました。
カーエアコンの働きはもちろん「車内の温度調節をし、春夏秋冬をとおして適温を保つことができるようにすること」で、その気温調節によってさらに快適に運転ができるようにとの目的があります。運転するときというのはかなり集中力・注意力を要するものですので、運転時の注意力・運転する際の気力を養うことにも、カーエアコンの効果は見られます。
カーエアコンとエンジンとの連携
カーエアコンはエンジンそのものと密接な連携がなされており、エンジン内に取り付けられてあるコンプレッサーと連動することによって空気調節(排気調節)を行なっています。このコンプレッサーの働きには「車内の気温を調節する働き」がありますが、その反動でエンジンルーム内を加熱させてしまう効果もあります。
そのため、ラジエーターのメンテナンスに加える形で冷却水やクーラントの補充などが必要とされ、適時のメンテナンスを怠ってしまうと、すぐにカーエアコンの調子に影響が出ることになるでしょう。
カーエアコンの歴史
先述で少しご紹介しましたが、カーエアコンという名称は実は最近に付けられた名称であり、古くは「カーヒーター」や「カークーラー」などと呼ばれていました。1930年代からアメリカ車でカークーラー・カーヒーターが採用され始め、1950年代には「車にカーヒーター・カークーラーは当たり前」という時代が訪れます。
主に工業生産がうなぎ上りの時代だった1950年代から1970年代にかけて、アメリカをはじめドイツや日本でもこのカーヒーター・カークーラーが大きく導入され始めていき、1980年代にはほとんどの車がカーエアコンを搭載している状態となりました。
特にアメリカの歴史を覗いてみる場合、車内空気調和設備が見られ始めたのは第二次世界大戦時であり、いわゆるB29のパイロット席にもこのカーエアコンの前身となるエアコンが取り付けられていました。
アメリカ車のカーエアコン
アメリカ車のカーエアコンについては先でご紹介しましたように、すでに第二次世界大戦時においてその導入の前進が見られていたため、車専用のカーエアコンが開発されるまでにはそう時間が掛かりませんでした。1930年代から車や航空機用のエアコンがすでに完備されていたことによって、その設置に関する応用に定評が見られていました。
1954年には、世界初となる「温水式ヒーターと、トランク内蔵型コンプレッサー式カークーラーの機能を合わせて造った統合カーエアコンシステム」が生産され、その後のカーエアコンの開発においてもめざましい発展を遂げることになります。1970年代には全種類の車にカーエアコンが搭載されるようになり、まさに車工業の先進を担いました。
ドイツ車のカーエアコン
ドイツでもアメリカと同じく1930年代から1940年代にかけて本格的な「カーエアコンの導入」が始まり、特にポルシェやフォルクスワーゲンなどのドイツを代表する高級車には、このカーエアコンの搭載が急いで行なわれるなどの発展が見られました。ドイツの場合はヒートエクスチェンジャーの導入に始まる形で、主に暖房の導入が先になりました。
また1950年代にはそれまでのカーヒーターに加える形でカークーラーの導入も本格的に開始され、すでに現代に見られる「カーエアコン導入の完備」が早くからうかがわれます。しかしカーエアコン導入が検討された当初の課題では、「シリンダーやキャブレターの不良接続によって発生するガス臭」が指摘され、この改善をもって現代の発展に至ります。
日本車のカーエアコン
日本でもアメリカやドイツで生産され始めたカーエアコンの発展を導入し、1950年代に日本初の形でトヨタクラウンがまずカーエアコンを完備しました。続いて1958年にはスバル・360にヒートエクスチェンジャー識のヒーターが搭載され、日本の場合もドイツと同じく、カークーラーよりも先にカーヒーターの方が重点的に導入されます。
しかしカーヒーターの導入に間もなくカークーラーの装備もすぐに行なわれ、すでに「車にはカーエアコン」時代の幕開けを提唱するべく「カーヒーターとカークーラーの二台装備」が1960年代にはすでに成し遂げられました。
カーエアコンによるオゾン層の破壊
カーエアコンの問題について述べるときには必ず触れられる項目として「フロンガスによるオゾン層破壊」が言われ、それまで家庭で使用されていたエアコンに加える形で「車にもエアコンが本格的に導入され始めたこと」をきっかけにして、このエアコンから排気されるフロンガスの影響が益々堅固に問題視されるようになりました。
このフロンガスによって破壊・浸食されるオゾン層破壊を受けて日本では、1980年代頃から早くも「電気自動によってフロンガスに置き換えられる物質への視点」が設けられ、いわゆる代替フロンと呼ばれる気体によって少しでも「オゾン層保護」が求められるようになります。
現代においてもこの「オゾン層破壊問題」についてはずっと提唱される問題としてあり、今後の科学・工業の発展によって「完全にエコ化できる環境」を望む形で「車や家庭用エアコンの改め」に力が向けられています。
スポーツカーには従来なかった
スポーツカーというのは本来「走る用の車」として製造されるため、特にエアコンやコンプレッサーなどの搭載は視点に含まれず、「いかに車体を軽くする上でスピードを維持できるか」や「どのようにしていろいろな環境にオールマイティに対応できるか」という「走ること」にのみ焦点が当てられた設計がなされてきました。
そのため、カーエアコンの搭載は他の高級車などと比べて少し遅れ、1970年代初頭においてようやく「スポーツカーにもカーエアコンの搭載」が認められるようになります。
カーエアコンの冷房の原理
カーエアコンの基本的なシステムとしてはまず、「液体燃料を気化させることに発生する冷却作用」が利用されており、たとえばアルコールを皮膚に塗るとスーッと涼しくなる(皮膚の感覚が冷たくなる)というあの作用を利用する形で空調の冷却がなされます。
つまりこの「液体燃料」が先述しましたフロンガスを発生させる燃料やさまざまなエアコン燃料としてあり、この液体燃料をコンデンサー、レシーバードライヤー、クーリングユニットなどを利用して「冷却する気体」に置換するという方法が採られています。
カーエアコンのメリット
カーエアコンを搭載・利用することでまず第一のメリットは、「排気ガスなどを含む車道の外気を車内に取り入れずに済むこと」があげられ、第二に「ドライバーがいつでも快適な気温において運転し続けることができる」というこの2点があげられます。
先でもご紹介しましたが、車を運転する際には最新の注意が必要とされ、加えてさまざまな状況・環境に対応できる即時的な順応力が求められます。この注意力や集中力というのは、特にドライバーにとって「周囲の状態や環境」というものが非常に必要な要素となり、その環境設定によってドライバー状態が大きく変わることもあります。
この「ドライバーにとって快適な環境」を作ることによってまず事故防止に役立ち、さらに同乗する他の人の体調なども同時に管理できるため、実に一石二鳥のメリットがあると言えます。
カーエアコンのデメリット
カーエアコンのデメリットとしてまず言えるのは「フロンガスや代替フロンによるオゾン層破壊」や「温暖化」であり、この課題についての解決策はエコ化することによって得られる「新しい環境設定」が必要となるため、現代でもさまざまな科学分野で未解決の課題として取り上げられています。
さらに、先述しました「カーエアコンによるメリット」の逆のことがうかがわれ、「カーエアコンを取り外すことによっては、ドライバーや同乗者の体調管理などが行き届かなくなる」という問題が生まれるため、現代において「いきなりカーエアコンを除去する」ということはできません。
つまり「エアコン依存症」の傾向を自ずと作ってしまう引き金ともなるため、カーエアコンを継続して利用していくことにおいては非常に「賛否両論に分かれる点」が出てきます。
吹き出し口(空調)の調節
もうカーエアコンを利用している現代人にとっては当たり前のことになりますが、カーエアコンの排気量やその風の向きを調節するための「吹き出し口の調節」が必ず利用されます。この吹き出し口の調節によって、体の一部分に冷風や暖風が直接当たることを避けることができ、これによってドライバーや同乗者の健康管理も賄われます。
車用のカーエアコンは家庭用エアコンの場合と違い、排気されて皮膚に当たる風の勢いが(カーエアコンが体に近い分)強くなるため、この吹き出し口の調節によってカーエアコンの風量を適度に調節するというのは想定以上に大切なことになります。
ファンスピードの切り替え
最近のカーエアコンでは「ボタン1つで自動的にファンスピードが調節できる」というシステムがあり、これは現代市販されているすべての車に搭載された「オートスイッチ」による効果となります。
この場合のオートスイッチの機能はすべて「電動によって行なわれる作業」となるため、従来のカーエアコンシステムよりも「やや燃費が掛かること」が予測されます。
しかしこの燃費にも配慮されたエコカーをはじめ、さまざまな車種別でのカーエアコンシステムへの配慮によって、ファンスピードが自動で行なえる上でさらに「燃費も良い車」が次第に増えてきています。
カーエアコンのガスの補充方法
いわゆる冷房ガス(冷却ガス・エアコンガス)の補充となりますが、これは現代市販されている車の場合は素人でも簡単に行えるようになっています。カーエアコンは先述しましたように、基本的にコンプレッサーとコンデンサー、さらにエキスパンションバルブ、サクションスロットルバルブなどのエンジン機器類と連動して設計されています。
この辺りの「エンジンと連動されているカーエアコン」についての知識を踏まえた上で、まずチャージングホースにエアコンガス補充用のガス缶を取り付け、そのままチャージングホースを車両の接続ポートに取り付けます。
そしてチャージングホース内の空気を抜く感じでポートにガスを補充します。このとき「ガス漏れ(液体燃料の場合は液体漏れ)」がなりことを確認しておくとよいでしょう。ガス補充が終了したら一度エンジンを掛け、カーエアコンを最大出力で回転させてください。
カーエアコンの臭いの対策
カーエアコンを利用している際に、ときどき「ガス臭」が漂ってくることがあります。これはエンジンルーム内に配管されているバルブ内のカビが主な原因とされたり、あるいはエンジン機器類そのものの不完全燃焼が原因とされたりし、ガス臭を嗅いだだけでは一見判断できない原因が潜んでいます。
このガス臭を回避する対策・除去する対策として一番効果的なのは「日頃のメンテナンス」であり、常にエンジンルーム内の点検やエンジン機器類のメンテナンスを怠らないようにしておくことによって、このガス臭はたいてい回避されます。
さらにカビの除去法については、車専用のカビ除去剤などの使用も一つの方法ですが、もっと手頃で簡単な方法としては「日頃から車を定期的に運転しておき、その際にカーエアコンをなるべく強めの風量で運転させる」という方法があります。これによって空気の出入りが定期的に行なわれるため湿気などがなくなります。
カーエアコンのフィルター
カーエアコンを使用する際には「カーエアコン用フィルター」という物がまず必要となりますが、このカーエアコン用フィルターも適時に交換すること(メンテナンスすること)が大切です。
たとえば家庭用エアコンの場合でもエアコンフィルターは定期的に掃除されます。この定期的な掃除と同じく、車の場合もフィルターを常にメンテナンスしておくことによって、カーエアコンの利きがさらに保たれるようになります。このカーエアコンにもいろいろと種類があり、使う種類によってはメンテナンス効果が大幅に違ってきます。
よく利用されるフィルターは、「デンソー製フィルター」と「ボッシュ製フィルター」で、これらのフィルターは3,000円から4,000円程度と価格も安く、フィルター密度が他と比べてかなりしっかり構成されています。
カーエアコンの洗浄方法
カーエアコンの最大の敵は先述しましたようにまず「カビ」であり、このカビの付着によって人体に大きな影響が及ぼされる場合もあります。このカビが特に付着しやすい機器がカーエアコン専用エバポレーターであり、これはカーエアコンから排気される暖風と冷風が直接通過する機器となるため、空気の飽和によって水滴が付きやすくなります。
この水滴の付着によってカビが発生しやすくなるため、この湿気をまずメンテナンスによって除去し、常に乾燥させておく必要が出てきます。このカーエアコン専用エバポレーターはグローブボックスの裏面に接面されていて、一般的にカーエアコンの洗浄時にはすぐ目に付く場所となります。
カーエアコンの仕組み
先述しましたように、カーエアコンの冷房や暖房というのは「ガス燃料・液体燃料を使用して、その燃料をコンプレッサーによって圧縮することによって液体が気化され、その際に温度が奪われる化学反応を利用して発生させる」という方法が採られています。
カーエアコンのシステムのうちで最も大事な働きを持つのがこの「コンプレッサーによる機能」であり、コンプレッサーが故障してしまえばたちまちカーエアコンは使用できなくなります。
このコンプレッサーと並んで搭載されているのがコンデンサーやエバポレーターであり、コンデンサーは主に「熱を発生する機能」が持たされ、エバポレーターは「熱を奪う機能(冷却する機能)」が持たされています。
カーエアコンのコンプレッサー
カーエアコンの冷房や暖房を直接的に管理しているのが(先述のように)コンプレッサーであり、このコンプレッサーでは「燃料を圧縮して熱量と冷却量の機能を発生させる仕組み」を持っており、このコンプレッサーが故障することによってカーエアコンが利かなくなります。
そのため「冷房が利かない」や「暖房が出ない」などという場合はまずこの「コンプレッサーの不良・故障」を疑うことが大切で、さまざまなエアコントラブルの場合もほとんどコンプレッサーの故障が原因とされています。
カーエアコンの真空引き
カーエアコンの利用において「真空引き」というのは主に「冷房のメンテナンス時に行なわれる作業」となり、カーエアコンの機能を発生させるため、エンジンルーム内にさまざまに配管されているバルブ内を「真空にすること」を意味します。
この「バルブ内を真空にする・空気をなくすこと」によって冷房の空気(または水分)を排出する効果があり、さらにバルブ内を「ガスとオイルのみ」にする作業を促進させます。これは家庭用エアコンの場合でも同じく、「配管内の空気や水分を輩出する」という作業を行なわなければ、エアコン自体の故障を招くことになります。
カーエアコンの故障の原因
カーエアコンの故障には先述のようにいろいろと原因がありますが、特に多いのが「コンプレッサーの故障」、「配管バルブ内に混入物がある」、「配管バルブ内の不衛生によって劣化が発生している」、「エンジン機器類そのものの劣化や故障」などがあり、正確にカーエアコンの故障原因を調べるためには専門業者に依頼するのが一番でしょう。
効かない場合
カーエアコンの故障によって冷房や暖房が利かなくなった場合の原因は、ほぼコンプレッサーの故障によるものとなるでしょう。コンプレッサーというのはカーエアコンの根本的な機能を果たす重要部位となるため、つまり「コンプレッサーの働きによって、冷暖房が仕分けられている」という形になります。
そのため「カーエアコンの空調がおかしい」や「風量は変わらなくてもエアーコントロールそのものが利かない」などとなった場合は、この「冷暖房を仕分けているコンプレッサーの機能不良や不具合」がまず疑われることになります。
カーエアコンの故障時の対策法
先述でいくつかご紹介しましたが、カーエアコンの故障には大きく分けて「コンプレッサーの故障」と「配管バルブ内の不具合」、さらに「エンジン機器類そのものの故障」などが見られ、この中でも特に「冷暖房が利かない」という場合はほとんど「コンプレッサーの故障」となります。
そしてカビによる「ガス臭の発生」や「吹き出し口から水滴がポタポタ落ちてくる」などの場合は配管バルブをはじめエバポレーターの故障・不具合が認められ、まず「カーエアコンが故障した」と言う場合は、「どんな種類の故障なのか」を特定しておくことが大切になります。
しかし、素人がカーエアコンの故障原因を確認する場合には「原因を特定することの困難」が生じてきます。この場合は迷わず専門業者へ修理依頼をし、正確な故障原因を特定してもらってから対策に就くことが重要になります。
カーエアコンの正しいメンテナンスを覚えましょう
いかがでしたか。今回は「カーエアコンのガスの補充方法・臭いの対策とフィルター」と題して、「カーエアコンのガスの補充方法」に関する詳細情報についてご紹介しました。
カーエアコンのメンテナンスというのは故障をなくすためだけではなく、その車を快適に乗りこなすための予防策ともなります。春夏秋冬においてカーエアコンを利用することのメリットはたくさんあるため、そのカーエアコンが故障してしまってはかなり困る場合もあるでしょう。そうならないように日頃からのメンテナンスを心がけ、いざと言うときに困らないようきちんとした「カーエアコンのメンテナンスと故障対策方法」を把握しておきましょう。
初回公開日:2018年05月09日
記載されている内容は2018年05月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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