【車種別】ブレーキパッドの交換時期・サイン・リアとの違い|音
更新日:2024年10月23日
ブレーキパッドの交換時期のサイン
車を止めるブレーキパッドは消耗品なので、ブレーキパッドが減ってきたら交換をしなければなりません。ブレーキが減ってくればドライバーにわかるように交換時期を音で知らせます。
ブレーキパッドは新品で10mmほどの厚みがあり、3mm以下になったら交換が推奨されています。一般的に3万キロから4万キロ走行すると交換時期となりますが、使用状況により違いがあります。例えば高速道路を良く走る方は、ブレーキを踏むことが走行距離に対して少ないので、ブレーキパッドの交換距時期は伸びるでしょう。
通常3万キロから4万キロでの交換が推奨されていますから、車検時に整備工場で分解整備した時に交換する事が多くなるでしょう。そのため走行中にブレーキパッドが摩耗して交換を余儀なくされることは意外と少ないでしょう。
音
ブレーキを長く使用して交換時期が迫ってくると、ブレーキを踏むたびにブレーキから「キーキー」とか「ゴーゴー」といった音が出るので、その場合には直ぐにブレーキパッドの確認をしましょう。
ウエアインジケーターという薄い金属片がブレーキパッドに取り付けてあり、その金属片がブレーキパッドが2mm以下になるとディスクローターに接触して嫌な音を発し、ドライバーにブレーキパッドの交換時期を知らせます。
ディスクブレーキパッド交換時期
最近の車はディスクブレーキが主流になり、フロントブレーキには多くの乗用車がディスクブレーキを採用しています。
ブレーキパッドの残量をチェックするには、ホイールの隙間から見てもわからないのでタイヤを外して点検しなければなりません。そこでディスクブレーキの交換時期は、車検や12か月点検時に整備士がチェックをして交換します。
整備工場によっては残量が5mm程度になったら交換を薦める整備工場もあります。これは前回の交換時期から次回の点検時期までを計算して、次の点検まで現在のブレーキパッドがすり減らないかどうか考えているからです。
ドラムブレーキライニング交換時期
車のブレーキシステムにはディスクブレーキの他にドラムブレーキシステムがあります。ドラムブレーキは、ドラムの内側からライニング(摩擦材)を貼ったシューを油圧ピストンの力で押し付けて制動させるブレーキシステムです。
ドラムブレーキの交換時期はドラムを分解して計測する必要があります。ブレーキライニングの厚みは新品で5mmほどで1mm以下では早急に交換をしなければなりません。走行距離の目安としては、5万キロ~10万キロで交換時期とされていますが、車の重量や積載量、そして走り方によって交換時期は変わってきます。
ブレーキドラムは分解して目視による点検になるので、12か月点検のブレーキ分解整備時にしっかりと定期点検を受ける必要があります。
バイクのブレーキパッドの交換時期
バイクのブレーキパッドの交換時期を確認するには、ブレーキオイルのリザーバータンクの除き窓を確認します。のぞき窓にLOWERのという文字の横に線があるので、それよりブレーキオイルが下回っていたら、ブレーキパッドが減っているかブレーキオイル漏れのどちらかです。
ブレーキオイル漏れが見当たらなければ、ブレーキパッドが消耗していますので、ブレーキキャリパーを覗き込みます。ブレーキローターと接しているブレーキパッドを確認し、ブレーキパッドの溝が無くなっていれば、交換時期となります。
バイクのブレーキパッドは概ね5,000km~10,000kmで交換を推奨していますが、高速道路を多用する人と一般道路を多用する人とでは、交換時期が違うので目視による日頃の点検が重要でしょう。
リアとブレーキパッドの交換時期の違い
ブレーキシステムは前輪と後輪とでは、前輪のほうが7:3の割合でブレーキが強く効くようになっており、ブレーキパッドの大きさや種類も違うために、減り方も変わってきます。
フロントブレーキパッドが減っていたとしてもリアブレーキはまだまだ残量があることが良くある事です。そこでフロントブレーキパッドを交換と同時にまだ残量のあるリアまで交換する必要はありません。フロントとリアとでは交換時期が違ってくるのは当たり前のことです。
点検の際はすべてのブレーキをチェックします。フロントとリアで減り方が違っている場合は、減っている方を交換するだけで良いですが、左右でヘリが違った場合は、必ず左右同時に交換しなければなりません。
リアブレーキの種類
リアブレーキにはディスクブレーキとドラムブレーキの2種類が使われています。ブレーキの効きだけで見れば、ドラムブレーキのほうが制動力があります。しかし放熱性が悪いので早くフェードを起こしてしまうことと、水が浸入すると水がドラム内から抜けるまでに効きが悪くなるなど欠点も多くあります。
ディスクブレーキは放熱性も高く、水がかかっても直ぐに乾燥しますから制動力の復帰が早くなります。ブレーキの調整も必要ないことに加え、環境に強いので安定したブレーキングができます。しかしコストが高いので上級車種にしか後輪にディスクブレーキは採用されていません。
ブレーキパッドの交換費用
軽自動車から大型のSUVまで多くの車種がありますが、ブレーキパッドはその車の車重や車の性能に合わせて作られていますので、それぞれで値段は変わってきます。
工賃に関しては、フロントディスクブレーキの場合、ブレーキキャリパーの種類により工賃は5,000円から15,000円程度かかります。ブレーキパッド代は概ね7,000円~となり、高性能のブレーキパッドになれば数万円になります。
軽自動車ならフロントブレーキパッド交換で部品代込みで10,000円前後が相場となり、ミニバンクラスになると部品代込みで約15,000円前後が相場になります。
車種別ブレーキパッドの交換時期
世の中にある車によって、ブレーキパッドの交換時期はそれぞれ変わってきます。それは車重や車の走行性能に左右され、使われているブレーキパッドが違う事も原因となります。
車重の重い車は、止まる時にブレーキパッドにかかる負担が大きいので、軽量の車よりブレーキパッドは大きくそして性能の良い物が使用されています。しかし車重が重いのでどうしてもブレーキパッドの減るスピードは軽量の車種より早くなる傾向になり、交換時期は早くなるでしょう。
高性能のスポーツカーは、加速性能が良いのでその分車をブレーキで止めるために大きく高性能なブレーキパッドを使用しています。サーキットなどで使用されるとブレーキの消耗が激しくなるので、交換時期は一般道を走る車より早くなるでしょう。
MINI
MINIのブレーキ交換時期はインパネ内にブレーキ警告灯を点灯させて、ドライバーに知らせてくれます。
MINIのような欧州車は日本と違いアウトバーンなど日本よりはるかに速度が出る道路を走行することを想定して作られています。そこでブレーキシステムの考えも違い、ブレーキパッドとブレーキローターが両方すり減ることで、大きな制動力を発揮できるよう設計されています。
ブレーキ警告灯が点灯した場合は、ブレーキパッド交換だけでなくローターの交換も必要になる事を認識している必要があります。ブレーキセンサーはブレーキパッド交換時に新品と交換する必要があります。またブレーキパッドの残量をCBS(コンディションベースドサービス)というコンピュータープログラムが走行距離から計算し、表示してくれています。
ブレーキパッド交換後はCBSをリセットする必要があるので専門ショップに依頼する必要があるでしょう。
ハイエース
ハイエースは荷物を多く載せて走る人や、一人でいつも乗っている人とでは、ブレーキの交換時期に差が出るでしょう。ハイエースに乗っている方の多くは50,000km無交換の人も多いです。しかし、信号の多い道路を荷物を満載でいつも走っていれば、ブレーキパッドはもっと早く減ってしまうので、交換時期は早くなるでしょう。
リアはドラム式のブレーキなのでフロントより交換時期が長くなりますが、ブレーキドラムを分解しなければブレーキライニングの残量がわからないので、12か月点検時にドラムブレーキの分解整備を確実に行いましょう。
セレナ
セレナにMAXまで人を乗せて常に走る人はそう多くいないでしょうが、もしいつも大人数を乗せて走っているようであれば、ブレーキパッドの交換時期は通常より早くなるでしょう。
セレナはブレーキ交換を知らせるウエアインジケーターがブレーキパッドに取り付けてあるので、ブレーキパッドが減れば、異音で知らせてくれます。しかしそこまで使用することはブレーキパッド残量が極限まで少ないので、遠出している時にブレーキから異音が出たら目も当てられません。
そこで定期点検を怠らないようにして、50,000kmを超えて一度もブレーキパッドを交換したことが無ければ、一度ブレーキパッドの点検をしてみましょう。
ワゴンR
ワゴンRはフロントがディスクブレーキでリアがドラムブレーキを採用しています。軽自動車なので、その車重やパワーに見合った非常に小さなブレーキシステムが装着されています。小さい車だからといって、ブレーキパッドが長持ちするとは限りません。
ワゴンRのフロントブレーキパッドは3万キロから4万キロで交換を推奨しています。リアの場合は5万キロを超えたら交換を見据えて点検しましょう。
フロントはディスクブレーキなのでウエアインジケーターが取り付けてあり、極限まで消耗すると異音で知らせてくれますが、リアはドラムブレーキなのでブレーキライニングが消耗していても分解して目視しなければわかりません。
リアブレーキから音が出始めたらドラムを損傷する恐れがあるので、定期点検が重要になります。
タント
タントのフロントにはディスクブレーキ、リアにはドラムブレーキが採用されています。タントのブレーキパッド交換は3万キロ~4万キロほどを目安と考えた方が良いでしょう。
12か月点検で、ブレーキパッドの残量が少ない指摘があれば、迷わず交換をしましょう。残り3mm以下で整備士の方は交換を薦めるのが普通です。整備士の方は点検記録簿と、現在のパッドの状況を見て次回の点検まで大丈夫かどうか判断をして交換を薦めてきます。
交換を薦められて断った場合でも走行は続けられますが、次回の点検までブレーキパッドが持たない可能性がある事を考えると、多少パッドが残っていても交換時期と考えましょう。
ブレーキパッドがなくなるとどうなるか
ブレーキの交換時期を逃しそのまま使い続けると、ブレーキパッドは全てなくなり裏金でディスクを挟み込むようになります。ブレーキは効かなくなり、ブレーキローターに大きなダメージを与えてしまうでしょう。
ブレーキパットの交換時期を逃さないようにしっかりと定期点検を行う事で、ブレーキが効かなくなる危険から回避できますから、12か月点検で指摘されたら、まだ使えそうでも交換をしましょう。
ブレーキパッドとローター
ブレーキは、ブレーキパットでブレーキローターを挟み込みその摩擦により回転を止めています。ブレーキパッドの交換時期がくれば、ブレーキパッドだけ交換するのが、ほとんどの国産車です。しかし欧州車では、ブレーキローターも交換しなければならないことが多く発生します。
国産車でも過走行車ではブレーキローターがすり減り、交換しなければならない車両もあるので、ブレーキパッドの交換時期には、ローターの点検も行うと良いでしょう。
交換時期は定期点検で把握しましょう
ブレーキパッドの使い方は運転する人それぞれで違ってきますし、運転する環境が違えば同じ人が運転していてもブレーキパッドの交換時期は変わってきます。
ブレーキパッドには交換目安はありますが、運転の方法や環境に左右されるので一概には言えないことを理解しておくことが大事です。そして12か月点検でブレーキの分解整備を確実に行い、ブレーキパッドの残量を正しく知っておくことが交換時期を知るうえで重要になる事を覚えておきましょう。
初回公開日:2018年03月07日
記載されている内容は2018年03月07日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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