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ブースト計の取り付け方・おすすめ・見方|工賃/位置

更新日:2024年08月08日

ブースト計と聞けばチューニングした車を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。そこで今回はブースト計の意外な使い方について説明し、最近のブースト計の種類やその特徴、そして取り付け方法やブースト計の見方について詳しく解説していきます。

ブースト計の取り付け方・おすすめ・見方|工賃/位置

ブースト計とは

一昔前は、各メーカーがパワー競争で、ターボ化によるパワーアックが競われていました。そしてチューニング業界でもモアパワーを望むユーザーが多かったことから、数多くのチューニングパーツが販売されました。

ターボは、空気をコンプレッサーの力で圧縮して、通常より多くの空気をエンジン内に送り込む装置ですが、その空気の圧力を見るメーターがブースト計になります。

ターボ車が日本で初めて市販された頃は、過給圧は0.45kgf/cm2程度でしたが、最近のダウンサイジングターボは、過給圧が1.0kgf/cm2を超える車種もあり、かつてのスカイラインR32GTRが0.75kgf/cm2だったのでそれをはるかに超える高過給圧になっています。

ブースト計を見る事で、過給圧を上げないように走れば燃費向上にもつながりますし、チューニングしていく上で、過給圧設定をしたり、車のコンディションを見る事に使用します。

ブースト計の取り付け方・位置

ブースト計は、マニホールド内の空気圧力が取れるバキュームホースに割り込ませることで、メーターを作動させる仕組みです。現在販売されているブースト計には機械式と電子式とに分かれます。

機械式は、マニホールドに割り込ませたバキュームホースを直接メーターまで繋いで作動させる昔からあるシンプルなブースト計です。しかしバキュームホースを室内まで引かなくてはらない欠点があります。

電子式は、圧力センサーをエンジンルーム内に取り付け、そこから電気信号の配線を室内に引き込みメーターを作動させる仕組みなので、バキューム配管を長くさせて圧力損失させることなくブースト計を取り付けられるメリットがあります。

現在は電子式ブースト計も安くはなりましたが、それでも国産品は価格が高いので、安い製品を探すのであれば、4,000円~5,000円程度で海外製を購入できます。

エンジンルームの配管

ブースト計を作動させるには、エンジンのバキュームホースを探してそこから分岐させる必要があります。バキュームホースは、サージタンクからプレッシャーレギュレーターに繋がっている6φの配管を探して三つ又を使い割り込ませます。サージタンクから近い場所に割り込ませることで正確なブースト圧を見ることができます。

割り込ませた配管は、機械式ならそのまま室内にグロメットから引き込みますが、電子式の場合は、センサーを熱害などが及ばない場所に取り付けて、そこに配管をする必要があります。センサーの取り付けが完了すれば配線を室内に引いて、室内での配線作業となります。

配線

ブースト計の配線方法は各メーカーにより若干の違いがありますが、機械式の場合はイルミネーション電源の配線となるのが一般的です。イルミネーション線は夜間にブースト計にライトが点灯するようにスモールランプ点灯時に電源が供給される配線を探して配線します。

電子式はエンジンルーム内と室内側とで配線をしなければなりません。センサーにはイグニッション線とアース線に接続させるのが一般的です。センサーからブースト計本体に配線するコードがあるので、センサーから室内にグロメットから通します。

室内側では、常時電源、ACC電源、アース線をメーター本体に配線し、イルミネーション電源を配線すると昼間と夜間でメーター内の色が変わります。配線が終われば、エンジンルームから引いてきたセンサーからの配線をカプラーで差し込めば、配線と配管の完了です。

フィルター

ブースト計を取り付ける時に、特に電子式の場合はセンサー保護のためにフィルターが付属されています。このフィルターはエンジン内のブローバイガスを除去する働きがあるので、センサーの故障を防ぐためにも取り付けたいフィルターです。

しかしフィルターも使用状況によってはすぐに真っ黒になることがあり、フィルターを交換しなければ詰まってしまいブースト計の作動不良となってしまうでしょう。フィルターをメーカー純正品に交換しても良いのですが、意外に使えるのが分解可能のバイク用フューエルフィルターです。

バイク用の分解可能のフューエルフィルターの中身を100均で売っている化粧用のスポンジを切って中に詰めれば、自分で交換可能のフィルターとなります。

ブースト計の取り付け位置

ブースト計を取り付ける位置は運転の妨げにならない場所に取り付けななければなりません。ネット上ではブースト計などの追加メーターを取り付けると車検に合格できないといった話が出ていますが、実際は要件さえ満たしていれば車検に問題なく通すことができます。

取り付ける時に注意すべき点は、ピラーに取り付ける時にはピラーの根元に不安定にならないように取り付けるようにします。その他の部分に取り付ける時には、運転の妨げにならない場所に取り付ける事になりますが、ダッシュボード上は取り付けると不可になります。

何故ダッシュボード上はダメなのかというと、保安基準では6歳児要件というものがあり、ドライバーが前方2mを見た時に高さ1mで直径が30cmの円筒を確認できなければなりません。確認する時にはミラーなどではなく直視できる必要があり、ダッシュボード上にブースト計を設置すると、この要件に抵触するからです。

ブースト計ピラーパネルホルダー

ブースト計の設置場所に悩んだら、このピラーパネルホルダーが便利です。素材はABS製でカーボン柄となっています。汎用品なので取り付けには加工が必要になる場合がありますが、ほとんどの車種に取り付けができるのが嬉しい所です。

取り付けには、走行中に脱落が起きないよう確実にビスなどを使い取り付けを行います。またピーラーの上のほうに取り付けると車検に合格できない恐れがあるので、ピラーの根元付近に取り付けるようにしましょう。

おすすめのブースト計の種類・メーカー

ブースト計には機械式、電子式がありますが、取り付けに便利なのは最近主流のOBD2にカプラーで差し込むだけのブースト計でしょう。

そこで取り付け方法以外の違いとしては、ブーストの反応の違いが挙げられます。反応が素早く出るのは機械式で、ダイレクトにメーターの針が動きます。次が電子式になり最後はOBD2で取り付けたブースト計になります。ダイレクト感が捨てがたいという理由から機械式も根強い人気があります。

ブースト計の表示は機械式も電子式もそれほど変わりませんが、OBD2で取り付けたブースト計は、他の取り付け方法より若干のタイムラグのある針の動きとなります。

OBD2からブースト圧を取る方法

OBD2とは車両診断コネクターに差し込むだけで、ブースト表示が可能となるブースト計です。レーダー探知機にOBD2コネクターを接続するとブースト表示や車のコンディションを表示できるので、OBD2対応レーダー探知機を購入すれば表示させることができます。

ただしレーダー探知機をブースト計として利用するには、OBD2接続コネクターを購入する必要があります。また、OBD2に接続してしまうと車両診断コネクターが使えなくなるので、併せて分岐させるハーネスを購入すると便利でしょう。

オートゲージ ヘッド アップ ディスプレイ

オートゲージのヘッドアップディスプレイは、OBD2に接続するだけで電源配線なしにフロントガラスに、バッテリー電圧、タコメーター、ブースト計、スピードメーター、水温計、1L当たりの走行距離が表示できる優れた商品です。

国産車は2008年10月以降、輸入車は2010年9月以降の車種で使用できますが、ピン数が同じ16ピンでもプロトコルやピン位置の違いにより使用できないので必ず年式を確認の上ご購入して下さい。

機械式ブースト計

機械式ブースト計は古くからあるブースト計で、今はかなり安価で購入できます。しかし取り付けにバキュームホースを室内に引き込む作業があり、バキュームホースが長くなるので引き込み時に損傷させないように注意が必要です。このほかバキュームホースの拡張により圧力損失が起きますが、指針の反応はほぼリアルタイムであるので人気があります。

KKmoon ターボブースト計

機械式の中でも1,100円と破格な価格で買えるブースト計です。このブースト計の表示単位が負圧側がin.Hgで、正圧側はpsiとなっているので、数値の読み取りには注意が必要です。

メーターの大きさは52φと小型なので取り付け場所に困る事はないでしょう。イルミネーション配線をすれば、夜間でも使用できます。この価格でブースト表示ができるのでコストパフォーマンスは高いと言えます。

バキュームホースは耐久性の良い物とは言えないので、アフターパーツのシリコンホースに交換すれば安心して使えるでしょう。

ブーストメーターを購入しましたが
0点がずれていたので交換をしてもらいましたが物は良かったです。
1回で当たりがくれば星5だったのですが星1つへらしました。
星1つ減らしました

出典: https://www.amazon.co.jp/KKmoon-%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%... |

オートゲージブーストメーター

オートゲージは台湾製のゲージメーカーで、非常に価格の安いブースト計を販売している事で有名です。

他のメーカーの52φや60φのサイズのブースト計の価格は1万円以上が当たり前ですが、このオートゲージのブースト計はオープニングセレモニーや、デジタルとアナログの2種類の表示をしていながら、5,380円と破格の安さです。しかもライトを2種類変えられる商品もあったりと、この値段設定ではありえない機能が付いています。

通常ならば安かろう悪かろうで、耐久性や精度に問題がある事が多いですが、このオートゲージは、そのようなことはなく内部のムーブメントに日本製やスイス製が使われており、品質面でも問題ありません。

オートゲージめっちゃいいです!
デジタル表示も要らないと思ったんですが逆にあった方が見た目も見やすさも最高です。

出典: https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%8... |

ブースト計の見方

ブースト計はターボで過給された高圧の空気を表示するようになっています。通常はアナログ表示で、針がさしている数値を読み取る事になります。見方はスピードメーターやタコメーターと同じ見方でよいですが、単位が違うという事です。

ブースト計の単位には、かつては1平方cmの面積に何kgの力が加わっているのかを示す「kgf/cm2(正圧)」が使われていましたが、1999年9月に計量法がSI単位(国際単位)に改正されて、現在は「k Pa」で表示されています。

とはいえ、「1kgf/cm2=98.07kPa」なので、ブースト圧が今何キロかかったのか知る場合でも、それほど大差はありません。

大気中の圧力はもともと1気圧かかっているので、ブースト圧で0.7kgf/cm2となっている場合は、実際には大気圧プラス0.7かかっているということです。

欧州車と日本車でブースト圧の表記が違う

日本車ではブースト圧の表示を大気圧を引いた、0.7kgf/cm2といった表示をしていますが、これは標準大気圧を0kgf/cm2としてターボにより加圧された分だけブースト計で表示するようにしています。

一方欧州車では、標準大気圧を1kgf/cm2として加圧圧力が0.7kgf/cm2とした場合、1.7kgf/cm2と表記する事が多いです。これは絶対圧表示方法といい、日本の表示方法と混同しないように注意が必要です。

そこで日本車の場合、排気量2リッターのエンジンに1kgf/cm2を加圧するとシリンダー内には2kgf/cm2の空気密度となり、排気量は約2倍の4リッター自然吸気エンジン並みのパワーとなる事になります。

正圧

ブースト計には必ずメモリで0の場所がありますが、そこが正圧の始まりの場所です。つまり大気圧と同じということです。

ブースト計で0を表示している時には、タービンで加圧していない状態、つまり1気圧しかかかっていないので、排気量相当のエンジンパワーしか出ていない状態といえます。

そこでブースト計を見ながら走行して、正圧の0より上に上がらないように気を付けて走れば燃費の向上につながる運転となるでしょう。

負圧

ブースト計のほとんどには「0」より下に数字が刻まれています。この数字が意味するものはエンジン内の負圧です。

ガソリンエンジンは、ピストンが下がると空気を吸い込もうとしますが、スロットルバルブが閉じているので、吸気管内に負圧が生じます。その圧力をブースト計では負圧として表示しています。

実はエンジンコンディションを知るうえで負圧は非常に重要になってきます。負圧が絶対真空の-760mmHg(-101.3Kpa)に近づくほどエンジンコンディションはよいと言えます。通常は-450mmHg(-59.985kPa)が正常で、正圧に近ずくほどピストンリングの摩耗やインマニからの漏れなどが予想されます。

負圧にはバキューム計が用いられますが、ブースト計は負圧と正圧を測る連成計とも呼ばれています。バキューム計には大気圧の0までしか表示が無いのが特徴です。ターボ車には取り付け不可なのでご注意ください。

ブースト計の取付にかかる工賃

ブースト計の取り付け工賃は、種類により変わってくるでしょう。大手カー用品チェーンでオートギアのような、電子式であれば約8,000円~で取り付けするのが一般的です。ただし配線の引き込み場所によって、価格は変動するので現車持ち込みで見積もりを取る必要があるでしょう。

機械式の場合は配線が少ないので、取り付け工賃はもう少し安くなるでしょう。通常機械式であれば、約5,000円~で取り付けを行う所が多いです。

変わってDefiのようにユニットを使ってそれぞれのメーター類を操作するシステムでは、ユニット取り付け工賃が別途かかるので、工賃も高くなるでしょう。

ディーゼル車に取り付けできるか

ディーゼルターボ車にもブースト計を付けたいと考える方も多いでしょう。しかしディーゼル車は負圧の発生がないので、バキュームホースがエンジンルームに取り廻していないのが普通です。

圧力センサーなどはインテークに直付けしてあることが多く、ガソリンエンジンのように3つ又でバキューム配管をすることが難しいです。またターボ自体に電動アクチュエーターが採用されている車種も増え、昔のようにバキュームアクチュエーターでなくなっている事で、タービン周りにもバキュームホースがありません。

そこで何処にもバキュームホースの取り出し口が無い車種では取り付けは困難を極めるでしょう。

取り付ける方法は、既存のセンサーの穴を利用します。センサー取り付け部のネジの大きさとピッチさえわかれば、それと同じアタッチメントを購入して取り付けられるでしょう。あとは3つ又を差し込み既存のセンサーとホースを取り付けます。

ディーゼル車の負圧の解決方法

ディーゼル車には負圧が発生しないので、ブースト計は大気圧の0よりマイナス側に振れる事がありません。

ディーゼルエンジンは空気を常に100%吸い込んでおり、燃料噴射量をアクセル開度で調整してエンジン出力をコントロールします。ですからガソリンエンジンのようなスロットルバルブが無いので、吸っている空気をいきなり閉じられて負圧が発生する事がありません。

最近のディーゼルエンジンには、インテークに排気ガスを循環させるために色んな装置が取り付けられており、その中にインテークシャッターがあります。このシャッターが閉じる時だけ負圧が発生しますが、常時発生ではないので普段は大気圧0となります。

そこでディーゼルエンジン専用のブースト計を取り付けると良いでしょう。またOBD2対応のブースト計であれば負圧の取り出しの心配もないので、簡単にディーゼルエンジン車にも取り付けられます。

ブースト計で車のコンディションを知ろう

ブースト計は針の動きを見て楽しむだけでなく、使い方で低燃費運転ができたり、エンジンのコンディションを知ることができる非常に便利なアイテムです。それはチューニングカーだけに限ったアイテムではないという事です。

ブースト計は進化し続けています。デジタル化されて個人でも簡単に取り付けられるOBD2もあるので、ターボ車乗っていて日頃から低燃費に興味のある方は取り付けてみると良いでしょう。

初回公開日:2018年03月21日

記載されている内容は2018年03月21日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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