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スノーボードのワックス・かけ方|ベース/スタンド

更新日:2024年10月04日

間もなく、ボード好きの人にとって待ちかねた雪の季節が到来します。準備はもうできたでしょうか?この記事では、スノーボードのワックスのかけ方について解説します。さらに、使うべきワックス、スクレーパーの小道具から、ワックス台までふれてみたいと思います。

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スノーボードのワックスはどれ?

お薦めの第1位は「GALLIUM(ガリュウム)」、第2位は「TOKO(トコ)、第3位SWIX(スウィックス)」、第4位は「HOLMENKOL(ホルメンコール)」、第5位は「BRIKO(ブリコ)」となります。しかし、これは好みでどのワックスも同じレベルと考えてください。

GALLIUMワックスは、創業が平成6年ですから、この中では最も若いワックス会社です。日本生まれですから、日本の雪質に最も適したワックスとなります。次のTOKOからBRIKOまでは、登場して30年以上経っていますがは衰えていません。

特に、TOKOは日本に登場して40年ほどになります。これが、この中では最も古く、かっては一世を風靡したワックスと云えます。BRIKOもよく滑るワックスです。しかし、ワックスから一時撤退し、ゴーグルなどのアクセサリー分野のメーカーとなったのですが、他の会社と共同で再度ウインタースポーツのワックス業界に参加したようです。

したがって、日本では余り馴染みが無く店頭で見かけることがなかなかできない状態です。

スノーボードのワックスのかけ方・塗り方

以下では、作業順に用意する道具を並べています。(1)~(3)まで、11種類の道具を上げておりますが、これをメーカーもので揃えようとすると4,5万はかかるでしょう。スノーボード、ビンディング、ブーツだけでやはり4,5万の出費となりますので、初心者の段階で全て揃える必要はありません。

また、そうでなくても思いがけない他の出費がかさみますので、全てメーカー製で揃えるのは経費の無駄です。スノーボードのメンテナンスに慣れてくると、ジョイフルAKとかのホームセンターに行くと代用できるものを必ず見つけられます。自分なりの工夫をしてみてください。その工夫も楽しいものになってきます。

作業工程も併せて載せていますのでぜひご参考ください。

~用意するもの~
ワックススタンド、バイス、スクレイパー(鋼鉄製、プラスチック製)、スチールブラシ、ファイバーテックス、ワックス用アイロン、ベースワックス、スクレイパー、ブロンズブラシ、ボアブラシ、ファイバーテックス

(1)ワックススタンドと周辺の道具

~ここで用意するもの~
ワックススタンド、バイス、スクレイパー(鋼鉄製、プラスチック製)、スチールブラシ、ファイバーテックスの5点

ワックススタンドを設置しよう

バイスは、日本語だと「万力」のこと、最低2個用意になります。これで、スノーボードを挟みスタンドに固定します。スタンドは、必ずしも購入する必要はありません。長方形で、使っていないテーブルがあれば代用できます。ただ、脚のぐらつきが無いように工夫してください。ぐらつくと作業がスムーズにいかないことになります。

スノーボードを新規購入の時は、次のベースワックスから作業開始になります。スクレイパーをあてるときや、スノーボードの滑走面にワックスを垂らしたりのばしたりするときは、ボードのからテールへ向かうのが基本の方向です。全ての作業はこの方向でやるものと覚えてください。

スクレイパーで作業開始

バイスをスタンドに固定し、スノーボードを載せ固定します。古いワックスをスクレイパーで剥がします。力を均等に入れて、スノーボードのからテールにかけて、丁寧にスクレーパーを充てていきます。この時、ストロークはできるだけ長くしてください。削る時の音で「シュシュ」とかわいた音がする時が、作業が上手くいっている一つの目安になってきます。

なお、スノーボードが石を踏んだりすると、かなり強烈な傷ができて場合によっては、エッジまて痛めてしまうことがあります。そんな時は鋼鉄製のものを使い、滑走面の修理を直ぐすべきです。これは、かなり固い金属でできており、エッヂすら削り取りますので、使用に当たっては最も注意が必要、自信がない時は経験豊富な人に相談するか、購入店に持ち込んでください。

次に、削り取ったワックスを滑走面からきれいに拭き取ります。まず、スチールブラシを軽くあてていきます。力を入れすぎると、変に深い溝ができますので、できるだけ柔らかく作業を進めて下さい。この作業は、ストラクチャーと呼ばれるワックスをソールに浸み込みやすくする溝を作るためにするものです。

この時、滑走面に「けば」ができまので、ワックスと一緒にそれもボアブラシとナイロンブラシで丁寧に完全にふきとります。ここまでの作業で、ワックスのしみ込みが良い、多少ザラツキ(ストラクチャーのため)のある滑走面ができ上ることになります。

(2)ベースワックスとその周辺の道具

~ここで用意するもの~
ワックス用アイロン、ベースワックスの2点

アイロンでワクシング

ベースワックスをアイロンで溶かし、スノーボードの滑走面にたらします。アイロンは、正直バカ高い値段です。競技会に参加するレベルなら使うべきですが、それ以外の場合は使い古しの家庭用アイロンで十分代用可能です。ただ、スノーボードに合わせ底面の広いアイロンが望ましいです。

アイロンの温度が高すぎないよう注意してください。ワックスの臭いが鼻につくようだと、温度は高すぎることになります。高すぎる温度は、ワックスの性質をダメにしますので、十分な注意が必要です。スノーボードソールへのワックスの落とし方は、ポタポタと間隔20cmぐらいで落とし、センターを挟み最低2列となるようにしましょう。

落としたワックスは、冷えると突起状態になります。それをアイロンで、スノーボードのからテールまで、厚みが均一になるように温度に注意して、アイロンで丁寧にワックスを延ばします。ワックスを延ばし終えたら、板が冷えるまで待ちましょう。待ち時間は、およそ1時間が目途になります。

(3)ベースワックスがけの終了とその後

~ここで用意するもの~
スクレイパー、ブロンズブラシ、ボアブラシ、ファイバーテックスの4点

ベースワックスの最後の仕上げ

冷やし終えたボードのワックスを剥がします。冷えの目安は、ワックスの面が熱が無く固化した状態を目安としてください。放置の目安時間は、ほぼ1時間でした。作業は(1)と同じです。ただ、(1)と(3)で、ブラシは使い分けるかクリーニングをしてください。そのまま使うと、せっかく塗ったワックス面に汚れが付くことになります。

スクレイパーをあてた後、ブロンズブラシを軽くあてましょう。ベースワックス処理が終わったら、いよいよ滑走用ワックスを塗り込む作業に入ります。作業は、ベースワックス処理と同じですので解説はしません。注意点は、どのワックスを塗るかの1点です。スノーボード使用時の天候、雪質の状態を予想しワックスを選ぶことになります。

(4)滑走ワックスを塗る

~ここで用意するもの~
ワックススタンド、バイス、スクレイパー(プラスチック製)、ファイバーテックス、ワックス用アイロン、滑走用ワックス、スクレイパー、ブロンズブラシ、ボアブラシ、ファイバーテックスの10点

ワキシング最後の仕上げ

スノーボードに乗るときに、予想される気温・雪温で使うワックスを決めます。TOKOだと、「LFイエロー」とか「LFレッド」とか、頭にLFとあるのが対象となるワックスです。

ベースワックス処理をした後で、アイロンを用いワックスを落としてスクレイパーをかけることになります。すでに、ベースワックス処理で説明しましたので、ここでは省略します。ただ、ここでも(3)同様、ブラシ等の使い分けやクリーニングが必要です。

初心者のスノーボードのワックスをする方法

スノーボードを始めて間もない初心者の方であれば、上のようなワックス処理はいらないでしょう。ここでは、滑走面に簡易ワックスを用いる方法を紹介します。

スポーツ店で用意するもの

簡易ワックス(固形ワックス、スプレーワックス)、リムーバー、コルク、ナイロンブラシ、キッチンペーパーの5点です。ただ、全てメーカーのものを揃えようとすると、これだけで4,5千円はかかるでしょう。ナイロンブラシなどは、ホームセンターなどにおいてあるもので、代用可能だと考えて良いでしょう。

作業工程

スタンドに代用できるものがあれば、それを使ってください。無ければ、スノーボードの滑走面を上に床に置くか、壁にテールを下にして立てかけてください。バイスまではいらないです。ボード全体が不安定にならなければ良いです。

まず、滑走面のワックス・汚れをとるために「リムーバー」を吹きかけ暫くおいて「キッチンペーパー」で拭き取ります。次に、固形ワックス(生塗りワックス)を余り力を入れないで、ワックスが厚過ぎることのないようにスノーボード全体に塗っていきます。それから、塗ったワックスが均一の薄さになるように「コルク」で丁寧にのばしていきます。

ワックスののびが足りないようでしたら、上からスプレーワックスをかけると下のワックスが溶解しのびやすくなります。それでもまだ塗りむらがありますので、ナイロンブラシをスノーボードのからテールに向かって均一にあてていきます。これで作業は終りです。

ペースト状やスプレーワックスのとき

 固形の時とほぼ同じです。リムーバーで滑走面をきれいにしてから、塗るか吹き付けます。ペースト状の時は、ナイロンブラシやきれいな布で軽く拭き上げるると終了です。

スノーボードのワックスの頻度

スノーボード初心者なのか、エキスパート(競技者を含む)なのかで、使うゲレンデ、スピードも違ってきます。したがって、一概には言い切れないところがありますが、次を目途にしてください。

ベースワックスについてですが、これは、どんな場合でもシーズン初めと終わりには、必ずかけることが大切になってきます。ベースワックスの機能は、滑走面保護と滑走ワックスのソールへの吸着率を高めることにあります。

荒れたコースやコンペ(競技会)などでハードは使い方をするときは、1日の滑りを終えたらベースワックスをかけるのを心掛けてください。絶えず、スノーボードの状態、特に滑走面の状態を把握しておきましょう。

次に、滑走ワックスについてです。基本、1日の滑り終了したら次の利用のために塗った方がよいです。大体、ワックスの持続性というのはそれほどありません。特に、エキスパートや競技者だとコースが荒れたところをガンガン行く訳ですから、ワックスは直ぐに剥がれますので、1、2回で滑り終えてたらまた塗るぐらいがよいでしょう。

スノーボードのワックスの種類

何でもそうですが、スノーボードも夢中になってくると、滑るであろうゲレンデを想像しながらのワックスがけが大変楽しいものになります。ワックスは、大きく分類すると(1)ベースワックス(2)滑走用ワックス(3)簡易ワックスの3種類になります。順を追って解説しましょう。

ベースワックス

スノーボード滑走面にベースワックスを塗ることは、化粧品のファンデーションと同じで、下地ワックスとなります。ただ、メーカーによっては滑走ワックスとしても使えるようになっているのもあります。例えば、TOKOだと以下のようになります。

かっては、専用のベースワックス(下地専用ということ)があったのですが、今は作られておりません。代わりに「NF ホットボックス&クリーニング 120g(1900円)」を使います。浸透性がよく、滑走面内部まできれいになります。

適応気温10~-30度(適応雪温0~-30度)とどんな雪質にも対応可能ですし、滑走性能も大変よくワックスとして万能なホットワックスです。ベースワックスと滑走ワックスの性質を併せ持っていますので、少しぐらいの滑走ならこれで十分おつりが来ます。

他に、よく代用するのは「NFレッド40g(1100円)」です。適応気温-2度~-11度(適応雪温-4度~ー12度)と温度幅も広く、これだけでも十分な滑走性をもたらします。シーズン初めからの利用がいいでしょう。2月を超えると、気温も上がり当然雪温も上がります。

したがって、シーズン中盤を超えたら「NF イエロー 40g(1100円)」をベースとして使うことを薦めます。適応気温10~-4度(適応雪温0~-6度)ですので、少し気温が緩んだ雪面に適したワックスです。

滑走用ワックス

スノーボードの滑走面にベースワックスを効かせてる話は上でしました。ここでのワックスは、その次に塗るワックスです。フッ素配合、フッ素とパラフィンが混合のものがあります。フッ素配合のものは、値段もバカ高く一線級の競技者が使うもので、フッ素+パラフィンのものは、ローカルな競技者向けだといって良いでしょう。

したがって、上級者であってもベースワックスで使ったパラフィン系のもので十分対応です。また、TOKOで話を進めますが、ベース用も滑走用もワックスの色と気温の温度幅が対応しています。

基本、Yellow,Red、Blueの3色となっており、気温はどちらもYellowなら(適応気温10~-4℃、適応雪温0~-℃)、Redなら(適応気温-2~-11℃、適応雪温-4~-12℃)、Blueなら(適応気温-10~-30℃、適応雪温-10~-30℃)とアバウトに覚えておくと良いでしょう。TOKOのワックスの特徴は、適応温度幅が広いということにあります。

したがって、ホットワクッシングを始めた方には、使い易く当たりはずれのないワックスとなっております。もし、スノーボードのコンペ(競技会、大会)などで、天候が急変して雪質に変化が起きたときは「エクスプレスレーシングラブオン40g(3000円)」(適応雪温度0~-30℃ 適応気温10~-30℃)などを塗ります。

少々金額が張りますが、ゲレンデを流すだけではないスノーボードのコンペだと思うと、この出費は高いものではないでしょう。

簡易ワックス

イージーワックスとも言います。固形のもの、ペーストのもの、液体のもの、スプレーのものの4種類があります。どれも扱いやすく簡単に塗れて手ごろなワックスです。スキー場にいって、気温が低過ぎてスノーボードの滑走面から、「キュキュ」と音がしたり、逆に温度が高すぎてスノーボードと雪面の間にベターとした感じがあるとき、滑走性はかなり落ちます。

走り出しても、引っかかるような感じが出たときなどがそうです。そんな時、ゲレンデに出る前にスノーボードに塗り付けて、さっと拭き取る感覚で使えます。ゲレンデを流す程度のスノーボードの乗り方なら、初心者、上級者を問わず一本は用意しておいた方がいいです。固形のものは、前に解説した初心者のワクシングに従います。

エッジにもワックスを

スノーボードのエッジは錆が付きやすいので、保管するときなど、錆止めのクリームの代わりにベースワックスをエッジをにも被るようにぬりましょう。それが、スノーボードを長持ちさせるコツです。

いざスノーボードを抱いてゲレンデへ!

ゲレンデが開いてないのに、待ちきれずにツボ足でコースを登り、スノーボードを楽しんできた経験をお持ちの方がおられるでしょう。何でもそうですが、誰よりもいち早くやってしまったという感覚には捨てがたいものがあります。

ただ、コースが整備されておりませんので、思いがけなく「スノーボードで滑走していたら石を踏んだとか」「ブッシュにスノーボードをのせてしまった」とかというトラブルで、滑走面を傷つけてしまうことがありますので、乗った後のメンテナンスは十分注意してください。

シーズン初めのメンテナンスには気持ちがはずみます、スノーボードの調整やワックスがけなどについ、鼻歌交じりということになるのは例年のこと、日常生活を離れてスノーボードで滑走する楽しみに勝るものはありません。

今年からスノーボードを始める方も、どんな楽しいシーンがゲレンデで展開するの待ち遠しく思われていることでしょう。初心の方であれ、上級の方であれ、せっかく購入したスノーボードは大切にしてください。

大切にする第一歩は、滑走面の状態を常に思いやることです。それがワクシングであり、ワクシングが大切な根拠です。自分の道具を大切にしてスノーボードの技術も高めていってください。

初回公開日:2017年11月21日

記載されている内容は2017年11月21日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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