タッチアップペンの使い方・失敗時の対処法|bmw/シンナー
更新日:2024年08月07日
タッチアップペンの使い方
車にできた小傷の補修には、タッチアップペイントが非常に便利です。容器も小さので車に積んでおいて、出先でもササッと塗れて重宝するでしょう。
その使い方はいたって簡単。容器を良く振ってから蓋を回すと細い筆が蓋についているので、その細い筆で傷を補修します。コツとしては、補修部分に盛り上げるように塗る事です。それは乾燥すると溶剤が抜けてヤセてしまうので盛り上げないと傷の形にへこんでしまうからです。
タッチアップペンの使い方は、女性のマニキュアに似ているので、意外にも女性の方が使い方に慣れているでしょう。
クリアタイプ
クリアタイプのタッチアップペンは、その名のとおり透明な塗料です。使い方は、2コート塗装や3コート塗装をした車でクリアが剥げた場合にタッチアップをします。
2コート塗装とは、メタリックやパールのベースの色の上にクリアを塗るので2コートと言います。3コートはパールホワイトの塗装の事で、ベースカラーを塗り、その上にパールを重ね塗りしてからクリアコートします。
サビ防止
車の塗装は、錆からボディーを守る役目があります。そこで塗装が割れたり剥がれた場合は、鉄板が空気にさらされるのでそこから錆が進行してしまいます。錆の発生や進行を防ぐには早めにタッチアップペンでの補修をする必要がるでしょう。
使い方は、いたって簡単で剥げた塗装面にタッチアップペンのキャップについている筆で塗っていくだけです。錆びた部分にも効果がある錆専用のタッチアップペンもあるので、錆が出ていても諦めることはありません。
製品別のタッチアップペンの使い方
タッチアップペンには色んな種類が販売されています。各自動車メーカーから発売されているボディーと同色のタッチアップペンや、ホームセンターやカー用品店で手に入るタッチアップペンがあります。
カーディーラーで販売されているタッチアップペンは、ボディーと同色の在庫が無い場合もあるので、注文となるでしょう。しかしカー用品店に無いボディー色でも確実に手に入れる事ができます。
カー用品店などで手に入るタッチアップペイントは、在庫が豊富なのでお目当てのカラーが手に入るでしょう。またクリアや錆防止剤といったタッチアップペイントも手に入ります。カー用品店で売っていないボディーカラーのタッチアップペイントは、オーダーすれば調合してもらえます。
使い方はどの種類も溶剤が含まれているので塗装中、乾燥中ともに換気を十分にして下さい。また火気厳禁となります。
ソフト99・99工房
メジャーなタッチアップペンは、ソフト99から販売されている製品でしょう。内容量は12mlで定価は税抜き600円で購入できます。
使用方法は下記のようになります。
①塗る前に油分、ワックス、錆をよく拭き取ってください。
②塗る前に容器を上下にカチカチと音がするように良く振って中の塗料を撹拌させてください。
③蓋を開けて、蓋についている筆に適量の塗料をつけて素早くキズに塗布してください。重ね塗りをする場合は、十分に乾燥させてから行います。
塗り方は、筆を走らせて塗るのではなく、点付けでキズの溝を埋めます。その時に筆につけすぎると、垂れてしまうので筆に着ける塗料の量に注意してください。
乾燥すると塗料がヤセてキズが浮かび上がりますので、乾いたら塗るの繰り返しをしてキズを埋めていきます。乾燥しても元の塗装より盛り上ったら終了です。
車種別のタッチアップペンの使い方
BMW
BMWは純正品のタッチアップペイントを購入するとベース色とクリアコートの2本セットとなります。国産品や量販店より割高ですが、車に塗った時の色ブレはほとんどありません。
使い方は、ベースコートを点付けでキズを埋めていくように塗布します。最初から厚塗りせずに焦らずゆっくりと塗布します。筆を走らせると塗らなくても良い場所まで塗布することになるので、点付けが基本です。塗って乾燥させる工程を繰り返し元の塗装より少し盛り上がったらベースコートは終了です。
ベースコートが乾燥したら一度ベースコートを研磨して周りの塗装面と高さを同じにします。ある程度周りと高さが同じになったらクリアのタッチアップペンで点付けしていきます。
クリア乾燥後に水研ぎをして中目、細目、極細めとコンパウンドを変えて周りと同化させて終了です。
スバル
スバルは、カー用品店でタッチアップペイントは手に入ります。もし自分の車のカラーが売られていなければ、オーダーすれば作ってもらえるでしょう。
ディーラーに行けば注文すると車と同じ色のタッチアップペンが購入できますが、値段はカー用品店で販売されている物よりかなり高くなります。しかし値段が高いからと言って、ディーラーのタッチアップペンの質がよいというわけではありません。
使い方は、傷をよく脱脂してからタッチアップペンを良く振ります。キャップの裏側に筆が付いているので、その筆でキズを埋めるように塗料を点付けしていきます。マスキングを貼って塗る方法がありますが、使い方を間違えると失敗の原因にもなります。
付属の筆が太いと感じる場合は爪楊枝を使うとよいでしょう。爪楊枝の先を指でほぐして柔らかくしてから塗料を付けてキズに点付けしていきます。
タッチアップペンの使い方を失敗したときの対処法
タッチアップペンを使った補修で失敗と感じたらすぐにふき取ることです。乾燥して硬化した後はタッチアップペイントを取るにはラッカーシンナーで拭き取らないと取れなくなります。
失敗と感じた場合、塗って乾燥前でしたらシリコンオフで簡単に拭き取ることができます。ふき取り方法はティシュを使うと良いでしょう。
使い方は、ティシュペーパーにシリコンオフをたっぷりとしみこませて拭き取ります。同じ面で拭き取り続けると塗料を塗り伸ばしてしまうので、ティシュペーパーの綺麗な面を常に使って拭き取りましょう。
ラッカーシンナー・スプレーシンナー
タッチアップペンで補修して乾燥した後にやり直したい場合は、ラッカーシンナーを使います。ラッカーシンナーを使うときには換気に注意して火気の近くでは使用しないようにしましょう。
ラッカーシンナーを布に少量染み込ませて拭き取ります。元の塗装はオリジナルであればラッカーシンナーで溶けることはありませんが、艶びけを起こす事があります。艶びけが起きたらコンパウンドで磨いてください。
スプレーシンナーは塗膜に良くないので吹き付けないようにしましょう。ラッカーシンナーはあくまでも布に少量取って使用するだけにとどめましょう。
布など
タッチアップペイントをふき取る際に、タオルやごわごわした布を使うと塗装面に傷がついてしまいますから、柔らかい布を使用しましょう。カー用品店で売っているワックスがけ用のマイクロファイバーのような布が適しています。
車の色別のタッチアップペンを使うポイント
車の色別にタッチアップペイントの使い方をご紹介していきます。それぞれの使い方は必ず換気に注意して、火気の近くでは絶対に使用しないことです。また手に着いた時にはペイントを剥がすのが大変ですから、ニトリルグローブを付けて作業すると良いでしょう。
白
白いボディーカラーの車は、キズができると黒っぽくなります。最初に油分やワックスをシリコンオフできれいに拭きとります。タッチアップペンをカラカラ音がするように良く振って中の塗料を撹拌させます。
塗装する場所を片手で塗布するのではなく、右利きなら左手で右手首を支えてキズ部分に点でキズを盛っていきます。筆を走らせて塗ると失敗の基になるので、点で塗料を置いていくようにします。付属の筆が太いのでごく小さな傷の場合は、爪楊枝に塗料を付けてキズを埋めます。
乾燥後、周りの塗装面よりわずかに盛り上がるようにできたら磨き作業に入ります。磨き作業は1週間後をめどに行うようにしましょう。
文房具のプラスチック消しゴムに2,000番の水研ぎペーパーを巻き付けて優しく塗装面を研磨します。研磨して周りと高さが揃えば、コンパウンドの細目で磨いて艶が周りと同じになれば終了です。
黒
黒色のタッチアップペンの使い方は、塗料を塗布するところまでは白と同じです。その後の研磨作業ですが、黒色は傷が目立ちやすいので研磨の際は広範囲に行わないように注意します。
タッチアップペンで塗ってから1週間後に、2,000番の水研ぎペーパーで周りの塗装と同じ高さになるまで研いでいきます。途中で磨き具合を見ながら進めると良いでしょう。周りと塗装面の高さが同じにならば、水研ぎは終了です。
コンパウンドの細目で、水研ぎのペーパー目を消しながら完全に周りと同じ高さになるまで磨いていきます。周りと同じ高さになれば、コンパウンドを極細目に変えて艶を出していきます。黒系なら液体コンパウンドで鏡面仕上げする事でさらにキズがわからなくなるでしょう。
シルバー
シルバー系のタッチアップペンの使い方のポイントは、シルバーでタッチアップしたらクリアのタッチアップペンでその上にもう一度タッチアップする事で元の色に近付けることができます。
ベースのシルバーを塗ってから1週間後に研磨作業をしてクリアを塗っていきますが、この時に2,000番の後コンパウンド掛けの必要はありません。水研ぎ後、クリアで補修してさらに一週間後に研磨作業すればほとんどキズはわからなくなるでしょう。
赤
赤色は隠蔽性が悪いので、タッチアップペンを良く振って撹拌させてから使用します。
使い方は、塗った面が乾燥してヤセてくるとキズのくぼみが見えるのと同時に下地も透けてくるので、乾燥と塗装を繰り返しながら、下地が見えなくなるまで塗っていきます。
乾燥後の磨き方は、黒色と同じ方法で行えばよいでしょう。焦ると失敗しますからゆっくりと丁寧に進めることがポイントです。
ネイビー(濃紺)
ネイビーカラーは、濃色になるので黒色と同じ使い方でタッチアップペンでの補修ができます。
ポイントとしては塗った時に元のボディーカラーと色が違う事が多いので、その時に焦らないことです。乾燥すると色が安定してオリジナルの塗装色に近い色となるでしょう。
基本的な使い方を守れば綺麗にネイビー色もほとんどキズがわからなくなるまで補修ができます。下のソフト99のひっかき傷の補修方法の動画が参考になります。
タッチアップは意外に簡単
今回はタッチアップペンの使い方を解説してきました。基本を守って慌てずに作業すれば誰でもきれいに修復が可能です。
重要な事は車のボディーカラーを確認する事です。例えば同じ白でも同じメーカーの中にも何種類と白色がありますから、自分の車の色さえ見つければ簡単に補修することが可能となります。
材料費も安いのでコキズに悩んでいたら、まずはタッチアップペンでの補修を選択してみるとよいでしょう。
初回公開日:2017年12月23日
記載されている内容は2017年12月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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