イモビライザーの解除方法・合鍵の作製方法・仕組み・盗難
更新日:2024年09月21日
イモビライザーの解除方法について
最近、社会的にセキュリティーの問題が多く取り上げられていますが、自動車の世界でも盗難防止装置などのセキュリティーシステムが、日本の自動車メーカーでも積極的に市販車に導入されつつあります。
それは、近年増え続けている自動車の盗難被害が背景にあり、中でも自動車窃盗グループによる組織的な犯行によって盗まれた車が、海外へと輸出され高値で販売されているという現実があります。
凶悪な自動車窃盗犯から愛車を守る装備として、注目を集めているのがイモビライザーと呼ばれる画期的な盗難防止装置です。イモビライザーは、欧州やアメリカの自動車メーカーでは広く普及が進み、最近は日本のメーカーでも導入される車両が増加しています。
そのようなイモビライザーについて、その成り立ちや仕組み、盗難被害と対策、また解除の方法や合鍵の作製方法などを解説していきます。
イモビライザーランプの点滅
イモビライザーが作動すると、フロントウインドー近くのダッシュボード上に設置されたインジケーターランプが点滅して、イモビライザー装着車であることを窃盗犯に知らせて盗難防止対策を行います。
イモビライザーのインジケーターランプを解除するには、リモコンキーやスマートキーなどを使用してドアロックを解除すると、自動的に点滅が止まります。
イモビライザーが故障した時は?
車を駐車してエンジンを切り、車外に出てドアをロックするとインジケーターランプが点滅してイモビライザーの作動を知らせますが、ドアロックを解除してもランプの点滅が止まらない場合は故障が考えられますので、ディーラーや購入したお店ですぐに点検してもらいましょう。
イモビライザーの不調を放置したままにしておくと、誤作動によってキーを差し込んでもイモビライザーが解除されず、エンジンが始動できない場合がありますので、異常を発見したらすぐに相談して、不具合がないか調べてもらいましょう。
イモビライザー警告灯について
イモビライザー装着車には、メーターパネル上にイモビライザーの作動を知らせる警告灯が装備されています。エンジンを停止させると同時にこの警告灯が点灯し、イモビライザーが作動します。
警告灯を消すには、イモビキー内臓のスマートキーを携帯して、ブレーキベダルを踏みながらプッシュ式スターターボタンを押してエンジンを始動させると、同時に警告灯が消えます。
イモビライザーの合鍵を作成する方法について
イモビライザーの合鍵を作製する方法について説明します。
中古車などを購入した場合、以前の所有者が紛失したなどの理由でイモビキーのスペアが付属していない場合があり、万が一キーを無くした時のことを考えると非常に不安です。そのため、イモビライザー装着車用のスペアキーを自動車ディーラーに依頼して作成してもらいます。
ディーラーでスペアキーを作成する方法
イモビキーのスペアを作成するには、新車購入時にイモビライザーのID番号が記入されたタグが付属していますので、通常はその番号を元にして容易に作成が可能です。しかし、中古車ではそのようなタグが付属していないことが多く、そのままではスペアを作成することができません。
その場合は、鍵と車の鍵穴を分解してキーシリンダーに刻印されている番号を確認する必要があり、それでも番号が判明しない場合はキーユニットを全て交換しなければなりません。
しかし、メーカーで車台番号と同時にイモビライザーのID番号を記録している場合もあるため、その方法であれば問題なくスペアキーを作成することができます。発注書にサインをしてキーが届くのを待つだけです。
スペアキー作成に掛かる料金
イモビライザー装着車のスペアキーを、上記の方法で作成してもらう場合は、例えばホンダ車の場合、部品代が18,360円、工賃が1,944円で合計20,304円の料金がかかります。このように、イモビライザーのID番号さえわかれば、他の国産車でもキーの製造に必要な金額のみでスペアを作成できます。
工賃は約2週間で、スペアキー完成後に愛車をディーラーへ持ち込み、セキュリティーの設定作業をしてもらって完了です。
イモビライザーの盗難防止策について
イモビライザーは、強力な盗難防止装置として車に装着されていますが、自動車窃盗犯はあらゆる手口でイモビライザーを解除し、車を盗み出しています。そのため、メーカー側も販売する車両のセキュリティーシステムを強化し対策を行っています。しかし、それでも窃盗の手口はますます巧妙化し、窃盗被害があとを絶たないのが現状です。
そのような、盗難手口のひとつとして話題となっているのが、リレーアタックと呼ばれる最新のイモビライザー解除方法です。
イモビライザーを無効化する恐怖のリレーアタック
現在、多くの車に装備されている、ポケットなどに入れて所持しているだけでセンサーが反応し、ドアロックやエンジンの始動が可能なスマートキーなどのイモビライザーキーは、常時微弱な電波を発信しています。この電波で、車に搭載されたセキュリティーシステムと通信を行うことで、ドアロックの解除やエンジン始動を行います。
リレーアタックは、例えば商業施設などの駐車場でオーナーが車から離れた際、後方から自動車窃盗犯がこっそりと近づき、特殊な受信機でスマートキーから発信される電波を受信します。
その電波を、今度は車両側にいるもう一人の窃盗犯が持つ受信機へと飛ばします。すると、電波を受信した窃盗犯は、オーナーが持つスマートキーを所持しているのと同じ状態になり、ドアに触れただけでロックを解除し、そのままエンジンを始動させて車を盗み出すという何とも恐ろしい手口です。
リレーアタックへの盗難防止対策は実は簡単
この恐怖のリレーアタックに対抗する盗難防止対策は、とても簡単な方法で行うことができます。それは、犯人が持つ受信機にスマートキーからの電波を受信させないことです。
車のオーナーが、ポケットやバッグなどに入れてスマートキーを持ち歩く際に、百円ショップなどで販売しているアルミ製のケースに必ず入れておくことで、外部に電波が漏れるのを防ぐことができ、リレーアタックを使う窃盗犯から愛車を守ることができます。
イモビライザーの仕組みについて
イモビライザーの仕組みについて説明します。
イモビライザーとは、エンジンの始動やドアロックを電子制御によって管理する盗難防止システムです。専用のイモビキーに組み込まれた「ICチップ」には、車両ごとに異なるIDコードが記録されています。
その情報を、キーから発信される微弱な電波によって、車両に搭載された電子制御照合装置に受信させることでイモビキーを識別し、ドアロックの解除やエンジンの始動ができるようになります。
イモビライザーの反応の見分け方
車を中古車で購入した場合、その車にイモビライザーが装着されているのか分からないことがあります。
愛車がイモビライザー装着車かどうかを見分ける方法は、エンジンを停止させた際にメーターパネルにある「イモビライザー作動警告灯」が点灯するかどうかで判断することができます。
イモビライザーを後付けする方法は?
購入した車にイモビライザーを後付けする方法について説明します。
現在、アフターマーケット品の盗難防止装置としてイモビライザーが販売されており、ネットショップなどで購入することができます。しかし、そのような商品はメーカー純正品とは異なり、ICチップによる電子制御識別装置ではなく機械的に車のイグニッションシステムやセルスターターへの通電をカットする方式です。
しかし、そういった機械式のイモビシステムは、取り付けを行うショップの技術力によって非常に優れた盗難防止効果を発揮せることができるため、愛車のセキュリティーが気になる人や盗難に遭いやすい車種のオーナーは、ぜひ一度相談してみましょう。
イモビライザーは最新の盗難防止装置
イモビライザーについて、その成り立ちや仕組み、盗難被害と対策、また解除の方法や合鍵の作製方法などを紹介しました。
車の窃盗被害は年々増加しており、中でも自動車窃盗団による組織的な犯行が大きな問題となっています。そういった悪質な犯罪から愛車を守るために、近年導入が進められている装備がイモビライザーです。
イモビライザーは、キーに埋め込まれたICチップ内に記録したID情報を、微弱な電波により発信することで、車に搭載した電子制御照合装置が受信し、キーを識別することでドアロックの解除やエンジンの始動を行うことができる、最新のカーセキュリティーシステムです。
窃盗犯は、あらゆる手口を使ってセキュリティーを破り車を盗み出しますが、それでも、イモビライザーは有効な盗難防止対策として進化を続け、普及が進んでいます。
あなたも大切な愛車を奪われないために、イモビライザーにぜひ注目しましょう。
初回公開日:2018年04月18日
記載されている内容は2018年04月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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