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新車の軽トラにターボがない理由・改造方法

初回公開日:2018年04月29日

更新日:2020年03月03日

記載されている内容は2018年04月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

軽トラについて人気の秘密やターボがない理由、改造する方法、中古車などを解説します。小さいのに荷物がたくさん積めて、さらに走りも楽しめるチューニングカーとして大人気ですが、なぜか新車では買うことができない、軽トラターボの耳寄りな情報を紹介します。

新車の軽トラにターボがない理由・改造方法

改造して軽トラをターボ化した体験談ややり方

日本の自動車市場では、ホンダNBOXが年間販売台数で20万台を突破するなど相変わらず軽自動車の人気が盛り上がりを見せています。その中でも注目はターボエンジンを搭載したモデルです。

現在の軽自動車のターボはエンジンの低回転域から力強いパワーを発揮できるように設計されています。そのため従来は軽自動車が苦手としていた高速道路への進入や、勾配のきつい上り坂でもスムーズに走行できることから人気を集めています。

走りの改造が人気でもターボがない軽トラ

その一方で、軽自動車をカスタマイズして遊ぶ愛好家の人に大人気なのが軽トラックです。特に走りを意識した外装のドレスアップやチューニングが魅力だと話題を呼んでいます。

しかし、走りのカスタムが人気の軽トラックには、なぜかターボ車がラインナップされていません。他の軽セダンやスポーツカー、スーパーハイトワゴンにはターボ車があるのに、なぜ軽トラにはターボが装備されないのでしょう。

そのような軽トラについて、人気の秘密やターボがない理由、改造する方法などを解説していきます。

軽トラはボルトオンターボが大人気

トラックをカスタマイズして遊ぶ自動車趣味の事を「トラッキン」と呼び、1960年代にアメリカの若者たちの間で流行していたやり方を日本に持ち込んだ物です。トラッキンは1970年代に大流行し、その後独自の方向性を見出し自動車趣味として定着しています。

現在、日本流トラッキンの定番となっているのが「軽トラトラッキン」でしょう。そのような軽トラカスタムの主流は、やはり走りを楽しむためのパワーアップや足回りのチューニングです。

軽トラの660ccの小さなエンジンを、効率よくパワーアップする方法は何と言っても「ボルトオンターボ」より他に無いでしょう。ボルトオンターボとは、元はターボが装着されない自然吸気のエンジンに、アフターマーケット品のターボチャージャーキットを取り付ける定番のチューニングメニューです。

昭和からのチューニング技術が現代の軽トラターボへ

新車の軽トラにターボがない理由・改造方法
※画像はイメージです

日本では1980年代の初期から、従来のキャブレターやタコ足マニフォールドなどのメカチューンに加えてボルトオンターボが大流行し、有名なHKSやトラストといった名門チューニングメーカーが大活躍しました。そういったターボチューニングにおける膨大なノウハウが、今、時を越えて軽トラターボへとフィードバックされています。

例えば、現在販売されている軽トラ用ボルトオンターボキットの一つにIHI(石川島播磨重工業)製のRHF-3タービンを使用した製品があります。これはアクセルレスポンスの向上とハイパワーを両立させたハイフロータービンです。

このキットを、スズキの軽トラック「キャリイ」に搭載される、総排気量658ccの水冷直列3気筒DOHCエンジンに装着した場合、標準では最高出力48馬力に対して、ブースト圧0.4kg/㎠で何と70馬力という22馬力ものパワーアップが実現するとは驚きです。

軽トラターボで見違えるほど元気な走りに

実際にこのボルトオンターボキットを装着したスズキ・キャリイのオーナーは、ノーマルとは見違えるほどに元気の良い加速に大満足しています。

また以前は高速道路で長い上り坂を走行するとスピードが出ず、やむなく登坂車線を利用して上っていましたが、このターボキットを装着してからは余裕を持って走れるとのことです。そのため、愛車のキャリイで毎日通勤をするのがとても楽になったと絶賛しています。

このターボキットはタービン本体とエキゾーストマニホールドや専用高性能エアクリーナー、その他各種配管やホース類、遮熱板などがセットになり、ひととおりのターボチューンが可能です。またターボチューンには欠かせないブースト計やタコメータなどは別途購入する必要があります。

なお、ターボキット装着後の燃料はハイオクガソリンが指定となります。

軽トラの4WD

軽トラックには通常の後輪駆動の他に、4WD(四輪駆動)車もラインナップされています。このような軽トラの4WDシステムは本来、未舗装のでこぼこ道や雪道などでの走破性を高めるための装置です。

4WDと聞くと日産GT-Rやアウディのクワトロシステムみたいなハイパフォーマンススポーツカーと同じで、ターボチューンのベースに最適と考えてしまいますが、軽トラの4WDは決して速く走るための装置ではありません。

また軽トラは4WDシステムを搭載することで約40kgも重量が重くなってしまうため、走りの性能にはかえって不利となります。チューニングベースにはやはり通常の後輪駆動車がおすすめでしょう。

MT(マニュアルトランスミッション)車

現在新車で販売されている軽トラには、5速のMT(マニュアルトランスミッション)が搭載されています。5速MTならボルトオンターボで武装した軽トラのハイパワーを、ドライバーの意のままに引き出すことが可能ですので、チューンド軽トラには最適の組み合わせでしょう。

セダンタイプの軽自動車では、スポーツモデルとして復活したスズキ・アルトワークスにも5速MT仕様がラインナップされています。やはりサーキットやストリートでスポーティーな走りを存分に楽しむなら、ドライバーがアクセルとクラッチ、シフトレバーを駆使して操るMTがおすすめです。

サーキットを本気で走るなら強化MTへの交換を

しかし、軽トラのMTは荷物をたくさん乗せても農道や坂道を走ることが可能となるよう、ギアレシオが低速向けになっています。そのため、とにかくハイパワーを追求したい人やサーキットを本気で攻めたい人は、高速走行に対応したアフターマーケット品のスポーツMTへの交換がおすすめです。

軽トラのデフロックについて

軽自動車の4WDモデルには「デフロック」という機能が備わっています。デフロックとはデファレンシャルギア(差動装置)をロックする機能です。

車がカーブを曲がる際には、カーブの内側と外側ではタイヤに掛かる路面からの抵抗に差が生じます。またカーブを通過するにはカーブの内側(イン)よりも外側(アウト)のタイヤの方が大回りになるため、走る距離にも差ができます。

車はタイヤが回転する(転がる)ことで前に進むので、カーブを通過する時は内側のタイヤは外側のタイヤよりも走る距離が少なく、その分必要なタイヤの回転数も少なくなります。このような、コーナーリング中に発生する左右のタイヤの回転差を調整する装置がデファレンシャルギアです。

軽トラの4WD車には、農道のぬかるみなどに片側の車輪がはまった際に、このデファレンシャルギアが働かないようにするデフロック機能が備わっています。

デファレンシャルギア(デフ)とは

車がカーブを通過する時に、エンジンの力をトランスミッションを通してそのまま左右の車輪に伝達してしまうと、左右のタイヤがどちらも同じ回転数で回ろうとします。

しかし、カーブでは内側のタイヤは外側よりも走る距離が短いため、これでは内側のタイヤは必要な数よりも余計に回転してしまうことになります。その結果、コーナーリング中に内側のタイヤは路面から空転してしまいます。

このように、コーナーリング中に片方のタイヤが常に空転するとスピンしやすくなり、また、タイヤの摩耗が激しくパワーを伝達する駆動系にも大きな負担がかかります。

そこでコーナーリング時に左右の車輪に伝えるエンジンの駆動力を加減して振り分け、内側と外側のタイヤの回転数を調整することで、内側のタイヤを空転させないようにする装置がデファレンシャルギアです。

軽トラをぬかるみから脱出させる装置がデフロック

未舗装の農道や山道を走ることの多い軽トラは、ぬかるみにタイヤがはまった時に脱出できるようデフ(デファレンシャルギア)をロックする機能が備わっています。

デフは、コーナーリング時に抵抗が大きい(より小さくカーブを回らなければならない)内側のタイヤの回転数を少なくして空転を防ぎ、その分抵抗の少ない(カーブを大きく回れる)外側のタイヤの回転数を増やす装置です。

そのため、片方のタイヤがぬかるみにはまって空転し抵抗がなくなると、デフはひたすらはまった方のタイヤだけを回転させようとして、はまっていない方のタイヤには全く駆動力が伝わらず、アクセルをいくら踏んでもぬかるみから脱出できません。

そこでデフをロックして機能を停止し、左右のタイヤに伝わる駆動力を同じにすることで、容易にぬかるみから脱出できるようにする装置がデフロックです。

軽トラチューンにはデフロックよりLSDがおすすめ

軽トラにターボを装着して走行性能を上げるなら、デフロックや4WDよりもLSD(リミテッドスリップデフ)の装着がおすすめです。LSDはデフの駆動力を配分する機能を制限し、より緻密な制御が可能となるように改良した、走りのチューニングには定番のパーツです。

LSDはコーナーを攻め込んだ際に、タイヤのグリップが限界を超えてスライド(横滑り)を始めても、デフの効果を制限してタイヤが空転するのを防ぎます。それによって路面をしっかりととらえて旋回することができ、より速くコーナーを脱出することが可能になります。

同時にLSDはタイヤがぬかるみにはまった時にも、デフの効果を制限することで左右のタイヤに伝わる駆動力を上手く制御して、容易に脱出することができます。

新車の軽トラにターボがない理由

新車の軽トラにターボがない理由・改造方法
※画像はイメージです

現在、新車で販売されている軽トラにターボ車は存在しません。その理由について説明します。

ただ馬力を上げただけでは乗りにくいだけ

かつては軽トラにもターボやスーパーチャージャーを装着し、パワーアップしたモデルが存在していました。それらの車は流行の軽トラカスタムに注目し、軽トラにも走りの力強さを求めるユーザーにアピールするためラインナップされていました。

しかし、当時販売されていた軽トラターボは、単に従来の車にターボを取り付けてエンジンの馬力を上げただけのモデルでした。そのため、本来は農道など路面状態の悪い道を、荷物を積載して不安なく走行できるよう設計されている軽トラでは、舗装路での走行性能はあまり期待できません。

そのため、走りの良さを想像して購入したユーザーは大きく裏切られる結果となりました。またターボによるせっかくのハイパワーも、サスペンションやトランスミッションがそれに対応していないために活用する機会があまりなく、ユーザーには変に馬力があって使いにくい車だと酷評され、あえなく販売中止となりました。

エンジンのメンテナンスに気をつかう車はダメ

軽トラターボが販売されなくなった理由には、ターボ車は従来までの自然吸気エンジン車に比べてオイル管理などが厳しいこともあります。そのため定期的なエンジンオイルの交換が必要になるなどメンテナンスに気をつかい、余計な費用が掛かります。

軽トラは仕事で荷物を運ぶための車ですので、何よりも経済性の高さが重要です。軽トラはユーザーがろくに整備などせずに放置していても、何食わぬ顔でエンジンが掛かってすぐにでも走り出せる、頑丈で手間いらずな車でなければなりません。そのため、故障したりまめな整備が必要といった使えない車では話になりません。

軽トラターボは量産車では難しい?

このように、かつて販売されていた軽トラターボは趣味の車としても、仕事の道具としてもユーザーの希望にそぐわず販売が中止されました。

やはり自動車メーカーが販売する量産車は多くの台数を販売しなければならず、どうしても広範囲なユーザーを対象とした製品となってしまうため、カスタムユーザーが好む走りに特化したモデルは、販売が難しいのが現実でしょう。

しかし、そのような自動車メーカーでも時折、度が外れたとんでもない車を登場させることが過去に何度もありました。今後軽トラカスタムの人気がますます加速すれば、誰もが驚くようなスーパーな軽トラが登場し、大きな話題となるでしょう。

ターボ化した軽トラ中古車人気3選

新車の軽トラにターボがない理由・改造方法
※画像はイメージです

中古車市場で人気の軽トラターボを説明します。

第3:ホンダ・アクティトラックSDXターボ

ホンダ・アクティトラックの先代モデルには、最高出力63馬力のターボエンジン搭載車が存在していました。

先代アクティの特徴は小ぶりなボンネットを備えたセミキャブオーバー型になっていることです。セミキャブのアクティはこの世代のみで、現行の4代目では再び初代からのフルキャブオーバー型に回帰しています。

しかし、アクティの特徴は、エンジンが車体の中央に搭載されるミッドシップレイアウトを採用しているところです。これではキャブ(室内)オーバーではなくキャリア(荷台)オーバーと呼ぶべきでしょう。

それはさておき、アクティの魅力はミッドシップレイアウトのおかげでスポーツカーみたいに素直なハンドリングを持っているところです。これは正に農道のフェラーリではなく農道のNSXです。

第2:スバル・サンバートラックTC-SC

サンバーはスバルが長年生産を続けて来た信頼性の高い軽トラックです。しかし、スバルが軽自動車生産から撤退した現在のサンバーは、ダイハツからハイゼットトラックをOEM供給されたモデルとなり、スビー(subie)憧れのスバル製サンバーではなくなってしまいました。

サンバーの人気の秘密は、他社の軽トラックとは違ってRR(後エンジン後輪駆動)方式のエンジンレイアウトを採用していることです。こちらのサンバーTC-SCモデルはターボではなくスーパーチャージャーが装着された車ですが、RRならではの発進加速の鋭さが魅力です。といっても最高出力は58馬力ですから、ポルシェみたいな走りはできません。

サンバーはもう新車では購入できない、スバルらしい個性的な軽トラックです。この車ならカスタムベースにも面白いですが、ノーマルのままで大切に乗るのもおすすめでしょう。

第1:スズキ・キャリイターボ

スズキ・キャリイのターボモデルは、初代から10代目にあたる先代DA52型と9代目のDC51型にラインナップされていました。

キャリイは新車、中古車を合わせた市場全体の流通量が多い人気の軽トラックです。キャリイターボは販売されていた期間が、1997年~2002年のわずか5年ほどと短いにもかかわらず、その頃から15年以上経過した現在も、まだ全国で10台以上の中古車が販売されています。

また、価格も安い物は20万円代からあり、カスタムのベースとして人気が高いのも頷けます。

おすすめの軽トラのターボキット

おすすめの軽トラ用ターボキットについて説明します。

キャリイ用・IHI製RHF-3タービンキット

軽トラ用タービンキットで断然おすすめなのが、中古車市場でも価格のこなれた人気の軽トラック、DA63型キャリイ用のキットです。DA63型はキャリイのターボモデルが廃止された2002年5月以降の車で市場価格も安く、カスタムベースとしては最適な車でしょう。

キットの価格は36万4,980円で、タービン本体の他エキゾーストマニフォールドや各種配管類などがセットになっています。このIHI製RHF-3タービンはアクセルレスポンスの鋭さと最高出力の向上を両立させたハイフロータービンです。これは圧縮タービンを改良してより多くの空気をエンジンに送り込むことができる高性能タービンです。

このキットを装着することにより、ノーマルキャリイのエンジンの最高出力48馬力から、何と70馬力という22馬力ものパワーアップが可能です。

軽トラとターボで楽しいチューニングカーライフを

相変わらず人気の高い軽自動車の中でも、走りを追求したカスタムが流行し注目を集めているのが軽トラックです。しかし、走りの良さを求めるユーザーが多い軽トラには、他の軽自動車みたいにターボ車がなぜか存在しません。

その理由は、軽トラはでこぼこした未舗装の農道でも、荷物をたくさん載せて安心して走行できるよう設計されているためで、単にターボを付けただけではただの扱いにくい車にしかならないからです。

しかし、軽トラにはボルトオンターボを使用したチューニングメニューがあり、キットを装着するだけで爽快なスピードトラックに変身します。これなら走り好きの軽トラ愛好家にも納得の魅力的な車に仕上がります。

あなたも走りを楽しむ自動車趣味として、軽トラターボにぜひ注目してみましょう。

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