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バッテリー液の補充の仕方・漏れの原因と対策・確認方法・成分

更新日:2024年04月16日

バッテリー液の事は知っているけど、確認方法や補充方法についてわからない方も多いでしょう。そこで今回は、バッテリー液の補充の仕方、バッテリー液の確認の方法、そして漏れの原因やバッテリー液を扱う上での注意事項を詳しくご説明していきます。

バッテリー液の補充の仕方・漏れの原因と対策・確認方法・成分

バッテリーの種類

バッテリーは進化し続け、今では色んなタイプのバッテリーが販売されています。現在販売されているバッテリーは、電解液の補充が必要か必要でないかで分類できるほか、バッテリー内部の極板素材によっても分けることができます。

電解液補充による分類では、開栓式バッテリー、密封式バッテリー、ドライバッテリーとに分かれます。また極板素材ではアンチモンバッテリー、ハイブリットバッテリー、カルシウムバッテリーとに分かれ、それぞれ特徴があり、使用環境や使用回数、そしてメンテナンス回数が違ってきます。

開栓型バッテリー

開栓型バッテリーは車両に最も多く使用されている一般的なバッテリーで、使用を続けていると内部のバッテリー液が蒸発して減っていくので定期的な点検が必要です。

以前は極板素材にアンチモンを使用しておりバッテリー液が早く減ってしまうことで車両火災の原因にもなっていました。そこで現在使用されている開栓型バッテリーは、極板をカルシウムタイプとして以前に比べバッテリー液が減少しにくくなっています。バッテリーの平均寿命である3年から5年はバッテリー液を補充の必要のない製品もあります。

密閉型バッテリー

密封型バッテリーはシールドバッテリーともよばれ、バッテリー液の減少がほとんどない事からメンテナンスフリーバッテリーとも呼ばれています。

密封型バッテリーは、気密性が非常に高い構造でバッテリー液の減少がありませんから常に電極が電解液に浸かっている事から安定した充放電を行えます。そのためにこの密封型バッテリーは高性能バッテリーである事が多く、輸入車や高性能車、EV車に多く搭載されています。

バッテリー液の補充の仕方

バッテリー液の補充に水道水を補充する方がごくたまに見受けられますが、これはNGです。水道水にはナトリウムやカルシウムが含まれており、バッテリーの性能を低下させるからです。そこでバッテリーには専用の精製水や蒸留水を使用します。

バッテリー液補充準備

精製水はカー用品店のバッテリーコーナーで簡単に手に入ります。カー用品店にはバッテリー強化剤が売っていますが、強化剤はバッテリーが極端に弱った時には効果がありますが、それ以外の時にはバッテリー内の極板を痛めるので精製水で十分です。

補充する場合、バッテリーの中に入っている液体は希硫酸なので作業には十分注意が必要です。またバッテリーの電極に金属が触れるとショートしますから、工具などの金属が触れないように注意しましょう。

バッテリー液は希硫酸なので、万が一服に着くと穴が開いてしまうので、作業に適した服装に着替え、手袋と目を保護するためにゴーグルの着用をしましょう。万が一皮膚についたらすぐに流水で洗い流し皮膚に異変を感じたらすぐに皮膚科を受信しましょう。

バッテリーのキャップは手で回せるタイプとマイナスドライバーで回すタイプもあります。マイナスドライバ―が無ければコインで代用できます。

精製水とは

バッテリー液には精製水(純粋)や蒸留水を使用します。バッテリー液は硫酸と精製水の希硫酸です。精製水は無味無臭無色透明の水で、中には滅菌処理をされたものもあります。

薬局に売っているコンタクト用精製水も基本的に使用可能ですが、医療用は厳しい基準があるので工業用のバッテリー精製水のほうが安価でしょう。工業用の精製水は飲用は不可です。

精製水の補充

バッテリー液の補充は、バッテリーのキャップを外しそこから精製水を注入していきます。キャップは全部で6個あるので、慎重に中の希硫酸が飛び散らないように開けます。特にキャップの裏蓋には注意をして下さい。

注入するにはバッテリー本体の横の面にUPPER LEVELと書いてあるので、その手前まで補充します。バッテリー液を入れる時に見えにくく、どのくらい注入したのかわからない時には蓋を綺麗に拭き取り、穴に入れてバッテリー液が蓋の先端につくくらいで問題ありません。

バッテリー液を補充するには全部で6つの部屋に均等に注入します。ばらつきが出ると安定した電圧が取り出せないばかりか、負荷が偏りバッテリーの寿命を縮める事になります。

バッテリーが弱っている時や上がっている時には補充液は満水まで補充するのを避けます。それは充電により液面が上昇するからです。電極が隠れるくらいがちょうど良いでしょう。

バッテリー液漏れの原因と対策

バッテリー液が漏れる原因は幾つか考えられます。取り付け不備や過充電、バッテリー液の入れすぎ、そしてバッテリーの劣化などです。

バッテリーの取り付け不備は、車体に専用の取り付け金具で締め付けた時に締め過ぎによりバッテリー本体が破損したり、電槽の蓋が外れてバッテリー液が飛び出てしまいます。逆に緩すぎるとバッテリーが走行中に動いて破損し、バッテリー液が漏れてしまうでしょう。

過充電による液漏れは、何らかの原因でオルタネーターが故障し過充電が起こり電解液が上昇して漏れが発生する事があります。

液漏れ対策

バッテリーの液漏れ対策は、いずれの場合も定期的に点検をして規定量のバッテリー液の量を守っていれば、液漏れの発生を防ぐことができます。

もしバッテリーの液漏れが発見されたらただちに対処する必要があります。しかしバッテリーは37%の希硫酸ですから、いくら薄められているとはいえ強い酸性の液体なので非常に危険です。作業前には手袋や保護メガネをして作業をした方が安全でしょう。万が一手についた場合は流水でよく洗い流すことが大切です。

液漏れが大量にある場合は、場合によっては薬剤によりクリーニングしなければならなにので、早めに整備工場に車を持っていきましょう。時間が経過するとともにバッテリー液によりホルダーや周辺を腐食させ、修理費が増大してしまう恐れがあります。

バッテリー液の成分

バッテリー液は、無色透明の硫酸で、フル充電されている時にはその濃度は約37%です。

バッテリー補充液には精製水、強化液、強化補充液があり、この中には人体に非常に有害な硫酸マグネシウム、硫酸カドミウム、硫酸アルミニウム、コバルト、マンガン、ゲルマニウムを数%含有するものや、硫酸を1%前後含有させている物もあります。

バッテリー精製水は90%以上が精製水または蒸留水なのでこれらの含有量も少ないので大量に誤飲しなければ危険はありませんが、バッテリー補充液を他の容器に移して保管したり、小さいお子さんのいるご家庭では注意が必要です。

バッテリー液の確認方法・見方

バッテリー液を確認する必要があるバッテリーは開栓型バッテリーで、上部の蓋が6個外せるタイプのバッテリーです。

国産車のバッテリーはエンジンルーム内に取り付けてありますが、メルセデスベンツやBMWの大半の車種などはトランク内に隔壁された場所にあります。またキャデラックなどではリヤシート下部に取り付けられていますので、ご自分のバッテリーの位置を確認しましょう。

バッテリーのセルのカバーを開ける前にバッテリーを清掃する必要があります。カバーを開けてセル内にゴミが落下してしまうと性能低下につながります。清掃にはペーパータオルでも良いですが、腐食がひどいようでしたらボロ布に重曹を付けて拭き取ると良いでしょう。

セルキャップを開けて懐中電灯などで中の液量が均等に入っているか確認します。少なければ補充をします。

減る

バッテリー液が減る現象はおもに充電中に起こります。バッテリーを充電していて何らかの理由で過充電が起きると、バッテリー液が水素と酸素に分解され液が減ってしまいます。この他には、バッテリーのセルキャップから漏れてくる事もあるでしょう。

見えない

バッテリー液を適正な水準まで入っているかどうか最近の車では見る事が難しくなっています。最近の車ではエンジンルームにあらゆるカバーがあり、取り外したりする必要があるからでしょう。

バッテリーにはカバーが周りに取り付けられている事が多く、開栓型バッテリーを使用していてバッテリー液を確認したくてもカバーが邪魔して、アッパーレベルの線が確認できない事が多いです。そこで適正に確認するには、バッテリーを車両から取り外しセルキャップを開けて中を懐中電灯などで照らして確認する必要があります。

この時に液面にバラツキがある場合は、以前に補充した際にバラツキがあったり漏れがある事があるので、バッテリーをよく確認し割れなどが無いか、キャップが確実に締めることができるかを確認しましょう。

バッテリー液の比重測定の仕方

バッテリーの充電状態を確認する方法として比重測定があります。ガソリンスタンドなどで点検を受けた時に、「比重が下がっています」と言われたらバッテリーの充電量が少ない事になります。

比重の測定にはホームセンターやカー用品店で比重計を購入すれば誰でも行うことができます。普段バッテリーの比重を測ることなどありませんが、ご自身で車のメンテナンスを行う方は1本購入しても良いでしょう。

比重計の使い方

比重計にはメモリがあり、バッテリーの比重が最適なのは1.25以上1.28以下です。1.25を割り込んでいたら充電不足、サルフェーション(バッテリーの放電を繰り返すことで起こる結晶化現象)、バッテリーセルの異常が考えられます。

比重計はスポイトと同じ仕組みなので、バッテリーセル内に差し込みバッテリー液を吸い上げる事で、比重を測ることができます。比重計内に浮きが入っておりその浮きの示す値の場所を読み取ります。浮きには緑、黄色、赤と色分けされているものがほとんどで、緑が正常、で黄色は注意、赤は異常です。

比重を測る場合は全てのセル内を測りますが、1か所でも比重の値が悪ければバッテリーは弱っていると言えます。充電するか新しいバッテリーに交換しましょう。

バッテリー液の平均の値段

バッテリー液には精製水と強化液とありますが、精製水であれば300mlで100円程度から販売されています。強化液になると250mlで500円を超える商品もあります。しかし強化液は通常の補充では必要性はほとんどありませんから、安い精製水で良いでしょう。

ディーラーなどでも200円ほどで補充をして貰えますから、バッテリー液にお金をかけるより、バッテリーが寿命と感じたら新しいバッテリーに交換したほうがトータルのコストは安いでしょう。それは数百円の強化液を何回も補充しても改善が見られなければ、結局新品交換となってしまい、強化剤を購入したお金が無駄となってしまうからです。

バッテリー液の補充をしてみよう

今回はバッテリー液の補充の仕方について解説してきました。最近のバッテリーはメンテナンスフリーとなっていますが、まだまだ開栓型の補充を必要とするバッテリーも多く流通しています。

この機会に一度車のバッテリー液の確認をしてみましょう。バッテリー液が少なければこの記事を参考に安全に留意し補充に挑戦してみましょう。

初回公開日:2018年04月17日

記載されている内容は2018年04月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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