車検の時の牽引フック・取り付け方法|公道/リア
更新日:2024年07月03日
そもそも「車検」ってなに?
まずは「車検」についてご説明します。
車を運転される方ならご存知のはずですが、法律で2年に1回、車検を受けなければならない決まり(新車の場合のみ、初回の車検の有効期限は3年)になっています。車検時において、その車が安全かどうか、排ガスの規定に沿っているかなどをチェックをし、車が公道を走ってもいい基準に達しているかを検査してくれるのが「車検」です。
その車が保安基準を満たしているかどうかを国が判断する検査になるので、この車検をクリアしなければ公道を走ることはできません。もし、車検の有効期限が切れた状態で公道を走ってしまうと、罰則が科せられますので、車検の有効期限には常に注意しておきましょう。
車検時での車の状態を見てくれるものになるので、2年後の次の車検まで安全を保証するということではありません。ですので、定期的な点検、メンテナンスは各自で行なう(整備してもらう)必要があります。
車検を通らなかったら公道を走れない!
上述したように、車検を無事クリアした車だけが公道を走れるようになります。逆の言い方をすると、車検を通れなかった車は公道を走ることができません。つまり、車検の有効期限が過ぎている車や、車検時に保安基準をクリアできていなかった車は、公道を走ってはいけないルールになっています。
前述でも触れましたが、車検をクリアしなかった車を公道で走らせると、違反点数6点、30日間の免許停止、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金があり、かなり重いペナルティが科せられます。
これは法律で決められているルールですので、きちんと車検を受けて検査に合格するよう準備、整備しておきましょう。万が一、車検をクリアできなかった場合や有効期限が切れてしまってる場合は、公道を走らせてはいけません。十分にご注意ください。
「車検」と「定期点検」の違いは?
ちょっと似ている「車検」と「定期点検」の違いについてご説明します。
「車検」とは、上述したように、その車が公道を走っていい基準に達しているかどうかを見ます。道を走らせるための最低基準と言っていいでしょう。これは法律で決められてるので、最低限必要な手続きです。
一方「定期点検」とは、その車が安全に走行するためのメンテナンスになります。車の健康診断と言ったところでしょう。摩耗している部品や、このまま走っていたら危険になる可能性のある部品を交換したりして、事故や故障を起こさせないための予防点検が「定期点検」と呼ばれます。
したがって、両者の違いは、「車検」は車を走らせるための最低基準で、「定期点検」は車が安全に走れるようにするための予防点検です。
牽引とは?
車検時の牽引フックのご説明の前に、まずは「牽引」の意味についてお話します。
「牽引」とは、辞書で調べてみても「引っ張る」という意味がありますが、車においても同様の意味です。つまり、車が車を引っ張って移動することを「牽引」と言い、自走できない状態である車両を、別の車両が引っ張って移動させることを指しています。
たとえば、事故車両や故障した車をレッカー車が移動させてるのを一度は目にしたことがあるでしょう。あれはまさにレッカー車が故障車を牽引している(引っ張って移動している)状態で、故障やトラブルで走ることができない車を、牽引フックで他の車両に繋いで移動させています。
牽引する場合は「けん引免許」が必要?
車を牽引するなら、特別な免許が必要だとお考えの方もいるでしょう。実際に「けん引免許」と呼ばれる牽引する際に必要となる特殊な免許もありますが、このけん引免許が不要になるケースもあります。
実は、けん引免許が必要になる場合というのが「自走できない状態の車両が750kgを超える場合」と決められています。したがって、車両の重さが750kgより小さい場合はけん引免許は不要です。ですが、軽い自動車で750kg以下のものもありますが、そんなに数は多くありません。普通乗用車の多くは750kgを超えるため、けん引免許が必要になる場合がほとんどでしょう。
ただ、故障車に限り、牽引フックなどを使って免許なしで牽引してOKとなっています。したがって、故障してない車を牽引する場合には免許は必要になるけど、故障している車なら免許なして牽引して大丈夫です。
牽引フックとは?
車を牽引するためには、「牽引フック」というものを車の所定の場所に取り付けてロープなどを通して牽引します。どの車にも、あらかじめ牽引フックを取り付ける場所は設けられているのでご安心ください。
間違ってバンパーにロープを通すことがないように十分に注意しましょう。牽引フックにロープを通して引っ張らないと大変危険です。もし、バンパーにロープを通して牽引してしまうと、バンバーが外れて破損してしまいますので、必ず牽引フックを活用してください。万が一に備えて、スペアタイアの近くや工具箱などと一緒に牽引フックとロープを入れておくと安心です。
このように、牽引フックにロープを通して引っ張ることによって、安全に、そして車を損傷させないように牽引することができるようになります。
車検切れの車を牽引移動しても大丈夫?
中には車検の有効期限内に車検を受けることができずに、有効期限が切れてしまった方もいるでしょう。そういう場合は、牽引フックやロープを使って引っ張って車検会場に持って行っていいと思うかも知れませんが、それは間違いです。実は、車検切れの車を牽引して運ぶことは違法になりますのでご注意ください。
牽引の場合、車のタイヤが地面に接触しており、移動する際に牽引される車のタイヤが回転し、これが「自走している状態」とみなされるため、公道を走っていると解釈されます。したがって、車検の切れた車を牽引で移動させることは、車検の切れた車が公道を走っていることと同意になるので、牽引することができません。覚えておきましょう。
車検切れの車はどのように移動すればいい?
車検が切れた車は牽引フックとロープなどを使って引っ張って移動させるのは違法だと説明しましたが、もし万が一、車検の有効期限が切れてしまった場合はどのように移動させればいいのでしょうか。なんとかして移動させて車検会場(整備工場やディーラーなど)へ持って行かないと、車検が受けられないため、永久に行動を走ることができなくなってしまいます。
車検が切れてしまった車の移動のさせ方について、以下で2つの方法をご紹介します。
【方法1】キャリアカーに載せて運ぶ!
万が一、車検が切れてしまった車を移動させたい場合、車をキャリアカーなどに載せて運ぶ方法があります。車を「荷物」として運ぶイメージです。これなら、車検が切れた車が公道を走ってるわけではないので、全く違法ではありません。安心してキャリアカーを利用して、車検会場まで運んでもらいましょう。
ただし、キャリアカーなどで車を運んでもらう場合、運送するのに費用が発生します。ですので、もし利用しようかと考えているのであれば、あらかじめ費用がどれぐらいになるのか調べておいてください。車検でも費用がかかりますので、キャリアカーを利用して車検を受ける場合、総額費用がどれぐらいになるのか事前に把握しておくほうが良いでしょう。
【方法2】仮ナンバーの取得!
キャリアカーを利用する以外にも、「仮ナンバー」を取得し装着すれば、車検が切れた車でも公道を走らせることが可能です。「仮ナンバー」とは、検査などの理由に限り、検査会場までは走らせていいという緊急の臨時的措置になるので、申請時に記入した目的地、運送経路など、申請時に記入した所以外を走ってはいけません。
この仮ナンバーは役所か陸運局にて発行してもらうことができ、返却も義務付けられております。発行手数料が1件につき750円かかりますが、キャリアカーを利用するより遥かに安く済みますので、車検会場までしか移動させない場合なら、仮ナンバーを取得した方がお得です。
申請時には、免許証、自賠責保険証(原本)、車検証、印鑑が必要になりますので、手数料と一緒に持参して申請してください。
牽引フック取り付け時の注意点!
牽引フックをかけるのには、牽引するために取り付ける場合と、単に車のおしゃれとして「ドレスアップ」の目的で取り付ける場合の2パターンがあり、どちらの目的であっても、車両に取り付けることによって「自動車の構造、装置の軽微な変更」に当たるので、牽引フックをつけたまま車検を通すことも可能です。
ただし、車検を通すには「保安基準」を満たさなくてはなりません。「車検が通った車」とは、「公道を走っていい車」という意味になりますので、車検を受けるわけじゃないからと言って適当に牽引フックを取り付けるのはやめましょう。きちんとルールを守って装着してください。
それでは、牽引フックを取り付ける際の注意事項についてご説明します。
牽引フックのルールとは?
一つ目の注意点は、「鋭い突起物でないこと」です。つまり、鋭い突起物を装着してはいけません。これは歩行者や他の交通の安全を妨げてはいけないと法律で定められているからです。
次に「牽引フックを取り付けた時の寸法(車の全長・幅・高さ)と車の重量が一定の範囲内であること」に注意してください。牽引フックを装着して飛び出た部分も含めた全長の長さが±3cm位内、幅は±2cm、高さは±4cm以内(詳しくは以下のリンクを参照)であることが決められています。装着してこれらの長さを超えてしまうような牽引フックは認められていませんのでご注意ください。
最後に「牽引フックを溶接またはリベット以外の方法で取り付けすること」です。溶接やリベットで取り付けてしまったものは走らせてはいけません。
これらのルールを守って取り付けた場合は、牽引フックをつけたまま公道を走らせることが可能になります(車検に通ります)。
牽引フックの取り付け方は?
上述したように、牽引フックは溶接・リベット以外の方法で取り付けを行ってください。牽引フックを取り付ける場所は、車両により若干異なります。
バンパーに蓋がついていて、その蓋を開けると牽引フックがかけられる仕様になっていたり、車両自体に牽引フックがかけられる穴が開いているタイプなど、車両ごとに異なるので、取扱説明書を読むなどして、自身の車のどこに牽引フックがかけられるか確認しておきましょう。
車検の時の牽引フックをご紹介!
車検に通る牽引フック(付けたまま走行可能な牽引フック)をご紹介します。
上述しましたが、ポイントは3つです。一つ目は「鋭い突起物でないこと」、二つ目は「牽引フックを装着した状態で、フックを含む全長・幅・高さ・重量がある一定の範囲内であること」、三つ目は「溶接・リベットでの取り付けじゃないこと」です。
これら3点を守れる牽引フックにしましょう。
sabelt/サベルト「TOW STRAP」
通常、金属製の牽引フックが主ですが、繊維製品のベルトタイプのフックもがあります。
特徴はなんといっても「軽さ」と「収納性」で、これらは装着しても上述した「牽引フックを含む全長などがある一定の範囲内」で収まるため、車検時に装着しておくのであれば、かなりです。
ただ、繊維製品のベルトタイプなので、雨や土埃などの汚れには弱いです。ずっと付けっぱなしにしておくなら、定期的に洗浄するなどしないと、見た目が悪くなる可能性があるでしょう。
ですが、使わない時は丸めてゴムや紐で収納しておき、いざ使う際にはゴム(紐)を外してベルト部分を伸ばして牽引に使うという方法ができるので、機能的にはとても優れています。
JUDING「トーフック レーシング レッド」
この牽引フックは、リア用のフックですので、車の後ろ部分に付けるタイプの牽引フックになります。
コスパが非常に優れています。値段のわりにとてもしっかりした作りになっており、また色味もきれいなので見た目がかなり引き締まるでしょう。実際に牽引する目的でなくても、ドレスアップ目的でもの牽引フックです。
また、汎用タイプになるので、ほぼ全ての車両に対応しているのも魅力の一つです。ただし、中には対応してない車もあるので購入前には一度確認しておいてください。
「あまり期待してませんでしたが、届いてビックリ。めっちゃクオリティ高い頑固な作り。コスパ最高」
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公道も走れる牽引フック!
公道を走れる車に付ける牽引フックは、車検時の牽引フックと押さえるポイントは同じです。大事なことなので何度も言いますが、「鋭い突起がない」「フックを付けて全長の長さなどがある一定の範囲内に収まる」「溶接やリベットでの取り付けではない」の3点を守ってください。
公道を走れる牽引フックの中でも、特にマツダのRX8 (SE3P)に付けるのに牽引フックをご紹介します。
MC TOOLS「トーフック」
マツダの「RX8」に取り付ける牽引フックはMC TOOLSのトーフックです。強度や重量感があり、きれいな質感が特徴で、さらに可倒式なので、フックを装着した後は倒しておくと見た目がかっこよくスタイリッシュに決まります。
ドレスアップ目的の人にも牽引するためにフックを探している人にも、どちらにも牽引フックと言えるでしょう。
この牽引フックは着脱式となっているので簡単に装着することができ、フロントでもリアでも取り付け可能な汎用アイテムです。
取付可能な代表車種は、マツダはRX8(SE3P)、デミオ(DF3FS/DE5FS)、スズキではスイフトスポーツ(ZC31S/ZC32S/ZC11S/ZC71S)のフロント、ダイハツはムーヴカスタム(LA150S/LA160S)です。この他にも取付可能な車種はあるので、購入ページにて確認をしておいてください。
「白のスイスポに乗ってるので、アクセサリーとして購入しました。赤色が目立って最高っす!購入してよかったです」
「品物は良い感じですが、適当に購入したら取り付け出来ませんでした!」
「見た目は良いです。ダイハツMOVEに装着できました。」
「スイフトスポーツ ZC32S 用に買いました。この価格で大満足です。
出典: https://www.amazon.co.jp/MC-TOOLS-%E7%89%BD%E5%BC%95%E3%8... |
何より安くて満足」
牽引フックのステッカーは?
牽引フックのステッカーは、「矢印(→)」の形をしており、ステッカーの矢印の先に牽引フックをかける箇所がくるように貼り付けますが、これは、「牽引フックはここにありますよ」「牽引フックをかけるところはここですよ」と示すものになります。
レーシングカーを連想させるようなかっこいいイメージもあるステッカーですが、以下で牽引フックのステッカーをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
やりすぎ倶楽部「キルスイッチステッカー」
こちらの商品は、牽引フックのステッカーだけでなく、消化器やイグニッションスイッチなどを表すステッカーも入っているバラエティパックで、雨や夕方などでも視認しやすいように反射シートになっています。
これは主にレース車両向けのステッカーが詰め込まれているタイプのものになりますが、JAF公式戦には一部対応してないものもあるのでご注意ください。草レースで走る車なら問題ありません。
また、レーシングカー向けのステッカーだからと言って、普通乗用車に付けてはいけないわけではないので、自分の好きなデザインがあるなら、気にせずおしゃれ目的でどんどん使用していきましょう。これだけステッカーが入って2000円前後となっており、大変コスパにも優れています。
牽引フックのカバーは?
では次に、牽引フックをかけるところに付けるカバーをご紹介します。
Topcustomer「牽引フックカバー」
こちらのカバーは取り付けが簡単で、なおかつコスパも非常に優れているのでです。
ただ、対応していない車種もあるので、購入を検討されてる方は、自身の車に装着できるのか確認の上、ご購入ください。
牽引フックを付けるならルールを守ろう!
牽引フックについてご説明、ご紹介してきましたが、ドレスアップのために付ける場合も、実際に牽引する際に取り付ける場合も、全てルールを守った上で取り付けを行なうことが大前提です。
牽引フックは、「鋭く尖ってないもの」「フックを含めた全長などの長さや重さが一定範囲内のもの」「溶接・リベット以外の方法で取り付けしたもの」、これらの3つのルールを守って取り付けをしてください。これらを守れなかったら公道を走ることができません。
ぜひ自分の車の色に合いそうなデザインを選んで、自分好みの車にカスタムしていきましょう。
初回公開日:2018年05月11日
記載されている内容は2018年05月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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